前代未聞のトイレ異世界転移ファンタジー~うちのトイレは異次元でした。街中は勘弁してください。いや、そこもちょっと!~

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第159話:ナイトプールで陽キャに囲まれた絶望ミッション!

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俺の名前は佐藤太一、18歳。
コンビニ飯が大好きで、それが原因で腹を壊しがちな、ごく普通の高校生だ……と言えたらどんなに楽か。
でも俺の日常は、引っ越し先のアパートに備え付けられた曰く付きトイレのせいで、完全にカオスと化してる。 

トイレのドアを開けた瞬間、どこか知らない場所に便器ごと転移して、用を足さないと戻れない仕様。
もう何回目か分からないけど、毎回メンタルが削られる。
このトイレ、俺の状況とか感情とか完全に無視して転移先決めるっぽいし、引っ越した当初は「駅近で家賃安い、ラッキー!」なんて浮かれてた自分が恨めしい。 

今日も夕方から腹がゴロゴロ鳴ってる。
原因は昼に食ったコンビニ飯だ。
半額だった「激辛タコス風おにぎり」を勢いで食っちまって、胃が今になって暴動起こしてる。
タコスのスパイスと謎のチーズ風味が胃の中でケンカしてる感じ。
学校から帰って少し横になってたけど、我慢の限界が来た。 

仕方なくトイレに駆け込んだら、ドアを開けた瞬間――
キラキラしたネオンライトと、陽キャたちが騒ぐナイトプールが目に飛び込んできた。
ホテルの最上階っぽい場所で、プールサイドには水着の男女がキャッキャしてる。
俺の便器は、そのプールのど真ん中、水面にポツンと浮かんで出現。 

「うおっ、ナイトプール!? 陽キャのパーティーかよ!」 

目の前では、筋肉ムキムキのイケメンが「オレのターン!」って叫んでプールにダイブしてる。
水しぶきが俺の顔にバシャッとかかる――って、物理的干渉できないから実際にはかからないけど、感覚的にはビショビショだよ!
隣ではギャルっぽい女の子が「キャー! 最高じゃん!」って笑いながらカクテル飲んでるし、DJが「盛り上がってこーぜ!」って叫んで爆音流してる。 

「こんなとこで用を足すとか、マジで無理ゲーだろ……!」 

腹痛は待ってくれない。
タコスの辛さが下腹部をギュルギュル締め付けてきて、冷や汗が止まらない。
でもさ、陽キャたちがプールで騒いでる中、どうやって集中しろって言うんだよ!
イケメンが「次はお前が飛べよ!」って友達に浮き輪投げてて、その浮き輪が俺の便器スレスレを通過。
見えてないはずなのに、心臓バクバクだよ! 

「いやいや、落ち着け俺。『俺からは見えてるけど、向こうからは見えない』がルールだろ?」 

そう自分に言い聞かせて、深呼吸する。
でもその瞬間、ギャルが「ねえ、なんか水面変じゃね?」ってプールサイドから俺の方を指さしてきた。
やばい、やばい、便器が水に浮いてるから波紋でバレてるのか!?
DJのビートがドンドン響いて、俺の腹もそれに合わせてゴロゴロ加速してるし! 

「集中しろ、集中しろ、集中しろ! 早く終わらせないと精神持たねえ!」 

腹に全神経を集中させる。
おっ、おっ、おっ、なんとか出そう……よし、気合入れろ!
ブッ。 

「……うっ、音がプールに響いた!」 

水面に波紋が広がって、ギャルが「え、何!? 泡出てる!」って叫ぶ。
イケメンが「マジか、誰かオナラした?」って笑いものっぽい。
見えてないはずなのに、音と泡で完全に怪しまれてるじゃん!
俺の羞恥心が限界突破してる中、なんとか次のステップへ。
ポチャン。 

「よっしゃ、出た! 終わった!」 

次の瞬間、頭の中にいつもの声が響く。
「ミッションクリアー、通常トイレに戻ります」 

光に包まれてアパートの狭いトイレに戻った瞬間、便器の冷たい感触と換気扇の微かな音にホッとする。
心臓バクバクで息を整えながら、俺は便器に座ったまま放心状態。 

「本当に何でこんなトイレ付きの部屋に住んじまったんだろ……」 

汗だくで呟く。
陽キャのパーティーを台無しにした罪悪感と、ナイトプールで用を足した羞恥心で死にそう。
昨日は忍者屋敷で命がけだったし、一昨日は恐竜時代でティラノにビビったし、毎回毎回が地獄だ。
でもさ、このトイレの謎が分からないままじゃ、俺の腹痛ライフは終わりそうにない。 

「ったく、次のトイレはどこに飛ばされるんだよ……」 

腹痛が収まったことに感謝しつつ、俺はトイレのドアをそっと閉めた。
次に開けるのが怖い。
でもタコスの残りがまだ胃で暴れてる気がするし、またすぐ来るかもしれない。
コンビニ飯、やめたいけどやめられないんだよな。
安いし美味いし、半額シール見るとつい手が伸びる。 

とりあえず、今日はもうトイレ行きたくない。
でも腹の調子がそんな願い聞いてくれるわけないか。
陽キャのパーティーで生き延びただけでも褒めてくれよ、自分。
あのネオンライトと爆音の中でミッションクリアしたんだからさ。 

(続く……のか?) 

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