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✽✽真実の愛は…幻ではなかったらしい

「ロディ、いいかしら?

貴方に縁談が来ているのよ。

こちらに座って!

今、お父様から話があるわ」

水晶宮の裏庭でエディアスに魔力コントロールのレベル確認をしてもらっていた私を母上が呼んでいる。

ロディなどとお呼びになるとは…母上の喜ぶようなところから縁談が来たのか?

私はしばらく誰とも婚約しないと父上に言っておいたのに…

まさか…

政略結婚?

私はこの国から出て何処かに婿入りするのか?

仕方ない…

話を聞いてみよう。

◇◇◇◇◇

「ロディ、帝国からお前に末の王女を嫁がせたいと申し出があった。こちらから断る事は出来ない…ロディ…受けてくれるか?」

「父上…

私でよいのでしょうか?

帝国は私が廃嫡された事を知っているのですか?」

「…お前は、のんきなヤツだな!

帝国の王女が何故お前を指名してきたかわからないのだな…

お前が真実の愛の相手だと言っていたユリア嬢は、帝国の王女ユーリシア様だよ?」

「何ですって?

ユリアが…まさか…

そうか!ローズマリーの祖母は帝国の王家から降嫁されたのだったな。

しかし…帝国の王女殿下が何故…侍女の真似事を?

父上…私はどうしたらよいのですか?」

「どうもこうもない!

お前の真実の愛が実るのだから喜ぶんだな!

リリー私はこれで戻るから後は頼んだぞ」

「わかりましたわ!後の手配はお任せ下さい。

ロディ!良かったじゃない!

貴方は真実の愛を貫く事が出来そうよ?

貴方は…ローズマリー嬢に感謝しなさいよ?」

◇◇◇◇◇

「はい!ローズマリーに感謝の手紙を送ります!それと何か気が利いた贈り物をしたいのですが…

母上、後から相談に伺います!」

私は夢を見ているのだろうか?

ユリアがユーリシア王女で私はユリアと結婚出来るという事でいいんだよな?

何か…実感がわかない…

そうだ!

エディアスに聞いてみよう。

アイツなら冷静な判断が出来るはずだ。

◇◇◇◇◇◇

私の私室でのんきにお茶を飲んでいた弟に私の結婚話をしてみた。

「えっ?

待って!兄貴…逆転ホームランじゃないの?

ユーリシア王女が兄貴にちょっかい出した責任をとってくれたって事ね!

おめでとう!」

普段は見せない満面の笑みで私を祝福する弟。

私が王太子だった時はこんなに距離は近くなかったように思う。

廃嫡されてから家族の縁が深くなったのだ。

私はユリアと出逢ってから世界が変わったのだ。

やはり…ユリアは私の運命の女であり、これから真実の愛を育んでいきたい相手だ。

ユリアに先を越されたけれど…私からユリアにプロポーズしよう。

私達の始まりをみんなに祝ってもらわなければ…

◇◇◇◇◇◇

最後にようやく愛称が出てきた元王太子様…

ユーリの方が男前なので、一生お尻に敷かれそうな感じがしますね。

どうかお幸せに!

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