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第4章 ジャンヌの西進
間章4 水鏡八重(シータ王国四峰)
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元の世界に戻る。
そのために戦い続けてきた。
そのために人をだましたこともある。
人に嫌なことを押し付けたこともある。
自ら手を汚したことだって……ある。
けど、最近ふと考える。
このままでいいのか。
これで本当に元の世界に戻れるのか。
オムカは順調に領土を増やしていっている。
なのにシータは何もしていない。
いや、首都から北のウォンリバー周辺を帝国から奪ったのだからそれはそれで確たる戦果だ。
けどそれだけ。そこから先が、進まない。
戦線が停滞しているのだ。
そのせいか、色々と思考が回り、元の世界に残してきた東馬と美玖のことも考えてしまう。
いつまでも進まない戦況に、苛立ちと不満と不安が押し寄せてくる。
だから思い切って軍総帥の天に相談した。
「ねぇ、天。いつまでにらみ合いしてるの?」
「そうですね、あちらが諦めるまで、ですか」
「どうでもいい戯言いってると、わたしの『大人魚姫』で溺れさすわよ?」
「おっと、さすがにそれは勘弁。そうですね。オムカが動けるようになるまで、ですかね」
「相変わらずオムカ頼み? 情けないわね」
「そうは言ってもですね……残念ながら我が国土では強い陸戦隊が育ちませんで。時雨もああなってしまったからには、野戦で帝国軍を破る力はまだ我々にはありません。ですからここで膠着にもっていき、オムカと協力して挟撃するのが一番です」
「…………そう」
意図して話題を振ろうとしたわけじゃないけど、結果的に時雨の話になってしまったことを後悔。
あれから雫もより口数が少なくなってしまったし、淡英も上の空の時がある。
「どうかしました?」
「いや、なんでも」
ふぅ、つまりどうにもならないってことか。
なんだかこういう状態だと色々考え込んでしまって嫌になる。
そうだ、アッキーにでも会いに行こうか。
クリスマスのシーズンは逃してしまったけど、別に無理やり着せればいいし。雫も連れ出してみよう。城を攻める戦いがなければ、彼女らも暇を持て余しているだろうから。
…………。
「というわけで来たわよ」
「何がというわけなのかわからないけど……どうした、いきなり」
ところ変わってオムカ王国の王宮にある、アッキーの執務室。
アッキーは目を大きく開けて驚いている。
そりゃそうだ。こっちは来ると伝えてない。
というより、理由を考えてなかった。
考える時間はあったのに、船の中でもアッキーに会えることばかり考えていたし。
寂しいから会いに来ました、なんて言ったらわたしのイメージが崩れるし、何より私が下手に出るのがなんとなく嫌だった。
「か、確認よ! 今年の総括と来年に向けての! ビンゴを平定してお祝いしにきたなんて言わないから!」
「お、おう。そうか。年末なのに大変だな」
むむ……この男は。女の子だけどこの男は。
本当に他人の心の機微を感じ取らないのね。
「えっと……ちなみにその後ろに重なってるのは。見間違いじゃ、ないよな?」
アッキーが遠慮がちに聞いてくるのは、もちろんわたしの背後霊じゃない。
わたしの裾をつかんで離さない雫だった。
「ほら、雫。いつまでもそこにいないで」
「別に、どうでもいい」
うーん。いつにも増して投げやりな感じ。
気が塞いでそうだったから外に出れば気分転換になると思ったけど、
「やっぱりアッキーじゃダメか」
「なんか失礼なことを言われたような気がするんだが……」
「安心して。真実だから」
「なお救いようがないよな!」
などと言いつつも、一応お客としてもてなしてくれるらしく、隣室に案内された。
中央に小さなテーブルに椅子が4脚あり、誰が書いたかわからない絵がかざってあったり、あとは奥にある大きな窓が緑の生い茂る庭を映している。
「あまり良いもてなしはできないけど」
その椅子に腰かけているとアッキーが紅茶を運んできてくれた。
そして戸棚からはクッキーを。
紅茶を一口。
む、アッキーのくせに、美味しいじゃない。
雫は出された紅茶には手をつけず、クッキーに興味津々で、それを手に取るとサクサクと食べ始める。
それが気に入ったみたいで、2枚目3枚目に手を伸ばすが、その食べ方がなんだかリスみたいで思わずほっこり。
とりあえず雫はしばらく大丈夫だろうと、席に着いたアッキーに話題を振る。
「あんたも大変だったみたいね」
とりあえずの近況報告というところから入るにあたって、そう切り出した。
「ああ……そうだな。大変だった。なんとか崩壊は防げたけど……喜志田が」
「そう、なの……」
そこで初めて喜志田志木が亡くなっていたことを知った。
あの男。春の運動会の時に会っただけだけど、すごい軽率そうな男に見えた。けど次第にその地頭の良さがわかってきて、アッキーから事の顛末を聞くと惜しい人を亡くしたと思えてくる。
というか、初っ端から重い方に振っちゃったみたいね。
「ごめん。いきなり。そんな風になってるなんて」
「……いや、いいんだ。いつかは話さなきゃならないことだったし。ただ……辛いよな、友達が死ぬのは」
友達。
アッキーは彼をそう認識していたのか。
確かにあの時のやり取りは、なんだかいつも以上にテンションが高かったのを覚えている。あるいは肩の力が抜けていたのかもしれない。
だが今はそれに反して、肩を落としてしゅんとしてしまっている。
まだ心の整理ができていないのだろう。
多分アッキーのことだから、他人に打ち明けず、無理に元気を装って忙しさにかまけて忘れようとしていたに違いない。
死にそうになりながらも、この小さい体を無理させて。
それがどうしても、いつかの自分に、そして弟妹たちの姿にかぶる。
だからアッキーの頭に手を伸ばし、
「大丈夫。アッキーは大丈夫だから」
ゆっくりと、労わるように撫でる。
それでアッキーの心の痛みが少しでも和らげればと、ゆっくり、じっくり、包むように。
それにしても本当にこの子。サラサラよね。男なのがもったいない。あぁ、このすけばこぼれるような髪質。羨ましい。トリートメントとかないのに、なんで? 不公平よ。あぁ、でもこの触り心地。いつまでもさわさわしていたい。ちょっとだけ持って帰っちゃだめかな。でもなんて言う? サラサラヘアーが気に入ったから頂戴。馬鹿みたい。ならせめて何本か引きちぎるか……あるいは本体ごとお持ち帰りに!
「あのー」
遠慮がちなアッキーの声にハッとした。
わ、わたしは一体なにを……。
「あ、いや! これはそういうのじゃなく……」
慌てて離れたせいで、椅子の背もたれに背中が当たり、そのまま1メートルほど滑った。
「こんなミカ。初めてみた」
「しっ、雫……!」
「そういえば初めて会った時もこうやって慰めてくれたよな」
「ち、ちちちちち!」
「小鳥かな?」
「ち、ちちちちちち違うから! うー、あー、むーーーーむむむむ、アッキーの馬鹿!」
お茶請けのクッキーを、アッキーの顔面向けてぶちまけていた。
「なんかデジャブ!」
「クッキー……」
雫がもの惜しそうにこちらを見てくるのもつらかった。
「あ、いえ……その、ごめんなさい。2人とも」
「ぷっ……あはは。いや、いいよ。なんだか肩の力が抜けた。それに、あいつをよく知ってる奴と話せて……ようやくこれで気持ちの整理ができそうだ。っと、えっと、タオルタオル」
「クッキー」
「あ、そうだな。一応、うちの食堂で作ってるものだからもっとあるかも。気に入ったならもっと持ってこようか、えっと雫……ちゃん?」
「ん……」
珍しい。
あれだけ敵愾心を燃やしていたアッキーに、雫がこうも心を開くなんて。
いや、開いたというより餌付けされてる?
それから。
戻ってきたアッキーと、来年以降の軍事行動について打ち合わせをしていると、張人の話題が出た。
「尾田張人って……あの? 何かされなかったか?」
「別に。前の世界でちょっと知り合いってのもあったし。ただ昔ばなしして、帝国の話を聞いてそれだけよ」
「そ、そうか。世界は狭いなぁ。それで、今もシータに?」
「いいえ。時雨の件があってバタバタしているうちに出てったわ。今はどこにいるかは知らない」
「そう、か……」
なんてことも話しているうちに夜も更けた。
雫はクッキーを食べすぎたからか、疲れが出たのか眠ってしまったいたけど。
その日は女王も参加した食事会に呼ばれ、その席でアッキーのコスプレ大会というのがあったことを聞き、自分の間の悪さを呪った。
まぁそのあとに無理やり着替えさせて満足したけど。
それが終わると客間に通されて眠った。
そしてその翌日の朝。
「本当にもう帰るのか?」
「言ったでしょ。アッキーと今年の総括しにきたって。あとアッキーを辱められて満足」
「う……お前なぁ」
「冗談よ。また来る。今度は……本当に帝国を倒すために」
そして、元の世界に戻るために。
アッキーの見送りを受けて王都バーベルを出たわたしたちは、そのまま近場の港町まで馬車で進んで、下りの船に乗った。
「雫、どうだった?」
オムカの人間も少なくなったところで、寒いだろうに甲板でぼうっとしている雫に聞いてみた。
「クッキー、美味しかった」
「……えっと、それ以外は? アッキーのこととか?」
「アッキー? 誰それ」
……たまに思うんだけど。本当に大丈夫かな、この子。
ちゃっかりお土産のクッキーもらってるし。
でもまぁ、少し気が晴れた様子でよかったわ。
「またクッキー食べにくる」
「そう、ね。また来たいわね」
「ん。帝国をぶっ倒せば行けるでしょ」
「…………そう、ね」
珍しくやる気を見せている雫だが、はっきりと肯定しなかったのはなぜなのか。
それだけでは終わらない何かを感じているのか、あるいは……。
そのために戦い続けてきた。
そのために人をだましたこともある。
人に嫌なことを押し付けたこともある。
自ら手を汚したことだって……ある。
けど、最近ふと考える。
このままでいいのか。
これで本当に元の世界に戻れるのか。
オムカは順調に領土を増やしていっている。
なのにシータは何もしていない。
いや、首都から北のウォンリバー周辺を帝国から奪ったのだからそれはそれで確たる戦果だ。
けどそれだけ。そこから先が、進まない。
戦線が停滞しているのだ。
そのせいか、色々と思考が回り、元の世界に残してきた東馬と美玖のことも考えてしまう。
いつまでも進まない戦況に、苛立ちと不満と不安が押し寄せてくる。
だから思い切って軍総帥の天に相談した。
「ねぇ、天。いつまでにらみ合いしてるの?」
「そうですね、あちらが諦めるまで、ですか」
「どうでもいい戯言いってると、わたしの『大人魚姫』で溺れさすわよ?」
「おっと、さすがにそれは勘弁。そうですね。オムカが動けるようになるまで、ですかね」
「相変わらずオムカ頼み? 情けないわね」
「そうは言ってもですね……残念ながら我が国土では強い陸戦隊が育ちませんで。時雨もああなってしまったからには、野戦で帝国軍を破る力はまだ我々にはありません。ですからここで膠着にもっていき、オムカと協力して挟撃するのが一番です」
「…………そう」
意図して話題を振ろうとしたわけじゃないけど、結果的に時雨の話になってしまったことを後悔。
あれから雫もより口数が少なくなってしまったし、淡英も上の空の時がある。
「どうかしました?」
「いや、なんでも」
ふぅ、つまりどうにもならないってことか。
なんだかこういう状態だと色々考え込んでしまって嫌になる。
そうだ、アッキーにでも会いに行こうか。
クリスマスのシーズンは逃してしまったけど、別に無理やり着せればいいし。雫も連れ出してみよう。城を攻める戦いがなければ、彼女らも暇を持て余しているだろうから。
…………。
「というわけで来たわよ」
「何がというわけなのかわからないけど……どうした、いきなり」
ところ変わってオムカ王国の王宮にある、アッキーの執務室。
アッキーは目を大きく開けて驚いている。
そりゃそうだ。こっちは来ると伝えてない。
というより、理由を考えてなかった。
考える時間はあったのに、船の中でもアッキーに会えることばかり考えていたし。
寂しいから会いに来ました、なんて言ったらわたしのイメージが崩れるし、何より私が下手に出るのがなんとなく嫌だった。
「か、確認よ! 今年の総括と来年に向けての! ビンゴを平定してお祝いしにきたなんて言わないから!」
「お、おう。そうか。年末なのに大変だな」
むむ……この男は。女の子だけどこの男は。
本当に他人の心の機微を感じ取らないのね。
「えっと……ちなみにその後ろに重なってるのは。見間違いじゃ、ないよな?」
アッキーが遠慮がちに聞いてくるのは、もちろんわたしの背後霊じゃない。
わたしの裾をつかんで離さない雫だった。
「ほら、雫。いつまでもそこにいないで」
「別に、どうでもいい」
うーん。いつにも増して投げやりな感じ。
気が塞いでそうだったから外に出れば気分転換になると思ったけど、
「やっぱりアッキーじゃダメか」
「なんか失礼なことを言われたような気がするんだが……」
「安心して。真実だから」
「なお救いようがないよな!」
などと言いつつも、一応お客としてもてなしてくれるらしく、隣室に案内された。
中央に小さなテーブルに椅子が4脚あり、誰が書いたかわからない絵がかざってあったり、あとは奥にある大きな窓が緑の生い茂る庭を映している。
「あまり良いもてなしはできないけど」
その椅子に腰かけているとアッキーが紅茶を運んできてくれた。
そして戸棚からはクッキーを。
紅茶を一口。
む、アッキーのくせに、美味しいじゃない。
雫は出された紅茶には手をつけず、クッキーに興味津々で、それを手に取るとサクサクと食べ始める。
それが気に入ったみたいで、2枚目3枚目に手を伸ばすが、その食べ方がなんだかリスみたいで思わずほっこり。
とりあえず雫はしばらく大丈夫だろうと、席に着いたアッキーに話題を振る。
「あんたも大変だったみたいね」
とりあえずの近況報告というところから入るにあたって、そう切り出した。
「ああ……そうだな。大変だった。なんとか崩壊は防げたけど……喜志田が」
「そう、なの……」
そこで初めて喜志田志木が亡くなっていたことを知った。
あの男。春の運動会の時に会っただけだけど、すごい軽率そうな男に見えた。けど次第にその地頭の良さがわかってきて、アッキーから事の顛末を聞くと惜しい人を亡くしたと思えてくる。
というか、初っ端から重い方に振っちゃったみたいね。
「ごめん。いきなり。そんな風になってるなんて」
「……いや、いいんだ。いつかは話さなきゃならないことだったし。ただ……辛いよな、友達が死ぬのは」
友達。
アッキーは彼をそう認識していたのか。
確かにあの時のやり取りは、なんだかいつも以上にテンションが高かったのを覚えている。あるいは肩の力が抜けていたのかもしれない。
だが今はそれに反して、肩を落としてしゅんとしてしまっている。
まだ心の整理ができていないのだろう。
多分アッキーのことだから、他人に打ち明けず、無理に元気を装って忙しさにかまけて忘れようとしていたに違いない。
死にそうになりながらも、この小さい体を無理させて。
それがどうしても、いつかの自分に、そして弟妹たちの姿にかぶる。
だからアッキーの頭に手を伸ばし、
「大丈夫。アッキーは大丈夫だから」
ゆっくりと、労わるように撫でる。
それでアッキーの心の痛みが少しでも和らげればと、ゆっくり、じっくり、包むように。
それにしても本当にこの子。サラサラよね。男なのがもったいない。あぁ、このすけばこぼれるような髪質。羨ましい。トリートメントとかないのに、なんで? 不公平よ。あぁ、でもこの触り心地。いつまでもさわさわしていたい。ちょっとだけ持って帰っちゃだめかな。でもなんて言う? サラサラヘアーが気に入ったから頂戴。馬鹿みたい。ならせめて何本か引きちぎるか……あるいは本体ごとお持ち帰りに!
「あのー」
遠慮がちなアッキーの声にハッとした。
わ、わたしは一体なにを……。
「あ、いや! これはそういうのじゃなく……」
慌てて離れたせいで、椅子の背もたれに背中が当たり、そのまま1メートルほど滑った。
「こんなミカ。初めてみた」
「しっ、雫……!」
「そういえば初めて会った時もこうやって慰めてくれたよな」
「ち、ちちちちち!」
「小鳥かな?」
「ち、ちちちちちち違うから! うー、あー、むーーーーむむむむ、アッキーの馬鹿!」
お茶請けのクッキーを、アッキーの顔面向けてぶちまけていた。
「なんかデジャブ!」
「クッキー……」
雫がもの惜しそうにこちらを見てくるのもつらかった。
「あ、いえ……その、ごめんなさい。2人とも」
「ぷっ……あはは。いや、いいよ。なんだか肩の力が抜けた。それに、あいつをよく知ってる奴と話せて……ようやくこれで気持ちの整理ができそうだ。っと、えっと、タオルタオル」
「クッキー」
「あ、そうだな。一応、うちの食堂で作ってるものだからもっとあるかも。気に入ったならもっと持ってこようか、えっと雫……ちゃん?」
「ん……」
珍しい。
あれだけ敵愾心を燃やしていたアッキーに、雫がこうも心を開くなんて。
いや、開いたというより餌付けされてる?
それから。
戻ってきたアッキーと、来年以降の軍事行動について打ち合わせをしていると、張人の話題が出た。
「尾田張人って……あの? 何かされなかったか?」
「別に。前の世界でちょっと知り合いってのもあったし。ただ昔ばなしして、帝国の話を聞いてそれだけよ」
「そ、そうか。世界は狭いなぁ。それで、今もシータに?」
「いいえ。時雨の件があってバタバタしているうちに出てったわ。今はどこにいるかは知らない」
「そう、か……」
なんてことも話しているうちに夜も更けた。
雫はクッキーを食べすぎたからか、疲れが出たのか眠ってしまったいたけど。
その日は女王も参加した食事会に呼ばれ、その席でアッキーのコスプレ大会というのがあったことを聞き、自分の間の悪さを呪った。
まぁそのあとに無理やり着替えさせて満足したけど。
それが終わると客間に通されて眠った。
そしてその翌日の朝。
「本当にもう帰るのか?」
「言ったでしょ。アッキーと今年の総括しにきたって。あとアッキーを辱められて満足」
「う……お前なぁ」
「冗談よ。また来る。今度は……本当に帝国を倒すために」
そして、元の世界に戻るために。
アッキーの見送りを受けて王都バーベルを出たわたしたちは、そのまま近場の港町まで馬車で進んで、下りの船に乗った。
「雫、どうだった?」
オムカの人間も少なくなったところで、寒いだろうに甲板でぼうっとしている雫に聞いてみた。
「クッキー、美味しかった」
「……えっと、それ以外は? アッキーのこととか?」
「アッキー? 誰それ」
……たまに思うんだけど。本当に大丈夫かな、この子。
ちゃっかりお土産のクッキーもらってるし。
でもまぁ、少し気が晴れた様子でよかったわ。
「またクッキー食べにくる」
「そう、ね。また来たいわね」
「ん。帝国をぶっ倒せば行けるでしょ」
「…………そう、ね」
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疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
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