英傑奇譚

レン

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用事

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 そんなこんなでいろんな話題で会話しながら俺たちは学校に向かった。
 俺———夜影 零餓(やえい れいが)が通ってる高校は何処にでもありそうな学校である。
 家から近いからと言う理由で選んだが校風も自由で悪くない。意外にも偏差値が高かったりする。
 ちなみに名前は煌黄学園と言う。
 学校に着きクラスのドアを開けいろんな奴と挨拶を交わし席に着いた。
 うちのクラスは基本的に仲が良い。目立ったいじめもなければ孤立している奴もいない。
 授業の準備をしていると雷が話しかけてきた。
「なぁ~。『No.8』について調べようぜ~~~。」
 またこの話か・・・。こいつは好奇心が強いためか『No.8』の正体がすごく気になるらしい。
 でも生憎と俺は『No.8』の事など興味がない。
「俺は興味ないからなぁ~。お前一人で調べたら?」
 その言葉に雷は頬を膨らまして答えた。
「お前って救うことが生きがいみたいなところあるからあまり他の事に興味湧かないよな・・・。」
「・・・?」
「だってお前。登校している途中でもお婆ちゃんとか迷子の子供を助けるだろ?」
 確かに助けるな・・・。おかげで遅刻寸前の日も多数あったりするのだが。
「話を続けても良いがもう少しで担任が来るぞ?」
 雷はヤベ!!と慌てて席に戻った。
 そして担任が入ってきた。
 ちなみに女性教師であり男子生徒からはもちろん女子生徒からも人気が高い人である。
 先生からの話も終わり授業が始まる。
 自慢ではないが俺は少し頭が良い。この学校でもTOP10には入っている。
 そんなことはどうでも良い。どれだけ頭が良くても授業を憂鬱に感じる事に変わりはない。
 それからと言うもの数学だったり英語だったりと様々な授業を受けその日の学校は終わった。
 帰りの支度をしていると雷から声を掛けられた。
「一緒に帰ろうぜ!!友よ!!!!」
 こいつは疲れを知らないのか?・・・。雷のでかい声がクラス中に響き渡る。
 ちなみにクラスには俺と雷しかいない。
 他のみんなは帰ったか部活に行ったのかいなくなっていた。
 残念だが今日は少し用事がある。だから俺は雷に言った。
「悪りぃ!用事があるから先に帰っててくれ。」
「え~!友を見捨てるのか!?」
「悪りぃ!今度一緒に帰ろうぜ。」
 雷は少し考えて呟いた。
「分かった・・・。次は一緒に帰ろうな・・・。」
 そして雷はトボトボと一人で帰っていった。
 その背中を見届けた俺も自分の用事を済ませるため校舎を後にする。
 校門にまで行くと目の前に車があった。
 俺がその車に乗り込むと運転手は発進し車を走らせた。
 数十分は走っただろうか・・・・。ようやく車が止まった。
 車から降り俺は目の前にある建物の中に迷いなく入っていく。
 エレベーターに乗り込み最上階に着くと目の前に重厚感のある扉が鎮座していた。
 その扉を押し開き中に入ると薄暗い部屋の中で椅子に座っている奴らが居た。
 俺と同じ高校生や大学生、ガッチリとした男性や美しい女性など様々な奴がいる。
 そんな奴らを一瞥し俺も席に座る。
 俺が席についたタイミングで奥の暗闇から人影が現れる。
 すると姿を現した男は俺を見て言った。
「遅いぞ。オクタプル『No.8』夜影 零餓・・・。」

 
 
 
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