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20話
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「君にこれから会ってもらうんは、ここの防衛を担当している人たちや」
「異能者ですね?」
俺の問いに高木さんはうなづいた。
「そう、『紅蓮』と言えばこの大坂でも有数のチームや。彼らのお陰でここの安全は保たれてる」
周囲の荒れた状況を見れば、この辺りのモンスターがかなり強いのだろうということは想像できる。
それからここを守っているんだ、かなりの実力なんだろう。
どんな人たちか興味あるな。
「高木です。新しい避難者を連れてきました」
かなり奥まった研究棟にある一室の扉をノックし、高木さんが声を掛けた。
扉には『紅蓮』という目立つ赤い札が掛けられている。
「――ええよ、入ってもらって」
「失礼します」
高木さんが扉を開ける。
その表情から少し緊張しているのが分かる。
やはりここの人たちの方が立場が上みたいだ。
高木さんは俺に中に入るよう促した。
――俺一人で入るのか、何だか緊張するな。
部屋に入ると奥に大きめの立派な机が一つ。
手前にローテーブルを挟んで2台のソファーが向かい合って置いてある。
ソファーには男の人が二人、奥に立っている眼鏡をかけた女の人が一人。
その奥の女性の隣の机の上には別の若い男の人が片膝を立てて座っている。
「へえ~この人か、いきなり小鬼を2匹倒したって人は」
脚を組んでソファーに座っていた男の人の片方が興味深げに俺を見る。
ハーフっぽい顔立ちのかなりのイケメンだ。
たぶん年齢は20代半ば、女の子にはモテそうだけど軽そうな感じだな。
「……ふん」
ソファーのもう一人の男の人が一瞬チラッとこっちを見て、つまらなさそうにすぐ視線を手元に戻す。
なんだか針のようなものを一生懸命磨いている。
髪がボサボサで顔が良く見えないけど多分30代半ばくらい、愛想の悪い役所のおじさんって感じかな。
「あなた、お名前は?」
眼鏡をかけた女の人が聞いてきた。
年は20代かな、きっちりとしたスーツを着た、いかにも仕事が出来るといった感じの美人だ。
とても特殊な能力を持って戦っているようには見えないけど。
「杉谷幸平です。年は18です」
「なんや、俺と近いやんかー。もうちょっと行ってるか思たけど」
俺が答えると、奥の机の上に行儀悪く座っている若い人が言った。
男の人というより男の子だろうか、明らかに俺より年下だ。
多分高校生だろう。
いかにも活発そうな、スポーツは得意であまり勉強は出来なさそうな、そんな感じ。
彼が話を続けた。
「この『紅蓮』のリーダー、新堂夏彦や。年は16、年下やけどよろしくな」
どう見ても一番若い彼がここのリーダーなのか、ちょっと意外だな。
「で、そこで針磨いてるのが副リーダーの小島隆司さんや」
この小島って人は紹介されても反応もしない。
暗くて無愛想で苦手なタイプだなー。
「で、そこのハーフが竹田レイモンド遼真」
「母がアメリカ人でね。年は24歳だ。よろしく、杉谷幸平君」
背は高いし彫りの深い美男子だが、向こうの世界でアンタ以上のいい男を散々見てきたんだ。
イケメン耐性の強い俺はこれぐらいでビビったりしないぞ、フン。
――泣いてなんかないやい。
「最後にメンバーでただ一人の女、飯島さん。年は言うと怒られるから言わへん」
そう言ってリーダーの新堂がニヤッと笑う。
「失礼ね、そんなに年はいってないわ。飯島冴子、22歳よ」
飯島さんが新堂君をキッと睨んだ。
綺麗な人だけに怒ると怖いなあ。
「異能者ですね?」
俺の問いに高木さんはうなづいた。
「そう、『紅蓮』と言えばこの大坂でも有数のチームや。彼らのお陰でここの安全は保たれてる」
周囲の荒れた状況を見れば、この辺りのモンスターがかなり強いのだろうということは想像できる。
それからここを守っているんだ、かなりの実力なんだろう。
どんな人たちか興味あるな。
「高木です。新しい避難者を連れてきました」
かなり奥まった研究棟にある一室の扉をノックし、高木さんが声を掛けた。
扉には『紅蓮』という目立つ赤い札が掛けられている。
「――ええよ、入ってもらって」
「失礼します」
高木さんが扉を開ける。
その表情から少し緊張しているのが分かる。
やはりここの人たちの方が立場が上みたいだ。
高木さんは俺に中に入るよう促した。
――俺一人で入るのか、何だか緊張するな。
部屋に入ると奥に大きめの立派な机が一つ。
手前にローテーブルを挟んで2台のソファーが向かい合って置いてある。
ソファーには男の人が二人、奥に立っている眼鏡をかけた女の人が一人。
その奥の女性の隣の机の上には別の若い男の人が片膝を立てて座っている。
「へえ~この人か、いきなり小鬼を2匹倒したって人は」
脚を組んでソファーに座っていた男の人の片方が興味深げに俺を見る。
ハーフっぽい顔立ちのかなりのイケメンだ。
たぶん年齢は20代半ば、女の子にはモテそうだけど軽そうな感じだな。
「……ふん」
ソファーのもう一人の男の人が一瞬チラッとこっちを見て、つまらなさそうにすぐ視線を手元に戻す。
なんだか針のようなものを一生懸命磨いている。
髪がボサボサで顔が良く見えないけど多分30代半ばくらい、愛想の悪い役所のおじさんって感じかな。
「あなた、お名前は?」
眼鏡をかけた女の人が聞いてきた。
年は20代かな、きっちりとしたスーツを着た、いかにも仕事が出来るといった感じの美人だ。
とても特殊な能力を持って戦っているようには見えないけど。
「杉谷幸平です。年は18です」
「なんや、俺と近いやんかー。もうちょっと行ってるか思たけど」
俺が答えると、奥の机の上に行儀悪く座っている若い人が言った。
男の人というより男の子だろうか、明らかに俺より年下だ。
多分高校生だろう。
いかにも活発そうな、スポーツは得意であまり勉強は出来なさそうな、そんな感じ。
彼が話を続けた。
「この『紅蓮』のリーダー、新堂夏彦や。年は16、年下やけどよろしくな」
どう見ても一番若い彼がここのリーダーなのか、ちょっと意外だな。
「で、そこで針磨いてるのが副リーダーの小島隆司さんや」
この小島って人は紹介されても反応もしない。
暗くて無愛想で苦手なタイプだなー。
「で、そこのハーフが竹田レイモンド遼真」
「母がアメリカ人でね。年は24歳だ。よろしく、杉谷幸平君」
背は高いし彫りの深い美男子だが、向こうの世界でアンタ以上のいい男を散々見てきたんだ。
イケメン耐性の強い俺はこれぐらいでビビったりしないぞ、フン。
――泣いてなんかないやい。
「最後にメンバーでただ一人の女、飯島さん。年は言うと怒られるから言わへん」
そう言ってリーダーの新堂がニヤッと笑う。
「失礼ね、そんなに年はいってないわ。飯島冴子、22歳よ」
飯島さんが新堂君をキッと睨んだ。
綺麗な人だけに怒ると怖いなあ。
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