『親王だけど、バレずに萌え活したいだけなのに女子に囲まれてる件』 〜茨城県つくば市で始まる、親王殿下の秋葉原文化潜入ライフ〜

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第146話『甘い初詣デート──ヒロインズ、勝負の初詣!』

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 伊勢神宮・外宮──
 参拝と絵馬奉納を終えた武尊たちは、
 続いて「おみくじエリア」へと足を運んでいた。

 初詣と言えば、おみくじ。
 運試し。
 今年一年の運勢を占う大事なイベントだ。

 木造りの簡素な小屋に、
 ずらりと並ぶおみくじ筒。

 澄んだ冬空の下──
 静かな場所なのに、
 妙な緊張感が漂っていた。

 **

「さて、どうするか……」

 武尊がぼんやりと考えていた、そのときだった。

「──勝負だ!」

 ルナが、びしっと指を差した。

「え?」

「一緒におみくじ引くやつが、
 今年一番、殿下と仲良くなれるってことで!」

「な、なにその理論!?」
 武尊が素で驚く。

 しかし、
 ルナは満面の自信に満ちた笑みで胸を張った。

「青春は!こういうノリだろ!!」

「青春関係ないだろっ……!」

 思わずツッコミを入れつつ、
 武尊はふと周囲を見た。

 ──ヒロインズたち。

 全員が、ルナの提案にガチの目をしていた。

 **

「──わたくし、受けて立ちますわ!」

 イザベラがきらきらと宣言。

「勝負、了解」
 ことねが無表情で拳を握り、

「負ける気しねーし!」
 千夏が燃え上がり、

「当然ですわ。
 殿下と一緒に引く運命、掴み取ってみせます♡」
 イレーネが鈴を鳴らしながらウインクした。

(……なんでこうなった)

 武尊は頭を抱えたかったが──

 みんな、真剣だった。

 これが彼女たちなりの、
 一年の、最初の「本気」だった。

(……しょうがねぇ)

 武尊は小さく息を吐いた。

「じゃあ、ルール説明な!」

 ルナがぐっと前に出た。

「順番におみくじ筒を振って、
 出た番号で勝負だ!」

「一番大吉に近いやつが、殿下と一緒に追加おみくじできる!」

(なんでそんなことに……)

 もはや止める気力もない武尊。

 だが、
 心のどこかで──

(ちょっと、嬉しいかも)

 そんな微かな想いを、否定できなかった。

 **

「トップバッター、アタシ行くぜ!」

 ルナが勢いよく筒を振った。

 カラカラカラ……

 コロン、と小さな木片が転がる。

「……末吉!」

「び、微妙ーっ!」

 ルナが派手に崩れ落ちた。

 **

「次、ことね」

 ことねが無表情のまま筒を振る。

 コロコロ……

「小吉」

「……まぁまぁ」
 小さくガッツポーズ。

 **

「いざ、勝負!」

 イザベラが祈るように筒を振った。

 カララララ……

「中吉!」

「ふふっ♡」
 上機嫌でスカートをひらめかせる。

 **

「よし、アタシだ!」

 千夏がガラガラと筒を回し──

「吉!」

「微妙ぉぉぉ!」

 千夏、派手にズッコケ。

 **

「──最後、わたくしですわ♡」

 イレーネが優雅に筒を傾けた。

 コロッ。

「──大吉」

「えぇぇぇぇぇぇ!!!?」

 場がざわめいた。

「やったわ!
 これは運命ですわ、殿下!」

 イレーネが満面の笑みで、
 武尊に両手を差し出した。

 **

「……行こう、殿下」

「お、おう……」

 武尊は、訳もわからないまま、
 イレーネと一緒に、もう一度おみくじ筒に向かった。

(なんで俺まで引く流れに……)

 隣では、イレーネが嬉しそうに腕を組みたがっている。

(くっ……接近しすぎだろ……!!)

 ドキドキしながら、
 武尊はおみくじを引いた。

 カラカラ──

 コロッ。

 **

「──小吉」

 微妙な結果だったが、
 イレーネは満面の笑みを浮かべていた。

「小吉でも、大吉でも関係ありませんわ♡
 殿下と一緒に引けたことが──最高の吉兆ですもの♡」

「……ありがとな」

 武尊は、顔を赤らめながら小さく答えた。

 **

 その後。

 ルナ、千夏、ことね、イザベラたちも、
 それぞれ武尊にちょっかいをかけながら、
 おみくじの運勢を報告し合った。

 笑い声が、冬空に弾けた。

 ──なんでもない時間。

 でも、
 武尊にとっては、
 かけがえのない宝物だった。

(続く)

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