120 / 203
第118話『割れ目パンツと守らない布パンツ』
しおりを挟む
「では、詳しくご説明を──」
エミリ・セレスタは、
まるで博物館のガイドツアーを始めるかのような顔で、
Tバックを指差した。
(や、やめろエミリぃぃぃぃぃぃ!!!)
ハルカは心の中で必死に叫んだ。
しかし、エミリは無邪気そのものだった。
「この、ふたまたに分かれたデザイン──」
「つまり、お尻を割るために設計されているのでしょうか?」
教室以上に静まり返った売り場に、
エミリのクリアな声が響き渡った。
「わああああああああああ!!」
ハルカ、ナナ、ミキ、ユイ、全員が顔面大爆発。
「割るためじゃない!!」
「割れてるの!! もともと!!」
「ていうかあんた、ナチュラルに爆弾落とすのやめなさい!!」
総ツッコミ炸裂。
周囲のお客さんたちも、
「(ふたまた……?)」と微妙な顔でこちらを見ている。
(し、死ぬ……)
(このままじゃ、羞恥心で本当に死ぬぅぅぅ……!!)
ハルカは必死で顔を両手で覆った。
***
だが、エミリの興味は止まらなかった。
「それでは──」
「こちらの、極めて面積の少ない布は……?」
今度は、隣にディスプレイされていた、
極小ビキニタイプの下着を指差した。
いや、もはや"布の切れ端"レベルのやつだ。
「わ、わわわわ……!!」
ハルカは真っ赤になって後ずさった。
(やめて……! そっちはもっと危険だからぁぁぁぁ!!)
「ええっと……これも……おしゃれ用、というか……」
ナナが必死に言葉を選んで説明しようとするが──
「守る気ないじゃん!!」
ハルカが、思わず叫んだ。
叫んでしまった。
店内に、響き渡った。
しーん。
再び静寂。
そして。
「ぶはっ!」
「はははははは!!」
ミキが、盛大に吹き出した。
ナナも、肩を震わせて笑い出す。
ユイは、笑いすぎて壁に頭を打ち付けていた。
「ま、守る気ないって──」
「ハルカ最高──!」
「おしゃれは防御じゃないってことだな!!」
大爆笑の嵐。
(うわああああああ!!)
(なんで私が爆弾落としたみたいになってんのぉぉぉ!!)
ハルカは頭を抱えた。
顔は火が出るほど熱かった。
でも。
エミリは、
そんなハルカたちを見て──
「なるほど!」
「日本の下着文化は、防御よりも──攻撃重視!!」
すごく真剣な顔で、
謎の結論に至っていた。
「違う違う違う!!!」
再び総ツッコミ。
(どこでそんなまとめ方覚えたんだよ!!)
もはや誰にも止められない。
エミリの異文化考察ドタバタは、
ますます勢いを増していた。
***
「でも……」
エミリは、ビキニタイプの下着を指先でつまみながら、
小首を傾げた。
「こんなに小さいと、着るのに勇気がいりそうですね……」
その無邪気な一言に、
またしてもハルカたちは崩れ落ちた。
「勇気とかの問題じゃねぇぇぇぇ!!」
「文化の深淵を覗くなぁぁぁぁ!!」
ミキが地面に倒れ込み、
ナナはしゃがみこんで笑い転げていた。
ハルカは、もう限界だった。
顔面真っ赤、耳まで真っ赤。
「エミリ! とりあえず戻ろう! ねっ!!」
「下着売り場から一回離れよう!!」
「えっ、でもまだ見たいです──」
「だめぇぇぇぇぇぇ!!」
ハルカは、
ほとんど拉致するようにエミリの手を引いて、
売り場から脱出した。
(もう……こんな恥ずかしい思い……)
(生まれて初めてだよぉぉぉ!!)
頭を抱えながら、
でもどこか笑ってしまう自分がいることに、
ハルカは気づいていた。
(エミリと一緒だと……本当に、毎日がドタバタだなぁ……)
***
「でも!」
「このふたまたパンツ、戦闘時には便利そうですね!」
「だから違うって言ってるでしょぉぉぉぉ!!」
わちゃわちゃと笑い声が響くショッピングモール。
ハルカたちのドタバタは、
まだまだ終わりそうになかった。
(続く)
エミリ・セレスタは、
まるで博物館のガイドツアーを始めるかのような顔で、
Tバックを指差した。
(や、やめろエミリぃぃぃぃぃぃ!!!)
ハルカは心の中で必死に叫んだ。
しかし、エミリは無邪気そのものだった。
「この、ふたまたに分かれたデザイン──」
「つまり、お尻を割るために設計されているのでしょうか?」
教室以上に静まり返った売り場に、
エミリのクリアな声が響き渡った。
「わああああああああああ!!」
ハルカ、ナナ、ミキ、ユイ、全員が顔面大爆発。
「割るためじゃない!!」
「割れてるの!! もともと!!」
「ていうかあんた、ナチュラルに爆弾落とすのやめなさい!!」
総ツッコミ炸裂。
周囲のお客さんたちも、
「(ふたまた……?)」と微妙な顔でこちらを見ている。
(し、死ぬ……)
(このままじゃ、羞恥心で本当に死ぬぅぅぅ……!!)
ハルカは必死で顔を両手で覆った。
***
だが、エミリの興味は止まらなかった。
「それでは──」
「こちらの、極めて面積の少ない布は……?」
今度は、隣にディスプレイされていた、
極小ビキニタイプの下着を指差した。
いや、もはや"布の切れ端"レベルのやつだ。
「わ、わわわわ……!!」
ハルカは真っ赤になって後ずさった。
(やめて……! そっちはもっと危険だからぁぁぁぁ!!)
「ええっと……これも……おしゃれ用、というか……」
ナナが必死に言葉を選んで説明しようとするが──
「守る気ないじゃん!!」
ハルカが、思わず叫んだ。
叫んでしまった。
店内に、響き渡った。
しーん。
再び静寂。
そして。
「ぶはっ!」
「はははははは!!」
ミキが、盛大に吹き出した。
ナナも、肩を震わせて笑い出す。
ユイは、笑いすぎて壁に頭を打ち付けていた。
「ま、守る気ないって──」
「ハルカ最高──!」
「おしゃれは防御じゃないってことだな!!」
大爆笑の嵐。
(うわああああああ!!)
(なんで私が爆弾落としたみたいになってんのぉぉぉ!!)
ハルカは頭を抱えた。
顔は火が出るほど熱かった。
でも。
エミリは、
そんなハルカたちを見て──
「なるほど!」
「日本の下着文化は、防御よりも──攻撃重視!!」
すごく真剣な顔で、
謎の結論に至っていた。
「違う違う違う!!!」
再び総ツッコミ。
(どこでそんなまとめ方覚えたんだよ!!)
もはや誰にも止められない。
エミリの異文化考察ドタバタは、
ますます勢いを増していた。
***
「でも……」
エミリは、ビキニタイプの下着を指先でつまみながら、
小首を傾げた。
「こんなに小さいと、着るのに勇気がいりそうですね……」
その無邪気な一言に、
またしてもハルカたちは崩れ落ちた。
「勇気とかの問題じゃねぇぇぇぇ!!」
「文化の深淵を覗くなぁぁぁぁ!!」
ミキが地面に倒れ込み、
ナナはしゃがみこんで笑い転げていた。
ハルカは、もう限界だった。
顔面真っ赤、耳まで真っ赤。
「エミリ! とりあえず戻ろう! ねっ!!」
「下着売り場から一回離れよう!!」
「えっ、でもまだ見たいです──」
「だめぇぇぇぇぇぇ!!」
ハルカは、
ほとんど拉致するようにエミリの手を引いて、
売り場から脱出した。
(もう……こんな恥ずかしい思い……)
(生まれて初めてだよぉぉぉ!!)
頭を抱えながら、
でもどこか笑ってしまう自分がいることに、
ハルカは気づいていた。
(エミリと一緒だと……本当に、毎日がドタバタだなぁ……)
***
「でも!」
「このふたまたパンツ、戦闘時には便利そうですね!」
「だから違うって言ってるでしょぉぉぉぉ!!」
わちゃわちゃと笑い声が響くショッピングモール。
ハルカたちのドタバタは、
まだまだ終わりそうになかった。
(続く)
10
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる