前代未聞のトイレ異世界転移ファンタジー～うちのトイレは異次元でした。街中は勘弁してください。いや、そこもちょっと！～

第96話：異世界温泉の勇者たちとリラックスな便器

俺、佐藤太一、18歳。

この呪われたトイレに振り回される生活、もう慣れっこだけど毎回予想外だ。

昨日は異世界温泉で気まずすぎて心がグツグツしたし、もう気まずすぎる場所はマジで勘弁って思ってた。

気まずくなくて楽しい場所に行きてえよ……って願ってたけど、このトイレは毎回予想を遊園地にぶち込んでくる。  

昼に食った遊園地の激辛ホットドッグが腹の中で暴れてる。

トイレに駆け込んで、ドアをガチャッと開けた瞬間――。  

「うおっ、遊園地!?」  

目の前には、遊園地のジェットコースター乗り場。

俺が好きな山本彩花が「美咲ちゃん、もう5回目だよ！」って笑ってて、ヤンデレの佐々木美咲が「太一くんのためなら100回でも乗る！」って目をギラつかせてる。

ジェットコースターが「ガタガタ！」と急降下し、乗客が「キャーッ！」って叫んでる。

遠くで音楽が「♪～」と流れ、風船が「パーン！」と割れてる。

で、俺はいつものように便器ごと、その耐久勝負のど真ん中にポツンと出現。  

「いや、マジかよ……彩花と美咲がジェットコースター勝負してる中でトイレって、楽しいすぎて緊張すぎだろ！」  

すぐ横では、彩花が「次で勝負決めよう！」って手を叩いてて、美咲が「私だけでいいよね、太一くん？」って不気味に笑ってる。

距離、彩花まで2メートル、美咲まで3メートルくらい。

汗と油の匂いが鼻にガンガンくる。

この賑やかな場所で座ってるだけで、心臓がバクバクだ。

Tシャツが汗でビショビショで、場違い感がやばい。  

「見えてるのは俺だけで、向こうからは見えない」ってルール、信じたい。

でもこの近さ、彩花の「楽しいね！」って明るい声や、美咲の「彩花先輩には負けない！」って叫びが耳にガンガン入ってくるんだぞ！

遊園地の空気が熱くて楽しすぎて、便器が地面にドカッと浮いてるのが気まずい。

こんな場面で用を足すとか、羞恥心がジェットコースターのスピードより速い。

楽しいすぎて、心が緊張で締め付けられてる。  

腹が限界だ。

激辛ホットドッグがグチャグチャしてる。

時間がない。

こんな場所でミッションとか、心が楽しさと羞恥で爆発しそう。

ジェットコースターが「ガシャーン！」と戻ってくる中、俺は必死に腹に力を入れる。  

「おっ、おっ、おっ……頼む、出てくれ！」  

その時、美咲が俺のすぐ横まで来て、「太一くんの気配がする！」ってキョロキョロした。

やばい、見つかる!?

俺は慌てて息を止めて固まる。

でも美咲、俺をスルーして「彩花先輩を倒す！」って走って離れた。

見えてねえよな……よな？

でもその瞬間、コースターの風が「ビュウ！」って吹いて、便器が「ガタッ」と揺れた。

「うっ！」って声が出そうになったけど、汗だくで堪えた。  

遊園地の騒ぎに紛れて、俺の腹が「ぐぅうう」って鳴った。

彩花が一瞬「ん？何か聞こえた？」って顔して首傾げた。

やばい、音でバレる!?  

ぷすっ。  

「……ミッションクリアー、通常トイレに戻ります」  

光がパッと弾けて、俺はアパートの狭いトイレに帰還。

換気扇のブーンって音と便器の安定感が、いつも以上に現実に戻してくる。

全身汗だくで、心がまだ遊園地の楽しさで震えてる。

息を整えながら、俺は呟いた。  

「彩花と美咲のジェットコースター勝負って……楽しい遊園地の前でトイレとか、心が崩れるだろ……」  

考えてみれば、彩花も美咲も俺のこと本当に気づいてなかったよな？

「何か聞こえた？」は偶然だろ。

でも、あの勝負の中でやった事実は消えねえ。

俺のメンタル、もうジェットコースターみたいにグワングワンだよ。  

「ったく、次はどこだよ……もう緊張すぎるとこはマジで勘弁してくれ」  

激辛ホットドッグは当分食わねえと思いながら、俺はトイレのドアをそっと閉めた。

でも、次に開けるのがやっぱり怖いんだよな、これ。