【完結】サヨナラの向こう側にあるもの

まゆら

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同じスピードで恋したいから

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「私、年内で退職して地元に帰る事になったの。

あなたと会うのも最後かな。

今までありがとう」


彼女は笑って手を振って去って行く。


追いかけろ!


二度と会えなくなるかもしれないぞ?


僕の中の誰かが囁く。


でも…


彼女の中で、僕はもう無かった事にされてる気がする。


彼女は、多分結婚したかったんだと思うから…


それは僕じゃなくてもいいんじゃないかって、条件が合えば誰でもいいんじゃないかって…


僕と付き合いながらも、婚活アプリで気があった人と会ったりしてたとか…


地元でお見合いしたとか…


僕の知らない君の色んな情報があちこちから入ってきて僕を苦しめていた。


僕は、ゆっくりと関係を深めて行きたかっただけなんだけど…


君はいつも慌てていた気がする。


そんなに慌ててどうしたいんだろうって、


ずっと一緒にいるなら、のんびりした人がいい。


生き急いで周りを見れなくなるのは嫌だから…


気持ちを試されるのも苦手だ。


駆け引きしないと成り立たないような関係じゃ疲れてしまうから…


なるべく素のままの自分を出せる人と優しい時間を過ごして行きたい。


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