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第104話『白銀の姫、学園潜入──転入生は王女様!?』
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朝のHR直前。
いつもの教室。だが、今日は微妙なざわつきが漂っていた。
「なぁなぁ、転校生来るってマジ?」
「女子?男子?」「しかもなんか外国人らしいぞ!」
クラス中が軽い興奮状態だった。
そして、担任が入ってきた。
「静かにー。えー、今日は特別に転入生を紹介する。皆、仲良くしてやってくれ」
ドアが静かに開く。
──入ってきたのは、
銀色の髪をふわりとたなびかせた、美少女だった。
白い肌に、澄んだ青色の瞳。
すらりとした立ち姿、どこか品のある微笑み。
制服も着崩すことなく、完璧に着こなしている。
「……っ!」
武尊は、その瞬間に悟った。
(間違いない。昨日、俺を助けた──あの“仮面少女”だ!!)
美少女はにこやかに一礼すると、流れるような日本語で自己紹介を始めた。
「皆さま、はじめまして。わたくし、イレーネ・フォン・エーデルヴァイスと申します」
「え、フォンって、あの、貴族の──」
「エーデルヴァイスって、どこかの国の名前じゃ……」
ざわざわと広がる囁き声。
イレーネはまるで気にする様子もなく、柔らかく続けた。
「日本文化、特にアニメや漫画、VTuberなどのサブカルチャーを学びたくて、こちらに参りました。
どうぞ、よろしくお願いいたします」
完璧すぎる自己紹介。
完璧すぎる微笑み。
完璧すぎる正体隠蔽。
──だが、知っている。
武尊は、知っている。
(こいつ、絶対中身“腐女子姫”だああああ!!)
机をバンバン叩きたい衝動を、必死でこらえる武尊。
顔が引きつり、冷や汗が滝のように流れる。
「大和ー? どうした? 顔色やべーぞ?」
隣の悠斗が心配そうに覗き込む。
「い、いや、なんでも……ない……(あるけど言えない)」
担任が黒板を叩く。
「じゃあ、席は……あー、ちょうど空いてるあそこだな。大和の後ろ」
「は?」
運命のイタズラか、神の悪戯か。
イレーネは、ニコリと微笑みながら武尊の後ろの席へと歩み寄る。
(ああああああああああ!! 背中越しに殺気を感じるぅぅぅ!!)
座るなり、イレーネは武尊にだけ、こっそりと囁いた。
「──また、会えましたわね、殿下♡」
震えた。
背筋が凍った。
膝が笑った。
「な、なんでここに……!」
「ふふふ。もちろん、“推し活”のためです」
この女、自由の仮面をかぶった“王族級の爆弾”だ!!
* * *
休み時間──
「ねぇ、大和。さっきの子、知り合い?」
千夏が胡散臭そうに覗き込んでくる。
「い、いや、知らねぇし! 初対面だし! 赤の他人だし!」
ことねは冷静なジト目。
「……反応が過剰だよね。何かある」
イザベラは不思議そうに首をかしげる。
「でも、とても気品あるお嬢様でしたわね。……どことなく“同じ空気”を感じましたわ」
(同じ空気=政略婚危機!!!!)
武尊は心の中で絶叫していた。
そのころ、当のイレーネはクラスの女子たちに囲まれ、
「きゃー! 銀髪お姫様かわいいー!」
「一緒にプリ撮ろ!」
と完全にアイドル状態になっていた。
(頼む……頼むから普通に学校生活してくれ……!
腐女子力とか王族バレとか全部隠してくれぇぇぇ!!)
だが、祈りは無惨にも打ち砕かれることになる。
なぜならこの姫、すでに次なる爆弾を抱えていたから──
それは、
『殿下総受け妄想ノート』
という、恐るべき黒い手帳の存在だった。
(続く)
いつもの教室。だが、今日は微妙なざわつきが漂っていた。
「なぁなぁ、転校生来るってマジ?」
「女子?男子?」「しかもなんか外国人らしいぞ!」
クラス中が軽い興奮状態だった。
そして、担任が入ってきた。
「静かにー。えー、今日は特別に転入生を紹介する。皆、仲良くしてやってくれ」
ドアが静かに開く。
──入ってきたのは、
銀色の髪をふわりとたなびかせた、美少女だった。
白い肌に、澄んだ青色の瞳。
すらりとした立ち姿、どこか品のある微笑み。
制服も着崩すことなく、完璧に着こなしている。
「……っ!」
武尊は、その瞬間に悟った。
(間違いない。昨日、俺を助けた──あの“仮面少女”だ!!)
美少女はにこやかに一礼すると、流れるような日本語で自己紹介を始めた。
「皆さま、はじめまして。わたくし、イレーネ・フォン・エーデルヴァイスと申します」
「え、フォンって、あの、貴族の──」
「エーデルヴァイスって、どこかの国の名前じゃ……」
ざわざわと広がる囁き声。
イレーネはまるで気にする様子もなく、柔らかく続けた。
「日本文化、特にアニメや漫画、VTuberなどのサブカルチャーを学びたくて、こちらに参りました。
どうぞ、よろしくお願いいたします」
完璧すぎる自己紹介。
完璧すぎる微笑み。
完璧すぎる正体隠蔽。
──だが、知っている。
武尊は、知っている。
(こいつ、絶対中身“腐女子姫”だああああ!!)
机をバンバン叩きたい衝動を、必死でこらえる武尊。
顔が引きつり、冷や汗が滝のように流れる。
「大和ー? どうした? 顔色やべーぞ?」
隣の悠斗が心配そうに覗き込む。
「い、いや、なんでも……ない……(あるけど言えない)」
担任が黒板を叩く。
「じゃあ、席は……あー、ちょうど空いてるあそこだな。大和の後ろ」
「は?」
運命のイタズラか、神の悪戯か。
イレーネは、ニコリと微笑みながら武尊の後ろの席へと歩み寄る。
(ああああああああああ!! 背中越しに殺気を感じるぅぅぅ!!)
座るなり、イレーネは武尊にだけ、こっそりと囁いた。
「──また、会えましたわね、殿下♡」
震えた。
背筋が凍った。
膝が笑った。
「な、なんでここに……!」
「ふふふ。もちろん、“推し活”のためです」
この女、自由の仮面をかぶった“王族級の爆弾”だ!!
* * *
休み時間──
「ねぇ、大和。さっきの子、知り合い?」
千夏が胡散臭そうに覗き込んでくる。
「い、いや、知らねぇし! 初対面だし! 赤の他人だし!」
ことねは冷静なジト目。
「……反応が過剰だよね。何かある」
イザベラは不思議そうに首をかしげる。
「でも、とても気品あるお嬢様でしたわね。……どことなく“同じ空気”を感じましたわ」
(同じ空気=政略婚危機!!!!)
武尊は心の中で絶叫していた。
そのころ、当のイレーネはクラスの女子たちに囲まれ、
「きゃー! 銀髪お姫様かわいいー!」
「一緒にプリ撮ろ!」
と完全にアイドル状態になっていた。
(頼む……頼むから普通に学校生活してくれ……!
腐女子力とか王族バレとか全部隠してくれぇぇぇ!!)
だが、祈りは無惨にも打ち砕かれることになる。
なぜならこの姫、すでに次なる爆弾を抱えていたから──
それは、
『殿下総受け妄想ノート』
という、恐るべき黒い手帳の存在だった。
(続く)
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