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先程の転校生からの質問。
素直に答えることなんてできるわけがなかった。他人に話す勇気が俺にはなかった。
午後も授業があるのだが受ける気分になれなかったため早退した。
学校を出て俺はそのまま近所の公園に向かいベンチに腰掛けた。
そして改めて思い返してみる。
先程の転校生の言葉。あれはどういう意味だろう?
単に心配になって出た言葉なのかもしれない。けど俺はその言葉に妙な引っ掛かりを覚えていたのであった。
公園で考えているうちに時間はみるみるうちに過ぎていきいつの間にか雨が降ってきていた。
スマホを確認すると5時を回っていた。学校も終わって帰宅するものが出てきている頃だろう。
傘がなかったため鞄で頭をガードし帰宅した。
走っても歩いてもずぶ濡れは免れないので歩くことにした。
歩き続けもう少しで家が見えてくると言うところで何やら人影が見えた。
少しずつ近づき確認してみるとなんとそこに居たのは雨に打たれながらも立ち尽くしている転校生だった。
俺はその姿を見て驚愕した。空いた口が塞がらないというのはまさに今の俺の状況にぴったりの言葉だ。
「バ・・!お前こんなところで何してんだ!」
すると転校生は俺の方を向き直り言った。
「あれ?レンくんが何故ここに?」
「何でってそりゃあここの近くに俺が住んでいる家があるからだよ。」
「そうなんですか?」
「俺のことよりお前は何でこんなところにいるんだ?さっさと家に帰ればいいじゃねぇか。」
そう言うと転校生は少し下に俯きながら告げた。
「実は私、とある事情で家がないんです。」
「・・・・・・・は?」
家がない?その言葉を理解するまで数秒を要した。
兎にも角にも家の目の前で立ち尽くされては俺だって目覚めが悪い。
だから俺は転校生を俺の家に連れて行くことにした。
玄関を開けると妹がこちらにむかって走ってきた。
そして俺の横にいるやつを見るなり顔色を変えた。
「お兄ちゃんが女の子を連れてきた・・・だと?」
そして暴言の嵐が始まる。
「バカ!変態!この女の人に何をしたの!?」
「うぅ・・・。元から少し抜けてた兄だったけどまさかこんな事になるだなんて・・・。」
どうやら妹は盛大に何かと勘違いしているらしい。
俺は必死になって弁解した。
「違う!断じて違う!」
そうして俺は転校生を連れてきた事の顛末を一から説明した。
話している途中でも沙耶の早とちりで何度も誤解されそうになったが何とか納得させた。
そして転校生を風呂に入らせている間に麗華に連絡した。
なぜ麗華かというと実は麗華の父は不動産営業の仕事に就いており転校生の居住を探してもらっている。
転校生に聞いてみたら幸いにもお金はあるらしく少しの間、近くにある賃貸に住むそうだ。
そしてこのことについては一応、海外の親にも報告するため電話した。
数回コール音が鳴ると母が出てきた。
「レン?珍しいわね。どうしたの?」
そして俺は先程と同じように母にも妹と同じことを話した。
一通り話し終え母の返答を待っていると黙っていた母がついに口を開いた。
その口から出てきたのはとんでもない一言だった。
「何があるかわからないし見つけたのは貴方なんだから責任持って貴方がその子の面倒を見なさい。」
「なんならその娘の家で同棲してもいいわよ~。」
「・・・・・は?」
その瞬間、俺の思考は停止した。
素直に答えることなんてできるわけがなかった。他人に話す勇気が俺にはなかった。
午後も授業があるのだが受ける気分になれなかったため早退した。
学校を出て俺はそのまま近所の公園に向かいベンチに腰掛けた。
そして改めて思い返してみる。
先程の転校生の言葉。あれはどういう意味だろう?
単に心配になって出た言葉なのかもしれない。けど俺はその言葉に妙な引っ掛かりを覚えていたのであった。
公園で考えているうちに時間はみるみるうちに過ぎていきいつの間にか雨が降ってきていた。
スマホを確認すると5時を回っていた。学校も終わって帰宅するものが出てきている頃だろう。
傘がなかったため鞄で頭をガードし帰宅した。
走っても歩いてもずぶ濡れは免れないので歩くことにした。
歩き続けもう少しで家が見えてくると言うところで何やら人影が見えた。
少しずつ近づき確認してみるとなんとそこに居たのは雨に打たれながらも立ち尽くしている転校生だった。
俺はその姿を見て驚愕した。空いた口が塞がらないというのはまさに今の俺の状況にぴったりの言葉だ。
「バ・・!お前こんなところで何してんだ!」
すると転校生は俺の方を向き直り言った。
「あれ?レンくんが何故ここに?」
「何でってそりゃあここの近くに俺が住んでいる家があるからだよ。」
「そうなんですか?」
「俺のことよりお前は何でこんなところにいるんだ?さっさと家に帰ればいいじゃねぇか。」
そう言うと転校生は少し下に俯きながら告げた。
「実は私、とある事情で家がないんです。」
「・・・・・・・は?」
家がない?その言葉を理解するまで数秒を要した。
兎にも角にも家の目の前で立ち尽くされては俺だって目覚めが悪い。
だから俺は転校生を俺の家に連れて行くことにした。
玄関を開けると妹がこちらにむかって走ってきた。
そして俺の横にいるやつを見るなり顔色を変えた。
「お兄ちゃんが女の子を連れてきた・・・だと?」
そして暴言の嵐が始まる。
「バカ!変態!この女の人に何をしたの!?」
「うぅ・・・。元から少し抜けてた兄だったけどまさかこんな事になるだなんて・・・。」
どうやら妹は盛大に何かと勘違いしているらしい。
俺は必死になって弁解した。
「違う!断じて違う!」
そうして俺は転校生を連れてきた事の顛末を一から説明した。
話している途中でも沙耶の早とちりで何度も誤解されそうになったが何とか納得させた。
そして転校生を風呂に入らせている間に麗華に連絡した。
なぜ麗華かというと実は麗華の父は不動産営業の仕事に就いており転校生の居住を探してもらっている。
転校生に聞いてみたら幸いにもお金はあるらしく少しの間、近くにある賃貸に住むそうだ。
そしてこのことについては一応、海外の親にも報告するため電話した。
数回コール音が鳴ると母が出てきた。
「レン?珍しいわね。どうしたの?」
そして俺は先程と同じように母にも妹と同じことを話した。
一通り話し終え母の返答を待っていると黙っていた母がついに口を開いた。
その口から出てきたのはとんでもない一言だった。
「何があるかわからないし見つけたのは貴方なんだから責任持って貴方がその子の面倒を見なさい。」
「なんならその娘の家で同棲してもいいわよ~。」
「・・・・・は?」
その瞬間、俺の思考は停止した。
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