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第123話:時間稼ぎ
しおりを挟む「マックミュレーンさんーーーーーーーーーーーー!!!!」
遠く城の方へと叩き戻された恩人のマックミュレーンを見て魔神の予想外の善戦を前にして不安だからなのか、声高に彼の名前を呼んだジュディだった!
「おっと、お主は吾輩の【円柱状魔檻ヴァギレクター】の中でじっとしてもらおう」
ズル――――!!
「なにー!?これはーー!?」
ゴド―!ゴドゴド--!!
ジュディを細長い円柱状の赤い檻が包んでいると、直ぐにそれを両手で叩いているジュディなんだけど、どうやらそう易々と破壊したり霧散させられる代物じゃないようで、どんなことをしても外へは出られない模様!しかも無詠唱で使われているようだ!
「【混沌の波力】の我々魔神の持つ【力の源】により、お主ら人間と聖神が持っている【聖魔力】に近い術式構成に近い方の【防御混沌術】だ!これでお主はもうあの男の精霊使いの手が届きそうにない檻の中に閉じ込めてやったのでもう逃げられる術はないんだ!フォはは!」
「くッ!」
それだけ言った魔神アフォロ―メロが意地悪く挑発の色が強い指摘をすると、
ビュウウウーーーーーーーー!!!
【円柱状魔檻ヴァギレクター】の中に閉じ込められているジュディが魔神の操作によって彼と共に城の近く上空へと舞い戻らされたら、ただただその檻の中から、これから繰り広げられるであろう戦いを見ることしか出来なくなった!
タ―――!
マックミュレーンが衝突したという城壁のところにて、瓦礫があったそこで煙が徐々に晴れていくと、
「なる程。僕が【聖魔力識別波長隠蔽魔術】を自分とジュディの身体にかけている最中でもきみが正確に僕達のいる方向と位置を特定でき、僕達から発されている聖魔力を難なく感じ取れたのだね?そして転移してきたという訳だ!」
フシュウゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーー!!!
煙の中から声を漏らしたマックミュレーンにそう訊かれると、すぐさま中から飛び上がった彼が真っ直ぐに目の前の魔神へとー
「れろれろれろれろれろー!」
斧の先端を魔神に向けて突き付けながら舌を出して普通な人間ではあり得ない程に激しく舌を回転させたり振動させたりするマックミュレーンがその奇怪な行為を通して50回も前と同様の【一線切断凶光ハヴェールグラント】の技名を唱えるとー
バコ―!バコ―!バコココー!
50回もの炸裂した音と光が一瞬にして魔神の身体に届いて着弾したが、ついさっき城で【豚人】3人を100個の肉片に変えた時とは違って、今回は【魔神】なる存在が相手なのでまったくの無効化であるー!
「そうだよ~。最初からお主が吾輩の城へ向かってきて、天井から地下牢屋回廊へ突き破った時も吾輩が全て把握していたんだ~、フォひひひ~!だから、こうしてお主らを泳がせ、まるで逃げ切れるチャンスでもあったかと飛行していったお主らを少し勘違いさせてやったまでのこと!」
「そうかぁ…なんて悪趣味なオジサンなんだね、魔神ロメロって」
「な!?『魔神ロメロ』って誰のことだいィー!?」
「きみのことだよ?長いからそう呼ぶことにしたんだけど、駄目かな?」
「…ぐぬぬぬぬ~~!ゆ!絶対に許さんぞーー!吾輩を愚弄したその言葉ー~!必ず思い知らせてやるからそこから動くなよーーー!!」
「できるものならやってみせて?僕がきみの見せてくれる『芝居』にお供するからね」
タアアア――――――――――!!!
それだけ余裕綽々と返事したマックミュレーンだったのにも関わらず、魔神の襲い掛かっている凄まじい速度に対応しきれずー
バコオオオオオオ―――――――――――!!!
またも天高くアッパーカットを喰らっては両拳による叩きおろしを見舞いされ、城にクレーターが出来るほどの衝突地点を生ませたのだった!
……………………………
…………………
………
3分後:
「はぁぁ……はぁぁ……はぁぁ……」
息も絶え絶えのマックミュレーンはボロボロに服装を何箇所か割かれ、腫れあがった箇所から大量な血が滴り落ちている!
…………
マックミュレーンの視点:
「……(やっぱり分析と予測通りの強さだ……。今の僕の実力では………まだ勝てないことだけは明らかなことだったから……だから、僕がいくら【舌好き雌の無名ちゃん】の権能とご加護があって魔神から受けた攻撃による痛みと物理的ダメージを大幅に何十倍以上も軽減できる能力を持っているからって、魔神は体力も【混沌の波力】の全力も強力すぎて、5分までも持っていそうにない……これからまたも何数発か受ければ、弱ってる今の僕が意識を手放すことも…………ジュディちゃんはあそこで柱の中へ捕らわれたままだし、さあどうする、僕ー?)」
ター!ター!
「どうしたんだ~?もうへばってしまったのかー?フォひひひひ~~!」
思案してる僕をよそにあそこから歩いてきた魔神。
「(考えるんだよ、僕!どうやってー……ん?…ああ、そうだった!【あれ】がまだ温存してあるんだった!)」
やっと有効な戦術を思い付いた僕!無論、僕の【あれ】を受けてもらっても魔神に反撃を許す暇も与えたくない!であれば瞬時に【ありったけの全ての魂の意地】で以って『一連の行動』に移すのみ!
「(では!)」
そうだと決めた僕はー
「【第4階梯の地系【四元素魔術】、【凶岩大量落下総陣(ノクトア=エリニシャハリン)】ーーーー!!!)」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ----------!!!!
ビュウウウ……………
遥か上空にて出現したとてつもなく、空と雲その上空一体を埋めつくす巨大な魔法陣が出来上がったー!【舌好き雌の無名ちゃん】による精霊魔術ではないので、激しく舌を動かして詠唱することも出来ないが、それでも得意とする僕の【第4階梯の『地系の四元素魔術』】を詠唱破棄で唱えると、
「受けてみてー!ピンク色オジサンー!」
それだけ掛け声を出した僕が手をかざすとー
ズシュー!ズシュー!ズシュー!ズシュー!ズシュー!ズシュー!ズシュー!ズシュー!ズシュー!
ズシュー!ズシュー!ズシュー!ズシュー!ズシュー!ズシュー!ズシュー!ズシュー!ズシュー!
何十もの小型と中型の隕石、それも僕の聖魔力で包まれている隕石すべてが上空の巨大型魔法陣から次々とこの辺り一帯に落下してきては広範囲な破壊力で以ってこの【ロンドヴァスト大魔城】全体を呑み込もうと落ちてくる!
これは【舌好き雌の無名ちゃん】による【精霊魔術】じゃなくて普通の【四元素魔術】なので、【激舌の雄】という権能を使えずに激しく動き回る舌で以って早く一秒だけで技名を何十回も唱えることが出来ない!
ジュディちゃんはあそこで魔神の頑丈そうな檻の柱で守られてるし、万が一も『これだけで柱が破壊される心配』もないので、魔神の目くらましにでもなればそれだけでいいー!
それに、術者である僕もこの魔術を使用する際に、自動で貼られている魔法障壁が展開されているので、自分の魔術で出現させた隕石で当てられる心配もない。
では、早く勝利するための戦術を実行しようー!
…………………………………
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