【完結】婚約破棄され国外追放された姫は隣国で最強冒険者になる

朝の鍛錬

体力が余ってるジルと付き合わされたマティス先生と私は…

今日から、城の忍び衆の朝の鍛錬？訓練？に参加する事になった。

ジルが帝様に暇だから何かしたいし、せっかくだから忍び衆と手合わせしたいとお願いしたみたいなんだけど…

マティス先生も私も朝弱いんだから…

勝手に決めるのやめてよね？

朝というか、夜明け前に起こされて…

山道をみんなで走ってます！

さっきからずっと…

ケインさんからは、山の気配を感じて下さい。

私達は、今から山の一部になりますからね。

誰にも見えないように移動しますよ？って言われたけど…

何なの？

山になるの？

えっ？無理でしょ？

私についてきたパミラとしろたんは…

既に風になってる…

走るの速すぎて見えない…

魔法で肉体強化使えば出来るけど…

自力だよね？

日が登る頃には…

山の一部になれなかった、私達はヘトヘトになってた。

忍びになるにはかなり体力がいるみたいだ。

グッタリしたマティス先生初めて見たわ…

レアだ！

「体力には自信があったのですが…冒険者を引退してから衰えたようです！

明日からは気を引き締めないと…」

マティス先生のやる気スイッチが押されたようです。

ジルも体力には自信があったから悔しいらしく…

「和国の忍びには負けねぇから！

ジュビア男の魂みせつけてやる！」と燃えている…

どうやら負けず嫌いに火がついたらしい。

これは…

アマンダ様に報告しないと…


私も忍び衆には負けられないな。

アーライ女の維新がかかってる！

グッタリしたままのふたりに回復魔法をさり気なくかけて！

勿論、自分も回復して…

私は朝ごはんを食べに行く。

お城の朝ごはんはバイキング方式で色んなメニューが楽しめて最高なんだから！

今朝は何食べようかな？

おにぎりもいいけど…

ご飯の上に甘辛く煮た魔獣肉と野菜をのせた丼も美味しいんだよね…

今朝はどんなメニューがあるんだろ？

横ではパミラがうどん食べたい！って騒いでるしろたんに、静かにしなきゃダメ！と注意してる。

しろたんは最近天ぷらうどんにハマってるみたい。

ちょっと元気になったのかジルは甘い卵焼きを注文していた。

注文を聞いていた侍女が真っ赤な顔をしてるから不思議に思ってたんだけど、

「ミディ！

ジルは黙ってたらイケメン！」と言われて納得する。

確かに中身を知らなければジルはかなりのイケメンだ！

間違いなくモテる！

私とパミラが何を食べるか選んでいると…

「これは、どんな味なの？」と聞いているマティス先生を見て、素敵！とか、クール！と言うつぶやきが聞こえた。

この方も…見た目はクールガイですもんね。

中身は凍りつくようなドＳ紳士ですけど…

と思いながら、私はパミラが食べたいと言う魔獣肉ときのこの煮込みを山盛りにしている。

ジルもマティス先生も和国でもモテモテのようだ。

私とパミラが大皿に山盛りの料理とおにぎりを持っていると、ケインさんが

「お嬢様方！私がお運びします！」と全部持って朱雀様としろたんが待つテーブルに運んでくれた。

ケインさんにお礼を言ってテーブルにつくと、朱雀様がしろたんにうどんを食べさせていた。

しろたんは和国のカトラリーであるハシが上手く使えないのだ。

「すざくねーたん。ぼくじぶんでできるよ？
へたくそだけど、だいじょぶ」とやる気を出すしろたんに、優しくハシの持ち方を教える朱雀様。

「シロ！がんばれ！」と応援するパミラ。

しろたんはニコニコしながら、

「ぼくわこくまもるからわこくのこと、おぼえるの。

すざくねーたんもまもるの」と爆弾発言をして、

シロは無邪気過ぎて困る…と朱雀様を赤面させていた。

しろたんは、朱雀様よりかなり年下だけど何だか頼もしいとこがある。

しろたんがだいじょぶって言うと安心みたいなとこあるよね？ってパミラに言ったら

シロはまだ子供だけど、フェンリルだもん！

アーライの森のフェンリルは、愛する者を守ろうとする気持ちが特に強いって父様が言ってたよ。

だから、シロはすざくちゃんの為にこれから強くなるの！と教えてくれた。

しろたん…

まだ小さいけど将来有望なフェンリル様なんだね。

しろたん…

かっこいい！

運命の番に逢えてよかったね！

続きは、また明日。