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第4章 ジャンヌの西進
第34話 ツツジの館のように
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見渡す限りの木々と山の中、盆地となる狭い平地にのどかな村が広がっている。
家屋は全て木製の掘っ立て小屋で、お世辞にも造りがよいとは言えない。とはいえ逃亡者により急激に増加した住民のためには、急造ながらも数が必要だったのは想像に難くない。
その家々は山間の狭い平地部分に密集しており、残りの飛び地や緩やかな傾斜部分には牧畜用の牛馬が飼われていたり、段々畑になっていて生活の基盤が整えられているのが見受けられる。
そう、こここそが旧ビンゴ軍の兵たちが暮らすという村だった。
だが最初にそう言われた時に俺は信じなかった。
彼らは強大な国家に立ち向かう反乱軍だ。いつ帝国に襲われるか分からず、かつ大勢の血気盛んな兵たちにより戦支度に専念している。そう思ったからだ。
それにしてはのどかすぎる。畑仕事に精を出す者や、子供の遊ぶ声が聞こえてくるのだ。さらに軍事的な設備もなく、塀も掘も何もない、山間の平和な村というのが第一印象だった。
だからヴィレスたちに担がれたのか、と思ったが辺りを見回すうちにそうでないことが分かった。
ここは盆地になっている。つまり、周りを山で囲まれているのだ。
人が通れる道は、俺たちが通って来た道とあと2か所。それ以外は深く険しい山を乗り越えなければここにたどり着けないのだ。
それゆえ、その3カ所にある侵攻口を塞げば、少人数でも防衛ができる。
そのためこの村自体に防衛施設は不要なのだ。
戦国時代。甲斐(今の山梨県)の武田信玄が本拠地にしていた躑躅ヶ崎館というものがあった。
武田信玄は戦国最強の大名とも言われているが、その中ではかなり珍しく、本拠地には強固な防備を施さなかったという。
これは守りの戦はしないという決意に取れるが、甲府盆地を1つの大きな砦として見た時、本拠地には防備が要らないと判断したためとも言われる。
すなわち八ヶ岳、明石山脈、富士山、関東山地という多くの山脈を城壁として見たて、敵の侵攻を防ぐつもりだったのだ。
まさに天然の要害。
『人は城、人は石垣、人は堀』という格言を残した武田信玄ならではの発想だろう。
まぁその分、攻めに出るのも難しいんだけど。
ただその武田信玄よりも俺たちは有利な点が2つある。
1つはこの本拠地の位置をまだ帝国に知られていないこと。
もう1つは、俺たちは正面切った戦いではなくゲリラ戦で挑むという事。
大軍を動かす必要はなく、少数精鋭ならばこの狭い通行口も通るのは容易い。
そう考えるとここを本拠地に置いたのは慧眼とも言うべきか。
そのことで後日ヴィレスに聞いたところ、
「ここを選んだのはキシダ将軍です。それから我々に帝国との戦い方を教授してくださいました」
なるほどな。
あいつもなかなかやる。
だからさっさと合流してほしいんだけど、いまだに行方が知らずというのだから本当に無責任だ。自分が案内するって言ってたのに。
という素直な感心はあったものの、ここに着いた当初は俺の心は相反して怒りに燃えていた。
「まったく、大した奴だよヴィレス。俺をペテンにかけるなんてさ!」
「いや、申し訳ありません。すべて伝えたつもりでいました」
俺の言葉に対し、平謝りするヴィレス。
もちろん争点はこの本拠地、その道のりのこと。
「まぁ確かにおかしいと思ったよ。遠回りするにしても半日もかからないところに本拠地があるなんて。それで今まで帝国軍に見つかってないんだから、よほど巧妙に隠されているか……もっと別のところに本拠地があるかだもんな」
そう、この村に来て2日目になるが、ここに着くまで焼け落ちた砦から森に進路を取ってから、丸3日経っている。
それだけ山道を歩かされたということで、正直まだ体が筋肉痛で痛い。
多分山を2つは超えたんじゃないか?
そりゃこんな山奥なら帝国軍に見つからないだろうよ。
「いや、分かってる。あと何時間とか言ったのは、俺たちの心を折らないようにした配慮だってのは。けど、俺には教えてくれてもいいんじゃないかな?」
「その……申し訳、ありません……」
最初に到着したと思ったら、中継地点の小さな陣地だと知らされた時には絶望に押しつぶされそうだった。
ようやく屋根のある家で暖かいご飯を食べてぐっすり眠れる、そう思った矢先にその仕打ちだ。もちろん中継地点というのだから、食料も寝床も用意されていたけど……そうじゃないんだよ。
はぁ……ま、いいや。
過ぎたことを言ってもしょうがない。これ以上ヴィレスを苛めたら、そのいかめしい顔が凝り固まって岩になってしまいそうだ。
「それで、ここにはどれくらいいるのかな?」
「はい、我が軍2千と留守居の500。それに兵たちの家族や鍛冶や農耕に従事する一般国民が1千弱。そしてもともとこの土地に住んでいたビンゴ王国民が1千ほど。合わせて5千ほどが暮らしています」
「うん、ごめん。聞き方が間違ってた。どれくらいで山を降りれるのかって聞いたんだけど。うん、そっちの情報も大事だな。俺たちが来て500ほど増えたけど問題ない?」
「はい。もともと2万の人間を受け入れられるようにこの場所を作りましたので。ええ、実際には多くとも1万ほどしか暮らせませんが。ですが今の人数であれば、その分の食料は自給できますし、近くに川があるので水に困りません。武装は充分とは言えませんが、古い武器や奪ってきた武器を、怪我などで従軍できない兵たちに鍛冶を覚えさせることでなんとか回っております」
その説明に俺は感心していた。
そう、ここは1つの国だ。
小さいながらも国なのだ。
こうやって国が出来ていくというのを目の当たりにすれば、感動したくもなる。
もちろん、周囲を帝国に囲まれているという累卵の危うさはあるものの、いや、それがゆえに、この小さな国を守りたいという思いが芽生えるのだろう。
だからこそ口出ししたくもなるわけで。
「医療は大丈夫? 怪我した兵を見る医者がいるのは知ってるけど、清潔な場所を提供できてなさそうだ。それに家族がいるってことは子供もいるんだよな。なおさら医者の数も必要だし、学校も必要だ。それにこんな掘っ立て小屋じゃあいつまでも生活できないだろう。大工とか技術職も必要になってくるぞ」
「ジャンヌ殿。どこか嬉しそうですね」
「ん……そう、かな」
そうなのかもしれない。
去年。オムカ王国の独立後の復興もこんな高揚した気分で取り組んでいた気がする。人や建物を壊すことしかできない俺が、何かを作り上げるというのが面白かったのかもしれない。
「そうだな。俺はこういう街づくりが好きなのかもしれない」
政治力39だけどさ。
下手の横好きってやつかもな。
「そうですか……しかし、ここではそれは不可能でしょう」
「なんで?」
ヴィレスにバッサリ切り捨てられ、少し語気が荒くなった。
だがヴィレスは顔色を変えず、淡々と反論してきた。
「我々は王国復興のために戦っているのです。ここが住みやすい場所になってしまったら、ここで安心してしまうかもしれない。外へ出ることが億劫になってしまうかもしれない。その可能性がある限り、ここは安住の場所であってはならないのです。まぁこれもキシダ将軍に言われたことなのですが」
あぁ、なるほど。
つまり劉邦をやろうってわけだ。
劉邦は紀元前の中国の英雄。
前漢と後漢の合わせて400年にわたる大帝国を築いた人物だ。
当時の劉邦は、始皇帝の作った国・秦を滅ぼした項羽によって巴蜀の地へ追いやられてしまう。今の四川省のあるところだ。
そのころの巴蜀地方は道なき道を行く未開の地で、平地に暮らしていた劉邦達には想像を絶する厳しい環境だった。
だが劉邦の軍師である張良は、それを好機と見た。
すなわち『故郷に帰るために兵に力を振り絞らせる』という極限状態に置くことで、劉邦はわずかなうちに復権を果たし、項羽を滅ぼして漢王朝を築き上げたのだ。
余談だが、巴蜀の地は首都である洛陽から見て左(西)にあるので、劉邦を左に遷す、すなわち左遷の語源となったとされている。
閑話休題。
「なるほど、喜志田も色々考えてるわけだ。で? その当の本人は?」
「申し訳ありません。まだ連絡が取れず……いずれはここに帰ってくると思うのですが」
「ま、しょうがないか」
本当に自由だなぁ、あいつ。
軍規の厳しそうなビンゴ軍にはありえない存在だ。
「ところで、先ほどの問いですが」
「ん? 何の話だっけ?」
「いつ、山を降りるかという問いです」
「あぁ……」
自分で言っておいて忘れてたよ。
いや、ヴィレスが中途半端に間を開けたのもいけないと思います。
「そうですね。今夜、他の皆さまと協議いたしましょうか」
「そういやあいつらどこ行ったんだ?」
俺が目覚めた時には、クルレーンたちを除いて、俺の隊とサカキの隊がそっくりそのまま消えていた。
「はぁ、なんでも食料の調達に行くとか……」
「食料ぉ?」
と、俺が聞き返したところで遠くから声が響いた。
「おーい、ジャンヌちゃん! 鹿とって来たぜー!」
「隊長殿! みんなで山菜取ってきました! 今日は鹿鍋です!」
見ればサカキにクロエらがやってくるのが見えた。
サカキとルックが鹿を木の棒に縛って担いでくる。
他の面子は山菜やら水を汲んだ桶やらを運んでいた。
てかめっちゃ順応してるし!?
頼もしいというか、何考えてんだというか……。
ま、このところ戦続きだったからな。
少しくらい、羽目を外すのもいいだろう。
「少し休憩するのはいいか。英気を養うってことで」
「そうですね。もう少しは良いでしょう」
ヴィレスの堅苦しい表情が、若干緩んだようにその時は思えた。
家屋は全て木製の掘っ立て小屋で、お世辞にも造りがよいとは言えない。とはいえ逃亡者により急激に増加した住民のためには、急造ながらも数が必要だったのは想像に難くない。
その家々は山間の狭い平地部分に密集しており、残りの飛び地や緩やかな傾斜部分には牧畜用の牛馬が飼われていたり、段々畑になっていて生活の基盤が整えられているのが見受けられる。
そう、こここそが旧ビンゴ軍の兵たちが暮らすという村だった。
だが最初にそう言われた時に俺は信じなかった。
彼らは強大な国家に立ち向かう反乱軍だ。いつ帝国に襲われるか分からず、かつ大勢の血気盛んな兵たちにより戦支度に専念している。そう思ったからだ。
それにしてはのどかすぎる。畑仕事に精を出す者や、子供の遊ぶ声が聞こえてくるのだ。さらに軍事的な設備もなく、塀も掘も何もない、山間の平和な村というのが第一印象だった。
だからヴィレスたちに担がれたのか、と思ったが辺りを見回すうちにそうでないことが分かった。
ここは盆地になっている。つまり、周りを山で囲まれているのだ。
人が通れる道は、俺たちが通って来た道とあと2か所。それ以外は深く険しい山を乗り越えなければここにたどり着けないのだ。
それゆえ、その3カ所にある侵攻口を塞げば、少人数でも防衛ができる。
そのためこの村自体に防衛施設は不要なのだ。
戦国時代。甲斐(今の山梨県)の武田信玄が本拠地にしていた躑躅ヶ崎館というものがあった。
武田信玄は戦国最強の大名とも言われているが、その中ではかなり珍しく、本拠地には強固な防備を施さなかったという。
これは守りの戦はしないという決意に取れるが、甲府盆地を1つの大きな砦として見た時、本拠地には防備が要らないと判断したためとも言われる。
すなわち八ヶ岳、明石山脈、富士山、関東山地という多くの山脈を城壁として見たて、敵の侵攻を防ぐつもりだったのだ。
まさに天然の要害。
『人は城、人は石垣、人は堀』という格言を残した武田信玄ならではの発想だろう。
まぁその分、攻めに出るのも難しいんだけど。
ただその武田信玄よりも俺たちは有利な点が2つある。
1つはこの本拠地の位置をまだ帝国に知られていないこと。
もう1つは、俺たちは正面切った戦いではなくゲリラ戦で挑むという事。
大軍を動かす必要はなく、少数精鋭ならばこの狭い通行口も通るのは容易い。
そう考えるとここを本拠地に置いたのは慧眼とも言うべきか。
そのことで後日ヴィレスに聞いたところ、
「ここを選んだのはキシダ将軍です。それから我々に帝国との戦い方を教授してくださいました」
なるほどな。
あいつもなかなかやる。
だからさっさと合流してほしいんだけど、いまだに行方が知らずというのだから本当に無責任だ。自分が案内するって言ってたのに。
という素直な感心はあったものの、ここに着いた当初は俺の心は相反して怒りに燃えていた。
「まったく、大した奴だよヴィレス。俺をペテンにかけるなんてさ!」
「いや、申し訳ありません。すべて伝えたつもりでいました」
俺の言葉に対し、平謝りするヴィレス。
もちろん争点はこの本拠地、その道のりのこと。
「まぁ確かにおかしいと思ったよ。遠回りするにしても半日もかからないところに本拠地があるなんて。それで今まで帝国軍に見つかってないんだから、よほど巧妙に隠されているか……もっと別のところに本拠地があるかだもんな」
そう、この村に来て2日目になるが、ここに着くまで焼け落ちた砦から森に進路を取ってから、丸3日経っている。
それだけ山道を歩かされたということで、正直まだ体が筋肉痛で痛い。
多分山を2つは超えたんじゃないか?
そりゃこんな山奥なら帝国軍に見つからないだろうよ。
「いや、分かってる。あと何時間とか言ったのは、俺たちの心を折らないようにした配慮だってのは。けど、俺には教えてくれてもいいんじゃないかな?」
「その……申し訳、ありません……」
最初に到着したと思ったら、中継地点の小さな陣地だと知らされた時には絶望に押しつぶされそうだった。
ようやく屋根のある家で暖かいご飯を食べてぐっすり眠れる、そう思った矢先にその仕打ちだ。もちろん中継地点というのだから、食料も寝床も用意されていたけど……そうじゃないんだよ。
はぁ……ま、いいや。
過ぎたことを言ってもしょうがない。これ以上ヴィレスを苛めたら、そのいかめしい顔が凝り固まって岩になってしまいそうだ。
「それで、ここにはどれくらいいるのかな?」
「はい、我が軍2千と留守居の500。それに兵たちの家族や鍛冶や農耕に従事する一般国民が1千弱。そしてもともとこの土地に住んでいたビンゴ王国民が1千ほど。合わせて5千ほどが暮らしています」
「うん、ごめん。聞き方が間違ってた。どれくらいで山を降りれるのかって聞いたんだけど。うん、そっちの情報も大事だな。俺たちが来て500ほど増えたけど問題ない?」
「はい。もともと2万の人間を受け入れられるようにこの場所を作りましたので。ええ、実際には多くとも1万ほどしか暮らせませんが。ですが今の人数であれば、その分の食料は自給できますし、近くに川があるので水に困りません。武装は充分とは言えませんが、古い武器や奪ってきた武器を、怪我などで従軍できない兵たちに鍛冶を覚えさせることでなんとか回っております」
その説明に俺は感心していた。
そう、ここは1つの国だ。
小さいながらも国なのだ。
こうやって国が出来ていくというのを目の当たりにすれば、感動したくもなる。
もちろん、周囲を帝国に囲まれているという累卵の危うさはあるものの、いや、それがゆえに、この小さな国を守りたいという思いが芽生えるのだろう。
だからこそ口出ししたくもなるわけで。
「医療は大丈夫? 怪我した兵を見る医者がいるのは知ってるけど、清潔な場所を提供できてなさそうだ。それに家族がいるってことは子供もいるんだよな。なおさら医者の数も必要だし、学校も必要だ。それにこんな掘っ立て小屋じゃあいつまでも生活できないだろう。大工とか技術職も必要になってくるぞ」
「ジャンヌ殿。どこか嬉しそうですね」
「ん……そう、かな」
そうなのかもしれない。
去年。オムカ王国の独立後の復興もこんな高揚した気分で取り組んでいた気がする。人や建物を壊すことしかできない俺が、何かを作り上げるというのが面白かったのかもしれない。
「そうだな。俺はこういう街づくりが好きなのかもしれない」
政治力39だけどさ。
下手の横好きってやつかもな。
「そうですか……しかし、ここではそれは不可能でしょう」
「なんで?」
ヴィレスにバッサリ切り捨てられ、少し語気が荒くなった。
だがヴィレスは顔色を変えず、淡々と反論してきた。
「我々は王国復興のために戦っているのです。ここが住みやすい場所になってしまったら、ここで安心してしまうかもしれない。外へ出ることが億劫になってしまうかもしれない。その可能性がある限り、ここは安住の場所であってはならないのです。まぁこれもキシダ将軍に言われたことなのですが」
あぁ、なるほど。
つまり劉邦をやろうってわけだ。
劉邦は紀元前の中国の英雄。
前漢と後漢の合わせて400年にわたる大帝国を築いた人物だ。
当時の劉邦は、始皇帝の作った国・秦を滅ぼした項羽によって巴蜀の地へ追いやられてしまう。今の四川省のあるところだ。
そのころの巴蜀地方は道なき道を行く未開の地で、平地に暮らしていた劉邦達には想像を絶する厳しい環境だった。
だが劉邦の軍師である張良は、それを好機と見た。
すなわち『故郷に帰るために兵に力を振り絞らせる』という極限状態に置くことで、劉邦はわずかなうちに復権を果たし、項羽を滅ぼして漢王朝を築き上げたのだ。
余談だが、巴蜀の地は首都である洛陽から見て左(西)にあるので、劉邦を左に遷す、すなわち左遷の語源となったとされている。
閑話休題。
「なるほど、喜志田も色々考えてるわけだ。で? その当の本人は?」
「申し訳ありません。まだ連絡が取れず……いずれはここに帰ってくると思うのですが」
「ま、しょうがないか」
本当に自由だなぁ、あいつ。
軍規の厳しそうなビンゴ軍にはありえない存在だ。
「ところで、先ほどの問いですが」
「ん? 何の話だっけ?」
「いつ、山を降りるかという問いです」
「あぁ……」
自分で言っておいて忘れてたよ。
いや、ヴィレスが中途半端に間を開けたのもいけないと思います。
「そうですね。今夜、他の皆さまと協議いたしましょうか」
「そういやあいつらどこ行ったんだ?」
俺が目覚めた時には、クルレーンたちを除いて、俺の隊とサカキの隊がそっくりそのまま消えていた。
「はぁ、なんでも食料の調達に行くとか……」
「食料ぉ?」
と、俺が聞き返したところで遠くから声が響いた。
「おーい、ジャンヌちゃん! 鹿とって来たぜー!」
「隊長殿! みんなで山菜取ってきました! 今日は鹿鍋です!」
見ればサカキにクロエらがやってくるのが見えた。
サカキとルックが鹿を木の棒に縛って担いでくる。
他の面子は山菜やら水を汲んだ桶やらを運んでいた。
てかめっちゃ順応してるし!?
頼もしいというか、何考えてんだというか……。
ま、このところ戦続きだったからな。
少しくらい、羽目を外すのもいいだろう。
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