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第116話『エミリ、街へ繰り出す!』
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カランカラン、と軽やかな音が響く。
週末、午前10時。
大型ショッピングモールの入り口は、
すでにたくさんの人でごった返していた。
冬の冷たい空気も、
この活気に包まれると、どこか暖かく感じる。
「よーし、買い物スタートだー!!」
ミキが、早速テンションMAXで叫んだ。
「もう、ミキ……元気すぎ……」
ナナが苦笑しながら後を追う。
その後ろでは、
エミリ・セレスタが、
きらきらした瞳で周囲を見回していた。
「すごい……!」
「これが……日本の“ショッピングモール”というものですね!」
その純粋なリアクションに、
ハルカは思わず吹き出してしまった。
「そんな大げさな……」
「ただのモールだよ?」
「いえいえ!」
「この規模! この賑わい! この匂いまで!!」
「異世界転移かと思いました!」
「転移しないで!!」
即ツッコミを入れるハルカ。
そんな調子で、
最初からエミリはハイテンションだった。
(ま、まぁ……楽しそうで何よりだ……)
ハルカは肩の力を抜いた。
せっかくの休日。
エミリに日本文化を満喫してもらうために、
今日はみんなでガイド役をするのだ。
「じゃ、まずは服でも見に行こうか!」
「はいっ!」
エミリは元気よく頷いた。
***
最初に向かったのは、
若者向けのファッションブランドが並ぶエリアだった。
「わぁ……」
「すごい……服が、いっぱい……!」
エミリは、キラキラした目で店内を見渡す。
「どんな系統がいいんだろうね~?」
ミキが、エミリを眺めながら言った。
「うーん……」
「エミリって、なんでも似合いそうだよね……」
ナナも同意する。
「じゃあさ!」
「日本っぽいコーデに挑戦してみるとか!?」
ミキの提案に、
エミリは目を輝かせた。
「それは素敵ですね!」
「日本の伝統装束とか……巫女服とか……!」
「そこまで伝統いかなくていいから!!」
またもやハルカが即座にツッコミを入れる。
(なんでいきなり巫女服!?)
それでも。
エミリがこうして無邪気にワクワクしているのを見ていると、
なんだかこっちまで楽しくなってきた。
***
「これとか、どうかな?」
ナナが、シンプルなカーディガンをエミリに見せる。
「かわいい……!」
エミリは手に取り、
胸元にあてがってみた。
銀色の髪と淡いベージュ色のカーディガン。
そのコントラストが、
まるで雑誌の表紙のように映えた。
「うわ……似合いすぎ……」
ハルカたち、思わず見惚れる。
(何着ても絵になるなぁ……ずるい……)
心の中でぽつりと思うハルカだった。
「では、これを試着してみても……?」
「うんうん! 試着しよ試着!」
エミリは、促されるまま試着室へ向かった。
***
その間、
ハルカたちは店内をふらふら。
「エミリって、最初は完璧超人っぽかったけど」
「実際は、天然で、めちゃくちゃ素直だよねー」
ミキが言う。
「うん……なんか、放っておけない感じ……」
ナナも頷く。
(……わかる)
ハルカも、心の中で静かに同意した。
異国からやってきた、
どこか不思議な雰囲気を纏った少女。
だけど、
笑った顔は、
どこにでもいる普通の同級生と、なんにも変わらなかった。
(……これから、もっと、いろんなこと教えてあげたいな)
そんなことを思っていた、そのとき。
「──みなさまー!」
試着室から、元気いっぱいの声が飛んできた。
「この服、とっても軽やかで、動きやすいです!」
「まるで、バトル用コスチュームのようです!」
「違う! 街着だよ!!」
またもやツッコミを入れながら、
ハルカたちは笑い合った。
(なんだかんだで、今日もドタバタだな……)
でも、それがたまらなく楽しい。
休日のショッピングモール。
溢れる笑い声。
こんな風に、
みんなでふざけあって、笑いあって。
それが、
何よりの幸せだって──
ハルカは、
しみじみと思った。
***
そして──
運命の下着売り場、侵入事件へと、
物語は転がり始める──。
(続く)
週末、午前10時。
大型ショッピングモールの入り口は、
すでにたくさんの人でごった返していた。
冬の冷たい空気も、
この活気に包まれると、どこか暖かく感じる。
「よーし、買い物スタートだー!!」
ミキが、早速テンションMAXで叫んだ。
「もう、ミキ……元気すぎ……」
ナナが苦笑しながら後を追う。
その後ろでは、
エミリ・セレスタが、
きらきらした瞳で周囲を見回していた。
「すごい……!」
「これが……日本の“ショッピングモール”というものですね!」
その純粋なリアクションに、
ハルカは思わず吹き出してしまった。
「そんな大げさな……」
「ただのモールだよ?」
「いえいえ!」
「この規模! この賑わい! この匂いまで!!」
「異世界転移かと思いました!」
「転移しないで!!」
即ツッコミを入れるハルカ。
そんな調子で、
最初からエミリはハイテンションだった。
(ま、まぁ……楽しそうで何よりだ……)
ハルカは肩の力を抜いた。
せっかくの休日。
エミリに日本文化を満喫してもらうために、
今日はみんなでガイド役をするのだ。
「じゃ、まずは服でも見に行こうか!」
「はいっ!」
エミリは元気よく頷いた。
***
最初に向かったのは、
若者向けのファッションブランドが並ぶエリアだった。
「わぁ……」
「すごい……服が、いっぱい……!」
エミリは、キラキラした目で店内を見渡す。
「どんな系統がいいんだろうね~?」
ミキが、エミリを眺めながら言った。
「うーん……」
「エミリって、なんでも似合いそうだよね……」
ナナも同意する。
「じゃあさ!」
「日本っぽいコーデに挑戦してみるとか!?」
ミキの提案に、
エミリは目を輝かせた。
「それは素敵ですね!」
「日本の伝統装束とか……巫女服とか……!」
「そこまで伝統いかなくていいから!!」
またもやハルカが即座にツッコミを入れる。
(なんでいきなり巫女服!?)
それでも。
エミリがこうして無邪気にワクワクしているのを見ていると、
なんだかこっちまで楽しくなってきた。
***
「これとか、どうかな?」
ナナが、シンプルなカーディガンをエミリに見せる。
「かわいい……!」
エミリは手に取り、
胸元にあてがってみた。
銀色の髪と淡いベージュ色のカーディガン。
そのコントラストが、
まるで雑誌の表紙のように映えた。
「うわ……似合いすぎ……」
ハルカたち、思わず見惚れる。
(何着ても絵になるなぁ……ずるい……)
心の中でぽつりと思うハルカだった。
「では、これを試着してみても……?」
「うんうん! 試着しよ試着!」
エミリは、促されるまま試着室へ向かった。
***
その間、
ハルカたちは店内をふらふら。
「エミリって、最初は完璧超人っぽかったけど」
「実際は、天然で、めちゃくちゃ素直だよねー」
ミキが言う。
「うん……なんか、放っておけない感じ……」
ナナも頷く。
(……わかる)
ハルカも、心の中で静かに同意した。
異国からやってきた、
どこか不思議な雰囲気を纏った少女。
だけど、
笑った顔は、
どこにでもいる普通の同級生と、なんにも変わらなかった。
(……これから、もっと、いろんなこと教えてあげたいな)
そんなことを思っていた、そのとき。
「──みなさまー!」
試着室から、元気いっぱいの声が飛んできた。
「この服、とっても軽やかで、動きやすいです!」
「まるで、バトル用コスチュームのようです!」
「違う! 街着だよ!!」
またもやツッコミを入れながら、
ハルカたちは笑い合った。
(なんだかんだで、今日もドタバタだな……)
でも、それがたまらなく楽しい。
休日のショッピングモール。
溢れる笑い声。
こんな風に、
みんなでふざけあって、笑いあって。
それが、
何よりの幸せだって──
ハルカは、
しみじみと思った。
***
そして──
運命の下着売り場、侵入事件へと、
物語は転がり始める──。
(続く)
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