一応王女です

まゆら

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「ばあや、私のお父様とお母様はどうして私に会いに来てくれないの?」


「姫様のお父様とお母様はお忙しい方々なのですよ。

姫様には、このばあやがついております!

ばあやではご不満ですか?」


「ばあや…

いつも有難う。

不満とかじゃないの?

ライが、ユーリは親に嫌われてる捨てられ姫って言ってきたから…

だから…」


「姫様…

ライボルトなどの言う事は気にしなくていいのですよ。

あの小僧は、ちょっと頭が足りないのですからね。

何を言ってきても無視すればよいですよ。

次に馬鹿な事を言ってきたら、不敬罪で処罰されたいの?と言えばよいですからね」


「わかった!

ライが何を言ってきても気にしない。

あんたは不敬罪って知ってる?って聞いて知らなかったら笑ってやる事にする」


「それがいいです。姫様は私達の大切な大切なお姫様ですからね。

くだらない事を言ってきたら叱り飛ばせばよいのですよ?

この白百合宮の主は姫様なのですからね?」


「わかった!

私はこの宮の主としての自覚を持って行動するよ。

ライごときの言葉に一喜一憂していては女がすたるんでしょ?」


「そうです、姫様。

その調子でお願いします」


 ユーレリアは、5歳になったところなのだが…


 王太后様が派遣してくる凄腕家庭教師たちのおかげで日々賢くなっているのだ。

 最近では、海の向こうにあるジュビア王国やアーライ神国の言語や歴史についても学び始めている。

 ユーレリアの姉であるテレサ王女は、未だ母国語を話すのもままならない様子らしく家庭教師たちはテレサ王女の教育に手を焼いているらしい。


 王太后様は、時間がある時に白百合の宮を訪ねてくれる。表向きには、白百合の宮にある王太后様専用の薬草園の様子を見に来るという名目でユーレリアを甘やかしに来るのだ。


 来る時には必ずユーレリアが大好きな本や王太后様の祖国であるジュビア王国で人気のお菓子や、アーライ神国で流行っている魔道具を沢山持ってきてくれるのだ。


 ユーレリアは、大好きなお祖母様が白百合の宮を訪ねてくるのを楽しみにしている。


「ばあや、お祖母様にお手紙を書きたいのだけれど便箋が見当たらなくて…」


「それなら、こちらにありますわ?

王太后様は、姫様からのお手紙を楽しみにされていますからね。

きっとお喜びになりますわ」


「そうかなぁ?

あのね。今日は、お祖母様の生まれたジュビアの言葉でお手紙を書くつもりなの。

ねぇ、ばあやもジュビア語が分かるんでしょ?

手紙を書き終わったら、私が書いた言葉に間違いがないか確認してくれる?」


「はい!

姫様!!

ばあやがシッカリと確認致しますから安心してお手紙を書いて頂ければ…」


「うん!

ばあやお願いね。

今日は、アーライ神国の先生の日だから、ジュビア語の質問は出来ないの…」


「姫様…

クリスティーナ先生は、アーライの伯爵令嬢ですからジュビア語も話せると思いますよ?

クリスティーナ先生に、ジュビア語で話しかけてみてはどうでしょう?」


「ばあや…

アーライ神国の貴族はみんなジュビア語が話せるの?

じゃあ、ジュビア王国の貴族はみんなアーライ語が話せるのかな?」


「そうですね…

伯爵家以上の高位貴族であれば話せる方が多いのではないですか?

ジュビアとアーライは友好国ですから、貴族だけでなく商家の者たちも両方の言語を話す者が多いですね」


「なるほど…

ジュビアも、アーライも、国民の教育が行き渡っているんだねぇ。

我が国は、ちょっと遅れているんじゃない?

私が大きくなったら、教育にもっと力を入れたいなぁ。

平民が気軽に通える学校を作ったらよいと思うんだ」


 5歳の幼女が、自国の教育の遅れを憂いているというのに…この国のトップは何をしているんだろう?


 この才気溢れるユーレリア王女を蔑ろにしている国王も、王妃もロクなもんじゃない!とユーレリア付きの乳母や侍女及び、王太后様の命でジュビア王国から派遣されユーレリアをこっそり守護している暗部の精鋭たちの意見は一致するのだった。















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