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第6章 知力100の美少女に転生したので、世界を救ってみた
第46話 神殺し作戦
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あいつは神と言った。
人間には到達しえない、至上にして最高の力。
だがあいつは間違った。
神は確かに天地を支配し、神羅万象に通じるだろう。
しかし神だって完璧じゃない。
色恋沙汰の失敗もするし、権謀術数の限りを尽くすし、力こそパワーなことだってするし、感情にまかせて動くことなんてそれこそざらだ。
そして――不死ではない。
神だって死ぬ。
いや、神がゆえに殺されやすいと言うべきか。
神話を紐解けば、いったいどれだけの神と呼ばれる存在が死んだことか。
つまり、どんな神であろうと、死という終わりからは逃れられない。
だとすると。
あるいは彼の力が、その神に由来するものだとするなら……その根源は――
「クロエ、頼みがある」
瓦礫の合間を縫い、近くにいたクロエに呼びかける。
そして彼女に伝えた。
神の攻略法を。
するとクロエは驚いたような、どこか心配げな表情で、
「え、いや、しかしそうなると……ここが」
「なに? あたしだけじゃ心もとないって?」
「ニーア団長、でも傷が……」
「ふん、こんなのかすり傷よ」
ニーアとサールが口をはさんできた。
軽口を言うものの、ニーアの傷は深刻だ。
額から血が出て顔の半分を赤く染めているし、右手はだらんと垂れ下がり、もはや剣も握れなさそうだ。
これ以上は命に係わる。
だからこそクロエを送り出すのは悩みどころ。
ここの戦力が低下すると、俺の最後の策が間に合わない可能性が出てくる。
いや、迷うな。
もう決めた。
やると決めた。
だから賭ける。
クロエに、ニーアに、そして自分たちに。
だからここで問答をしていても仕方ない。
しょうがないと思いつつ、問答無用でクロエを動かす力技に出る。
あんまりやりたくなかったけど、背に腹は代えられない。
「クロエ」
「なんです」
振り向いた。
その頬に小さく唇を当てる。
触れるか触れないかなんてぎりぎりの調整できなかったから、結構がっつり行っちゃったけど仕方ない。
もはや性別だなんだ、好きだ嫌いだを言っている場合じゃない。
俺の恥1つで勝てるなら何でもしてやる。
「お前にすべてがかかってる。頼んだ」
「……え、え、え、ええええ!?」
クロエは何が起きたのか分からない様子だったが、次第に現実を受け入れ始めると、顔を真っ赤にしてうろたえる。
「た、隊長殿、今の……」
「まぁ報酬の前払いだよ」
それと、日ごろの感謝。
そういうことにしておこう。
ニーアがわなわなと震えているが無視。
するとクロエは夢うつつな表情を急に真剣なものに変え、
「っ……わかりました! このクロエ・ハミニス! やってみせますとも!」
クロエが力強くうなずく。
そして走りだした。
九神とは逆。この部屋を出る扉の方へ。
「おっと、逃がさないよ」
それに気づいた九神が手のひらをクロエの方へ向ける。
「こっちがな!」
同時、ニーアとサールが飛び出した。
さらに里奈も出た。右足が折れているはずだが、無理やり動かしているようだ。
「邪魔くさい!」
ハエを払うように、おそらくオムカ最強の彼女らを適当にあしらう九神。
だが、クロエは外に出た。
さらに俺にとって嬉しいことが起きた。
「隊長! ご無事ですか!」
入れ替わるように扉から100人ほどの増援が来た。
落雷を目にして、何かが起きたと知ったのだろう。
その彼らを含めれば、時間稼ぎは成る。
けどそれをさらに完璧に――そして、犠牲を最小限にする方法を俺は持っている。
それを実行した。
「全員、聞け!」
広々とした広間も、今では瓦礫と炎にまみれ、どこに誰がいるかは分からない。
だから叫ぶ。
「これから30分、いや、10分だけ生き延びろ! そうすれば勝つ! この『不敗のジャンヌ』が、偽物の神様をぶっ倒す!」
言ってしまった。
言い切ってしまった。
正直、勝算なんて1割あるかどうかの賭けだ。
綱渡りどころじゃない、十中八九がゲームオーバーの無理ゲーだ。
けどこんなところで躓いていられない。
次に本番が控えているのだから。
この俺、ジャンヌ・ダルク。
一世一代の神殺し作戦、開始だ。
人間には到達しえない、至上にして最高の力。
だがあいつは間違った。
神は確かに天地を支配し、神羅万象に通じるだろう。
しかし神だって完璧じゃない。
色恋沙汰の失敗もするし、権謀術数の限りを尽くすし、力こそパワーなことだってするし、感情にまかせて動くことなんてそれこそざらだ。
そして――不死ではない。
神だって死ぬ。
いや、神がゆえに殺されやすいと言うべきか。
神話を紐解けば、いったいどれだけの神と呼ばれる存在が死んだことか。
つまり、どんな神であろうと、死という終わりからは逃れられない。
だとすると。
あるいは彼の力が、その神に由来するものだとするなら……その根源は――
「クロエ、頼みがある」
瓦礫の合間を縫い、近くにいたクロエに呼びかける。
そして彼女に伝えた。
神の攻略法を。
するとクロエは驚いたような、どこか心配げな表情で、
「え、いや、しかしそうなると……ここが」
「なに? あたしだけじゃ心もとないって?」
「ニーア団長、でも傷が……」
「ふん、こんなのかすり傷よ」
ニーアとサールが口をはさんできた。
軽口を言うものの、ニーアの傷は深刻だ。
額から血が出て顔の半分を赤く染めているし、右手はだらんと垂れ下がり、もはや剣も握れなさそうだ。
これ以上は命に係わる。
だからこそクロエを送り出すのは悩みどころ。
ここの戦力が低下すると、俺の最後の策が間に合わない可能性が出てくる。
いや、迷うな。
もう決めた。
やると決めた。
だから賭ける。
クロエに、ニーアに、そして自分たちに。
だからここで問答をしていても仕方ない。
しょうがないと思いつつ、問答無用でクロエを動かす力技に出る。
あんまりやりたくなかったけど、背に腹は代えられない。
「クロエ」
「なんです」
振り向いた。
その頬に小さく唇を当てる。
触れるか触れないかなんてぎりぎりの調整できなかったから、結構がっつり行っちゃったけど仕方ない。
もはや性別だなんだ、好きだ嫌いだを言っている場合じゃない。
俺の恥1つで勝てるなら何でもしてやる。
「お前にすべてがかかってる。頼んだ」
「……え、え、え、ええええ!?」
クロエは何が起きたのか分からない様子だったが、次第に現実を受け入れ始めると、顔を真っ赤にしてうろたえる。
「た、隊長殿、今の……」
「まぁ報酬の前払いだよ」
それと、日ごろの感謝。
そういうことにしておこう。
ニーアがわなわなと震えているが無視。
するとクロエは夢うつつな表情を急に真剣なものに変え、
「っ……わかりました! このクロエ・ハミニス! やってみせますとも!」
クロエが力強くうなずく。
そして走りだした。
九神とは逆。この部屋を出る扉の方へ。
「おっと、逃がさないよ」
それに気づいた九神が手のひらをクロエの方へ向ける。
「こっちがな!」
同時、ニーアとサールが飛び出した。
さらに里奈も出た。右足が折れているはずだが、無理やり動かしているようだ。
「邪魔くさい!」
ハエを払うように、おそらくオムカ最強の彼女らを適当にあしらう九神。
だが、クロエは外に出た。
さらに俺にとって嬉しいことが起きた。
「隊長! ご無事ですか!」
入れ替わるように扉から100人ほどの増援が来た。
落雷を目にして、何かが起きたと知ったのだろう。
その彼らを含めれば、時間稼ぎは成る。
けどそれをさらに完璧に――そして、犠牲を最小限にする方法を俺は持っている。
それを実行した。
「全員、聞け!」
広々とした広間も、今では瓦礫と炎にまみれ、どこに誰がいるかは分からない。
だから叫ぶ。
「これから30分、いや、10分だけ生き延びろ! そうすれば勝つ! この『不敗のジャンヌ』が、偽物の神様をぶっ倒す!」
言ってしまった。
言い切ってしまった。
正直、勝算なんて1割あるかどうかの賭けだ。
綱渡りどころじゃない、十中八九がゲームオーバーの無理ゲーだ。
けどこんなところで躓いていられない。
次に本番が控えているのだから。
この俺、ジャンヌ・ダルク。
一世一代の神殺し作戦、開始だ。
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