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移住
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そして時は過ぎ俺たちは移住した。
前日に荷物をまとめ家に運んでいたため片付けは一通り済ませてある。
移住しても学校はあるので俺は時間をずらして登校した。
時間をずらした理由は言わなくてもわかるだろう。
まだ慣れていないためあんまり一緒にいたくない。
一緒に登校しているところを誰かに見られでもしたら職員室に呼び出されること間違いなしである。
しかも変な噂が立つことなんて容易に想像がつく。
それを避けるために時間をずらしたのだ。
あいつには先に行ってもらって俺は後から登校した。
でも結局のところ机が隣同士なのだから顔を合わせるのは最早、必然みたいなところがあるが。
クラスのドアを開きいつも通り窓際にある席に腰をかける。
そしてあまり喋らないようにしていたのだが隣の奴が自ら話しかけてきやがった。
「ねぇ?何で今朝はいっしょに登校してくれなかったの?どうして?」
先程、時間をずらして登校したと言ったがあれは俺が判断しただけでこいつの了承は得ていない。
俺は呆れた声で説明した。
「そんなことも分からないのかよ?変な噂が立ったらお前だって困るだろ?」
当たり前のことを言ったつもりなのだがなぜか目の前の奴はキョトンとしていた。
「なんで?噂ぐらい別によくない?それで私たちに支障があるわけでもないし。」
その言葉を聞いて少し驚いた。
こいつ?鋼のメンタルも持ち主か?他人がする噂話なんて気にも留めないってか?
・・・・・・・・・瑠璃もそうだった。
瑠璃も周りの評価なんて気にせず自分のしたい事をする奴だった。
どれだけ変な噂が立とうともこんな俺と付き合ってくれた。
だからこそ俺も惹かれたのだ。
太陽のように周りを照らすその純粋なまでの笑顔に。
「まぁいい。もう少しで授業が始まるぞ。」
俺はやや強引に会話を終わらした。
これ以上、話をしてると瑠璃のことで胸がいっぱいになりそうだったから。
そして授業が始まる。何度も寝ようとしたのだが案の定、転校生に起こされた。
結局、俺は隣の奴のせいでサボれず最初から最後まで授業を受けることになるのだった。
授業が終わり俺は失意のどん底に突き落とされていた。
「はぁ~~。疲れたぁ~~!!!!」
ここまでちゃんと授業を受ける時なんて無かったためすごく疲れた。
あれもこれも全て転校生のせいだ。
あいつが俺の眠りを邪魔しなければこんなに疲れることはなかったんだ!
そんなことを考えていると下校のチャイムが鳴った。
俺は身支度を済ませ学校を出た。
帰路を辿っているのだが俺の後ろには奴がいた。
俺は後ろを振り向き言った。
「お前。先に帰ったんじゃないのかよ?」
そこにいたのは転校生だった。なぜか俺の後をついてきていた。
学校に姿はなかった。てっきり帰ったのかと思ったがそうでもなかったらしい。
「貴方を待ってました!!!」
「何で?」
「何でってあなたが今朝一緒に登校してくれなかったから・・・・。」
「は・・・・?」
「・・・・分かった。俺はここで暇を潰してくるからお前は先に帰ってろ。」
「何ですか?まだ噂が立つことを警戒しているのですか?」
「そうだけど悪いか・・・?」
「いいえ。ただ少し可愛いと思っただけです。」
「可愛い!?お前何言って・・・・!!!!」
「ほら。そうやって照れるところ。見かけによらず可愛いですね。」
転校生はそんな俺を見てクスクスと微笑んでいた。
こいつ悪魔なのか?人をいじりやがって。
「それはそれとして別に一緒に帰っても問題ないのでは?」
「だって今の時間、下校している人は少ないですしそもそも周りに誰もいないでしょう?」
確かに周りには誰も居ない。
そして断ろうにもこいつは話を聞かずついてくるだろう。
だから俺は仕方なく転校生と一緒に帰ったのであった。
前日に荷物をまとめ家に運んでいたため片付けは一通り済ませてある。
移住しても学校はあるので俺は時間をずらして登校した。
時間をずらした理由は言わなくてもわかるだろう。
まだ慣れていないためあんまり一緒にいたくない。
一緒に登校しているところを誰かに見られでもしたら職員室に呼び出されること間違いなしである。
しかも変な噂が立つことなんて容易に想像がつく。
それを避けるために時間をずらしたのだ。
あいつには先に行ってもらって俺は後から登校した。
でも結局のところ机が隣同士なのだから顔を合わせるのは最早、必然みたいなところがあるが。
クラスのドアを開きいつも通り窓際にある席に腰をかける。
そしてあまり喋らないようにしていたのだが隣の奴が自ら話しかけてきやがった。
「ねぇ?何で今朝はいっしょに登校してくれなかったの?どうして?」
先程、時間をずらして登校したと言ったがあれは俺が判断しただけでこいつの了承は得ていない。
俺は呆れた声で説明した。
「そんなことも分からないのかよ?変な噂が立ったらお前だって困るだろ?」
当たり前のことを言ったつもりなのだがなぜか目の前の奴はキョトンとしていた。
「なんで?噂ぐらい別によくない?それで私たちに支障があるわけでもないし。」
その言葉を聞いて少し驚いた。
こいつ?鋼のメンタルも持ち主か?他人がする噂話なんて気にも留めないってか?
・・・・・・・・・瑠璃もそうだった。
瑠璃も周りの評価なんて気にせず自分のしたい事をする奴だった。
どれだけ変な噂が立とうともこんな俺と付き合ってくれた。
だからこそ俺も惹かれたのだ。
太陽のように周りを照らすその純粋なまでの笑顔に。
「まぁいい。もう少しで授業が始まるぞ。」
俺はやや強引に会話を終わらした。
これ以上、話をしてると瑠璃のことで胸がいっぱいになりそうだったから。
そして授業が始まる。何度も寝ようとしたのだが案の定、転校生に起こされた。
結局、俺は隣の奴のせいでサボれず最初から最後まで授業を受けることになるのだった。
授業が終わり俺は失意のどん底に突き落とされていた。
「はぁ~~。疲れたぁ~~!!!!」
ここまでちゃんと授業を受ける時なんて無かったためすごく疲れた。
あれもこれも全て転校生のせいだ。
あいつが俺の眠りを邪魔しなければこんなに疲れることはなかったんだ!
そんなことを考えていると下校のチャイムが鳴った。
俺は身支度を済ませ学校を出た。
帰路を辿っているのだが俺の後ろには奴がいた。
俺は後ろを振り向き言った。
「お前。先に帰ったんじゃないのかよ?」
そこにいたのは転校生だった。なぜか俺の後をついてきていた。
学校に姿はなかった。てっきり帰ったのかと思ったがそうでもなかったらしい。
「貴方を待ってました!!!」
「何で?」
「何でってあなたが今朝一緒に登校してくれなかったから・・・・。」
「は・・・・?」
「・・・・分かった。俺はここで暇を潰してくるからお前は先に帰ってろ。」
「何ですか?まだ噂が立つことを警戒しているのですか?」
「そうだけど悪いか・・・?」
「いいえ。ただ少し可愛いと思っただけです。」
「可愛い!?お前何言って・・・・!!!!」
「ほら。そうやって照れるところ。見かけによらず可愛いですね。」
転校生はそんな俺を見てクスクスと微笑んでいた。
こいつ悪魔なのか?人をいじりやがって。
「それはそれとして別に一緒に帰っても問題ないのでは?」
「だって今の時間、下校している人は少ないですしそもそも周りに誰もいないでしょう?」
確かに周りには誰も居ない。
そして断ろうにもこいつは話を聞かずついてくるだろう。
だから俺は仕方なく転校生と一緒に帰ったのであった。
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