知力99の美少女に転生したので、孔明しながらジャンヌ・ダルクをしてみた

巫叶月良成

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第4章 ジャンヌの西進

第85話 落日の理想郷

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 それは一瞬。
 だが永遠とも思える時間。

 重ねた唇から不意に、これまでのクロエとの思い出が流れ込んでくる。

 初めて会った時のこと。共にブリーダを討伐に行ったこと。一緒に暮らしたこと。共に戦ったこと。帝都に行ったこと。その他、様々なことがたくさん。
 ことごとくこいつにの言動に苦労を重ねたことしか思い浮かばない。

 けど楽しかった。
 少なくとも、見知らぬ土地で孤独だった俺の心を、和らげてくれたのは間違いなくこいつだから。

 だからこんなところで死ぬな。

 その思いをぶつけるかのように、唇を押し付ける。

 キスはレモンの味というが、俺には血の味だった。
 里奈の時と一緒だ。

 きっと、クロエも戦っていたんだろう。
 必死に自分を押さえて、おれを殺さないよう血がにじむほど歯を食いしばって戦っていたに違いない。

 それが分かって、俺は泣きたくなった。
 最近、俺泣いてばっか。本当に格好悪い。

 けど格好悪くてもいい。
 これは、悲しい涙じゃないから。

 少なくとも、今は。

「あれ……? なんだろ、この幸せ気分……」

 ふと、クロエがいつもの調子で夢見心地なことを言う。
 そしてきょろきょろと辺りを見回し、そして俺のこの状況を見て目を見開く。

「えぅ!? 隊長殿がなんでここに!? あれ、私、私……」

 安堵のため息を漏らす。
 戻ってきてくれた。屈しないでいてくれた。
 それだけで嬉しいから。

「いいんだ。だからどいてくれ」

「は、はぁ……」

 クロエがどいて、数分ぶりに自由になる。

「た、隊長殿! 首から血が!」

「ああ、問題ない。薄皮一枚だ」

「て、手当を……血、隊長殿の血……吸ってあげます! 血、チ、ちぃぃぃぃ!」

「さっきと変わってねぇじゃねぇか!」

 実は今までも素だったとか?

「あ! ウィットが倒れてる! 情けないですね、また負けたんですか」

「そうじゃないけど……覚えてないならいい」

 なんだかある意味幸せな奴だな。
 まぁそこがクロエと言えなくもないけど。

 ふと、破裂音が響いた。
 拍手だ。
 見れば双子がお互いの手を打ち付けて器用に拍手している。

「素晴らしいですね。これぞ愛の奇跡。そうですよね、兄さん」

「素晴らしいですね。これぞ罪の奇跡。そうですよね、姉さん」

「それで? それがどうしました? そうですよね、兄さん」

「それで? たった1人でどうします? そうですよね、姉さん」

 いや、変わる。
 こいつが無事なら、打てる手はまだある。

「クロエ。全員鎮圧。誰も殺すな。できたらご褒美に続きをしてやる」

「ふひゃはほ!?」

 クロエが宇宙人みたいな素っ頓狂な声を出して飛び跳ねる。
 うーん、人外はここにもいたか。

 もちろん続きなんてやるつもりないけど。
 本当に俺も悪くなったもんだ。

 まぁ……肩もみくらいはしてやろうか。

 で、当のクロエというと、源義経の八艘飛はっそうとびよろしく、ぴんしゃか跳ね回っては暴れる兵たちを一撃でノックアウトしていく。
 もはやなんでもありだな、あいつ。

 そして5分も経たないうちに、広間に立っているのは俺とクロエ、そして双子の4人だけになった。

「というわけだ。ちょっと反則っぽい気もするけど、お仕置きの時間だ」

「隊長殿のお仕置き……クロエにもしてください!」

 あのな、クロエ。一応ここは最後のシリアスパートなんだから少し黙っててくれ。

「「ふっふふふ……あはははははは!」」

 だがそんな俺たちをあざ笑うかのように、双子が一緒に口を大きく開けて笑う。
 まだあるのか。この余裕が。

「まさかそれで勝ったと思ってないでしょうね。そうですよね、兄さん」

「まさかそれで終わったと思ってないだろうね。そうですよね、姉さん」

 双子の笑いに応えるように、倒れた兵たちがゆっくりと起き上がる。
 誰もが昏倒こんとうものの一撃を受けたというのに、その瞳から狂気は消えない。

「彼らはすでに嘘の極致に落ちている。もはやそれ以上にオチるはずもない。そうですよね、兄さん」

「彼らはすでに罪の極致に落ちている。もはやそれ以上にオチるはずもない。そうですよね、姉さん」

 くそ、うまいこと言いやがって。

「彼らを止めるには、息の根を止めるしかない。それとも一人ひとりにキスをしますか? そうですよね、兄さん」

「彼らを止めるには、息の根を止めるしかない。あるいは私たちを殺すしかありません。そうですよね、姉さん」

「キ、キス……!? まさかやっぱりさっきのは夢じゃ……」

「忘れろ! クロエ! あの2人を狙え!」

「き、き、き、キスーー!」

 もはや訳が分からない存在となったクロエが双子に向かって猛発進する。

「そう来るのは当然。ですが無駄です。そうですよね、兄さん」

「そう来るのは当然。ですが無理です。そうですよね、姉さん」

 言葉が終わる前に、兵たちが急激に動き出し、双子の前に壁を作る。
 生者たちの肉の壁。
 クロエが急ブレーキして、たたらを踏んだ。

「これで完璧です。彼らを元に戻すためには、私たちを殺さなければ不可能。素晴らしい矛盾ですね、兄さん」

「これで鉄壁です。私たちを殺すためには、彼らを殺さなければ不可能。素晴らしい矛盾だね、姉さん」

「くぅ……! 卑怯ですよ!」

「うふふふ! さぁ、どうしますか? 彼らを殺すか、私たちを殺すか。そうですよね、兄さん」

「あははは! さぁ、どうするんだ? 私たちを殺すか、彼らを殺すか。そうですよね、姉さん」

 双子が嘲笑し、クロエが歯噛みしている中、俺は別のことを考えていた。

 本来なら手詰まりの絶望的状況。

 だがそんな場面ながら、俺は初めて、ほんのちょっとだけれど少しだけ。
 この双子を理解できたような気がした。

 だから、指摘する。

「死ぬのが、怖いんだろ」

「「え?」」

 双子が同時にこちらに向く。
 そこには同じ顔の、同じ驚きの色があった。

「死ぬのが怖いから、こんなことをしたんだろ」

 そう。死にたいのならすぐに死ねばいい。
 それでもこうやって無様と言ってもいいほどに時間をかけて、あわよくば命を永らえようとしている。

 それは、死にたいと思っても、死ぬのが怖いからではないのか。

 もちろん、それは人が持つ当たり前の感情。
 死を避けるからこそ、人は死から逃れるよう努力し、そして死を克服しようとする。

 あの喜志田だって。
 あんなにやる気がなくて、死にたいとか思っていた彼だって。
 最期の言葉は死を嫌う一言だった。

 だがこの双子には当たり前がなかった。
 どこか人外を思わせる独特の空気をまとっていた。

 その空気が、今、変わった。

 秘密のベールを脱がされれば、得体の知れないアンノウンは、ただのいち人間へと成り下がる。

「お前らは死ぬのが怖い。死にたいとか言ってるけど、本当は死ぬのが怖いんだ。だから皆で死のうなんて言葉が出てくる。そうやって悪役を演じて、あわよくば誰かに殺してもらおうと思ってるだけの臆病者だ。いざ殺されようとなっても、死ぬ覚悟ができていなくて惨めにあがく憐れな道化だ」

 それが双子の本性。
 スキルに頼るまでもなく、それが理解できた。

 なんてことはない。
 彼らも、ただの中学生が罹患りかんする症状をこじらせただけ。

 俺たちとそう変わらない、普通の人間。
 その証拠が出た。

「ち、違う! 私たちは死など怖くない! だから、だから皆で――」

「に、兄さん……?」

 初めて、初めて崩れた。
 双子の均衡。
 兄が肉の壁から顔を出し、必死の形相で噛みついてくる。

 そこを、この男は見逃さなかった。

「あ……」

 銃声。
 そして、双子の弟の額に、穴が開いた。

「れ、蓮……?」

 椅子のひじ掛けにもたれるように倒れる双子の片割れ。それを呆然と見ていたもう片方。
 片方がなくなったからか、あるいはスキルが解かれたからなのか、肉の壁がガラガラと崩れ去り、倒れ去った。

「っ!」

 そこを、射た。
 姉の胸に矢が突き刺さる。

 それを彼女は信じられないような目で見て、そして倒れた片割れを見る。
 そしてその物言わぬ片割れに身を寄せ、弟の見開いた目を手を撫でるようにして閉じる。

「蓮……蓮……ごめんね。ダメな……お姉ちゃん、で……」

 そして眠るように、息を引き取った。

 その様子を、俺とクロエは呆然と見ていた。

 背後から足音。
 振り返るまでもない。こんな芸当ができるのは2人しかいない。

「任務完了だ。余計なことだったか?」

「よくわかってないですけど……すみません」

「…………いや、助かった。ありがとう」

 クルレーンとルック。
 きっとこれまでの話を聞いていないからこそ、彼らを撃てたに違いない。

 いや、たとえ聞いていてもできる。
 それがこの世界の軍人。

 それにこれが現状できる最善手だったに違いない。
 そうでなければもっと被害が広がっていた。

 だから切り替えろ。
 俺が今すべきこと。
 この事態を終結させること。
 泣いている暇は、ない。

「負傷者の手当を! それから死んだ者は敵味方問わず弔う。あとは王宮に残る帝国軍の残存勢力に伝えてやれ。双子は死んだ。投降すれば命を助け、帝国本土へと送り返すと!」

 指示を出すと、自分は双子のそばに行った。
 椅子に座って、くっついて眠っているような双子。
 最初に感じた嫌悪感はなく、ただの仲の良い姉弟が寝ているだけに見える。

 できればと思った。
 可能ならばと思った。

 それでも、無理だった。
 本当に、これほど自分の無力さを感じることはない。
 なにが知力99だ。大軍師だ。軍略の天才だ。彼らを救う策も、彼らを止める方法も何も考えつかなかった。

 あるいは彼らもこの世界の犠牲者だったのかもしれない。
 そう思うとやるせない。
 あの女神に対する怒りの方が勝ってくる。

 それでも俺には、哀愁あいしゅうに漂う暇も、怒りに身を焦がす時間もなかった。

「た、隊長殿! ウィットが……ウィットが!」

 クロエの声にハッとなる。

 ウィット!?
 そうだ、あいつは大丈夫なのか!?

 見ればクロエ、マール、ルックらが倒れたウィットに群がっている。

「どいてくれ、ウィット! ウィット!」

 彼らを押しのけ、倒れたウィットを必死に揺り動かす。
 だが反応がない。

 胸から血が流れている。
 やはりあのクロエの一撃が、ウィットをこうも……。

 なんて残酷な。
 クロエはそのことを覚えているのだろうか。
 できれば覚えていないでほしい。心の底からそう思う。

「おい、ウィット、目を覚ませ!」

 再び叫ぶ。
 鼓膜が破れてもいい。ウィットが生き返るなら、もうなんだっていい。

 もうこれ以上……仲間が死ぬのを見たくないから。

「頼む……ウィット……目を……」

 ウィットの胸ぐらをつかんで引き起こす。
 知らず、涙があふれていた。
 そしてそれがウィットの頬に垂れた。

 すると――

「う……うーん……」

 急にそんなうなりとともに、ウィットの顔が浮かび上がってきた。

「え?」

 ふと顔をあげたのがいけなかった。

 引き寄せていたから俺とウィットの顔は指呼しこの距離。
 しかも並行ではなく、少し交差するようなポジショニングだったこと。
 そして俺が顔を上げたこと。
 それがすべての状況を作り上げた。

 触れ合った。
 唇と、唇が。

 …………え?

 感じる。
 生の体温。そして熱。

 生きている。
 ウィットが生きている……のだが、これは……その……えっと…………。

 よろける。
 それで唇と唇は離れた。

「んあ……隊長……どうか、しましたか?」

 同時、ウィットが寝ぼけたような声を出した。

 生きている。
 そのことを喜ぶべきなのだろうが、いや、そもそもなんで?

「痛っ……そうか、俺は斬られて……あぁ、念のための胸当てがバッサリいかれてる。まぁクロエの剣なんてそんなものか」

 えぇ……そんな銃弾を受けたけど実は防弾チョッキ着てました的な……。
 俺の涙を、あとついでにファーストキス(対男性)を返せ!

「ウ、ウ、ウウウウウ」

 だがそれ以上に壊れていたのが俺の目の前で一部始終を目撃していたこの人物だった。

「ウィットォォォォ! お前を殺すぅぅぅ!」

「な、なんだ貴様! ええい、マール、ルック! こいつをなんとかしろ!」

「キスした……隊長が、隊長が……」

「うーん、なんだか色々大変そうだから遠慮しておくよー」

「な、なんなんだ、お前らはぁ!?」

 叫ぶウィットが、クロエとマールにもみくちゃにされる。

 それを見て安堵したのか、

 安堵なのかショックなのか達成感なのか疲労なのかショックなのか緊張が解けたからなのかやっぱりショックだったんだと思う。
 世界が暗転するようにくるりと回り、そしてそのまま倒れた。ような気がした。
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