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第129話『サバナ、またしても勘違い!』
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──放課後。
大型商業施設の前広場は、
ちょうど帰宅する学生たちでにぎわっていた。
空はオレンジ色に染まり、
街灯がひとつ、またひとつと灯る。
その中央。
煌びやかなライトに照らされた──
美しい噴水が、
水しぶきをあげていた。
(うわー……きれいだなぁ……)
ハルカは、思わず見とれていた。
昼間のドタバタ(※サバナ矯正特訓)で疲れ果てていた心に、
この光景は癒しだった。
(たまには、こういうのも悪くないかも……)
──だが。
そのときだった。
「わぁぁぁぁぁぁぁ!!」
元気いっぱいの声とともに、
サバナ・ムトワが飛び出していった。
「オッシャレぇぇぇぇぇ!!」
「ここでできるじゃん!!」
──え?
一瞬、
何を言っているのか理解できなかった。
ハルカたちが振り向いたときには──
サバナは、
もう噴水の縁に腰かけようとしていた。
ズボンに手をかけながら。
「や、やめろおおおおおおおおおおおおお!!!」
ハルカ、ミキ、ナナ、ユイ、
全員が一斉に絶叫した。
猛ダッシュ。
商業施設中に響き渡る大声。
「サバナぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「そこは!!」
「トイレじゃないいいいい!!」
だがサバナは、
「え? なんで?」ときょとん顔。
「だってぇ」
「めっちゃオシャレな噴水だよ?」
「キラキラしてるし!」
「水流れてるし!」
「日本ルール的にOKってことでしょ☆」
「違う!!!!!!!!!!」
絶叫しながら、
ハルカはサバナに飛びついた。
「ダメぇぇぇぇぇぇ!!」
「どんなにオシャレでも!!」
「水が流れてても!!」
「ここは飲み水用とかじゃなくても!!」
「そもそも公然わいせつ罪ぃぃぃぃぃ!!」
「えぇぇぇぇぇ!!?」
サバナ、ようやく驚いた顔をした。
(……いや、今まで知らなかったのかよぉぉぉぉ!!)
ハルカは、心の中で頭を抱えた。
***
「ちょっ、みんな!!」
「囲め!!」
「こっそり戻すぞ!!」
ミキとナナも必死だった。
通行人たちが、
「なにあれ……」とこっそり見ている。
施設の警備員さんも、
こっちに向かって歩いてきていた。
(や、やばい……!!)
(このままじゃ、マジで捕まるぅぅぅぅ!!)
必死のパワープレイ。
ハルカたちは、
サバナをぐいぐい引っ張りながら、
人目の少ないベンチまで連行した。
***
「……はぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
全員、ぐったりと座り込んだ。
「……サバナ」
「オシャレでもダメ」
「水が流れててもダメ」
「イルミネーションされててもダメ」
「なんなら……」
「空港の噴水でも……新幹線駅の噴水でも……ディズニーの噴水でも!!」
「ダメなの!!!」
「うぇぇ……日本、ルール細かいぃぃぃ……」
サバナは、
半泣きで頬を膨らませた。
「なんでだよぉぉ……!」
「水場なのにぃぃ……!」
(水場に対する感覚、どうなってるのこの子……!!)
ハルカは、
半分泣きそうになりながら天を仰いだ。
***
「でもさ!」
サバナは、
パッと顔を上げた。
「ちゃんとしたトイレに行く努力はするから!」
「だから、あたたかく見守ってね☆」
「いや見守りきれないからぁぁぁぁぁ!!」
ハルカたちは、
どっとその場に倒れ込んだ。
(野生児パワー……)
(強すぎるぅぅぅぅぅぅぅぅ……!!)
──こうして。
ハルカたちの日常は、
さらに騒がしく、ドタバタに染まっていくのだった。
(続く)
大型商業施設の前広場は、
ちょうど帰宅する学生たちでにぎわっていた。
空はオレンジ色に染まり、
街灯がひとつ、またひとつと灯る。
その中央。
煌びやかなライトに照らされた──
美しい噴水が、
水しぶきをあげていた。
(うわー……きれいだなぁ……)
ハルカは、思わず見とれていた。
昼間のドタバタ(※サバナ矯正特訓)で疲れ果てていた心に、
この光景は癒しだった。
(たまには、こういうのも悪くないかも……)
──だが。
そのときだった。
「わぁぁぁぁぁぁぁ!!」
元気いっぱいの声とともに、
サバナ・ムトワが飛び出していった。
「オッシャレぇぇぇぇぇ!!」
「ここでできるじゃん!!」
──え?
一瞬、
何を言っているのか理解できなかった。
ハルカたちが振り向いたときには──
サバナは、
もう噴水の縁に腰かけようとしていた。
ズボンに手をかけながら。
「や、やめろおおおおおおおおおおおおお!!!」
ハルカ、ミキ、ナナ、ユイ、
全員が一斉に絶叫した。
猛ダッシュ。
商業施設中に響き渡る大声。
「サバナぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「そこは!!」
「トイレじゃないいいいい!!」
だがサバナは、
「え? なんで?」ときょとん顔。
「だってぇ」
「めっちゃオシャレな噴水だよ?」
「キラキラしてるし!」
「水流れてるし!」
「日本ルール的にOKってことでしょ☆」
「違う!!!!!!!!!!」
絶叫しながら、
ハルカはサバナに飛びついた。
「ダメぇぇぇぇぇぇ!!」
「どんなにオシャレでも!!」
「水が流れてても!!」
「ここは飲み水用とかじゃなくても!!」
「そもそも公然わいせつ罪ぃぃぃぃぃ!!」
「えぇぇぇぇぇ!!?」
サバナ、ようやく驚いた顔をした。
(……いや、今まで知らなかったのかよぉぉぉぉ!!)
ハルカは、心の中で頭を抱えた。
***
「ちょっ、みんな!!」
「囲め!!」
「こっそり戻すぞ!!」
ミキとナナも必死だった。
通行人たちが、
「なにあれ……」とこっそり見ている。
施設の警備員さんも、
こっちに向かって歩いてきていた。
(や、やばい……!!)
(このままじゃ、マジで捕まるぅぅぅぅ!!)
必死のパワープレイ。
ハルカたちは、
サバナをぐいぐい引っ張りながら、
人目の少ないベンチまで連行した。
***
「……はぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
全員、ぐったりと座り込んだ。
「……サバナ」
「オシャレでもダメ」
「水が流れててもダメ」
「イルミネーションされててもダメ」
「なんなら……」
「空港の噴水でも……新幹線駅の噴水でも……ディズニーの噴水でも!!」
「ダメなの!!!」
「うぇぇ……日本、ルール細かいぃぃぃ……」
サバナは、
半泣きで頬を膨らませた。
「なんでだよぉぉ……!」
「水場なのにぃぃ……!」
(水場に対する感覚、どうなってるのこの子……!!)
ハルカは、
半分泣きそうになりながら天を仰いだ。
***
「でもさ!」
サバナは、
パッと顔を上げた。
「ちゃんとしたトイレに行く努力はするから!」
「だから、あたたかく見守ってね☆」
「いや見守りきれないからぁぁぁぁぁ!!」
ハルカたちは、
どっとその場に倒れ込んだ。
(野生児パワー……)
(強すぎるぅぅぅぅぅぅぅぅ……!!)
──こうして。
ハルカたちの日常は、
さらに騒がしく、ドタバタに染まっていくのだった。
(続く)
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