精霊術学院の死霊魔術使い

ワガドゥー男子

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第168話:シャルロット・フォン・グーズケンハイム

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ジュディの巨大な火球を目にした時だったジェームズの視点:



「....す、すげえー」



「ふふふ....そうね。オケウエー君と一緒に竜の腹にいたジュディのようだけれど、中でナニしてたのか、そこから突き破ってきた途端ああも大きすぎる火球を生成できたとはねぇ...」



「な、ナニって、何なんっすか、クレアリス嬢さんー?」



「...ふふふ、ナニ、なのよ~?」



「-!?...う、うぅう...」



クレアリスの意味してるところに気づいた僕は直ぐに恥ずかしくなって頬を赤らめながら目を逸らしてしまった。し、下ネタっす、それ!



「冗談だわ、シャルロット。そこでうちを睨まないでくれる?」



「むむむ~!あ、あたしの彼氏にセクハラジョークしないでよ、もう~!」



「ごめんごめん。じゃ、うち邪魔者みたいだから、あっちへ行くのね。....あ、その前に....」



軽く僕に対して目配せをしたクレアリス、そして僕のポケットを指し示しているかのように視線をここへと移動して、合図としてこのポケットを見ながら唇を尖らせるクレアリスを見ると、



「あ、....」



意図を半分ほど分かり切ってない僕なので、ここから去っていくために僕の横を通り過ぎていくすれ様に、



「どうやら、今回そのお薬は必要ないよね。彼らだけの力あれば十分のようだし...」



と短く囁きの言葉を僕の耳だけに聞こえるように小さく漏らしながら、今度は本当に去っていってくれたっす!



た、確かにそのようっすね!



どうやら、本当にオケウェー達のために、今回だけはこの【妙薬の完全品】を使わなくていいみたいで、ほっとすると同時に、なんかオケウェ―の力にあまりなってない感じがしてちょっとだけ気落ちしている表情を浮かべてしまうと―



ぎゅっと~~



「しゃ、シャルロット..?」



「何か考え事して、ちょっとだけ暗くなった様子なんだけど、何か悩み事があればいつでもあたしに相談しに来てよね?この通り、いつも側にいるし、手を離したりもしないんだよ?」



「....シャ、シャルロット....」



「....ジェー、ジェームズ....」



と、唇が触れ合いそうな至近距離で顔を近づけ合ってしまってる僕らに―



「ひゅひゅ~!ジェームズばかり責めるかと思いきや、シャルロットちゃんも大胆でお熱い~!」



「ほ、本当...です!じょ、情熱的な...アプローチ」



と、僕ら二人の仲睦まじくなった良い雰囲気になっちゃいそうな様子に、横から冷やかしな視線と掛け声をしてくれてる【チーム・リルカ】のリルカとエリスがいるようっす!



「にしし、お主も侮れぬ男よのう、ジェームズ殿」



何故か、そこでニヤニヤと僕とシャルロットのことを見ながらそう言ってきたルミナリス王女もいるようっす!




.............................................................





.............................



【チーム・純粋なる淑女研鑽会】の面々に伴われながらオケウェ―が斬首した氷竜マインハーラッドの切断した断面に【絶対封獄聖箱ボックスシール・イドデリオン・ガルヴィール】という封印型な聖霊魔術をかけようと剣を突きつけると―



ター!



「クリスティーナ嬢!さっきのは見事だったわ。だけど、前の【チーム戦】と同じで一歩足りなかったわ。あたくしにもオケウェ―にも引けを取ってしまったようで残念わよね~」



竜の喉に依然として槍状態となったその片腕の尻尾の先端を倒れてるここの首のない竜の下にある長い喉に突き刺したまま着地してきたオードリーがそうやってクリス先輩を怒らせるような発言をするとー



「コほん!ソれは挑発のつもりかー、ドレンフィールド嬢?」



「ふん!好きに解釈してくれて構わないわ、イルレッドノイズ嬢。だけど、あまり馴れ馴れしく内のチームリーダーとそうやって気安く話しかけてこないでよね?少なくとも、あたくし達チームメンバーのどれかが彼と一緒のところじゃないと」



二人の【四大貴族】がお互いに挑戦的な視線を交わし、火花が散りそうな緊張感を孕んでいる様子だ! 一人っきりになった俺に、クリス先輩とその部下たちが近づいてきて俺に話しかけてくるのを良く思わないっぽいオードリーのようだな。



「おや、それは嫉妬っぽか?」



「~~な!?そ、そんな訳じゃー」



今度はレイーザリン先輩の茶化しに真っ赤になったオードリーが彼女に近づいて掴みかかろうとするのを苦笑しながら観察してる俺。



「ったく、女三人寄れば姦しいって言うが本当にそうなのだね、ははは....」



と、今度こそ集中して、【絶対封獄聖箱ボックスシール・イドデリオン・ガルヴィール】をかけようと意識を向けると―



パチイイイィ――――――――――――――――――――――――――――!!!!



「「「「「「――――――――!!?」」」」」」

「みんなサンそこから転移して逃げて下さいましー!」



どういうことか、ヒルドレッドのそんな助言の言葉を遠くのあそこから叫ばれたのを聞きながら、いきなりここの竜全身から眩しくて強烈な紫色の【反人力】が迸るのを目に―



「ビュオオオオオオオオオ――――――――――――――――――――!!!!!」



いきなり紫色の閃光も真っ白い雲も一瞬にしてここ一帯の空間に出来上がり、視界が悪くなった俺達6人は今度、突如として吹き荒れる、今までに晒されたことのないような、この世の終わりを宣言するかのような超巨大な激しくて、猛烈過ぎた、超音速な吹き飛ばす風力をも誇ってる超激烈な巨大吹雪が、一瞬で八方前方へと竜の身体を中心にして、吹き荒れ、それでー



バコオオオ――――――――!!!バコオオオ――――――――!!!バコオオオ――――――――!!!バコオオオ――――――――!!!バコオオオ――――――――!!!バコオオオ――――――――!!!



成す術もなく、一瞬にして、俺、オードリー、クリス先輩、レイーザリン先輩、ジュリア先輩とリーリスが遠くの全方位へと後ろ2000メートル以上も吹き飛ばされ、それだけに飽き足らずー



バコオオオ――――――――!!!バコオオオ――――――――!!!バコオオオ――――――――!!!バコオオオ――――――――!!!バコオオオ――――――――!!!バコオオオ――――――――!!!バコオオオ――――――――!!!バコオオオ――――――――!!!バコオオオ――――――――!!!バコオオオ――――――――!!!



そのあまりにも強烈すぎて、激し過ぎた猛吹雪の所為で、俺達よりも遠くにいたジュディも、その巨大な火球も、真体姿で待機してる彼女の契約精霊フロンデルヒートも、ヒルドレッドもジェームズもクレアリスもルミナリス王女もエリスもリルカもシャルロットまでもが後方数百メートルへと吹き飛ばされていったのを振り向きな横目で一瞬だけ確認できたー!




................................................




.......................




ジェームズの視点に戻った:



「...う、うぅう......」



僕の他にも、一杯、吹き飛ばされてきた、と、思うっす!今、......この場で



パチパチ......



ここら一帯の凍ってる地面もひび割れて、なんか下には湖っぽいなのも気になるし......(まあ、落ちていても、聖魔力を迸ったり【身体能力強化】で凍ってるとこブチ破って飛び上がって出ればいいだけっす。精霊術使いとなった今、僕はそう簡単に自然環境による寒さで死んだりすることは絶対にないし)



.....................



ド――――――!!



「グーグーグ......」



「え」



ど、どういう、....



状況だ、ここ!



「グーグーグーグーグ......」



僕をその巨体で睥睨するように、全高180メートル以上らしきサイズを誇ってる氷竜マインハーラッドが目の前にいて、そして既に再生されたその巨大な頭部についてる上顎と下顎を大きく開け広げてー



「グワワアアオオオオオオオオ―――――――――――――――!!!!!」



遠慮もなく、咆哮を轟かせると同時に、素早く至近距離のこっちまで来て、その大きく開けた口腔へと誘われるように―



ああ、.......



これは駄目なやつ.........



僕、奇跡の南地男子でも無く、【3体の大聖霊】のどれもの契約人間じゃないし.........



本当にー!



.....し......



死ぬ!



「ジェームズ!ジェームズ!」



「ママ!ママ!今日の僕は百点満点の試験結果よー!」



「ジェームズ!お前はちょっとこっちこいーー!!」



「いやだ、パパ!殴らないで―!小説売れないの、僕の所為じゃー」



まるで走馬灯のように、精霊術学院に入学してきた前の楽しい思いでも悲しい思いでも思い出され脳内で再生されー



そしてー!



......................



暗闇の中にいた気分で、やっと僕に終わりの時がやってきそうかってところにー


グチャアアアアア――――――――――――!!!!



「ああー!?」

僕の目の前に、僕を庇うようにして、いきなり後ろから転移してきたらしい、僕の愛しい、


愛しいシャルロット!僕の恋人が―!


グチャアアアアア――――――――――――!!グチャアアアアア――――――――――――!!


無惨にも、肉片と大量な血の飛沫をあっちこっちへと、そして僕の頬にも飛び散ってきながら、その大きな牙のついてる口で、噛み千切られてるのをはっきりとこの目で焼き付かれた瞬間を目撃してしまったっす!



「シャー!....シャルロット――――――――――――――――――――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!!」



......................................................................




........................................





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