153 / 245
第148話『新しい一年へ──誓いの初日』
しおりを挟む
冬の夕暮れ。
伊勢神宮・外宮の大鳥居を背に、
武尊たちはゆっくりと立ち止まった。
空は、すっかり群青色に染まり、
遠くには無数の星たちがまたたき始めていた。
玉砂利を踏む音も、
頬を撫でる風の音も、
すべてがどこか、心に優しく響く。
そんな中──
「……記念撮影、しようぜ!」
ルナが、元気に提案した。
「たしかに」
ことねが頷く。
「この時間、わたくし、一生忘れたくありませんわ♡」
イザベラが微笑む。
「殿下と過ごした初詣──記録、保存します」
如月がスマホを構え、
「さっき、いい場所見つけました~!」
小春がはしゃぎながら指さした。
**
──場所は、大鳥居の正面。
真っ暗になる前の、
最後の薄明かりが神秘的に差し込む絶好のスポットだった。
睦月が無言で撮影位置を整え、
小春と如月がカメラをセッティングする。
護衛チームによる完璧なサポート体制。
(……こんなところでもプロだな)
武尊は、苦笑いしながらも、
じんわりと胸が温かくなるのを感じていた。
**
「──じゃあ、並んで並んで!」
ルナがせかし、
みんながわちゃわちゃとポジションを取り合う。
武尊は、ど真ん中。
その左右に、
千夏、ことね、イザベラ、ルナ、イレーネが並び──
睦月、小春、如月も、少し離れた場所で加わる。
「よし、タイマーセット!」
如月が操作を終え、駆け戻る。
「いくぞー!」
「「「3、2、1──!」」」
──カシャッ!
小さなシャッター音。
そして、その直後だった。
**
──チリン。
鈴の音が、
静かに、確かに、響いた。
イレーネが、
胸元に忍ばせていた小さな鈴を、そっと鳴らしたのだった。
その音は、不思議なくらい優しくて、
まるで、みんなの願いを祝福するようだった。
**
「……ねぇ」
千夏が、ふっと言った。
「来年も、また……みんなで来ような」
「もちろん」
ことねが即答する。
「殿下、約束ですわ♡」
イザベラが手を差し出し、
「来年は、もっとパワーアップしたオタ活込みで!」
ルナがにかっと笑い、
「殿下、わたくし、来年も推し続けます♡」
イレーネが鈴を鳴らした。
**
武尊は、みんなを見渡した。
笑っている顔。
少し照れている顔。
嬉しそうな顔。
誇らしげな顔。
どの顔も、
武尊にとって──
かけがえのない宝物だった。
(……守りたい)
改めて、強く思った。
この時間を。
この笑顔を。
この自由な未来を。
**
「──ああ、絶対、また来よう」
武尊は、胸を張ってそう答えた。
「みんなでな」
その言葉に、
全員が大きく頷いた。
──未来への、小さな誓い。
でも、それはきっと、
誰よりも強い、固い絆だった。
**
──そして。
武尊は、もう一度だけ空を仰いだ。
夜空には、
満天の星。
まるで、
これから先に続く無限の可能性を示すように、
煌めいていた。
(よし──行こう)
(俺たちの、最高の一年を始めよう)
**
こうして。
大和武尊と、仲間たちの、
新しい一年が、
静かに、力強く動き出した。
(続く)
伊勢神宮・外宮の大鳥居を背に、
武尊たちはゆっくりと立ち止まった。
空は、すっかり群青色に染まり、
遠くには無数の星たちがまたたき始めていた。
玉砂利を踏む音も、
頬を撫でる風の音も、
すべてがどこか、心に優しく響く。
そんな中──
「……記念撮影、しようぜ!」
ルナが、元気に提案した。
「たしかに」
ことねが頷く。
「この時間、わたくし、一生忘れたくありませんわ♡」
イザベラが微笑む。
「殿下と過ごした初詣──記録、保存します」
如月がスマホを構え、
「さっき、いい場所見つけました~!」
小春がはしゃぎながら指さした。
**
──場所は、大鳥居の正面。
真っ暗になる前の、
最後の薄明かりが神秘的に差し込む絶好のスポットだった。
睦月が無言で撮影位置を整え、
小春と如月がカメラをセッティングする。
護衛チームによる完璧なサポート体制。
(……こんなところでもプロだな)
武尊は、苦笑いしながらも、
じんわりと胸が温かくなるのを感じていた。
**
「──じゃあ、並んで並んで!」
ルナがせかし、
みんながわちゃわちゃとポジションを取り合う。
武尊は、ど真ん中。
その左右に、
千夏、ことね、イザベラ、ルナ、イレーネが並び──
睦月、小春、如月も、少し離れた場所で加わる。
「よし、タイマーセット!」
如月が操作を終え、駆け戻る。
「いくぞー!」
「「「3、2、1──!」」」
──カシャッ!
小さなシャッター音。
そして、その直後だった。
**
──チリン。
鈴の音が、
静かに、確かに、響いた。
イレーネが、
胸元に忍ばせていた小さな鈴を、そっと鳴らしたのだった。
その音は、不思議なくらい優しくて、
まるで、みんなの願いを祝福するようだった。
**
「……ねぇ」
千夏が、ふっと言った。
「来年も、また……みんなで来ような」
「もちろん」
ことねが即答する。
「殿下、約束ですわ♡」
イザベラが手を差し出し、
「来年は、もっとパワーアップしたオタ活込みで!」
ルナがにかっと笑い、
「殿下、わたくし、来年も推し続けます♡」
イレーネが鈴を鳴らした。
**
武尊は、みんなを見渡した。
笑っている顔。
少し照れている顔。
嬉しそうな顔。
誇らしげな顔。
どの顔も、
武尊にとって──
かけがえのない宝物だった。
(……守りたい)
改めて、強く思った。
この時間を。
この笑顔を。
この自由な未来を。
**
「──ああ、絶対、また来よう」
武尊は、胸を張ってそう答えた。
「みんなでな」
その言葉に、
全員が大きく頷いた。
──未来への、小さな誓い。
でも、それはきっと、
誰よりも強い、固い絆だった。
**
──そして。
武尊は、もう一度だけ空を仰いだ。
夜空には、
満天の星。
まるで、
これから先に続く無限の可能性を示すように、
煌めいていた。
(よし──行こう)
(俺たちの、最高の一年を始めよう)
**
こうして。
大和武尊と、仲間たちの、
新しい一年が、
静かに、力強く動き出した。
(続く)
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスで1番の美少女のことが好きなのに、なぜかクラスで3番目に可愛い子に絡まれる
グミ食べたい
青春
高校一年生の高居宙は、クラスで一番の美少女・一ノ瀬雫に一目惚れし、片想い中。
彼女と仲良くなりたい一心で高校生活を送っていた……はずだった。
だが、なぜか隣の席の女子、三間坂雪が頻繁に絡んでくる。
容姿は良いが、距離感が近く、からかってくる厄介な存在――のはずだった。
「一ノ瀬さんのこと、好きなんでしょ? 手伝ってあげる」
そう言って始まったのは、恋の応援か、それとも別の何かか。
これは、一ノ瀬雫への恋をきっかけに始まる、
高居宙と三間坂雪の、少し騒がしくて少し甘い学園ラブコメディ。
彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。
遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。
彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。
……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。
でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!?
もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー!
ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。)
略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について
おとら@ 書籍発売中
青春
この物語は、とある理由から目立ちたくないぼっちの少年の成長物語である
そんなある日、少年は不良に絡まれている女子を助けてしまったが……。
なんと、彼女は学園のマドンナだった……!
こうして平穏に過ごしたい少年の生活は一変することになる。
彼女を避けていたが、度々遭遇してしまう。
そんな中、少年は次第に彼女に惹かれていく……。
そして助けられた少女もまた……。
二人の青春、そして成長物語をご覧ください。
※中盤から甘々にご注意を。
※性描写ありは保険です。
他サイトにも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる