精霊術学院の死霊魔術使い

ワガドゥー男子

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第142話:オケウェーの手料理、そして復讐鬼ヒルドレッドの『お楽しみタイム』...

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2月八日、同日の夕暮れ時間のオケウエーの屋敷にて:



俺は今、さっきルミナリス王女との一悶着があったばかりのオードリーの気分を穏やかにさせるべく、訓練場から皆と別れる際にこう密かに何人かに勧められた:〖お姉さんの一件といい、最近のオードリーの周りに色々なことが起こり過ぎたから、ストレスが溜まってた反動で決闘を経て意気投合した唯一な異性である俺が会ったばかりの王女とあんな馴れ馴れしいじゃれ合いを見て嫉妬してたみたいだから、宥めるためにはオードリーを俺の屋敷へ二人っきりの夜食を食べるよう招待してみたらどう?〗



だから、【氷竜討伐任務】まで4日間しか残ってない今、今日の月曜日を始めに、この一週間の平日だけは寮暮らししなくてもいいから、任務に参加してる【チーム・オケウエー】各々のメンバーがそれぞれの屋敷へと夜間だけ戻って寝ていって良いとイリーズカ先生と学院長がどっちも許してくれると知らされたので、こうして俺は自分のこの王都での男爵用のマイホームに戻って、晴れない気分のままのオードリーのご機嫌を取るために自分で手料理を振る舞うことにした!



................



オードリーの視点:



広々としたダイニングルームには、柔らかなキャンドルの灯りが揺れていた。あたくしは長い金髪を軽く揺らしながら、椅子に座り腕を組んでいる。キッチンから漂ってくる芳ばしい香りに何度も引き寄せられていたわね。



「……なんであいつはあんなに時間かかってるのよー。ただのフライドチキンでしょ?ちぇ~!」

小さく舌打ちしたが、その香りの漂ってきてる元にまたふと視線をキッチンに向けたあたくし。



〘グーグー〙〘ゴロゴロ...〙

どうやらあたくしの胃袋は、その香りに抗えず、軽く鳴ってしまいそうだったわね。



「……まあ、ちょっとだけ様子を見てあげてもいいわよね。料理が焦げてたら、あたくしの晩餐が台無しになっちゃうんだから」

そう言い訳しながら、キッチンへと足を運んだ。



キッチンでは、オケウェーが大きなフライパンを巧みに操り、黄金色に輝くフライドチキンを仕上げていた。あいつの手元には、王都で手に入れたという珍しいハーブやスパイスが並んでいた。確かに、あのスパイスの類、...ブルークラール連邦から輸入してきた【ペリぺリ粉】だっけ?...【南地不干渉条約】の署名国ではない連邦だから、フェクモ諸国からのスパイスをそう簡単に取り寄せられたんでしょうね。



彼はそれら【ペリぺリ粉】を慎重に振りかけながら、満足げに微笑んでいる。



「ん?オードリー、どうした?もう待ちきれないのかー?ったく、飯が出来上がるまで待てないとかとんだごせかっちな公爵令嬢さんもいたもんだー」

オケウエーはあたくしが入ってきたことに気づき、悪戯っぽく微笑みながら皮肉の言葉をかけてきた。もう~なによ~!その言い草は!



「バ、バカ言わないで!ただ、変な匂いがしてきたから、焦げてないか確認しに来ただけわよ!」

ちょっとした苛立ちで頬が赤らんだのを自覚しながら、目をそらした。



「それに、あんたがそんなに時間かけてるから、ちょっと気になっただけだからね。別にあたくしが楽しみにしてたわけじゃないんだからねー!」

そうだわ!きっとそう!あんたのフライドチキンの香りがそんなに良すぎたから、惹かれるようにしてチェックしにきた訳じゃないんだからー!



オケウエーはあたくしの言葉を聞きながら、にやりと笑った。

「ああ、そうか。でも、もうすぐ完成だぞ?特別なハーブを使ったんだよねー。オードリーのために、辛さも控えめにしてたからな」



「……べ、別にあたくしのためにって言われても、そんなの当たり前でしょ!この前も言ったけれど、あたくしは辛いの苦手なんだから!」



またしても口を尖らせたあたくしだったが、なんか言葉の裏にはオケウエーの気遣いに対してちょっとだけどきっとした。でも、上手く隠したわ。



「はいはい~、わかってるよ。じゃあ、もう少し待っててくれ。すぐに持って行くからな!」

オケウエーは気合よく声を弾ませながらそう言い、最後の仕上げに集中したみたい。



「...ふーん」

一度だけあいつの料理する姿をじっと見つめ、それからそっとダイニングルームに戻った。



あたくしの心の中では、なぜか少しだけ期待が膨らんでいたのを自覚したわね。まあ、あくまでも『少しだけ』~だからね!人生の中で今まで沢山の一流なシェフに舌が肥えているあたくしなら、森の中ずっと暮らしてきた田舎者のあんたの手料理をそんなに良いモノだとも思えないしねー!ふん!



..................



数分後、オケウエーは大きな皿に盛り付けられたフライドチキンを持って、ダイニングルームに現れた。その香りは、なんかあたくしの食欲を『ちょっとだけ』掻き立ててくれたんだけれど、まあ、森の住民にしてはそこそこ腕が立つって程度だけだったわね~ふーん!



「さあ、どうぞ召し上がれ。俺の新作フライドチキンだ」

自信満々に手料理をテーブルに置いたオケウエー。



あいつの自信満々得意顔を一瞥してから、それからフォークを手に取った。



「はむ~。......へえ...」

一口食べると、その味に思わず目を丸くした。



外はカリッと、中はジューシーで、ハーブの風味が絶妙に広がってるって感じわね。



「はむ。...はむはむ」

思わずもう一口、そしてまた一口と食べ進めてしまった。

「はむはむ~。はむはむはむはむ――」



「ははは!随分と豪快な食べっぷりしてるようだね、オードリー!よっぽど俺の手料理がそんなに気に入ってるってのかー?」



「……ま、まあね。こんなの、あたくしでも作れるわよ。でも、今回は……あんたの努力を無駄にしないために食べてあげただけだからね!」

頬が赤らんでいくのを変に思いながらも、強がりだけでなんてことないように誤魔化した。で、でも~!....本当は美味しいわよー!これ~~っ!



「そうかそうか!ったく、素直じゃないな、オードリーってやつは」

あたくしの反応を見て、まんざらでもなさそうに言った。



「まあ、でも、...オードリーさえ喜んでくれたなら、俺も努力が報われるようで嬉しいよ」



「……ふーん!べべ、べ、べつに、喜んでなんかないんだからね――!」



恥ずかしさのあまり、頭に血が上り過ぎてかっとなって口を尖らせてしまったけれど、実際はオケウエーの作ってくれた手料理はとても美味しくて、素敵な味だって認めているから反応に困っただけのことだわ!



だって、あの時のあいつの『俺がお前の契約人間になった』【誓い】もそうだったけれど、オケウエーがまたもあたくしのために優しくしてくれたら、あの時の、......き、きき、.....キス!の瞬間を思い出してしまって顔が茹蛸になってしまいそうだわ―――!



た、ただ勝負に負けた際に交わされただけの【契約友達】とあの時の勢いと弱ってた心境だったあの時のあたくしが心を許してしまったからって、調子に乗り過ぎないようにね~、南地からの友人くん!ふーん!



.........それにしても、ルミナリス王女もどうかしてたわー!

あ、会ったばかりの男の子にあんな、.....過剰なス、スキンシップしてたなんてー!

絶対おかしいわよ、あの子!

王女なのに貞操観念はどうなのよー!もう~!

ほ、本当に破廉恥な王女なんだったわー!

あ、あたくしの友人に色目を使うなんてー!

恥を知りなさい!





.............................





...........




同時刻の午後8:20時のヒルドレッドの王都クレアハーツでの屋敷にて:



パチャ――!

「ひーッ!?」



「お~~ほほほほほほほーー!!どうでしたの、わたくしからの【復讐の鞭】はー?」

「す、...素晴らしいです、我が主、ヒルドレッド様!も、もっとあっしを罵って下さい」



パチャ―――――――!

「お~~ほほほほ!心配しなくても直ぐに貴女に罵詈雑言の嵐をお見舞いして差し上げましてよ?この豚猿のマゾ犬雌が!」



パチャン―――!

「ひゃうーー!!?」

「何の役にも立たないゴミ屑女の『おまえ』がー!」

パシイ――――ン!

「ひぎゃ!?」



そう。...今宵のヒルドレッドの屋敷では両親が経営している【魔導機器修理会社アールスヴェンダーズ】の緊急案件ができたから出張のために家を空けることになったので、都合よく独りになったヒルドレッドは勝負の規定によって負けた側のレイーザリンに対して、自分の家へイジメるために呼んできたのだった!昔にレイーザリンに屈辱感満載な仕打ちに報いるための復讐のために!



尤も、契約精霊を持っているレイーザリンは身体能力と物理的な傷に対する耐性が普通にある精霊術使いなので、鞭で彼女をもっと痛めつけられるためには前にオードリーが犯人少女を捕縛する際に使った特製の【魔導式複合材料縛縄マジック・コンポジットマテリアルズ・バインディングロープ】を用いて、それをヒルドレッドがレイーザリンに向かって叩いてる最中である!



................................




...........



「はあぁ...はあぁ...はあぁ...はあぁ...はあぁ...はあぁ...」



全身を特製な鞭で打たれて苦しんでるレイーザリンが荒い息を吐いているようなので、今度のヒルドレッドが四つん這い姿にしたレイーザリンの頭に近づき、そしてー!



「では、今回はわたくしの靴を舐めなさい、レイーザ犬」



「はい、ご主人様」

れろれろれろ.......



(お~ほほほ.....これこそ心が大満足してる復讐劇ですわ、これ~!ずっと待ってきましたのね、こういうの~!あの頃、可哀想にもわたくしの美しい顔を床に埋めさせるように頭の後ろに足を載せてきたこの豚犬の所為で、汚い埃を舐めさせられたあの屈辱感いっぱいのわたくしの怨念や恨みがついに、晴らされる日々が訪れましたわ!お~ほ!)



そう!学則の規定の下で、ヒルドレッドが負けた方のレイーザリンに科した罰は、2年生の今のレイーザリンが卒業するまでの2年間弱で、ヒルドレッドの下僕として仕えること!そして、ご主人様となったヒルドレッドからの命令を何でも聞くように、学則に基づいて命への危険がない命令だけならば従うように......



「れろれろれろ......」



「お~ほほほほ!安心して下さいなー!わたくしも鬼じゃありませんから、靴裏を舐めさせる事はこれぐらい最後にしてやらなくもないですけれども、これからは親切に主人であるわたくしからの【愛の鞭】もいっぱい振る舞っていきますから、お茶を出して貰ったり、洗濯物をやってもらったり、わたくしの髪の毛を綺麗に梳いて貰ったり等して一杯な通常義務を課してあげるばかりするのですから、お楽しみにしていて下さいな~!」



「はい、それはすごく嬉しゅう御座います、ヒルドレッド様...」



どうやら、生徒会長とは別のヴェクトルでの相手に靴を舐めさせる行為なんだが、少なくともSっ気をいずれ見境なく発揮する予定の会長とは違い、ヒルドレッドはただ復讐第一な考えで、ただ過去に恨みのあるレイーザリンに対してだけ虐め返したい一心のようだ。



(で、でもこんなことばかりしてると、なんかわたくしまで淑女じゃなくなるような恐怖感と変な感覚が芽生え始めそうで怖いんですから、程々に復讐の成就に満足する日がきたら、解放して上げなくもないですわね、お~ほ!...なにせ、こんな惨めな格好晒した駄犬なんていち早く捨てて、もっとオケウエーという素敵な殿方にしてお強き【戦少年】と一緒の時間を過ごした方がもっと有意義だとも思いますけれどね、ふふふ~)



それだけ言って、昔に自分をイジメたことある元苛めっ子の靴を舐めさせられてる姿を見て、ゾクゾクとした快感を覚えながらも不安が募る貴族令嬢ヒルドレッドがいるのだった!




..................................




..............




______________________________________

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