魔王を倒して還ってきたら、ヒャッハ―な世界に変わってました(涙)

梅田遼介

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15話

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 テレビの生中継で「鬼」が女性レポーターを惨殺するというショッキングな事件の、その後。
 3人の警官が現場に急行し「鬼」との間で戦闘が行われた。
 警官たちは発砲したが鬼を殺すことは出来ず、逆に返り討ちにあう。
 二人はその場で殉職。
 残る一人が重傷を負いながらも何とか署と連絡を取り、現場の状況を報告した。

 状況を知った警察は更に機動隊を投入した。
 途中出会った人々を殺しながら移動する鬼を発見した機動隊はただちに鬼を包囲、熾烈な戦闘を行う。
 その鬼の生命力は尋常な物ではなく、全身に銃弾を浴びながらも多数の機動隊員を殺した。
 その鬼は死闘の末やがて力尽きると、そのまま――消えてしまったのだ。

「しかも、その騒ぎはそれで終わらへんかったんよ。そこからまた他の鬼とか別の怪物が現れて、その度に沢山犠牲者が出てん」

 事態を重く見た政府は閣議の結果自衛隊を投入。
「歪み」が発見された神社を包囲して監視した。
 同時にその歪みが何なのか化学的な分析もされたが、成果は全く上がらなかった。
 分かったのはそれが現代科学の常識とはかけ離れたものである、それだけ。
 そこから怪物たちが現れる度に犠牲は増えていき、倒しても消えてしまって跡には何も残らなかった。
 研究材料として生きたまま捕獲しようという試みもされたが、苦労して捕えた途端に消えてしまう。
 集められた少ない情報をもとに生物学者を始めとするあらゆる分野の専門家が検討を重ねた結果――。

「どこかの時空と繋がっていて、そこから怪物たちが出てくるんじゃないか、ってことやってん」

 とても常識では考えられないその情報を政府はひた隠しにしようとした。
 が、やがてマスコミにリークされ世界中の人々が知る所となる。
 更に衝撃的だったのは、同様のひずみが西日本を中心に日本各地、さらには極東アジアのあちこちで発見され始めたことだった。

「そっからはもうパニック。あっちこっちで『新しい歪みが見つかった』って言っては人が逃げ出したりマスコミが押し寄せたり。それはホンマの事もあれば全くのデマな事もあって」




 最初の発見から数年がたち、いつからかその「空間の歪み」は『異界門ゲート』と呼ばれるようになった。
 異界門は西日本を中心とする各地に次々と現れ、自衛隊も警察もその対応に追われた。
 出現する怪物との戦いで多くの犠牲者を出し、社会不安から犯罪や暴動もあちこちで起きるようになっていた。

「で、事態の収拾に失敗した政府が、とうとう国を分割して治めることを決めたって訳」

 やがてとてつもなく強力な大型の怪物たちも各所で現れるようになり、何年かにわたるそれらとの戦いの中で警察も自衛隊――この頃には防衛軍と名を変えていたが――も疲弊し、戦力は激減。
 東都にある政府は実質的に西日本での怪物の封じ込めと掃討に完全に失敗していた。
 それは特に西日本最大で人口の密集した都市、大坂に置いては明白で隠しようもない。
 しかしその事を情報統制されたマスコミは表立っては報道しなかった。
 そこで暮らす住民たちにとっては単なる現実でしかないにもかかわらず。

 やがて政府は密かに被害の大きい西日本を諦めて東日本に戦力を集中する方法の検討を始めた。
 怪物たちを封じ込めるとともに、西日本の人々が難民となって東日本に雪崩れ込むのを食い止める方策。
 その結果採用されたのが「地域分国制」だった。
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