人狼と眼鏡男子魔法使い

フェレイル

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人狼と眼鏡男子魔法使い2話

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カツカツとヒールの音を立てて、玄関へとやってくる美女。もう少し若ければ美少女になるぐらいの年齢で、豪華な金の髪が小さな顔を縁取り、大きな金色の長いまつ毛に縁取られたアイスブルーの瞳には怒りの炎が上がっているように見える。そして、派手すぎるほど紅いドレスが、似合っている素晴らしいプロポーションで。喉奥でひぇと、叫ぶのを必死で押し留めた。小さな体なのに、めちゃくちゃ威圧感あるんですけど、この人!怖い!



「初めまして……。サイラスです……。えと、その……ノヴァの友達……?をやらさせて……ひぇ」



辿々しく言葉を紡ぐ僕の肩に、ノヴァの顎が置かれた。後ろからぎゅっと抱きしめられる。絶対零度な視線が、突然現れた美女に注がれている気がするが、美女も美女で、目力強そうな目でこちらを見ている。 空中でばちばちと火花が散っているのが見えるぞ、うん。



「威圧でひとの番を試すような真似をしないでくれないか、姉さん。」



ひえっひえの声が近くからする。凍傷しそうだよ、耳が。



「あら、かーってに外国の学校に行って、かーってに番なんか作っちゃって。こっちの心配も知ったこっちゃないって感じね、ノヴァ」



「まさか番が外国に居るとは知らなかった。」



ちょっと、どさくさに紛れて体触るのやめてくれないか。



「悔しいわ。弟なんかに番が見つかって。番探し、私も本気入れてやろうかしら。」



形いい唇尖らせて、拗ねる美女。



「二人とも良さないか。サイラスくんが困ってる。」



ようやく、助けの船が出てきて、だんだん強まってきた腕の力が緩んだ。



「と、とりあえず……お姉さん、ですか……?」



ノヴァは冷たく光る月のような冴えざえとした静の美貌だが、こっちの美女はまるで何もかも焦がしそうな強い太陽な美貌だ。でも、目の色がそっくりだ。



「あ、てっきり、ノヴァの婚約者がやってきたのかと思っちゃいました。……小説でよくある展開で。」



「俺に婚約者などいない。」



またぎゅっとされて、ぐえっとなった。



「弟は、昔っからまだ見ぬ番に憧れて、来た令嬢はバッサリやってたのよ。まさか本当に見つけてくるとは思いもしなかったけど。そうだ、荷物置いたら私と話しない?いい茶葉が入って」



「うわっ!?」



お姉さんの言葉が終わる前に、ノヴァに担がれてしまった。



「な、何やってんだ、ノヴァ!!?」



「では、先に失礼します。これから、番と一仕事するので」



「ひ、一仕事って!?」



ずんずんと、奥の方へ歩き始めるノヴァと、担がれてしまった僕を、ヴェーディさんとお姉さんはあっけに取られた様子で、ペリエさんのほうは、微笑ましく見守っていた。

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