【完結】婚約破棄され国外追放された姫は隣国で最強冒険者になる

面接は大変なんです！

ロペスやジェイムス、ゼルダたちに助けられながら


ミルティーヌは、ノティス商会と工房を経営している。
 

ノティス家の女主人としても張り切っているのだ。


ノティス商会は、毎日大盛況で工房にも注文が入りフル回転。


工房で働きたい職人も沢山いて、ゼルダが厳しく面接している。

ノティス商会で扱っている魔道具の製法を盗みたいと工房に入ってくる不届き者もいる為、紹介状のない人はお断りにしているのだが…


「どうしてもここで働きたいのです！

お願いします！私…ミルティーヌ様に憧れていて、家出して来ました！」


アーライから、ミルティーヌを追いかけてきたご令嬢がひとり。


ゼルダが門前払いにしたのですが、門の前で何時間も待っているようで…


ロペスが話を聞くようだ。

「あなたは、どちらのお嬢ちゃんかしら？

うちは家出娘の集会所じゃないのよ？

働きたいなら、家族と話をつけた後にしなさいな。

紹介状も必要よ？

分かったならお家に帰りなさいな？

ずっとそこにいるなら、強制送還するわよ？」


ロペス…

お嬢様相手でも一切容赦なし！


「あの…いったん帰りますが、ひと目ミルティーヌ様にお会いしたくて…

私、ラナリア・フォリオと申します。

お茶会で何度かお話をした事がありまして…」


「フォリオ家のご令嬢なの？ 王宮騎士団の隊長のご子息と婚約したと聞いたけど…

婚約がイヤで家出してきたのかしら？」


ラナリア・フォリオと名乗った令嬢は、ふんわりしたハニーブロンドの長い髪に意志の強い輝きを放つエメラルドの瞳を持つ、勝気な美人である。


フォリオ家と言えば優れた魔導師が多く、彼女の兄は確か…


五大賢者のひとりだったはず…


「私は、好きなように生きたいのです！

ディオン様のように、魔道具師として身を立てたいのです！

こちらの工房で働かせて下さい！」


アーライから、またひとり家出娘が…

ノティス商会にやってきた！