一応王女です

まゆら

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「ふふふっ。

ユーリ…あなたも王族なのだから慣れなくてはいけないわ。

王族には、常に守ってくれたり、手足となって動いてくれる影がついているのよ。

あなた専属の影も何人もいるのよ。

影たちは、あなたが命じた事を命懸けでやり遂げる。

それが仕事だからね。

さっきみたいにいきなり姿を現したり、消えたりする事も日常茶飯事だから慣れなさいな。

そのうちあなたも影を使いこなすようになるわ」


「お祖母様…

そういえば私、影の方にお仕事をお願いした覚えがあるような、無いような…

この間、セーラが買ってきてくれた焼き菓子がもう一度食べたくてどうしようもなくて…

マダムバーバラの焼き立てマフィンが食べたいって呟いたら、おやつの時間にマフィンが用意されていたんです。

あれって、影さん達の誰かがお願いを聞いてくれたのでしょうか?

セーラに聞いたらセーラではないと言っていたので…」


「あらまぁ、そんな事があったのね。

どうかしらねぇ。

影達なのか、白百合の宮の使用人の誰かなのか分からないわね。

可愛いユーリが食べたいと言ったのを聞いたなら、みんなその願いを叶えたいと思うはずよ。

ユーリは、まだ小さいけれどこの宮の主人として頑張っているのだから。

あなたに仕える事が出来て幸せだと感謝していますと私の方まで話が伝わって来ているの。

あなたには、生まれながらの王者の風格があるのよね…

あなたが男だったら、あのボンクラ息子を直ぐに玉座から引きずり下ろして国王にしたいくらいよ。

つまんない魔道具作りに明け暮れて何にもしない王なんていらないわよね…

兄ふたりが優秀だったから三男のあの子には何の期待もせずに好きなようにやらせたのが間違いだったわ。

出来るならあの子を幼子に戻して再教育したいものだわ」


 王太后様は過去の自分の不甲斐なさを猛省しているようだ。


「あの…王太后様、こんな事を言っては不敬かもしれないのですが言わせて下さい。

国王様は、自由にしていたとは言いますが王族としての教育は勿論の事、王太子となられてからは王になる為の教育を受けていますよね?

王になりたくないなら、拒否権が全く無かったわけでもないですし…

残念ですが、あの方は周りに流されて王となっただけで根本的に王としての資質が足りないのではないでしょうか?

女性でも王になれるように、法を変える事は出来ないのでしょうか?

王太后様が女王となり、次の代はユーレリア様が女王となった方がこの国は安泰だと私は考えております」


 生まれた時からユーレリアを守護してきたマーガレットは、日々多くなっていくユーレリアの言葉の中に国民の生活を憂う言葉だったり、国をもっとよくする為の考えが溢れている事を知っている。


 そんなマーガレットだからこそ、仕方なく玉座を温めているだけのアレクサンドロよりも、ユーレリアが王に相応しいと考えているのだ。そもそも、今のグラント王国は王太后様がいなくては機能しないだろう。宰相は、貴族たちの意見を纏めたり、お金を引き出すのは得意だが、国全体を見渡し政策を打ち出すような才は持ち合わせていない。


 王太后様とユーレリア様がこの国から去れば、十年もしないうちに国は崩壊するだろう。







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