449 / 627
第5章 帝国決戦
閑話6 立花里奈(オムカ王国軍師相談役)
しおりを挟む
明日には明彦くんが北の仕事から戻ってくるという時期。
孤児院に顔を出しに行ったところ、キッチンが何やら騒がしい。
「ちょっとリンドー! 私のカカオをどこにやったー!」
「違います! 竜胆のせいじゃないです! ただちょっと失敗しちゃって足りないなぁと」
「ああー! こんなに使って……これじゃあ私の隊長殿への愛を示せない……アイラさん、追加を!」
「ダーメ。砂糖と一緒ですんげぇ高価なんだから、節約して使え」
「ぶー! ケチ! 貧乏性! 守銭奴!」
「あん? 年上に逆らうのはその口か?」
「ギャー! 頭ぐりぐりはやめてぇ!」
「あのー、愛良さん。確かクロエさんは竜胆と同い年なんで17です」
「え、2個下!? この世界はどうなってんだ、あのジャンヌって子といい……」
「隊長殿は特別ですからね。さ、そういうわけでカカオをください! そうしないと、明日の隊長殿の戻りに間に合わないから。えっと……なんだったっけ……そう、ヴァーレンシュタイン! に、間に合わない!」
「正義のヴァレンタインです!」
竜胆の発言に、私の中にあった何かがはじけ、それが声に出てしまった。
「ヴァレンティヌスさま!?」
「あ、里奈」
愛良が振り返って声をあげる。
それにつられてクロエと竜胆も。
彼女たちはボウルに黒いものを丹念に混ぜ合わせている。
それはもう1つの形になろうというもの。
そうだった。もうすぐ暦では2月14日。
それはもう、すっかりてっきりこっきりくっきり忘れていた。
一昨年はまだ明彦くんとの距離感がつかめず、友チョコみたいな感じだった。
去年はそれどころじゃなくて、そんなことも考える余裕がなかった。
だから今年こそ、本当に今年こそ明彦くんへの感謝の気持ちを込めた贈り物をしようと心に誓ったのに。
慢心していた。
これまでの明彦くんとの暮らしに耽溺して堕落しきっていた。
恥を知るのよ、立花里奈!
バレンタイン、それは乙女の戦争!
「あれー? もしかしてリナさん、作ってないんですかー? ヴァーミリオン?」
クロエがにやにやしながらこちらを見てくる。
微妙な言い間違いが若干頭に来る。
「あ、分かりました! お姉ちゃんはもらう専門ですものね!」
ぐはぁ!
竜胆の言葉が胸をえぐる。
「ん? もしかして……里奈?」
「ち、ちがいますー。私は単に皆どうしてるかなー、と思って来ただけですー。私のチョコはもう完成してますー」
愛良さんの視線を受け、咄嗟に無駄な見栄を張ってしまった。最低だ。
「へぇ、じゃあ見せてください。参考にしたいので」
「駄目! 絶対駄目! もうあげるのは決まってるんだから! というわけで帰ります! 誰かに盗まれると大変だから!」
すぐに回れ右をして、クロエのニヤニヤした視線と竜胆の純粋な視線と愛良さんの呆れた視線を背中に受けつつ孤児院を後にする。
そして――
「助けて、ミストさん!」
「やれやれ……今になって来るとはさ」
ちょうど王都に戻っていたミストさんをつかまえて直訴した。
彼女ならカカオ、もしくは出来あいのチョコくらい都合してくれるに違いない。
「いやー、それがさ。去年、そういう行事があるってことが皆に知られてさ。なんか今年は王都どころか南群やシータ王国、果ては帝国にいたるまで、バレンタイン一色なのさ。だからチョコはほぼ完売。カカオから作るって人も少ないから多少は残ってるけど、砂糖がほぼ売り切れ状態さ」
「なんですとー!?」
まさかそんなことになっているとは。
「いやー、去年から営業かけておいたおかげさ。これで今期の売り上げも黒字になりそうさ」
今期の売上って……。
この人は本当にどこに行こうとしているのだろう……?
いや、そんなことより今をどうするかが先!
「んん-、ノンシュガーのチョコレートっていう手もあるけど、今からと考えるとギリギリさ。砂糖はほぼないし、代用品にハチミツはあるけど残り少ない状態。失敗は許されないとなるとかなり難しいさ」
万事休す、か。
ごめん、明彦くん。
こうなったらそこらへんにいる輩を収穫して、チョコを手に入れるしか――
「こらこら、そんな怖い目をしないでさ。ちゃんとできるものを用意するさ」
「え?」
「何もない時でもちゃんと利益を追求する。それが商売人ってものさ」
そう言って、ミストさんはニッと愉快げに笑った。
そして翌日。
留守の間に頼まれていた明彦くんの執務室の整理と掃除を終えると、そこへ部屋の主が帰ってきた。
「ったく、どいつもこいつも……お礼は3倍でいいですー、なんて変な知恵つけやがって……絶対ミストと九神のせいだろ」
ぶつくさと言いながら入ってきた明彦くんは、両手いっぱいに紙袋を持っている。
多分、全部チョコレートだろう。
……ま、いいけどね。
明彦くんが人気者なのは知ってるし。別にイラっとかしてないから。本当だよ。だからちゃんと迎え入れる度量はあるし。自然体で話しかけるなんてできて当然。
「お・か・え・り……明彦くん?」
「お、おう。里奈…………ただいま」
ん? 何か失敗したかな。
どこかばつが悪いように視線を右往左往させ、明彦くんは両手に持った紙袋をソファに投げ出した。
「…………えっと、その……ありがとな。留守に」
頭を掻きながら、どこかしゅんとした明彦くん。
うん、可愛いから許そう。
許す? いや、別に怒ってもイラっともムカッとも紙袋を収穫してやろうとか全然ちっともこれっぽっちもまったく微量たりとも思ってないんだけど。
だって私には奥の手があるんだから。
「いいの。それより何か飲むでしょ。そこ座ってて」
「お、おう……」
明彦くんが申し訳ないような、それでいて何かを期待するような視線をこちらに向けてきたので、それを振り切って隣の部屋へ。
大丈夫。
きっとうまくいく。
思えば誰かにバレンタインチョコを送るなんて、ほぼ初のことだった。
それほどに、私の周りに男の子はいなかった。というより自分から近づかなかった。
だから今。
自分が誰かのために本気でチョコレートを用意するなんて、どこか夢のようで、現実味のないふわふわした感じが続いている。
やがて1つのカップをもって明彦くんのいる執務室に戻ると、明彦くんはいつもの大振りの椅子に座って、報告書らしい紙の束と格闘していた。
胸が高鳴る。
大丈夫。行ける。
他でもない自分自身の信じるような声に押され、前に出て、明彦くんにカップを差し出した。
「はい、どうぞ」
「ん、ありが……これは」
明彦くんの眼がカップに吸い込まれる。
そこには黒くドロッとした飲み物。
コーヒーじゃない。
チョコレートだ。
「ショコラショー(ホットチョコレート)って言うんだって」
溶かしたチョコにミルクとシナモン、そこにハチミツをちょっと入れただけの簡単なもの。
それでもチョコ。これもチョコ。
私の、手作りのチョコレート。
「というわけで、お疲れ様。バレンタイン、おめでとう」
何がおめでたいのか分からないけど、ちゃんと出せて、ちゃんと言えて胸のつっかえが取れた。
そして、明彦くんの顔を見て、逆に胸が高鳴るのを覚える。
「あったかい。そうか、チョコってこいうのもあったな……」
カップに口をつけた明彦くんは、ホッとしたような表情で一息ついた。
「ありがとう。正直、甘いものは今日は見たくなかったけど、これなら何杯でもいけそうだ」
「本当?」
「ああ、俺が嘘言ってどうするんだよ」
「ん、そうだね」
「里奈も飲まないか。乾杯しよう」
「いいの? 分かった。ちょっと待ってて」
隣の部屋へ向かう足音が軽い。
数分前とは大違いだ。
本当は明彦くんの仕事の邪魔をしちゃいけない。
それは分かってる。
理解している。
けど。もう少し。
あとちょっとだけここで一緒にいてもいいんじゃないか。
そう思った。
孤児院に顔を出しに行ったところ、キッチンが何やら騒がしい。
「ちょっとリンドー! 私のカカオをどこにやったー!」
「違います! 竜胆のせいじゃないです! ただちょっと失敗しちゃって足りないなぁと」
「ああー! こんなに使って……これじゃあ私の隊長殿への愛を示せない……アイラさん、追加を!」
「ダーメ。砂糖と一緒ですんげぇ高価なんだから、節約して使え」
「ぶー! ケチ! 貧乏性! 守銭奴!」
「あん? 年上に逆らうのはその口か?」
「ギャー! 頭ぐりぐりはやめてぇ!」
「あのー、愛良さん。確かクロエさんは竜胆と同い年なんで17です」
「え、2個下!? この世界はどうなってんだ、あのジャンヌって子といい……」
「隊長殿は特別ですからね。さ、そういうわけでカカオをください! そうしないと、明日の隊長殿の戻りに間に合わないから。えっと……なんだったっけ……そう、ヴァーレンシュタイン! に、間に合わない!」
「正義のヴァレンタインです!」
竜胆の発言に、私の中にあった何かがはじけ、それが声に出てしまった。
「ヴァレンティヌスさま!?」
「あ、里奈」
愛良が振り返って声をあげる。
それにつられてクロエと竜胆も。
彼女たちはボウルに黒いものを丹念に混ぜ合わせている。
それはもう1つの形になろうというもの。
そうだった。もうすぐ暦では2月14日。
それはもう、すっかりてっきりこっきりくっきり忘れていた。
一昨年はまだ明彦くんとの距離感がつかめず、友チョコみたいな感じだった。
去年はそれどころじゃなくて、そんなことも考える余裕がなかった。
だから今年こそ、本当に今年こそ明彦くんへの感謝の気持ちを込めた贈り物をしようと心に誓ったのに。
慢心していた。
これまでの明彦くんとの暮らしに耽溺して堕落しきっていた。
恥を知るのよ、立花里奈!
バレンタイン、それは乙女の戦争!
「あれー? もしかしてリナさん、作ってないんですかー? ヴァーミリオン?」
クロエがにやにやしながらこちらを見てくる。
微妙な言い間違いが若干頭に来る。
「あ、分かりました! お姉ちゃんはもらう専門ですものね!」
ぐはぁ!
竜胆の言葉が胸をえぐる。
「ん? もしかして……里奈?」
「ち、ちがいますー。私は単に皆どうしてるかなー、と思って来ただけですー。私のチョコはもう完成してますー」
愛良さんの視線を受け、咄嗟に無駄な見栄を張ってしまった。最低だ。
「へぇ、じゃあ見せてください。参考にしたいので」
「駄目! 絶対駄目! もうあげるのは決まってるんだから! というわけで帰ります! 誰かに盗まれると大変だから!」
すぐに回れ右をして、クロエのニヤニヤした視線と竜胆の純粋な視線と愛良さんの呆れた視線を背中に受けつつ孤児院を後にする。
そして――
「助けて、ミストさん!」
「やれやれ……今になって来るとはさ」
ちょうど王都に戻っていたミストさんをつかまえて直訴した。
彼女ならカカオ、もしくは出来あいのチョコくらい都合してくれるに違いない。
「いやー、それがさ。去年、そういう行事があるってことが皆に知られてさ。なんか今年は王都どころか南群やシータ王国、果ては帝国にいたるまで、バレンタイン一色なのさ。だからチョコはほぼ完売。カカオから作るって人も少ないから多少は残ってるけど、砂糖がほぼ売り切れ状態さ」
「なんですとー!?」
まさかそんなことになっているとは。
「いやー、去年から営業かけておいたおかげさ。これで今期の売り上げも黒字になりそうさ」
今期の売上って……。
この人は本当にどこに行こうとしているのだろう……?
いや、そんなことより今をどうするかが先!
「んん-、ノンシュガーのチョコレートっていう手もあるけど、今からと考えるとギリギリさ。砂糖はほぼないし、代用品にハチミツはあるけど残り少ない状態。失敗は許されないとなるとかなり難しいさ」
万事休す、か。
ごめん、明彦くん。
こうなったらそこらへんにいる輩を収穫して、チョコを手に入れるしか――
「こらこら、そんな怖い目をしないでさ。ちゃんとできるものを用意するさ」
「え?」
「何もない時でもちゃんと利益を追求する。それが商売人ってものさ」
そう言って、ミストさんはニッと愉快げに笑った。
そして翌日。
留守の間に頼まれていた明彦くんの執務室の整理と掃除を終えると、そこへ部屋の主が帰ってきた。
「ったく、どいつもこいつも……お礼は3倍でいいですー、なんて変な知恵つけやがって……絶対ミストと九神のせいだろ」
ぶつくさと言いながら入ってきた明彦くんは、両手いっぱいに紙袋を持っている。
多分、全部チョコレートだろう。
……ま、いいけどね。
明彦くんが人気者なのは知ってるし。別にイラっとかしてないから。本当だよ。だからちゃんと迎え入れる度量はあるし。自然体で話しかけるなんてできて当然。
「お・か・え・り……明彦くん?」
「お、おう。里奈…………ただいま」
ん? 何か失敗したかな。
どこかばつが悪いように視線を右往左往させ、明彦くんは両手に持った紙袋をソファに投げ出した。
「…………えっと、その……ありがとな。留守に」
頭を掻きながら、どこかしゅんとした明彦くん。
うん、可愛いから許そう。
許す? いや、別に怒ってもイラっともムカッとも紙袋を収穫してやろうとか全然ちっともこれっぽっちもまったく微量たりとも思ってないんだけど。
だって私には奥の手があるんだから。
「いいの。それより何か飲むでしょ。そこ座ってて」
「お、おう……」
明彦くんが申し訳ないような、それでいて何かを期待するような視線をこちらに向けてきたので、それを振り切って隣の部屋へ。
大丈夫。
きっとうまくいく。
思えば誰かにバレンタインチョコを送るなんて、ほぼ初のことだった。
それほどに、私の周りに男の子はいなかった。というより自分から近づかなかった。
だから今。
自分が誰かのために本気でチョコレートを用意するなんて、どこか夢のようで、現実味のないふわふわした感じが続いている。
やがて1つのカップをもって明彦くんのいる執務室に戻ると、明彦くんはいつもの大振りの椅子に座って、報告書らしい紙の束と格闘していた。
胸が高鳴る。
大丈夫。行ける。
他でもない自分自身の信じるような声に押され、前に出て、明彦くんにカップを差し出した。
「はい、どうぞ」
「ん、ありが……これは」
明彦くんの眼がカップに吸い込まれる。
そこには黒くドロッとした飲み物。
コーヒーじゃない。
チョコレートだ。
「ショコラショー(ホットチョコレート)って言うんだって」
溶かしたチョコにミルクとシナモン、そこにハチミツをちょっと入れただけの簡単なもの。
それでもチョコ。これもチョコ。
私の、手作りのチョコレート。
「というわけで、お疲れ様。バレンタイン、おめでとう」
何がおめでたいのか分からないけど、ちゃんと出せて、ちゃんと言えて胸のつっかえが取れた。
そして、明彦くんの顔を見て、逆に胸が高鳴るのを覚える。
「あったかい。そうか、チョコってこいうのもあったな……」
カップに口をつけた明彦くんは、ホッとしたような表情で一息ついた。
「ありがとう。正直、甘いものは今日は見たくなかったけど、これなら何杯でもいけそうだ」
「本当?」
「ああ、俺が嘘言ってどうするんだよ」
「ん、そうだね」
「里奈も飲まないか。乾杯しよう」
「いいの? 分かった。ちょっと待ってて」
隣の部屋へ向かう足音が軽い。
数分前とは大違いだ。
本当は明彦くんの仕事の邪魔をしちゃいけない。
それは分かってる。
理解している。
けど。もう少し。
あとちょっとだけここで一緒にいてもいいんじゃないか。
そう思った。
0
あなたにおすすめの小説
異世界亜人熟女ハーレム製作者
†真・筋坊主 しんなるきんちゃん†
ファンタジー
異世界転生して亜人の熟女ハーレムを作る話です
【注意】この作品は全てフィクションであり実在、歴史上の人物、場所、概念とは異なります。
無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる