『親王だけど、バレずに萌え活したいだけなのに女子に囲まれてる件』 〜茨城県つくば市で始まる、親王殿下の秋葉原文化潜入ライフ〜

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第148話『新しい一年へ──誓いの初日』

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 冬の夕暮れ。

 伊勢神宮・外宮の大鳥居を背に、
 武尊たちはゆっくりと立ち止まった。

 空は、すっかり群青色に染まり、
 遠くには無数の星たちがまたたき始めていた。

 玉砂利を踏む音も、
 頬を撫でる風の音も、
 すべてがどこか、心に優しく響く。

 そんな中──

「……記念撮影、しようぜ!」

 ルナが、元気に提案した。

「たしかに」
 ことねが頷く。

「この時間、わたくし、一生忘れたくありませんわ♡」
 イザベラが微笑む。

「殿下と過ごした初詣──記録、保存します」
 如月がスマホを構え、

「さっき、いい場所見つけました~!」
 小春がはしゃぎながら指さした。

 **

 ──場所は、大鳥居の正面。
 真っ暗になる前の、
 最後の薄明かりが神秘的に差し込む絶好のスポットだった。

 睦月が無言で撮影位置を整え、
 小春と如月がカメラをセッティングする。

 護衛チームによる完璧なサポート体制。

(……こんなところでもプロだな)

 武尊は、苦笑いしながらも、
 じんわりと胸が温かくなるのを感じていた。

 **

「──じゃあ、並んで並んで!」

 ルナがせかし、
 みんながわちゃわちゃとポジションを取り合う。

 武尊は、ど真ん中。

 その左右に、
 千夏、ことね、イザベラ、ルナ、イレーネが並び──

 睦月、小春、如月も、少し離れた場所で加わる。

「よし、タイマーセット!」
 如月が操作を終え、駆け戻る。

「いくぞー!」

「「「3、2、1──!」」」

 ──カシャッ!

 小さなシャッター音。

 そして、その直後だった。

 **

 ──チリン。

 鈴の音が、
 静かに、確かに、響いた。

 イレーネが、
 胸元に忍ばせていた小さな鈴を、そっと鳴らしたのだった。

 その音は、不思議なくらい優しくて、
 まるで、みんなの願いを祝福するようだった。

 **

「……ねぇ」

 千夏が、ふっと言った。

「来年も、また……みんなで来ような」

「もちろん」
 ことねが即答する。

「殿下、約束ですわ♡」
 イザベラが手を差し出し、

「来年は、もっとパワーアップしたオタ活込みで!」
 ルナがにかっと笑い、

「殿下、わたくし、来年も推し続けます♡」
 イレーネが鈴を鳴らした。

 **

 武尊は、みんなを見渡した。

 笑っている顔。
 少し照れている顔。
 嬉しそうな顔。
 誇らしげな顔。

 どの顔も、
 武尊にとって──
 かけがえのない宝物だった。

(……守りたい)

 改めて、強く思った。

 この時間を。
 この笑顔を。
 この自由な未来を。

 **

「──ああ、絶対、また来よう」

 武尊は、胸を張ってそう答えた。

「みんなでな」

 その言葉に、
 全員が大きく頷いた。

 ──未来への、小さな誓い。

 でも、それはきっと、
 誰よりも強い、固い絆だった。

 **

 ──そして。

 武尊は、もう一度だけ空を仰いだ。

 夜空には、
 満天の星。

 まるで、
 これから先に続く無限の可能性を示すように、
 煌めいていた。

(よし──行こう)

(俺たちの、最高の一年を始めよう)

 **

 こうして。

 大和武尊と、仲間たちの、
 新しい一年が、
 静かに、力強く動き出した。

(続く)

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