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料理
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そして転校生と一緒に帰り家に着いた。
まぁ一緒に帰ったと言っても転校生が俺の後をついてきて一人でずっと話していただけだが。
荷物を片付けると玄関のチャイムがけたたましく音を立て鳴った。
誰なのかは大体、予想がついた。
俺はゆっくりとした足取りで玄関に行きドアノブを捻った。
「毎回言ってるが俺のところになんて来なくて良いんだぞ?」
そこにいたのは麗華だった。手にはビニール袋が提げられていた。
「仕方ないでしょ?あんたのお母さんに頼まれてるんだから。」
「前は沙耶ちゃんが居たけど今はあんたと瑠花ちゃんしか居ないんだからね!?」
「放っておくとあんたカップラーメンしか食べないじゃない!?」
怒った顔でそう言うと麗華は持っていたビニール袋を俺に手渡してきた。
中身を見るといつもと同じように様々な食材が入っていた。
実家にいた時は母からの仕送りがあったのだがそれでも心配なのか麗華がいつも家に食材を持ってきていた。
全く・・・。家が遠いのにご苦労なことだな。
「ちゃんと食べて勉強すること!それじゃ。」
そう言うと麗華は家に上がることなくそのままドアを閉め帰っていった。
俺は渡されたビニール袋を持ってキッチンに行き中身を広げた。
すると転校生が話しかけてきた。
「レン君って料理できるんですか?」
俺は食材に視線を向けながら答えた。
「あぁ。昔、妹が熱で寝込んだ時に俺が料理をしないといけなかったからその時に覚えた。」
へぇ~と声が上がる。
「私もお手伝いしましょうか?」
「いやいいよ。適当にくつろいでてくれ。」
そして俺は作るやつを決めた。
ベーコンや卵などいろんなものがある。
そんな時はあれを作るしかない。
お手軽で栄養もしっかり取れる。忙しい人にはうってつけのやつだ。
その名もチャーハン!!!
そうと決まった俺は野菜などを切りご飯を炒めたりして数分が経ち完成した。
皐月は行儀良く机を前に正座して待っていた。
俺は適当な皿に適当に盛り付けてそれを運ぶ。
「出来たぞ。」
「美味そう~。」
皐月から感嘆の声が漏れる。
俺も腰を下ろし「いただきます。」と言ったあとチャーハンを一口食べる。
うん。美味い。
シンプルでありながらもしっかり美味い。それがチャーハンの良いところである。
自分でチャーハンの出来を称賛していると皐月が叫んだ。
「美味い!!!本当に美味しいですね!!!」
皐月が美味しさのあまり食事中のハムスターの如しチャーハンを口に含んでいた。
俺はその様子を見て少し嬉しかった。
俺の料理を食べさせたのは今のところ二人しかいない。
目の前で食べている皐月と瑠璃の二人だけだ。
簡単とはいえ自分で作った料理を美味しく食べてくれるというのは嬉しいに決まっている。
そして夕食も食べ終わり食器も片付けた。
皿洗いの方は皐月も手伝うと言って聞かなかったので結局、一緒にやった。
そしてわかったことがある。それはこいつがポンコツだと言うことだ。
皿洗いの数分でこいつは何回、自分が持ってる皿を落としそうになるのか?
その度に俺がキャッチしたりしてハッキリ言って疲れた。
この疲れは風呂で癒すしかない。
俺はふと考えた。移住して一日目は何事もなくて良かったと・・・。
まぁ一緒に帰ったと言っても転校生が俺の後をついてきて一人でずっと話していただけだが。
荷物を片付けると玄関のチャイムがけたたましく音を立て鳴った。
誰なのかは大体、予想がついた。
俺はゆっくりとした足取りで玄関に行きドアノブを捻った。
「毎回言ってるが俺のところになんて来なくて良いんだぞ?」
そこにいたのは麗華だった。手にはビニール袋が提げられていた。
「仕方ないでしょ?あんたのお母さんに頼まれてるんだから。」
「前は沙耶ちゃんが居たけど今はあんたと瑠花ちゃんしか居ないんだからね!?」
「放っておくとあんたカップラーメンしか食べないじゃない!?」
怒った顔でそう言うと麗華は持っていたビニール袋を俺に手渡してきた。
中身を見るといつもと同じように様々な食材が入っていた。
実家にいた時は母からの仕送りがあったのだがそれでも心配なのか麗華がいつも家に食材を持ってきていた。
全く・・・。家が遠いのにご苦労なことだな。
「ちゃんと食べて勉強すること!それじゃ。」
そう言うと麗華は家に上がることなくそのままドアを閉め帰っていった。
俺は渡されたビニール袋を持ってキッチンに行き中身を広げた。
すると転校生が話しかけてきた。
「レン君って料理できるんですか?」
俺は食材に視線を向けながら答えた。
「あぁ。昔、妹が熱で寝込んだ時に俺が料理をしないといけなかったからその時に覚えた。」
へぇ~と声が上がる。
「私もお手伝いしましょうか?」
「いやいいよ。適当にくつろいでてくれ。」
そして俺は作るやつを決めた。
ベーコンや卵などいろんなものがある。
そんな時はあれを作るしかない。
お手軽で栄養もしっかり取れる。忙しい人にはうってつけのやつだ。
その名もチャーハン!!!
そうと決まった俺は野菜などを切りご飯を炒めたりして数分が経ち完成した。
皐月は行儀良く机を前に正座して待っていた。
俺は適当な皿に適当に盛り付けてそれを運ぶ。
「出来たぞ。」
「美味そう~。」
皐月から感嘆の声が漏れる。
俺も腰を下ろし「いただきます。」と言ったあとチャーハンを一口食べる。
うん。美味い。
シンプルでありながらもしっかり美味い。それがチャーハンの良いところである。
自分でチャーハンの出来を称賛していると皐月が叫んだ。
「美味い!!!本当に美味しいですね!!!」
皐月が美味しさのあまり食事中のハムスターの如しチャーハンを口に含んでいた。
俺はその様子を見て少し嬉しかった。
俺の料理を食べさせたのは今のところ二人しかいない。
目の前で食べている皐月と瑠璃の二人だけだ。
簡単とはいえ自分で作った料理を美味しく食べてくれるというのは嬉しいに決まっている。
そして夕食も食べ終わり食器も片付けた。
皿洗いの方は皐月も手伝うと言って聞かなかったので結局、一緒にやった。
そしてわかったことがある。それはこいつがポンコツだと言うことだ。
皿洗いの数分でこいつは何回、自分が持ってる皿を落としそうになるのか?
その度に俺がキャッチしたりしてハッキリ言って疲れた。
この疲れは風呂で癒すしかない。
俺はふと考えた。移住して一日目は何事もなくて良かったと・・・。
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