夕暮れカフェ◆ 公園通り恋物語◆

まゆら

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寝正月

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夕陽が帰宅すると…


凪がようやく起きてきたようでお雑煮に入れる野菜を切ってくれていた。


「お姉ちゃんおかえり。

あっ…あけましておめでとう!

今年もよろしくって…

しましまとふうたんも一緒だったの?」


「ただいま!!

凪あけましておめでとう。

今年もよろしくね。

みんな起きなくて寂しいから、しまたちを連れて氏神様にお参りしてきたのよ。

甘酒美味しかったわ。

神社で頂く甘酒って何であんなに美味しいのかしらね?」


「そりゃ~誰かが作ってくれて無料だからでしょ?

甘酒かぁ…

私も後からお参りに行こう!」


「凪は、ゆう君と行くんでしょ?

着物着たいなら、早めに言いなさいよ?

着付けに時間かかるんだからね?

お雑煮の準備してくれてたのね、ありがとう。

私達だけでも、先に済ませちゃう?

みんな起きなそうだし…」


「どうだろ?

ゆう君からはまだ連絡ないからわかんない。

着物は着ないつもりだから大丈夫だよ。

お雑煮は、お餅入れたら直ぐに食べられるよ。


さざなみハイツの面々は、帰省組と年末年始も仕事組に別れてるから…

仕事組は、まだ寝てると思う。

美紅姉は、除夜の鐘をつきに行って帰って来てないみたいだし…

お雑煮ふたり分作ろうか?

白味噌とおすましどっちにする?」


「そうねぇ…

美紅姉は初詣行った後に飲んだくれてるのかしら?

久しぶりのデートだったみたいだし、楽しんでるんだろうね。

居残り組用のお節は重箱に詰めてあるから、後は美紅姉の分を取り分けておかないとね…

お雑煮は白味噌にしてもらおうかな。

さっき、ご近所さんからもらったセリを入れたいの」


夕陽は、お腹空きましたと訴えてくるしまじろと風太の朝ごはんを用意してから、近所の常連さんからもらった新鮮なセリを凪に渡した。


「わぁ、いい香り。

じゃあ白味噌のお雑煮にするね。

セリは、別でサッと湯がいてから入れた方がいいかな?

お姉ちゃんは、お餅何個食べるの?」


凪は、餅網を出して餅をのせていく。


「とりあえず2個!」


「了解!」


餅網にのせられた丸餅は5個。


という事は…


凪は3個食べるつもりのようだ。


朝ごはんを食べ終わったらしいしまじろは、凪の足元で構って欲しそうに待機している。


風太はお腹いっぱいになって眠くなったのか、お気に入りのクッションにダイブした後…


爆睡している。


年が明けてもいつもと変わらない日常に何だかホッとする夕陽である。


平凡な日常を送れるのは有難い事だから…
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