精霊術学院の死霊魔術使い

ワガドゥー男子

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第179話:学院の一員として正式に認められた。そして聖女からの不信の目線

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翌日の2月16日の火曜日、明朝の午前6:55時の学院長室にて:



「おめでとう、蛮勇なる南蛮人少年。先日は討伐隊に参加したみんなにかけた祝辞だったが、今日は貴様にだけ送る言葉だ。これから、貴様は卒業するまで、学院の一員として正式に通ってもらおう」



今朝、俺は一人だけで学院長室に来るようにと、この時間帯で来てくれと昨日、魔導通信機を通して学院長からの連絡があったので、こうしてやってきた。どうやら、予想通りに、マインハーラッドを討伐できたことを機に俺の入学を正式に認める気になったな!律儀な大人のようで良かったぜー!



これであんたの小間使いにならなくていいんだな、ははは!(今の俺は愛の大聖霊とまで契約できた、立派な英雄となった精霊術使いになったんだし、いくらクリス先輩の美人な母親だろうと誰が差別表現ばっか言ってるお前の下で働いて女装なんかするもんか、ボケー!)



パチパチパチパチー!



「良かったわね~、オケウエー君~!これからは毎日も授業を受けて、どんどん伝説級な精霊術使いになってゆけるまでビシバシしごいてやるよ~!」



イリーズカ先生も俺の正式入学を喜んでるような笑顔を向けて、ニコニコとしながら拍手を送ってきたのだ。ありがとう~先生!最初から俺の味方でいてくれるだけじゃなくて、みんなにも優しくて好きだ!



正式にイルレッドノイズ学院長からの認可を得た今の俺はもう紛れもない聖エレオノールの一学生になり、卒業するまでここにいていい存在となっているんだ。よし!これからどんどん色んな魔術を学んでいき、やがてケクル病を患ってるおじちゃんを直せるように―



「オケウエー君~!どうしたの?あまり嬉しくない顔しちゃってもう~!それ!」

ぎゅ~むっ!

「-!!?」



ど、どどどいうことか、いきなりこっちまで近づいてきた先生に遠慮のないハグをされた――!!?



む、むむ、、胸が~~!?

「ふっふっふ~!照れちゃって照れちゃって可愛い~!やっぱり濃いチョコ肌も赤面するの見えちゃうんだぁ~」



「せ、先生、学院長が見てるから放してよー!」

なんかテンションの高い先生を引きはがすのに苦労しそうなので、救いの目を学院長に向けると―



「南蛮人少年の癖に素直な好意も受け止められぬとは、贅沢な悩みにもほどがあるぞ!」



と、軽く一蹴された俺だった!



...........



「じゃ、もう既に聞かされた話のはずだが、レイクウッド8世国王陛下が貴様ら【チーム・オケウエー】と【チーム・純粋なる淑女研鑽会】両チームに向けた指示で、19日の夜に、王城への招聘がかかったとの知らせを聞いたな、帰還した先日で?」



あ。



そう言えば、確かに俺たちが帰還してきた、14日のあの凱旋式典も併せての討伐完了祝辞の際の学院敷地内の大広間で:



...................



「【チーム・オケウエー】と【チーム・純粋なる淑女研鑽会】の諸君らへ!そして【外国特別軍事顧問】として参加してきたルミナリス・フォン・ヴェルンライト姫!よくぞ氷竜マインハーラッドを討伐してくれたものだ!これで北のアズリア地域に伝説級世界獣の脅威に晒されてきた我が国の民もやっと安全となった。....その際に、氷竜討伐任務に参加したこの2チームだけが氷竜マインハーラッドに対して大打撃を与えられたと戦場の記録を行った【高度空中飛行魔導記録器】が記録して確認済みだ!このニュースは今朝、お知りになったばかりのレイクウッド8世国王陛下が喜ばれる事となったので、陛下のご寛大なお計らいと労いの元で、君ら10人に、六日間の休暇期間をご与えになるとの旨を頂いた」



「休暇期間?それはいいニュースなのですね、ふふふ」



「...デも人が死んだ後の休み時間など....些か不謹慎なようにも思えなくはないんデスが、陛下のご意向とあらば、従うより他ないデスよね」



「その通りですね、会長様!わたしも力不足なあいつの死亡を無念に思いながらも、各自の自己責任で討伐任務に参加してきたようなものだって思う。いつまでも他人の行動を制限できるまでの枷とならないで欲しいものだ!」



おい、ジュリアー!そんなの!



「ジュリア、おい!..俺達のジェームズになんてことをー!」

いらッとなって先輩づけるの失念したがもうどうでもいい!



「そうですよ、その言い草は謹んだ方が―」



「スピーチの邪魔をするな、そこの貴様ら!....じゃ、続いて話すが、それによって、【世界樹奪還任務】に向けての国家間の協力体制の段取りを話し合う国際会議が開かれた【グランドブードリック大王国】の王都、【グランドブ・ブードリー】へ、出席することになった【セルレス法王国】の代表、シルヴィン・フォン・セルレス聖女が3月1日で参加することで、諸君らにも聖女の護衛を頼むようにとの国王陛下のご意向を頂いた。詳しい話は19日の午後7:00時の王城にて、国王陛下から聞く事になるが、恐らく六日間の休み期間をもらうのが当日の翌日からになって、25日までの期間となるだろう!」



「わ!竜を討伐したご褒美で休み期間まで貰えるなんてー!でも......」



「うん。....ジェームズのいなくなったこの早い時期に......」



喪中期間も終わらない感じの今、すぐに休暇期間をもらって楽しんでもいいものかどうか、......なんか無くなったばかりの彼に悪いなぁ......



ジェームズ......



「あたくしも思うところがあるわよ、そんなことがあってから早々に......」



オードリーも何とも言えない複雑な顔を浮かべてるし....



「「......」」



オードリーもヒルドレッドもクレアリスも神妙な表情となって俯き出すと、



「じゃ、伝えたいことはこれだけだ。後、19日の夜7:00時頃に、くれぐれも王城へ訪ねることを忘れないようにな。以上だ」



タタタ.........



それだけ言ってスピーチを済ませた学院長は、敷地内の屋外にあるそこの広場の檀上から去っていったのだった!



国王様からの命令ならば、休暇期間を甘んじて受け入れるのも仕方ないことだ......



故人のためにいつまでも、っと、......なんていう、その、厳しいご意見を王様から聞くことになるのは、前の謁見や叙勲式の際で、オードリーの実家にてクレガーキールによって皆殺しにされたメイドたちを聞いたあの時から、既に王様のアドバイスをもらったばかりだったからなぁ........



知らない人の死のと仲間の死とではこんなに違いを感じるなんて......




...............................................




................



16日の今朝という時間の学院長室に戻ると、



「た、確かに聞いたな!19日の夜7:00時からなんだってー?王城へ王様を会いにいくのって」



「そうだ。氷竜を討伐できた功績は大きい。よって、貴様らが全員、好待遇をもらうのが筋だろう....だが、あまり浮かれぬようにな。いつでもどこでも、聖エレオノールの一学生であるという誇りと自覚をもって、伝統あるこの学院の名と名声に泥を塗るような見苦しい真似や言動を国王陛下の前にしないことだ!」



「そ、それは勿論だとも、学院長!俺もチームメイトのみんなも既に立派な学院生になって、ここが好きになってきたんだから!そう易々と学院の名誉と格式高い名が汚れるような不躾な態度と言動をしないつもりだよ」



「それなら良い。じゃ、下がってもよいが、その前に、そこの男が貴様にどうしても会いたくて会いたくて五月蠅かったから、通してきたまでのこと。だからー」



勿体ぶった学院長がそう告げると―

ドー!

ドアが開けられた音の方へ振り返ると―



「けかかか!久しぶりだね、記憶消失ボイーよ!」



「あ!ゼナテスの奴だ――!?あんた今までどこにいたんだよー!?」



本当に久しぶりだった!



おじちゃんの症状が悪化しないようにミラクルピルをくれただけじゃなくて、俺をこの北大陸ギャラ―ルホルツへと連れてきた際に、あのとんでもない変な意匠のある杖って形の【神器】らしきもので南大陸フェクモから一瞬でここへと転移してくれた、.......恩人のはずなんだけれど、どこか俺とおじちゃんを利用したいという下心や胡散臭さも感じちゃうような怪しい男で信用もできないんだ!



「くっくっくっ......どこにも行かなかったさあー!ただのんびりとクレアハーツに滞在していてはダンジョンに赴いての冒険者支援をしてきたまでの事さあー!」



あ。



た、確かにこのレイクウッド王国だけじゃなくて、各国にある【樹界脈】が多く通っているダンジョンで、修行やら契約精霊探しやら、ダンジョン内にある素材の入手やらで、そういった活動をしに行っている者も多いんだっけ?



契約精霊探しの者、訓練命令が下された軍の部隊と精霊術使いの学院生(俺達のルネヨー・フラックシスの学院開催イベントだったのように)、精練魔剣作りの鍛冶屋、一般人向けの魔導機器の生産で働いている職人たち、吟遊詩人がもっと面白い話を届けに見て回るためにそんな集団に同行したこと、等々といった色んな職業で務めている人達がそんな素材や経験を獲得したり手に入れるために、各地のダンジョンへ行ったり来たりしていたようだが、ゼナテスもそういった【冒険者】達の護衛や支援をするために、無事で生き残れるように同行したって依頼もこなしてたんだったっけ?



「...じゃ、じゃ、俺の近況を直接に俺から聞くためにやってきたのかー?」



「そうさあー!見ない間によく成長したものだな、伝説級の氷竜まで討伐してみせたなどで!やはり我の人を見る目は腐ってないで安心したのさあー!そしてほら!これは君のガランクレッド殿の家での写真だぞ!」



どれどれ、...ああっ!?



「おい、ゼナテス!このメイド服姿をしてる女は誰だー?なんでうちの家にー!?」



よくよく見せてもらった写真におじちゃんの側に立って優雅に両手を前に会わせてニコニコと微笑んでいる若いメイド服の女がいて、黒髪ハーフアップをしているようだ!誰だよー、こんな美少女は――――!?



「けかかかか!驚くことないさあー!ただ、君の育ての『親』が無事で暮らせるように、ゼールドリッチ=ヴォールフガング帝国兵からの襲撃があっても返り討ちにできるようなすご過ぎる【魔導戦闘罠機】と【魔導兵器】エキスパートをメイドに雇用して、護衛任務に就かせてやったまでのことさあー!」



あ!そういえば、先月から帝国兵がフェクモのシンドレム森林地帯より最も近い海岸沿いへ海軍兵が着陸して、そこで陣を構築して海岸の一か所にだけど、小さめ規模な軍事拠点を築き上げてきたってニュースをしょっちゅうイリーズカ先生を介してゼナテスから聞いてきたが―



「そうかぁ!なら、今まで無事だったね――!おじちゃんが!よ、よかった~」



【ノキューリエム】に着いてから殆どニュースが断たれ、おじちゃんなにやってたのか全然知らせが入ってないが、こうしてじかじかに伝えるためにやってきてくれたのが嬉しい!



それにしても...



「でも、ゼナテス!どうして雇ってるこのメイドがこんなにも若そうに見えるんだ?なんか、....イリーズカ先生も十分に若いように見えるが、このメイドも引けを取らないような美貌と美少女っぷりを呈してるじゃんー!」



しかも、過去に何度も女に飢えているような発言も頻繁に聞いてきた、あのスケベおじちゃんからだー!今まで一緒に過ごしてきて何も起こらぬわけが―



がしー!

ん?いきなりこそこそと男同士の話でもしようかって俺をあそこの部屋の片隅へ肩を掴んで連れてきて―



「安心してくれたまえー!彼女のベッドでのテックも凄いんだぞー?だから、君のガランクレッド殿の性事情も完璧に満足させてやれる才能持ちの侮れぬ嬢ちゃんさあー!」



「あ、やっぱり~~!」



おじちゃん!俺のいない間で【食性三昧】な生活を送ってきやがったな―!



俺達に大事な仲間であるジェームズを失くしてしまったような厳しくて苛烈な死闘を氷竜と繰り広げたばかりだったのに、おじちゃんは何の苦労もなく食事も女も満喫できるような毎日を送ってきたなんてー!



け、けしからんぞ!




...................................................




.................



それから、授業を受けるために1年B組の教室に入っていった俺とオードリーやジュディの3人。



今日は弱ってた昨日の俺じゃなくて、チームメンバー全員でエスコートする必要がないと判断したクレアリスやヒルドレッドが俺達と途中で挨拶を済ませてから、直ぐに自分達の1年A組教室へと直行していったようだ。



「はいはい~ホームルーム終わったから、次は【アズリオン宗教学】の時間ね~」



「「「「「「「「「---!!?」」」」」」」」」



ええー!?前は17日だって言ってたのに―!?もう直ぐに―――!?



カチャ―!



タタ.....



ドアを開けて、教室に入ってきたのは――――



「初めまして、聖エレオノール精霊術学院の1年生B組の皆。シルヴィン・フォン・セルレスという者だよ。【セルレス法王国】にて、聖女を務めているものだが、今日からは両国間との決め事を通して、この学院が導入したばかりの新カリキュラムにて、【アズリオン宗教学】を教えることになったんだ」



ううお!



様になってるなあ、その先端に印象的な球体もついてる真っ白い長杖を地面でとんとんって軽く叩きながら歩いているのってー!そして、その白を基調とした優雅な聖職者の制服も着ながら、細やかな意匠が施されたロングスカートに片脚を大胆に見せるスリットから白タイツと真っ白いハイヒールブーツに包まれた脚線美を誇りながら、先生のいるそこの教壇近くに歩んでいくの見てるのって!



そして、やっぱり俺はどこかで彼女を見たことがあるような気がしたんだけど、中々思い出せないんだよなぁ......



でもー



「じ~~」



どうしてなのか、自己紹介を済ました途端、シルヴィン聖女がいきなりじとっと俺の方を見つめてきて、何かを探るように、怪しむように鋭い目線を向けてきてるばかりで、俺から視線を中々離さない様子なんだけど、何でえ――――――――!!?



「じい~~~」



で、でもなんでか、....そんな美少女に見つめられていても悪い気がしないってのもあるわな、さすがに.....やっぱり、美しき者は正義だってどこかの本で読んだことあるよね。




..................................................................





..................................





__________________________________
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