異世界おっぱい❤『おっぱいに誠実で何が悪い!〜異世界転生したら悪役令嬢の味方になってた件〜』

本能寺から始める常陸之介寛浩

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『胸に宿る言葉、世界に揺れる乳』 〜誠実は国を越えるのか。揺れの理念、海を渡る〜

【第41話】 『招かれざる乳──異邦からの書簡』

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 ──誠実乳基本権憲章、採択から32日後。

 

 王国各地では、いまだ興奮と熱狂の余韻が残っていた。

 

 「お母さんの乳、すごく誠実!」
 「俺もいつか張れるように頑張る!」
 「“揺れすぎ休暇”が会社で認められたって本当!?」

 

 各都市では“誠実乳の日”の制定をめぐる議論が進み、学校では“自己選択としての乳育て”が教育に組み込まれ始めていた。

 

 まさに、揺れの春。

 

 だがその空気に、最初の影が差したのは、ある朝届いた外交書簡だった。

 

【書簡出所】
 隣国〈ヴァルト=エン州〉中央政府外務庁
 件名:「思想的乳境侵犯に関する公式懸念表明」

 

 文面は丁寧である一方、内容は明確だった。

 

 > 「貴国における“誠実乳理念”の急速な拡張は、
 我が国の保守的婦徳法体系──通称“静粛婦徳法”──と理念的に衝突の恐れがあり、
 社会秩序への影響を鑑み、今後の越境的揺れ波及について慎重な検討を望む」

 

 揺れの自由が、国境を越えたとき、はじめて“干渉”と呼ばれる。

 

 ◆ ◆ ◆

 

 ──王都・中央迎賓館。

 

 外交使節団が到着したのは、書簡からわずか三日後のことだった。

 隣国〈ヴァルト=エン州〉。
 王制から共和制へと移行した理知的かつ厳格な国家であり、国内では「揺れ=公徳を乱す象徴」とされている。

 

 使節団長は女性外交官──ヘルミナ・ユステ。
 黒曜のように艶のない衣服と、わずかな隙も見せない姿勢。
 彼女自身の胸は、制服に隠され、その動きすら見えない。

 

 「我々は他国の価値を否定しに来たのではありません」
 「ただ、“揺れる自由”が“揺れたくない自由”を踏みにじる可能性があるという、懸念を伝えに来たのです」

 

 彼女の言葉には、明確な信念と冷静な矛盾回避の論理があった。

 

 ◆ ◆ ◆

 

 一方、誠実乳育成塾・特別応接室。

 

 リリアーヌは外交文書のコピーを読み終え、ゆっくりと立ち上がる。

 

 「……“揺れたくない人”がいるのは、当然だわ」

 「誠実乳を、揺れを、“義務”にする気なんてない」

 

 拓真も頷く。

 

 「誠実は、戦うための旗じゃない。
 それぞれが自分の乳を選べる“傘”であるべきだ」

 

 ◆ ◆ ◆

 

 数日後、使節団と誠実乳陣営の意見交換会が開かれた。

 

 議題はひとつ。

『“乳の誠実”と“沈黙の品位”は共存可能か?』

 

 先に口を開いたのは、ヘルミナだった。

 

 「我が国には“乳は内面の構造の象徴であるべき”という価値観があります」

 「公共の場での過度な揺れは“内面の乱調”と見なされます」

 

 「ですから、貴国の“胸を張る自由”が、国境を越えてメディアや服飾に波及する現状は──
 文化的暴力と解釈されかねません」

 

 場内に緊張が走る。

 

 だが、リリアーヌはひるまず立った。

 

 「わかります。……でも、違うんです」

 

 「私たちが目指しているのは、“誰もが同じように揺れよう”という社会ではない」

 

 「“あなたの乳”が沈黙を選ぶなら、私はそれを尊重します。
 でも同時に──揺れたいと願った胸も、否定しないでほしい」

 

 「誠実とは、正義ではなく、矛盾を共に抱える覚悟なんです」

 

 その瞬間、空気が少しだけ変わった。

 

 ヘルミナは目を細める。

 

 「……では問います。もし、“沈黙の乳”と“誠実に揺れる乳”が並び立つ場面で、
 どちらか一方に目が向けられたとき、もう一方が傷つくことを、どう受け止めますか?」

 

 その問いに、答えたのは拓真だった。

 

 「傷つくことはあります。揺れも沈黙も、それぞれが“選んだ矛盾”だから」

 「でも、“選べない社会”より、“選べる社会で悩むほうが、ずっと誠実だ”と俺は思う」

 

 ◆ ◆ ◆

 

 会議はその日、互いに歩み寄るには至らなかった。

 だが最後、ヘルミナは小さく言った。

 

 「……誠実とは、難儀な理念ですね」
 「ですが、あなたたちの揺れ方が、誰かの傘になっているなら──」

 「それは、悪いことではないのかもしれません」

 

 ◆ ◆ ◆

 

 その夜。

 リリアーヌは手記にこう記した。

 

 > 「誠実は国を越えられるか。
 今日、答えは出なかった。けれど、“胸を張って議論できた”ことが、何よりの収穫だと思う」
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