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第6章 知力100の美少女に転生したので、世界を救ってみた
終話
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長い永い。
本当に永い夢を見ていた気がした。
青空の下。
大学への通学路をたどりながらそう思う。
スマホで見るニュース欄には、様々なニュースが流れていた。
交通事故から奇跡の生還を果たした母親が、愛娘との感動の再会。
行方不明の松永製鋼の社長、発見される。
女子水泳界に期待のホープ登場! 数年のブランクを感じさせない泳ぎでオリンピック候補!
どこか見知った人たちの情報。
夢かと思った。
けど夢じゃない。
むしろ今までが本当に夢だったみたい。
ここには戦争がない。争いもそうない。
何より、人を千切るような力はないし、両手にあった血の感覚もない。
すべてがなかったような、嘘だったような想い。
ふとすれば、何千人も殺した罪の意識も忘れてしまいそう。
あんなにひどいことをしたのに。
あんなに残酷なことをしたのに。
あんなに許されないことをしたのに。
それほど、ここの世界と向こうの世界はかけ離れていた。
夜。眠るのが怖かった。
目覚めたらまたあの世界で、人が嘘みたいに消えて行くかもしれないから。
夜。眠るのが悲しかった。
実はこれは走馬灯で、二度と目覚めることがないと思ってしまうから。
夜。眠るのが楽しみだった。
目覚めたらまたあの世界で、またみんなと会える。そんな気がしたから。
けどそれはなかった。
望んでいた平和な学生生活。
それを満喫することもなく、ただただ時間が過ぎていくような、そんな感覚。
達臣くんとも会った。
会っただけ。特に何を話すこともない。
色々あったからか、前より疎遠になったような気がした。
友達に何かあった? と聞かれて返答に困った。
それ以外は普通。
前と変わらない。
ただ――足りなかった。
いるはずの人がいない。
それが怖くて、悲しくて、苦しくて、耐えられなくて。
何度も願った。
いるはずのない神に、もういないはずの女神に、何より世界に。
けど何も起きない。
何も変わらない。
もうこのまま、自分の人生には存在しなくなってしまって。
その世界を生きていく私は、一体どうなってしまうのかと悩んだ。
それでも毎日は消化される。
何をしていても、何もしなくても、1分1秒がただただ無作為に消費されていく。
もうこのまま彼のことを忘れてしまうのではないか。
そう思うことが悲しくて、悔しくて、イラついて。
それでも自分には何もできなくて。
無力感に打ちのめされた。
彼のいないこんな世界に意味はなく、彼のいない私の未来に意義はなく、彼のいない私は生きる意志を失いつつあった。
そんな――ある日。
人の影を見つけた。
大学の構内。
右手の指輪を眺めてぼうっとしている人影。
冗談だろうと思った。
嘘だろうと思った。
夢だろうと思った。
白昼夢で、ありもしない幻覚を見ている可能性すらあった。
けど、いた。
確かに、この場所に、この世界に彼は存在していた。
それだけで、胸が熱くなる。
あぁ、やっとだ。
ずっと一緒にいたのに、何年も会っていなかったような感覚。
あの時と、姿形は変わってしまったけど、いつもの彼が、そこにいた。
走り出す。
それに気づいた彼は、にこりと、あの少女のような笑顔でこちらを迎え入れてくれた。
あぁ、この世界は、本当に素晴らしい。
本当に永い夢を見ていた気がした。
青空の下。
大学への通学路をたどりながらそう思う。
スマホで見るニュース欄には、様々なニュースが流れていた。
交通事故から奇跡の生還を果たした母親が、愛娘との感動の再会。
行方不明の松永製鋼の社長、発見される。
女子水泳界に期待のホープ登場! 数年のブランクを感じさせない泳ぎでオリンピック候補!
どこか見知った人たちの情報。
夢かと思った。
けど夢じゃない。
むしろ今までが本当に夢だったみたい。
ここには戦争がない。争いもそうない。
何より、人を千切るような力はないし、両手にあった血の感覚もない。
すべてがなかったような、嘘だったような想い。
ふとすれば、何千人も殺した罪の意識も忘れてしまいそう。
あんなにひどいことをしたのに。
あんなに残酷なことをしたのに。
あんなに許されないことをしたのに。
それほど、ここの世界と向こうの世界はかけ離れていた。
夜。眠るのが怖かった。
目覚めたらまたあの世界で、人が嘘みたいに消えて行くかもしれないから。
夜。眠るのが悲しかった。
実はこれは走馬灯で、二度と目覚めることがないと思ってしまうから。
夜。眠るのが楽しみだった。
目覚めたらまたあの世界で、またみんなと会える。そんな気がしたから。
けどそれはなかった。
望んでいた平和な学生生活。
それを満喫することもなく、ただただ時間が過ぎていくような、そんな感覚。
達臣くんとも会った。
会っただけ。特に何を話すこともない。
色々あったからか、前より疎遠になったような気がした。
友達に何かあった? と聞かれて返答に困った。
それ以外は普通。
前と変わらない。
ただ――足りなかった。
いるはずの人がいない。
それが怖くて、悲しくて、苦しくて、耐えられなくて。
何度も願った。
いるはずのない神に、もういないはずの女神に、何より世界に。
けど何も起きない。
何も変わらない。
もうこのまま、自分の人生には存在しなくなってしまって。
その世界を生きていく私は、一体どうなってしまうのかと悩んだ。
それでも毎日は消化される。
何をしていても、何もしなくても、1分1秒がただただ無作為に消費されていく。
もうこのまま彼のことを忘れてしまうのではないか。
そう思うことが悲しくて、悔しくて、イラついて。
それでも自分には何もできなくて。
無力感に打ちのめされた。
彼のいないこんな世界に意味はなく、彼のいない私の未来に意義はなく、彼のいない私は生きる意志を失いつつあった。
そんな――ある日。
人の影を見つけた。
大学の構内。
右手の指輪を眺めてぼうっとしている人影。
冗談だろうと思った。
嘘だろうと思った。
夢だろうと思った。
白昼夢で、ありもしない幻覚を見ている可能性すらあった。
けど、いた。
確かに、この場所に、この世界に彼は存在していた。
それだけで、胸が熱くなる。
あぁ、やっとだ。
ずっと一緒にいたのに、何年も会っていなかったような感覚。
あの時と、姿形は変わってしまったけど、いつもの彼が、そこにいた。
走り出す。
それに気づいた彼は、にこりと、あの少女のような笑顔でこちらを迎え入れてくれた。
あぁ、この世界は、本当に素晴らしい。
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