【完結】サヨナラの向こう側にあるもの

まゆら

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十五夜

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今宵はどうやら君に逢えないようだ

中秋の名月を眺めながら一緒に月見酒を楽しむはずだったけど

君は月より仕事らしい

季節の移ろいを一緒に感じられるような付き合いが理想なのに

何故だか美しい景色や美味しい料理、のんびりとした時間を楽しめるような相手と恋に堕ちないのだ

常にPCやiPhoneとにらめっこしてるような人を選んでしまう

自分と正反対のタイプに魅かれてしまうらしい

月が綺麗ですねって云いながら笑い合えるそんな誰かと恋したいのに‥

現実は上手くいかないもんだなぁと思いながら新酒をひとくち

美しい月に想いを馳せながら飲むお酒の美味しさが解らないなんて残念な人

そう呟きながらも来年は君と一緒に十五夜を過ごせたらよいなぁと密かに思っているのだ

私は諦めの悪い女みたいだ
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