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竜とゴーグル魔法使い2話
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「封印。防音。防振。」
「……結局来ちまった。」
魔法をかけるエダルベルトの声を聞きながら、ぐるりと部屋の中を見る。初めて入ったな、エダルベルトの部屋。今まで、工房とオレのほとんど使っていない部屋にしか、その、逢瀬はしてなかったしな……。何があるのか興味深かったが、ジロジロ見ても、きちんと整えられた一室にしか見えない。ぱりっと整えられたベッドが見えて、顔が赤くなる。散々体をつなげていて、今更だが。
「んん、何。照れてる?ジーニアス、かわいい。」
「……うっせ。」
文字通り部屋に連れ込まれてるが、初心な彼女のような感じになるわけにはいかねぇし、でも、少しだけ照れる。
「ちょっと待ってね。ジーニアスと一緒に使おうって思って作ってもらったお香があるはず。あった。」
エダルベルトはごそごそと、作り付けの棚から袋と皿を取り出してきた。
「……オレと使うって、なんだよ?」
「前に、ラベンダーの香りの石鹸をジーニアスが使っていただろう?私もジーニアスと一緒に私が選んだ香りに包まれようかと思ってね。」
机の上に、お香を乗せる皿を置き、その上に円錐の形をしたお香が二つ載せられる。エダルベルトの手の指先に、ぼっと炎が付き、その炎でお香に火をつける。
「……お前得意なのって、炎の属性だったっけ。」
「まぁ、これでも竜の端くれだしね。炎のブレスはお手のもの、だよ。氷のブレスも吐けないことはないけど、ノヴァに比べたら負けるし。」
「竜の端くれって……。エンシェントドラゴンが何を言ってる。」
ベッドの上に腰掛けて、エダルベルトを見上げる。相変わらず、きらきらしてんなー。艶やかな紺の髪に、綺麗な琥珀色の瞳。見ていて、どくんと心臓が跳ねる。
「んん……良いにおいだな……。媚薬のお香と一緒に何を焚いているんだ?」
「叔父上からプレゼントしてもらった、とびっきりの香木をお香にしてもらったんだ。良い香りだろう?」
「ん……ああ、そうだな。」
エダルベルトは、オレの隣に腰掛けた。ぴたりとオレにくっつく。それが嫌じゃゃないんだよな……。心臓がドキドキするのは勘弁してくれって思うが。それにしても叔父上、か……。良いところの坊ちゃんなんだろうな、エダルベルトは。
「んん、なにか考え事してない?私が一緒に居るんだから、私の事を考えてよ。」
「……お前のこと、考えてたぜ。もちろん。」
それは嘘じゃない。
「じゃあ、もっと私の事しか考えられなくするね……。」
綺麗な顔が近づく。最初は軽く。触れるだけのキス。次は、もう少し長めのしっとりとしたキス。その次は、後ろから回ってきたエダルベルトの手に頭を固定され、深いキスを。舌、長いなこいつ。まるでトカゲみたいだ。……竜もトカゲの一種だな……。とにかく不埒な舌は、オレの口の中を、勝手に冒険しやがる。鼻で息をするのは知識で知っていても、キスだけで翻弄されると、中々出来やしない。
「あ……ふっ……。はぁ……♡」
「……いただきます。」
「……どうぞ。」
唇が離れて、エダルベルトはそう言い。オレは竜の生贄になった気持ちになっていた。
「……結局来ちまった。」
魔法をかけるエダルベルトの声を聞きながら、ぐるりと部屋の中を見る。初めて入ったな、エダルベルトの部屋。今まで、工房とオレのほとんど使っていない部屋にしか、その、逢瀬はしてなかったしな……。何があるのか興味深かったが、ジロジロ見ても、きちんと整えられた一室にしか見えない。ぱりっと整えられたベッドが見えて、顔が赤くなる。散々体をつなげていて、今更だが。
「んん、何。照れてる?ジーニアス、かわいい。」
「……うっせ。」
文字通り部屋に連れ込まれてるが、初心な彼女のような感じになるわけにはいかねぇし、でも、少しだけ照れる。
「ちょっと待ってね。ジーニアスと一緒に使おうって思って作ってもらったお香があるはず。あった。」
エダルベルトはごそごそと、作り付けの棚から袋と皿を取り出してきた。
「……オレと使うって、なんだよ?」
「前に、ラベンダーの香りの石鹸をジーニアスが使っていただろう?私もジーニアスと一緒に私が選んだ香りに包まれようかと思ってね。」
机の上に、お香を乗せる皿を置き、その上に円錐の形をしたお香が二つ載せられる。エダルベルトの手の指先に、ぼっと炎が付き、その炎でお香に火をつける。
「……お前得意なのって、炎の属性だったっけ。」
「まぁ、これでも竜の端くれだしね。炎のブレスはお手のもの、だよ。氷のブレスも吐けないことはないけど、ノヴァに比べたら負けるし。」
「竜の端くれって……。エンシェントドラゴンが何を言ってる。」
ベッドの上に腰掛けて、エダルベルトを見上げる。相変わらず、きらきらしてんなー。艶やかな紺の髪に、綺麗な琥珀色の瞳。見ていて、どくんと心臓が跳ねる。
「んん……良いにおいだな……。媚薬のお香と一緒に何を焚いているんだ?」
「叔父上からプレゼントしてもらった、とびっきりの香木をお香にしてもらったんだ。良い香りだろう?」
「ん……ああ、そうだな。」
エダルベルトは、オレの隣に腰掛けた。ぴたりとオレにくっつく。それが嫌じゃゃないんだよな……。心臓がドキドキするのは勘弁してくれって思うが。それにしても叔父上、か……。良いところの坊ちゃんなんだろうな、エダルベルトは。
「んん、なにか考え事してない?私が一緒に居るんだから、私の事を考えてよ。」
「……お前のこと、考えてたぜ。もちろん。」
それは嘘じゃない。
「じゃあ、もっと私の事しか考えられなくするね……。」
綺麗な顔が近づく。最初は軽く。触れるだけのキス。次は、もう少し長めのしっとりとしたキス。その次は、後ろから回ってきたエダルベルトの手に頭を固定され、深いキスを。舌、長いなこいつ。まるでトカゲみたいだ。……竜もトカゲの一種だな……。とにかく不埒な舌は、オレの口の中を、勝手に冒険しやがる。鼻で息をするのは知識で知っていても、キスだけで翻弄されると、中々出来やしない。
「あ……ふっ……。はぁ……♡」
「……いただきます。」
「……どうぞ。」
唇が離れて、エダルベルトはそう言い。オレは竜の生贄になった気持ちになっていた。
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