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第6章 知力100の美少女に転生したので、世界を救ってみた
閑話40 赤星煌夜(エイン帝国パルルカ教皇)
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ジャンヌ・ダルクと別れ、城に戻るとすべての手配を行った。
兵や住民の退去。城を空にする。
それから皇帝に対する指示書。
それでどうなるかは分からない。
分かる必要もない。
あとはきっとジャンヌ・ダルクがやってくれるだろう。
……よし。
空になった城内。
その一室へと向かう。
地下にある一室。
そこに麗明を――いや、女神を閉じ込めていた。
「あ、やっと来たー。もう、こんなところに閉じ込めたりしてー。そんなに人目のつかないところでしたいの? ほんと煌夜は積極的なんだから」
扉が開くなり、何やら気色悪いことを言ってきたが無視。
「ちょっとちょっと、そこは俺もだよって言ってチョメチョメな展開になるんじゃないのー?」
「来い」
「え……あ、分かった! 外でやろうってことかな? いやー、煌夜も物好きだねー」
「麗明の口で、二度とそんなことを言うな」
「あはっ、やっとまともな反応してくれたね。で? どうするつもり? なんか色々と手を打ってたみたいだけど、ちゃんと決まった? わたしの殺し方?」
「…………」
「その感じだとはっきりとはならなかったのかな。じゃあどうする? 逃げる? 逃げて逃げて、そして時間切れを待つ? まぁ、その果てにあるのはどちらにしても死だけどね。自分だけ今ここで死ぬか、それとも後でみんなと一緒に死ぬか。今、君はとても貴重な経験をしているよ? 全人類の運命をその手に握ってるってことだからね。ね、今どんな気持ち、どんな――きゃ!」
我慢がならなかった。
いや、もはやこの女にしゃべらせてはいけない。
だから力のままに、その喉に手を伸ばした。
「がっ……あ……やめ……て、煌……夜」
苦しがる女神、いや、麗明。
その声に、過去の思い出がフラッシュバックする。
「げほっ、あー痛かった。マジふざけんなし。てかコーヤくん、ちょっろー。あんな声真似ですぐ放しちゃうなんてさ。アッキーといい、本当にこれだから童貞は」
「別にだから放したわけじゃない。もうここで十分だから、それだけさ」
「ふーーーーん? ここって城の中心? 誰もいないみたいだけど。それでどうするのかにゃー?」
周囲をきょろきょろ見渡した女神が、面白そうな表情でこちらを見てくる。
本当に、この女はいちいち癇に障る。
けど、それももう終わりだ。
「あ、分かった。そこかしこの物陰に隠した兵で一気にわたしを討ち取ろうって考えだね。あららー、武器も持たない可愛らしいわたしを、そんななぶり殺しにするなんて。本当に男らしいですねー。うん、それならわたしを殺せるかもしれないね。さっさとやれば? お仲間に合図して、さ。もちろんタダで殺されるつもり、ないですけど?」
「そうじゃない。この城には誰にもいない。私と、お前以外は」
「え、何それ。あー、なるほど。このまま逃げようってことね。うんうん、やっぱり人間、わが身が一番大事だもんね。いいよ、どこまでも一緒に行ってあげる。べ、別にあんたのためじゃないんだからね! なんつってー」
「違う」
「え?」
「誰もいないのは、これ以上、他の人間を巻き込みたくなかったから」
「うん。で? 逃げるんでしょ、どうせ? だったらどうでもいいじゃん」
「いや、お前を殺す。殺して、麗明を助け出す」
その言葉に、不思議そうな表情をする女神。その中にわずかな苛立ちが見えた。
「なに? コーヤくんがわたしを殺す? どうやって? その自慢のジークンドーで叩きのめすって? 陰陽拳だっけ? どうでもいいけど」
「違う。お前を殺す。お前からもらった力で」
「ん?」
「基礎から王国に至る。すなわち世界の道である」
体の奥底から熱いものがこみあげてくる。
それは耐えがたい熱暴走のように全身を駆け巡り、そして臨界を迎える。
「え――」
次の瞬間、大爆発があたりを包んだ。
自分という存在が消えていくのが分かる。
世界。
タロットカードにおける到達点。
女神を排除して、今こそ麗明と一緒になる。
ここが、私の到達点。完成、だ。
だから後悔もない。
やり切ったという達成感しかない。
そして自分の意識が間違いなく消える。
そう感じた刹那――
「うふふー、殺ったか!? って思った? けどそれって少年漫画でのフラグなんだよねー。というわけで、女神ちゃんDEATH(です)! そしてコーヤくんも今まさにDEATH!」
顔も姿も見えない。
けど、はっきりと声は聞こえる。
「いやーそれにしてもまさか自爆なんて思いもよらなかったよ。けど残念でしたー。女神ちゃんは不死身です! まさに無駄死に犬死に三国志に! ご愁傷様でしたー!」
まぁある程度予測はしていた。
けど、少なくとも麗明の体から引きはがせた。
それに何より、彼女の――彼の邪魔を物理的にしない。それが重要。
きっと彼ならばやってくれる。
だから不確定要素はすべて排除する。
「あーあーあー、そうやってまたわたしを倒そうとか画策してるわけ。しかもアッキーを巻き込んで。うわー、なんかショック。飼い犬に手を噛まれた感じ? ま、噛むって言っても、まだ歯が生えそろってる感じしないけど。甘噛みだろうけど」
言ってろ。
勝つのは、私たちだ。
「むっかー! なにその自己満足的な勝利宣言! いいもん! また転生させてあげようと思ったのに、絶対コーヤくんなんてやってやんないから!」
こちらこそお断りだ。
お前なんかの下で、奴隷の人生を歩みたいなんて思うほど落ちぶれちゃいない。
だからこれでいい。
これで。
ほら、麗明も笑ってるだろ。
今度は、ずっと一緒だ。
ずっと。
「笑ってない! てかブチ切れ中! だってわたしが言うんだから間違いなし! って、おい! 死ぬな! なんか勝ち逃げされた感じでムカつくー! ほんと、ふっざけんなー!」
そしてすべてが消えた。
兵や住民の退去。城を空にする。
それから皇帝に対する指示書。
それでどうなるかは分からない。
分かる必要もない。
あとはきっとジャンヌ・ダルクがやってくれるだろう。
……よし。
空になった城内。
その一室へと向かう。
地下にある一室。
そこに麗明を――いや、女神を閉じ込めていた。
「あ、やっと来たー。もう、こんなところに閉じ込めたりしてー。そんなに人目のつかないところでしたいの? ほんと煌夜は積極的なんだから」
扉が開くなり、何やら気色悪いことを言ってきたが無視。
「ちょっとちょっと、そこは俺もだよって言ってチョメチョメな展開になるんじゃないのー?」
「来い」
「え……あ、分かった! 外でやろうってことかな? いやー、煌夜も物好きだねー」
「麗明の口で、二度とそんなことを言うな」
「あはっ、やっとまともな反応してくれたね。で? どうするつもり? なんか色々と手を打ってたみたいだけど、ちゃんと決まった? わたしの殺し方?」
「…………」
「その感じだとはっきりとはならなかったのかな。じゃあどうする? 逃げる? 逃げて逃げて、そして時間切れを待つ? まぁ、その果てにあるのはどちらにしても死だけどね。自分だけ今ここで死ぬか、それとも後でみんなと一緒に死ぬか。今、君はとても貴重な経験をしているよ? 全人類の運命をその手に握ってるってことだからね。ね、今どんな気持ち、どんな――きゃ!」
我慢がならなかった。
いや、もはやこの女にしゃべらせてはいけない。
だから力のままに、その喉に手を伸ばした。
「がっ……あ……やめ……て、煌……夜」
苦しがる女神、いや、麗明。
その声に、過去の思い出がフラッシュバックする。
「げほっ、あー痛かった。マジふざけんなし。てかコーヤくん、ちょっろー。あんな声真似ですぐ放しちゃうなんてさ。アッキーといい、本当にこれだから童貞は」
「別にだから放したわけじゃない。もうここで十分だから、それだけさ」
「ふーーーーん? ここって城の中心? 誰もいないみたいだけど。それでどうするのかにゃー?」
周囲をきょろきょろ見渡した女神が、面白そうな表情でこちらを見てくる。
本当に、この女はいちいち癇に障る。
けど、それももう終わりだ。
「あ、分かった。そこかしこの物陰に隠した兵で一気にわたしを討ち取ろうって考えだね。あららー、武器も持たない可愛らしいわたしを、そんななぶり殺しにするなんて。本当に男らしいですねー。うん、それならわたしを殺せるかもしれないね。さっさとやれば? お仲間に合図して、さ。もちろんタダで殺されるつもり、ないですけど?」
「そうじゃない。この城には誰にもいない。私と、お前以外は」
「え、何それ。あー、なるほど。このまま逃げようってことね。うんうん、やっぱり人間、わが身が一番大事だもんね。いいよ、どこまでも一緒に行ってあげる。べ、別にあんたのためじゃないんだからね! なんつってー」
「違う」
「え?」
「誰もいないのは、これ以上、他の人間を巻き込みたくなかったから」
「うん。で? 逃げるんでしょ、どうせ? だったらどうでもいいじゃん」
「いや、お前を殺す。殺して、麗明を助け出す」
その言葉に、不思議そうな表情をする女神。その中にわずかな苛立ちが見えた。
「なに? コーヤくんがわたしを殺す? どうやって? その自慢のジークンドーで叩きのめすって? 陰陽拳だっけ? どうでもいいけど」
「違う。お前を殺す。お前からもらった力で」
「ん?」
「基礎から王国に至る。すなわち世界の道である」
体の奥底から熱いものがこみあげてくる。
それは耐えがたい熱暴走のように全身を駆け巡り、そして臨界を迎える。
「え――」
次の瞬間、大爆発があたりを包んだ。
自分という存在が消えていくのが分かる。
世界。
タロットカードにおける到達点。
女神を排除して、今こそ麗明と一緒になる。
ここが、私の到達点。完成、だ。
だから後悔もない。
やり切ったという達成感しかない。
そして自分の意識が間違いなく消える。
そう感じた刹那――
「うふふー、殺ったか!? って思った? けどそれって少年漫画でのフラグなんだよねー。というわけで、女神ちゃんDEATH(です)! そしてコーヤくんも今まさにDEATH!」
顔も姿も見えない。
けど、はっきりと声は聞こえる。
「いやーそれにしてもまさか自爆なんて思いもよらなかったよ。けど残念でしたー。女神ちゃんは不死身です! まさに無駄死に犬死に三国志に! ご愁傷様でしたー!」
まぁある程度予測はしていた。
けど、少なくとも麗明の体から引きはがせた。
それに何より、彼女の――彼の邪魔を物理的にしない。それが重要。
きっと彼ならばやってくれる。
だから不確定要素はすべて排除する。
「あーあーあー、そうやってまたわたしを倒そうとか画策してるわけ。しかもアッキーを巻き込んで。うわー、なんかショック。飼い犬に手を噛まれた感じ? ま、噛むって言っても、まだ歯が生えそろってる感じしないけど。甘噛みだろうけど」
言ってろ。
勝つのは、私たちだ。
「むっかー! なにその自己満足的な勝利宣言! いいもん! また転生させてあげようと思ったのに、絶対コーヤくんなんてやってやんないから!」
こちらこそお断りだ。
お前なんかの下で、奴隷の人生を歩みたいなんて思うほど落ちぶれちゃいない。
だからこれでいい。
これで。
ほら、麗明も笑ってるだろ。
今度は、ずっと一緒だ。
ずっと。
「笑ってない! てかブチ切れ中! だってわたしが言うんだから間違いなし! って、おい! 死ぬな! なんか勝ち逃げされた感じでムカつくー! ほんと、ふっざけんなー!」
そしてすべてが消えた。
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