奴隷亜人の転生旅路〜転生先はやられ役の神獣でした〜

神月るあ

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34話 新しい子

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ー牢屋ー

「…で?伝言は?」
『ッ…あの時、首にナイフを当てたのを謝り
たかったんだ…。あと、疑問も…』
「…私が狐の姿を出さなかったのは、出しても無駄だと思ったから」

それから説明をした。無駄だと思った所以から、
ルビーとの関係性も。前世の記憶があったり前前世
の記憶があるのは勿論秘密でね。

『…本当に、申し訳なかった。リーダー…レイトと離れてからここで考えて、わかったんだ』
「…何を?」
『アイツは…頭がおかしい。仲間だってあの時は
数少なかったのに、クォーツを魔法をただ使ってるだけだと言って私に追放を命じて…。そして私は
それに何の疑問も抱かず、実行した。私もおかしかったんだ…』

ふむ…。どうやら所謂がこの世界にも
あるのか。ゲームと似てる世界であってゲームでは
ない筈だけど、まあ人を惹きつける性格の持ち主
ってのはいるし。ふと、私の横にいたクォーツが
動き、牢の前に立った。

『…?』
『アンバー…。貴方は、これからどうするの
ですか?』
『…!私は、もうアイツのところには戻らない。
そもそも、私を向かわせたのだって、色んな魔法が使えるルビーと比べて、仲間にしておく価値が
あまりないと感じたからだろう』
「…そう。なら、どうするの?」
『先程、皇女殿下と話したんだ。そしたら、ペリ
ドット様とジャスパー様、二人の専属侍女として
働いて、もう2度と仲間に戻らないと言うのなら、城に迎えるって…。クォーツの指示に従うのも、
条件だと』
『っ!』

流石エメラルド様!頭が回るし、この現状を全て
解決できる方法だ。

「アンバーは、それでいいと?」
『勿論だ。もう既に契約書は書いた。アイツとは
もう、仲間じゃない。アイツも一種の悪人だ』
『主様。この人が僕らに付くの?』
「まあ…。部屋に直接入るようなことはしない
だろうし、仕事は馴染んで覚えてからだと思う
から、大丈夫よ」
『そっっか!』
『ペリドット様。それと、ジャスパー様。ペリ
ドット様が神獣であるのをお聞きしてます。誰にも
言わず、お二方にお仕えします。…あの時は、本当にすみません』

随分と変わった…。本来はこういう性格なのかな?まっ、人の本性ってのは見えないもんだしいっか。もしなんかやろうとしたらジャスパー、一人で
殺せるだろうし。

「はあ…。なら、お願いね」
『はい!』
『ペリドット様。あと数時間ほどで夕食の時間と
なります。身だしなみを彼女に見せても大丈夫
ですか?』
「え?まあいいけど…」

そうだった…すっかり忘れてた。え~っと~?
確か『神の声を聞いてこい』だったっけ?まあその
"神"は私もしくはジャスパーにすれはいい話だから
問題はない。

(あ…思ってたより問題はないかも)

油断はできない。ジャスパーに関してはとある世界
に予め行ってもらっておこう。久々に行きます
かね…"幻聖園ホーリーファント"。
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