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第188話:ガブリエルの俊傑さとルミナリスの高潔さ
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王族と小間使い以外、立ち入り禁止のはずの5階にて、俺、オードリー、ルミナリス姫とクリス先輩が王子の部屋の中へ通された。先に自室に入ったガブリエルとその婚約者、エクリエシース王国の第一王女であるセシリア姫は既に奥にある豪華な金色なソファーに腰を下ろした。
部屋を見回してみれば、天井からは煌びやかなシャンデリアが輝き、壁には金細工の施された白大理石の彫刻と歴代王族の肖像画が並ぶ。王子達が腰かけている最中の奥にあるソファーの対面にはマホガニー製の豪華な低位置のテーブルが置かれ、それを囲むように左右には短めな金色のソファーもあり、こちらへ背中を向けるようにしての同じ色のソファーもあるようだ。
「入ってくれ」
手招きするように顎をちょこっと動かした王子は対面のソファーに座るように指示したので、俺達も迷わずにそこへ腰を下ろした。
「....ふむ」
どうやら、ここから右の奥には天蓋付きの、6人が潜っていっても十分なスペースを誇る大きめな壮麗な寝台が鎮座してるようだ。床に敷かれてる黄金色と深紅食の絨毯だけじゃなくて、金色のゴブレットとワイングラスが所せましと並べられてるそこのキラキラと光を反射しているガラスのキャビネットもそうだけど、この部屋のすべての調度品と家具が、王家の威厳と格式を示しているなあー!
「さっきは見苦しいところを我が父が見せてしまい残念に思うよ。大方、未だに行方不明のままの僕の妹、エリシャの事が恋しくて、懇願するために最大限な礼儀作法である【土下座】を披露目してくれたルミナリス姫の恰好を昔のなんらかの場面にいたエリシャの残像とでも重なって見えるのか、それで取り乱した父だったろうね.......」
「...ソれはどうデショウかな、ガブリエル殿下......」
「...ん?どういう意味なんだい?クリスティーナ嬢」
「何でもないデスよ。......アあぁ~、アタクシも自分の妹リーリスをまたも会いたくなるほど淋しいんデスよね」
「......」
え?意味深な言葉をかけたクリス先輩は神妙な面持ちで王太子に向けるが、俺も王子と一緒になって何が何だかさっぱり分かんないって顔してるよ!
ん?でもよく見てみると、確かに王子の表情はついさっき、一瞬曇ったような感情になったが、直ぐに元通りに――!?
..................
「...さて、どこから始めようかな?...あ、そうだ。まずは君からだね、【希望の才女】にして【麗足の舞姫嬢】のオードリー」
「....前者はともかく、後者の呼び名では馴染みませんわよね、殿下~」
若き20代前半の王子の軽い揶揄いに対して、上手くクールにかわしたオードリーが事務的なウィンクをしながら口を扇子で隠したまま返事した!よし!それでこそ公爵令嬢だぞ!王族相手でも上手く立ち回れてる、生粋な貴族の出だ!
「聞いてみれば、学院長からは君がそこのルミナリス姫と決闘するそうだという話だが、それはどんな経緯いきさつで決定したものか、そしていつ行われるか詳しく聞かせてくれるかい?」
面白がるような、おもちゃを手に入れたばかりで楽しもうとする王子の方を見るのをよそに、俺は自分の右隣に座ってるオードリーではなく、左隣に座ってる、緑色とティファニーブルーの配色がした初対面時で見せてくれた王族用の煌びやかなドレスをまたも着ているルミナリス姫の俯いてる顔を覗き見した。....ふむ、ベランダに長くいた時から涙でも流したのか、ちょっと目の周りが赤くなってる様子だ....
「3月のいずれかを決め合うことにしましたわよ。未だに正確な日付は決まっておりませんけれども、じきに発表する予定ですわね、ルミナリス姫?」
「.........」
(ルミナリス姫~!オードリーに聞かれたよー!)
「うー、あ!...そう、...であったね、う~ははは!で、では、その質問に対する返答はであるとー、その!...ええっと、そうであるね!......まだ決まってはいないけれど、3月になってからいずれガブリエル王子にも知らせる予定であるよ」
ふぅぅー。無反応だったルミナリス姫だったので、なんとか会話に参加させることに成功したようでホッとする~!
確かに、あの時のホームルーム教室で交わされた約束とも協定ともいえるあれの後で、休み時間である昼時になってからが大変だったのを今でも覚えてる:
..............................................................
.......................
今日のオードリー対ルミナリス姫の決闘騒ぎが始まってからお昼の時間になった途端:
「ね、ね~、ルミナリス姫ちゃン~!本当にオードリーちゃんと戦うことになったんだネー?」
「...記録映像みてたけど、【犯人捕縛任務】も【氷竜討伐任務】の戦いどれも見比べると一段と勢いが低下しちゃう様子感じ取りましたけれど、本当に具合は大丈夫ですか、姫さんー?」
「無理だけはなさらないで下さいましね~!この素晴らしき国の一番お偉いご客様となった姫さんに何が起こると思うと―」
どうやら、あそこの王女の席に群がってるイザベラとその....友人達?(取り巻き達?)を見る限り、王女もここに通ってからお友達もできたようで安心だねー!
「安心していいであるぞ!この決闘は妾とドレンフィールド嬢との私的試合である。だから、外交関係改善には関係ないことであるよー!」
と、こっちに至ってはー
「ね、オードリー様は本当に良いんでしょうか?......外交関係の更なる向上を目指すらしいルミナリス姫様との決闘だなんて...」
「まあ、オードリー様も何かお考えがあってのことですわよね?そうですのね?」
「あ、あたしはこの会話に参加してもいいんでしょうか...?」
ここには、ニナとその友人たちに質問攻めにされたオードリーがいるようだ!よ、良かったね、オードリー~!もっと恐れられてる怒りっぽい令嬢かと思ってたけど、どうやらニナたちとだけは仲良くしてきてる様子だ!
「ええ、当然勝ってみせるわ。あいつがどれだけ秘められた力を持っていようともね。......後、これは個人的決闘だから、外交には関係ないはずだわ」
オードリーもみんなに囲まれて質問に答えるのは満更でもない様子だったので、これもほっとした!
さて、この二人の決闘を無事に先延ばしに出来た俺のことを褒めてやりたいぐらいだが、まだ早い!......これからも王女の悩みを先に教えてもらって、解決してやれるかどうか調べておきたいしね。
..................................................................
............................
現時点の王太子の部屋に戻ると:
「フハハハ!オードリーくんも喧嘩っ早いところあって嫌いじゃないデスぞ、デスぞ!」
どうやら、あそこの左側の短めなソファーで座ってるクリス先輩もオードリー対ルミナリス姫の決闘について愉快そうに思えてそうなので、それを興味深げにこちらにいるオードリーも姫も交互に見回しては面白そうに笑ってるばかりだ。
「なるほど......そちらのウィンチェスター男爵を失ったばかりのこんな早い時期に、代わりとなったヴェルンライト王女をそう簡単に受けいれられず、きっかけとなる展開が欲しいだけという訳かい?」
「......ええ、そうですわ!」
嘘つき―!お前はただ、王女がこれ以上俺とベタベタに甘えてくる様を見ていて堪えられないほど嫉妬してくれてる癖に~!
確かに、俺はオードリーの事もジュディと同じように好き!
だが、まだどっちかを選んでいいかって結論を出すにしてはまだ早い時期だ!
まずは、ルミナリス姫がどのような問題と悩みを抱え込んでいて、彼女の国の元奴隷の現状はどんなものであるかを確かめてからじゃないとー!
後、俺を疑いそうな目を向けている聖女のことも、どうにかして俺に対する疑惑を強引に晴らさせてやらないと俺の学院での立場も危うくなる恐れがある!
それから、俺も未だにおじちゃんのケクル病を直せる【新魔術】を開発できてないので、まずは先月からイーズに言われた通りの、【改:絶清大聖シリーズ】の第5と第6段階も習得してからが【死霊魔術】と融合できるような【新型聖霊魔術】をイーズがやっと思いつけるようになるはず!
「くすくす~、オードリー嬢は本当に面白いことばかりやってくれるよね。お蔭で、僕もこうしてセシリアと一緒に、楽しい見世物を来月から見物できそうでワクワクする」
「あら、まさかとは思うけれど、【四元素魔術】の上級な【水系魔術使い】である殿下ならともかく、魔術も精霊術全般もからっきし出来ないワタクシでは試合における正確な分析を殿下に提供できないのですが、それでもワタクシの美味しい~ぽよよんがお望みでしたらー」
ぎゅ~~!
うー、ううおおー!?あろうことか、いきなりガブリエル王太子の隣に優雅に腰かけているセシリアが彼の腕を抱きしめてるようにしてヒルドレッドとルミナリス王女とエルヴィーナ会長の胸と引けを取らないような巨乳を押し付けている様子だぞー!
「ふーん!」
ぎゅむ~!
うおおー!?今度は彼らに対抗するように、オードリーまでもが俺の腕をそっちので絡めてきて何食わぬ顔で自然体なままの両目を瞑ってる顔で同じようにその中型クラスのお胸を俺の腕に~~!?
「フハハハ!青春してるんデスなー!キミらも、....殿下もな!フハ!」
「クリス先輩~~、他人事のように揶揄わないでよー!」
「ダって他人事デスもの!」
まったく、揶揄い上手な人ばかりで後から覚えてろー!クリス先輩よー!
「普通な光景だとは思うけどね、僕とセシリアは婚約者同士だから。...でも、オードリー嬢。...君とそのフェクモ系初の男爵は違うではないか?」
あ!こいつ、俺とオードリーの腕を絡み合ってる様子を気づいて凝視してきてるー!?こ、これはまずい!色々と聞かれちゃう―!??
「........」
ルミナリス姫は相も変わらず、会話に参加できてない感じで、何か別のところを思い浮かべて遠い情景でも想像してるか静かのままの心ここにあらずって感じな顔して......
「何でもありませんわ、殿下。これはただの軽い友人同士のお戯れだけですわよ」
「...くすくす。そんなので誤魔化される僕ではない事は知っていたでしょうに、相も変わらずに面白いことも口走れるお口達者な公爵令嬢ではあるね、君は」
「去年のダンスパティーではしてませんでしたわ。そのお口達者なことを、...ね~」
「それは君が上達してる今こそ言えることじゃない?僕は国の未来を担う王族として色々と忙しかったから、君がいつどこでお喋りが上手になったかは正確に把握し兼ねることぐらい優先順位の低い情報だね」
.....え、えっと、....な、ナニ語喋ってるんでしょうーか?
今のオードリーと王子は~?
........なんか雲の上の会話みたく、言葉の端々に隠れてる真意を理解することが困難な高度な駆け引きでもしてる様子な二人の上流階級者共にー
「すうー。...うん、美味しいわ!」
と、そこのセシリアは会話にもオードリーや俺達にも興味なさげで、ずっとその高級なお紅茶を楽しんでいるばかりだった!
.................................
「で、そこの君。...オケウェ―男爵という君は、オードリーとは今、どんな関係にあるかと、直接聞こうと思うのだが、実際のところはどうなんだい?『その腕だけで』判断する材料としては足りなくはないけれど、一応は本人からは、ね」
ついに王子から、俺とオードリーとの関係を聞かれた!
......まあ、こうもベタベタに俺と腕を絡み合ってるオードリーの堂々とした不敵な笑みを見てたらさすがに彼女が俺に気があることぐらい分かってるよね、ったく~!
「......今のところはまだ正式な交際を始めたという訳ではありません。......色々あって、オードリー嬢にも答えを出す時が来るかと思うのですが、今はただ学業に専念して、色々な精霊術を学んでから決めたいと思う。......だから、今はまだ......」
なんか、曖昧に誤魔化してみても無駄な気がするので、正直に話すとー
「なるほど。オードリー嬢、君もそのフェクモ人男爵の言った言葉に賛成するのかね?」
「当然ですわ。...まだ進展ないけれど、彼は今、あたくしの一番大事なお友達ですもの。そう簡単に他の娘こに渡したりはしませんわよね~」
「くすくす、なるほど、なるほど!さすがは去年に、僕との縁談を断ったその胆力に相応しき判断力だ、希望の才女よ。男の精霊術使いはその肩書だけでも超稀有で、重宝されてきた【財産】だからね~。それを【愛の大聖霊】とまで契約済みな【奇跡男子】となると尚更、だね。......いや~、実に面白かったニュースで感服せずにはいられないよ、くす。でもねー」
ん?
「なるべく早めに決めてもらわないとね。なにせ、ここ【レイクウッド王国】では未婚のまま色々やらかしたり、はしたない振る舞いばかりしてると【四大貴族】であるドレンフィールド嬢である君の隣にいちゃついてる乙女とだけずっとそのままにいると、...貴族が聞いて呆れるね」
「それは善処します、...殿下」
「彼の言う通りですわ、ふふ~ん!」
きっぱりと、王子に向かって毅然とした態度で言ってやった俺とオードリー!
やっぱり、彼女も俺とそれなりに過ごしてきて氷竜との死闘も共に戦った大切な仲間としての通じ合う何かを感じて、迷うことなく俺と心を通い合わせたような返答を一緒に王子に対して言いやれたようだねー!ふぅぅ......これで、未来の王様からの詰問を乗り越えて助かった――!
......................................
...............
「では、今からは本題に移る。君、ヴェルンライト親西貿易国家からの代表、ルミナリス第一王女に対する正式な懇願への返事なのだが、その前に、もう一人重要な人物の同席を招き入れようー」
「....え」
あ!王子に名を呼ばれたからやっと吹き帰ってきたかのように、姫にまたも生気の宿った目が戻り、それでも半ば放心状態の顔を晒すとー
ん?今度は何かポケットから取り出した物体ー、あ!【魔導通信機】だ!
「もしもし、もう王城内にー?では、入ってみていいよ。衛兵が階段で待機し案内してくれるから」
................
「失礼します」
カチャ―!
シルヴィン聖女だ!多分、聖女を【グランド・ブドリー】へ護衛することになった際に、彼女の【セルレス法王国】が保有する【聖艦メリディオ】を借りてのヴェルンライト訪問は可能か聞いたり、一緒に取り計らうために呼んだのだねー!
「ここに座ればいいですね?分かりました」
どうやら、聖女は俺、オードリーとルミナリス姫が腰を下ろしてるこの長いソファーの斜め前方にある右の短めなソファーに座るよう王子に勧められたそうだ。一応、ここでもクリス先輩のいる左ソファーのあそこでも座れるスペースがあるのだからな。
「では、さっきの謁見の間にて、後ろの部屋から【魔導音響増幅装置】もついてる【魔導映像記録器】にて全部聞かせてもらったよ。ルミナリス姫は、護衛任務に参加している【チーム・オケウェ―】と【チーム・純粋なる淑女研鑽会】が聖女と共に【グランド・ブドリー王都】に着いたら、【チーム・オケウェ―】だけを借りてヴェルンライトにいる元奴隷のフェクモ人の視察をするよう君の国へ招待してくれるって話だったね?...それもセルレスの【聖艦メリディオ】を借りての迅速な訪問で」
「...............う、うぅ、うむ!そう、であるね!......わ、妾は、えっと、....【護衛任務】に参加する予定であるそこのクリスティーナ殿のチームメンバだけを【グランド・ブドリー】での聖女の護衛任務に任せ、オケウエー殿のチームメンバだけを我が国でのフェクモ人元奴隷の視察をしてもらうよう頼みたいのであるが、どうであろうかー、殿下?」
「へええ、.....そんなこともして欲しいんだー?男爵のチームメンバだけじゃなくてあたしたちの戦艦までを借りたいと言っての...」
聖女も初耳らしくて我がままにも聞こえる発言したルミナリス姫を値踏みするよう鋭い目線を向けると―
「......話の前提からして懇願内容の要点がさっぱり分かり兼ねるが、それを追求すると、どうして我々レイクウッド王国の者が君の国における元奴隷のフェクモ系人間達の現状視察をしなければならないというのだ?明らかに僕らの関係するところではない問題の気がするが...」
王子の疑問も尤もだ。だって、フェクモ系の立場が弱くなってる移民を【ブルークラール連邦】から誘拐して自国で奴隷や人体実験のサンプルとして使役したり虐げたりしてるのはこちら【レイクウッド王国】ではなく、ルミナリス王女のヴェルンライトって国の前国王たちの責任だからだ。
関係のないことに首を突っ込めるほど、こちらにも余裕がないはずだ。
「......その懸念は重々承知しておる、殿下。......だけど、こちらも必死なので、我々の現状を知ってもらうためには自国における元奴隷の彼らを見てもらいたいとは思っておるよ。なぜなら、奴隷みんなを解放してからというもの、未だに多くの問題が残っていて、解決することは困難であるとも感じた。......さて、どれから簡潔に例を述べようか.....我が国は長年、【グランド・ブドリック大王国】の侵略に晒されておる。....彼の国の巨大な軍事力に対抗すべく、近年は【精練製法無壊砦《リファイーネッド・マニュファクチョーリング・オブ・スピリットアンドマジック・エンチャンテッドフォールトレッス》】という防衛拠点も国境でいくつかの要点を抑えて建てたのであるが、それでも防戦一方では足りないと思って、我が父である前国王ソランセンがー」
「愚かにも【南地不干渉条約】を破ってまで、ブルークラール連邦からのフェクモ系移民を攫ってきて奴隷にしたのだな?」
「......え、ええ、そう、.....である....」
まるで当時の父達の悪事でも見せられたかのように、悲痛そうな面差しを浮かべている王女はあの頃の奴隷たちが体験した残忍な人体実験としての残虐過ぎたにまで感じる数々の酷すぎる拷問の光景でも思い起こされたのか、涙もが溢れ出ちゃいそうな辛い表情となりかけていた王女が泣き崩れるのを防ぐように、すぐに早口で切り出す―
「..父のやってきたことは絶対に許せぬ!如何なることであろうとも!お主らは妾の懇願に対し、そう軽く突き放すようなことを述べられたのはこちらの前政府体制が行った数多くの人権侵害が如何に逸脱したおぞましき悪魔的所業であるか、分かってないからそう言えるのであるぞー!で、たとえ彼らを解放できた今でも、心理的な後遺症やトラウマはもちろん、保有した奴隷を解放させられて憤ってる一部の貴族階級の臣下と元奴隷フェクモ人との間に未だに尾を引いておる蟠りと対立心・復讐欲、......そして未だに元奴隷の彼らに対して抱いている優越感を持っている普通な平民からの差別と侮蔑な視線や酷い扱いまでも......生産コストのなかった採掘現場と工場や鉱山での労働力の喪失が引き起こした国内の経済的インフレ率も、元奴隷層の生活基盤の欠如という、教育、土地、職業訓練を受けていない彼らが未だに自立できず、極度の貧困に陥ることも、既得権を失った層が反発し、反革命を唱え始める【危険分子】の大頭までもー」
「「そこまでだ(よ)---!!」」
.....う、わおー!
息ピッタリにガブリエルとセシリア姫の声がハモったー!
「.......要求は伝わった。......君の国における多くの問題も想像することはできよう。...だが、たとえ我らが君の国の問題に介入しても、こちらとしてのメリットはどんなものになるんだいー?」
そこだー!
そうだよねー、王子!俺もあんたの意見に同意するよ。...いくら同情したくなるような切迫した状況に苛まれてるルミナリス王女とその国の人々であろうとも、それって結局は俺達レイクウッド人が引き起こした問題じゃなかったよねー?連邦からフェクモ人移民を攫ってきて隷属させるようなことしてるの俺らの国じゃないんだよなー?
だったらー
「.........対グランド・ブドリック大王国のための【経済的・後方支援の同盟】のための交渉にとっておいた最後の切り札であったが、まあ、この際、提示してみても損はないであろう......、では、ガブリエル・フォン・レイクウッド殿下、貴殿に対して正式に頼もう、『どうか、陛下にこの要求もお伝え下されー:......〈我らの国、ヴェルンライトの首都【ヴィスカールゴー】の地下深くに、未だに解除できてない古の遺跡が1年前から発見された。......妾たちのために視察する要求を承諾するだけじゃなくて、同盟にも賛同してくれたら、その遺跡の探索を共同で行えるよう、そして遺跡にて見つけられる如何なる戦略的な【神器】であろうとも、共有する権利を与えよう〉
...........これでどうであろうかー?」
「「「「-----!?」」」」
「......ふ、ふむ。..えっ、ええ-!?そ、それ、..ならば――!」
どうやら、王女のその遺跡探索への共同共有の話が気になるか、すぐに前のめりになって食いつていく王子がいるのだった――――!!
確かに、各国の情勢をも変えるような、神々の力や【奇跡】が宿ってる戦略的な【神器】の入手はどんな国や団体からも喉から手が出るほど欲しがる維新的な【伝説的国力増幅機能】を齎すだろう。
そして、それを分からないほど愚かではない王子の答えは――
「...詳しく聞かせて!」
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部屋を見回してみれば、天井からは煌びやかなシャンデリアが輝き、壁には金細工の施された白大理石の彫刻と歴代王族の肖像画が並ぶ。王子達が腰かけている最中の奥にあるソファーの対面にはマホガニー製の豪華な低位置のテーブルが置かれ、それを囲むように左右には短めな金色のソファーもあり、こちらへ背中を向けるようにしての同じ色のソファーもあるようだ。
「入ってくれ」
手招きするように顎をちょこっと動かした王子は対面のソファーに座るように指示したので、俺達も迷わずにそこへ腰を下ろした。
「....ふむ」
どうやら、ここから右の奥には天蓋付きの、6人が潜っていっても十分なスペースを誇る大きめな壮麗な寝台が鎮座してるようだ。床に敷かれてる黄金色と深紅食の絨毯だけじゃなくて、金色のゴブレットとワイングラスが所せましと並べられてるそこのキラキラと光を反射しているガラスのキャビネットもそうだけど、この部屋のすべての調度品と家具が、王家の威厳と格式を示しているなあー!
「さっきは見苦しいところを我が父が見せてしまい残念に思うよ。大方、未だに行方不明のままの僕の妹、エリシャの事が恋しくて、懇願するために最大限な礼儀作法である【土下座】を披露目してくれたルミナリス姫の恰好を昔のなんらかの場面にいたエリシャの残像とでも重なって見えるのか、それで取り乱した父だったろうね.......」
「...ソれはどうデショウかな、ガブリエル殿下......」
「...ん?どういう意味なんだい?クリスティーナ嬢」
「何でもないデスよ。......アあぁ~、アタクシも自分の妹リーリスをまたも会いたくなるほど淋しいんデスよね」
「......」
え?意味深な言葉をかけたクリス先輩は神妙な面持ちで王太子に向けるが、俺も王子と一緒になって何が何だかさっぱり分かんないって顔してるよ!
ん?でもよく見てみると、確かに王子の表情はついさっき、一瞬曇ったような感情になったが、直ぐに元通りに――!?
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「...さて、どこから始めようかな?...あ、そうだ。まずは君からだね、【希望の才女】にして【麗足の舞姫嬢】のオードリー」
「....前者はともかく、後者の呼び名では馴染みませんわよね、殿下~」
若き20代前半の王子の軽い揶揄いに対して、上手くクールにかわしたオードリーが事務的なウィンクをしながら口を扇子で隠したまま返事した!よし!それでこそ公爵令嬢だぞ!王族相手でも上手く立ち回れてる、生粋な貴族の出だ!
「聞いてみれば、学院長からは君がそこのルミナリス姫と決闘するそうだという話だが、それはどんな経緯いきさつで決定したものか、そしていつ行われるか詳しく聞かせてくれるかい?」
面白がるような、おもちゃを手に入れたばかりで楽しもうとする王子の方を見るのをよそに、俺は自分の右隣に座ってるオードリーではなく、左隣に座ってる、緑色とティファニーブルーの配色がした初対面時で見せてくれた王族用の煌びやかなドレスをまたも着ているルミナリス姫の俯いてる顔を覗き見した。....ふむ、ベランダに長くいた時から涙でも流したのか、ちょっと目の周りが赤くなってる様子だ....
「3月のいずれかを決め合うことにしましたわよ。未だに正確な日付は決まっておりませんけれども、じきに発表する予定ですわね、ルミナリス姫?」
「.........」
(ルミナリス姫~!オードリーに聞かれたよー!)
「うー、あ!...そう、...であったね、う~ははは!で、では、その質問に対する返答はであるとー、その!...ええっと、そうであるね!......まだ決まってはいないけれど、3月になってからいずれガブリエル王子にも知らせる予定であるよ」
ふぅぅー。無反応だったルミナリス姫だったので、なんとか会話に参加させることに成功したようでホッとする~!
確かに、あの時のホームルーム教室で交わされた約束とも協定ともいえるあれの後で、休み時間である昼時になってからが大変だったのを今でも覚えてる:
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今日のオードリー対ルミナリス姫の決闘騒ぎが始まってからお昼の時間になった途端:
「ね、ね~、ルミナリス姫ちゃン~!本当にオードリーちゃんと戦うことになったんだネー?」
「...記録映像みてたけど、【犯人捕縛任務】も【氷竜討伐任務】の戦いどれも見比べると一段と勢いが低下しちゃう様子感じ取りましたけれど、本当に具合は大丈夫ですか、姫さんー?」
「無理だけはなさらないで下さいましね~!この素晴らしき国の一番お偉いご客様となった姫さんに何が起こると思うと―」
どうやら、あそこの王女の席に群がってるイザベラとその....友人達?(取り巻き達?)を見る限り、王女もここに通ってからお友達もできたようで安心だねー!
「安心していいであるぞ!この決闘は妾とドレンフィールド嬢との私的試合である。だから、外交関係改善には関係ないことであるよー!」
と、こっちに至ってはー
「ね、オードリー様は本当に良いんでしょうか?......外交関係の更なる向上を目指すらしいルミナリス姫様との決闘だなんて...」
「まあ、オードリー様も何かお考えがあってのことですわよね?そうですのね?」
「あ、あたしはこの会話に参加してもいいんでしょうか...?」
ここには、ニナとその友人たちに質問攻めにされたオードリーがいるようだ!よ、良かったね、オードリー~!もっと恐れられてる怒りっぽい令嬢かと思ってたけど、どうやらニナたちとだけは仲良くしてきてる様子だ!
「ええ、当然勝ってみせるわ。あいつがどれだけ秘められた力を持っていようともね。......後、これは個人的決闘だから、外交には関係ないはずだわ」
オードリーもみんなに囲まれて質問に答えるのは満更でもない様子だったので、これもほっとした!
さて、この二人の決闘を無事に先延ばしに出来た俺のことを褒めてやりたいぐらいだが、まだ早い!......これからも王女の悩みを先に教えてもらって、解決してやれるかどうか調べておきたいしね。
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現時点の王太子の部屋に戻ると:
「フハハハ!オードリーくんも喧嘩っ早いところあって嫌いじゃないデスぞ、デスぞ!」
どうやら、あそこの左側の短めなソファーで座ってるクリス先輩もオードリー対ルミナリス姫の決闘について愉快そうに思えてそうなので、それを興味深げにこちらにいるオードリーも姫も交互に見回しては面白そうに笑ってるばかりだ。
「なるほど......そちらのウィンチェスター男爵を失ったばかりのこんな早い時期に、代わりとなったヴェルンライト王女をそう簡単に受けいれられず、きっかけとなる展開が欲しいだけという訳かい?」
「......ええ、そうですわ!」
嘘つき―!お前はただ、王女がこれ以上俺とベタベタに甘えてくる様を見ていて堪えられないほど嫉妬してくれてる癖に~!
確かに、俺はオードリーの事もジュディと同じように好き!
だが、まだどっちかを選んでいいかって結論を出すにしてはまだ早い時期だ!
まずは、ルミナリス姫がどのような問題と悩みを抱え込んでいて、彼女の国の元奴隷の現状はどんなものであるかを確かめてからじゃないとー!
後、俺を疑いそうな目を向けている聖女のことも、どうにかして俺に対する疑惑を強引に晴らさせてやらないと俺の学院での立場も危うくなる恐れがある!
それから、俺も未だにおじちゃんのケクル病を直せる【新魔術】を開発できてないので、まずは先月からイーズに言われた通りの、【改:絶清大聖シリーズ】の第5と第6段階も習得してからが【死霊魔術】と融合できるような【新型聖霊魔術】をイーズがやっと思いつけるようになるはず!
「くすくす~、オードリー嬢は本当に面白いことばかりやってくれるよね。お蔭で、僕もこうしてセシリアと一緒に、楽しい見世物を来月から見物できそうでワクワクする」
「あら、まさかとは思うけれど、【四元素魔術】の上級な【水系魔術使い】である殿下ならともかく、魔術も精霊術全般もからっきし出来ないワタクシでは試合における正確な分析を殿下に提供できないのですが、それでもワタクシの美味しい~ぽよよんがお望みでしたらー」
ぎゅ~~!
うー、ううおおー!?あろうことか、いきなりガブリエル王太子の隣に優雅に腰かけているセシリアが彼の腕を抱きしめてるようにしてヒルドレッドとルミナリス王女とエルヴィーナ会長の胸と引けを取らないような巨乳を押し付けている様子だぞー!
「ふーん!」
ぎゅむ~!
うおおー!?今度は彼らに対抗するように、オードリーまでもが俺の腕をそっちので絡めてきて何食わぬ顔で自然体なままの両目を瞑ってる顔で同じようにその中型クラスのお胸を俺の腕に~~!?
「フハハハ!青春してるんデスなー!キミらも、....殿下もな!フハ!」
「クリス先輩~~、他人事のように揶揄わないでよー!」
「ダって他人事デスもの!」
まったく、揶揄い上手な人ばかりで後から覚えてろー!クリス先輩よー!
「普通な光景だとは思うけどね、僕とセシリアは婚約者同士だから。...でも、オードリー嬢。...君とそのフェクモ系初の男爵は違うではないか?」
あ!こいつ、俺とオードリーの腕を絡み合ってる様子を気づいて凝視してきてるー!?こ、これはまずい!色々と聞かれちゃう―!??
「........」
ルミナリス姫は相も変わらず、会話に参加できてない感じで、何か別のところを思い浮かべて遠い情景でも想像してるか静かのままの心ここにあらずって感じな顔して......
「何でもありませんわ、殿下。これはただの軽い友人同士のお戯れだけですわよ」
「...くすくす。そんなので誤魔化される僕ではない事は知っていたでしょうに、相も変わらずに面白いことも口走れるお口達者な公爵令嬢ではあるね、君は」
「去年のダンスパティーではしてませんでしたわ。そのお口達者なことを、...ね~」
「それは君が上達してる今こそ言えることじゃない?僕は国の未来を担う王族として色々と忙しかったから、君がいつどこでお喋りが上手になったかは正確に把握し兼ねることぐらい優先順位の低い情報だね」
.....え、えっと、....な、ナニ語喋ってるんでしょうーか?
今のオードリーと王子は~?
........なんか雲の上の会話みたく、言葉の端々に隠れてる真意を理解することが困難な高度な駆け引きでもしてる様子な二人の上流階級者共にー
「すうー。...うん、美味しいわ!」
と、そこのセシリアは会話にもオードリーや俺達にも興味なさげで、ずっとその高級なお紅茶を楽しんでいるばかりだった!
.................................
「で、そこの君。...オケウェ―男爵という君は、オードリーとは今、どんな関係にあるかと、直接聞こうと思うのだが、実際のところはどうなんだい?『その腕だけで』判断する材料としては足りなくはないけれど、一応は本人からは、ね」
ついに王子から、俺とオードリーとの関係を聞かれた!
......まあ、こうもベタベタに俺と腕を絡み合ってるオードリーの堂々とした不敵な笑みを見てたらさすがに彼女が俺に気があることぐらい分かってるよね、ったく~!
「......今のところはまだ正式な交際を始めたという訳ではありません。......色々あって、オードリー嬢にも答えを出す時が来るかと思うのですが、今はただ学業に専念して、色々な精霊術を学んでから決めたいと思う。......だから、今はまだ......」
なんか、曖昧に誤魔化してみても無駄な気がするので、正直に話すとー
「なるほど。オードリー嬢、君もそのフェクモ人男爵の言った言葉に賛成するのかね?」
「当然ですわ。...まだ進展ないけれど、彼は今、あたくしの一番大事なお友達ですもの。そう簡単に他の娘こに渡したりはしませんわよね~」
「くすくす、なるほど、なるほど!さすがは去年に、僕との縁談を断ったその胆力に相応しき判断力だ、希望の才女よ。男の精霊術使いはその肩書だけでも超稀有で、重宝されてきた【財産】だからね~。それを【愛の大聖霊】とまで契約済みな【奇跡男子】となると尚更、だね。......いや~、実に面白かったニュースで感服せずにはいられないよ、くす。でもねー」
ん?
「なるべく早めに決めてもらわないとね。なにせ、ここ【レイクウッド王国】では未婚のまま色々やらかしたり、はしたない振る舞いばかりしてると【四大貴族】であるドレンフィールド嬢である君の隣にいちゃついてる乙女とだけずっとそのままにいると、...貴族が聞いて呆れるね」
「それは善処します、...殿下」
「彼の言う通りですわ、ふふ~ん!」
きっぱりと、王子に向かって毅然とした態度で言ってやった俺とオードリー!
やっぱり、彼女も俺とそれなりに過ごしてきて氷竜との死闘も共に戦った大切な仲間としての通じ合う何かを感じて、迷うことなく俺と心を通い合わせたような返答を一緒に王子に対して言いやれたようだねー!ふぅぅ......これで、未来の王様からの詰問を乗り越えて助かった――!
......................................
...............
「では、今からは本題に移る。君、ヴェルンライト親西貿易国家からの代表、ルミナリス第一王女に対する正式な懇願への返事なのだが、その前に、もう一人重要な人物の同席を招き入れようー」
「....え」
あ!王子に名を呼ばれたからやっと吹き帰ってきたかのように、姫にまたも生気の宿った目が戻り、それでも半ば放心状態の顔を晒すとー
ん?今度は何かポケットから取り出した物体ー、あ!【魔導通信機】だ!
「もしもし、もう王城内にー?では、入ってみていいよ。衛兵が階段で待機し案内してくれるから」
................
「失礼します」
カチャ―!
シルヴィン聖女だ!多分、聖女を【グランド・ブドリー】へ護衛することになった際に、彼女の【セルレス法王国】が保有する【聖艦メリディオ】を借りてのヴェルンライト訪問は可能か聞いたり、一緒に取り計らうために呼んだのだねー!
「ここに座ればいいですね?分かりました」
どうやら、聖女は俺、オードリーとルミナリス姫が腰を下ろしてるこの長いソファーの斜め前方にある右の短めなソファーに座るよう王子に勧められたそうだ。一応、ここでもクリス先輩のいる左ソファーのあそこでも座れるスペースがあるのだからな。
「では、さっきの謁見の間にて、後ろの部屋から【魔導音響増幅装置】もついてる【魔導映像記録器】にて全部聞かせてもらったよ。ルミナリス姫は、護衛任務に参加している【チーム・オケウェ―】と【チーム・純粋なる淑女研鑽会】が聖女と共に【グランド・ブドリー王都】に着いたら、【チーム・オケウェ―】だけを借りてヴェルンライトにいる元奴隷のフェクモ人の視察をするよう君の国へ招待してくれるって話だったね?...それもセルレスの【聖艦メリディオ】を借りての迅速な訪問で」
「...............う、うぅ、うむ!そう、であるね!......わ、妾は、えっと、....【護衛任務】に参加する予定であるそこのクリスティーナ殿のチームメンバだけを【グランド・ブドリー】での聖女の護衛任務に任せ、オケウエー殿のチームメンバだけを我が国でのフェクモ人元奴隷の視察をしてもらうよう頼みたいのであるが、どうであろうかー、殿下?」
「へええ、.....そんなこともして欲しいんだー?男爵のチームメンバだけじゃなくてあたしたちの戦艦までを借りたいと言っての...」
聖女も初耳らしくて我がままにも聞こえる発言したルミナリス姫を値踏みするよう鋭い目線を向けると―
「......話の前提からして懇願内容の要点がさっぱり分かり兼ねるが、それを追求すると、どうして我々レイクウッド王国の者が君の国における元奴隷のフェクモ系人間達の現状視察をしなければならないというのだ?明らかに僕らの関係するところではない問題の気がするが...」
王子の疑問も尤もだ。だって、フェクモ系の立場が弱くなってる移民を【ブルークラール連邦】から誘拐して自国で奴隷や人体実験のサンプルとして使役したり虐げたりしてるのはこちら【レイクウッド王国】ではなく、ルミナリス王女のヴェルンライトって国の前国王たちの責任だからだ。
関係のないことに首を突っ込めるほど、こちらにも余裕がないはずだ。
「......その懸念は重々承知しておる、殿下。......だけど、こちらも必死なので、我々の現状を知ってもらうためには自国における元奴隷の彼らを見てもらいたいとは思っておるよ。なぜなら、奴隷みんなを解放してからというもの、未だに多くの問題が残っていて、解決することは困難であるとも感じた。......さて、どれから簡潔に例を述べようか.....我が国は長年、【グランド・ブドリック大王国】の侵略に晒されておる。....彼の国の巨大な軍事力に対抗すべく、近年は【精練製法無壊砦《リファイーネッド・マニュファクチョーリング・オブ・スピリットアンドマジック・エンチャンテッドフォールトレッス》】という防衛拠点も国境でいくつかの要点を抑えて建てたのであるが、それでも防戦一方では足りないと思って、我が父である前国王ソランセンがー」
「愚かにも【南地不干渉条約】を破ってまで、ブルークラール連邦からのフェクモ系移民を攫ってきて奴隷にしたのだな?」
「......え、ええ、そう、.....である....」
まるで当時の父達の悪事でも見せられたかのように、悲痛そうな面差しを浮かべている王女はあの頃の奴隷たちが体験した残忍な人体実験としての残虐過ぎたにまで感じる数々の酷すぎる拷問の光景でも思い起こされたのか、涙もが溢れ出ちゃいそうな辛い表情となりかけていた王女が泣き崩れるのを防ぐように、すぐに早口で切り出す―
「..父のやってきたことは絶対に許せぬ!如何なることであろうとも!お主らは妾の懇願に対し、そう軽く突き放すようなことを述べられたのはこちらの前政府体制が行った数多くの人権侵害が如何に逸脱したおぞましき悪魔的所業であるか、分かってないからそう言えるのであるぞー!で、たとえ彼らを解放できた今でも、心理的な後遺症やトラウマはもちろん、保有した奴隷を解放させられて憤ってる一部の貴族階級の臣下と元奴隷フェクモ人との間に未だに尾を引いておる蟠りと対立心・復讐欲、......そして未だに元奴隷の彼らに対して抱いている優越感を持っている普通な平民からの差別と侮蔑な視線や酷い扱いまでも......生産コストのなかった採掘現場と工場や鉱山での労働力の喪失が引き起こした国内の経済的インフレ率も、元奴隷層の生活基盤の欠如という、教育、土地、職業訓練を受けていない彼らが未だに自立できず、極度の貧困に陥ることも、既得権を失った層が反発し、反革命を唱え始める【危険分子】の大頭までもー」
「「そこまでだ(よ)---!!」」
.....う、わおー!
息ピッタリにガブリエルとセシリア姫の声がハモったー!
「.......要求は伝わった。......君の国における多くの問題も想像することはできよう。...だが、たとえ我らが君の国の問題に介入しても、こちらとしてのメリットはどんなものになるんだいー?」
そこだー!
そうだよねー、王子!俺もあんたの意見に同意するよ。...いくら同情したくなるような切迫した状況に苛まれてるルミナリス王女とその国の人々であろうとも、それって結局は俺達レイクウッド人が引き起こした問題じゃなかったよねー?連邦からフェクモ人移民を攫ってきて隷属させるようなことしてるの俺らの国じゃないんだよなー?
だったらー
「.........対グランド・ブドリック大王国のための【経済的・後方支援の同盟】のための交渉にとっておいた最後の切り札であったが、まあ、この際、提示してみても損はないであろう......、では、ガブリエル・フォン・レイクウッド殿下、貴殿に対して正式に頼もう、『どうか、陛下にこの要求もお伝え下されー:......〈我らの国、ヴェルンライトの首都【ヴィスカールゴー】の地下深くに、未だに解除できてない古の遺跡が1年前から発見された。......妾たちのために視察する要求を承諾するだけじゃなくて、同盟にも賛同してくれたら、その遺跡の探索を共同で行えるよう、そして遺跡にて見つけられる如何なる戦略的な【神器】であろうとも、共有する権利を与えよう〉
...........これでどうであろうかー?」
「「「「-----!?」」」」
「......ふ、ふむ。..えっ、ええ-!?そ、それ、..ならば――!」
どうやら、王女のその遺跡探索への共同共有の話が気になるか、すぐに前のめりになって食いつていく王子がいるのだった――――!!
確かに、各国の情勢をも変えるような、神々の力や【奇跡】が宿ってる戦略的な【神器】の入手はどんな国や団体からも喉から手が出るほど欲しがる維新的な【伝説的国力増幅機能】を齎すだろう。
そして、それを分からないほど愚かではない王子の答えは――
「...詳しく聞かせて!」
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