23 / 113
23
しおりを挟む
✽✽王妃リリーアンの取り扱いに悩む国王様
国王は困り果てていた。
王太子の不始末から婚約を解消されたローズマリーには、しばらく間を置いてから新たな婚約者候補を紹介しようと思っていたのに…
王妃からローズマリー嬢に申し訳ないから、エリックかエディアスの婚約者になる事を打診したいという旨の相談があったのだ。
その件に関しては、アンヌの婿としてリオンを貰い受けたいと先方に話を持ちかけたばかりなのに…
あっ!
リオンの件…
まだリリーに話していなかったのか…
これは不味い…
この話が漏れたら…
私はリリーからどやされるに違いない…
どうしたらよいのか?
それと…タダでさえシスコン気味であるリオンを刺激して、怒りを買うと王宮が消し飛ぶからやめてくれないかな?
リリーも一度言い出したら聞かないだろうし…どうしたものか…
しかも、アンヌの婿候補として隣国の第2王子がよいのではないか?と言ってきたのだが…
私としては、アンヌの婿にはリオン一択なので…
どうしたものかな…
隣国が我が国に政治的に介入するきっかけはなるべく与えたく無いのもあるし、
アンヌに欠けているモノを確実に埋めてくれる存在として、リオンを選んだわけなのだが…
リリーと話合う前に、アンヌと話すべきか?
先にエディアスとリオンを味方にしておかないと…
王宮が吹き飛ぶどころか、我が国が崩壊するかもしれないからな…
エディアスも、リオンに負けず劣らずシスコンでアンヌの事を溺愛しているから、あのふたりの天才魔導師を怒らせたら…
不味いのだよ!
リリーの怒りも恐ろしいが…
私に冷たくしたり、八つ当たりする程度なら我慢すれば何とかなる!
国を守る王としては、妻のご機嫌よりも…
国と国民の安全を守るのが1番だからな!
よし!
私は決めた!
リリーアンからしばらく冷遇されてもよいから…
リオンをアンヌの婿にするぞ!
その為にも…
隣国の王子が我が国の王室に入った場合の不利益についてをエディアス、リオンにプレゼンして、リオンに婿になる件を同意して貰うのだ。
これしかない!
リリーアンは、王太子の廃棄の件で心労が続いているだろうからしばらく療養兼ねて南区のリゾート地に保養に行ってもらう事にしよう。
リリーアンを説得するのは、口の上手いエディアスに頼むとしようか。
エディアスに借りを作るのは恐ろしいから魔導研究所を別棟に増築する件を餌にするしかないな。
駆け引きの材料も揃えたし、早速エディアスとリオンを呼び出さなければな…
それにしても…
国王とは孤独なモノだな。
家族とも駆け引きをしなくてはならないわけだからな…
私が選んだ道なのだから仕方ないのだけれど…
願わくば、次期王になるアンヌの周りには気を許せる腹心の部下がひとりでも出来ればよいのだが…
私のような孤独をアンヌには味あわせたくないものだな。
◇◇◇◇
私が若気の至りで異世界から来た聖女を運命の人だと思い、真実の愛に目覚めたとか馬鹿な事を言い出さなければ…
リリーアンとはお互いの腹の中を探り合いするような冷たい関係にならなかったはずだからな。
真実の愛とかいうまやかしにハマるのは…
ヤバいな…
エリックやエディアスにも真実の愛には気をつけろと言っておかないと…
これは人生の先輩としての務めであろうな。
国王は困り果てていた。
王太子の不始末から婚約を解消されたローズマリーには、しばらく間を置いてから新たな婚約者候補を紹介しようと思っていたのに…
王妃からローズマリー嬢に申し訳ないから、エリックかエディアスの婚約者になる事を打診したいという旨の相談があったのだ。
その件に関しては、アンヌの婿としてリオンを貰い受けたいと先方に話を持ちかけたばかりなのに…
あっ!
リオンの件…
まだリリーに話していなかったのか…
これは不味い…
この話が漏れたら…
私はリリーからどやされるに違いない…
どうしたらよいのか?
それと…タダでさえシスコン気味であるリオンを刺激して、怒りを買うと王宮が消し飛ぶからやめてくれないかな?
リリーも一度言い出したら聞かないだろうし…どうしたものか…
しかも、アンヌの婿候補として隣国の第2王子がよいのではないか?と言ってきたのだが…
私としては、アンヌの婿にはリオン一択なので…
どうしたものかな…
隣国が我が国に政治的に介入するきっかけはなるべく与えたく無いのもあるし、
アンヌに欠けているモノを確実に埋めてくれる存在として、リオンを選んだわけなのだが…
リリーと話合う前に、アンヌと話すべきか?
先にエディアスとリオンを味方にしておかないと…
王宮が吹き飛ぶどころか、我が国が崩壊するかもしれないからな…
エディアスも、リオンに負けず劣らずシスコンでアンヌの事を溺愛しているから、あのふたりの天才魔導師を怒らせたら…
不味いのだよ!
リリーの怒りも恐ろしいが…
私に冷たくしたり、八つ当たりする程度なら我慢すれば何とかなる!
国を守る王としては、妻のご機嫌よりも…
国と国民の安全を守るのが1番だからな!
よし!
私は決めた!
リリーアンからしばらく冷遇されてもよいから…
リオンをアンヌの婿にするぞ!
その為にも…
隣国の王子が我が国の王室に入った場合の不利益についてをエディアス、リオンにプレゼンして、リオンに婿になる件を同意して貰うのだ。
これしかない!
リリーアンは、王太子の廃棄の件で心労が続いているだろうからしばらく療養兼ねて南区のリゾート地に保養に行ってもらう事にしよう。
リリーアンを説得するのは、口の上手いエディアスに頼むとしようか。
エディアスに借りを作るのは恐ろしいから魔導研究所を別棟に増築する件を餌にするしかないな。
駆け引きの材料も揃えたし、早速エディアスとリオンを呼び出さなければな…
それにしても…
国王とは孤独なモノだな。
家族とも駆け引きをしなくてはならないわけだからな…
私が選んだ道なのだから仕方ないのだけれど…
願わくば、次期王になるアンヌの周りには気を許せる腹心の部下がひとりでも出来ればよいのだが…
私のような孤独をアンヌには味あわせたくないものだな。
◇◇◇◇
私が若気の至りで異世界から来た聖女を運命の人だと思い、真実の愛に目覚めたとか馬鹿な事を言い出さなければ…
リリーアンとはお互いの腹の中を探り合いするような冷たい関係にならなかったはずだからな。
真実の愛とかいうまやかしにハマるのは…
ヤバいな…
エリックやエディアスにも真実の愛には気をつけろと言っておかないと…
これは人生の先輩としての務めであろうな。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる