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オーストラリア奪還計画
第十三話「英雄投影」
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本田綾乃が目を覚ましたのは神崎邸だった。信じられずに辺りを見回したがやはりここは神崎邸の住人本田綾乃に渡された部屋で間違いはなかった。
捨て身の脱出を試みて失敗した後、次に本田綾乃が目を覚ました時、そこに風はなくもう室内へと運ばれていた。幸か不幸か彼女が目を覚ました時男のがちょうど声を掛けている時だ。
「起きてますかぁ?今から君をめちゃくちゃにしてあげるよ」
車で言っていた発言はまだ実行に移されていなかった。今からそれを行う所。本田綾乃は思いっきり「やめて」と叫びながら足をじたばたさせて抵抗した。
「あぁ?なんだ起きてるのかよ痛いなぁ。それじゃ上手く服を脱がせられないだろう?」
男は嬉しそうにそう言って本田綾乃の着ていた服に手をかけた。必死にもがいて脱がされない様に努めたが、服のボタンは千切れて飛んで行くのが、その音と肌に直接空気が触れるのでわかった。
「おぉ、結構いい感じの体じゃん。白くて綺麗。肉付きも良くて健康的な体。この状況じゃあブラ外せないから破るか」
男は横腹を指で撫でる事に夢中で足の拘束が緩んだ。その隙に必死に動かして全力で蹴りを入れる。絶対にもうこれ以上触らせたくはない。
「もう、諦めて大人しくしてな。ほら、もう一度寝な?」
再び、意識が薄れる感覚に襲われる。そしてこれからされる事を想像してしまう。
嫌だ。
そして流した涙は目隠しをしている布に染みていく。覚えているのはそこまでだった。
「ねえ優香さん、私はどうなったのですか?」
目覚めた時に部屋にいたメイドの優香さんに尋ねる。流石に大変な目にあったから事情は聞かされているだろう。
「北原真夜さんが綾乃さんを助けて下さったみたいです」
そのまま優香は何があったかの話を続ける。
「これで大人しくなった。さぁそのまだ膨らみかけの胸を俺に見せてくれ!」
叫びながら男は本田綾乃のブラジャーの前中心を切り裂く。張りを断ち切られたブラジャーは左右に開いて本田綾乃の少し小さめな胸は露わになる。
「辞めるんだ!」
よく響く低い声。男はこんな声の仲間を知らない。つまりは敵。すかさず男は振り返った。
堂々と、こちらを指さして立っているのは、忌むべき組織日本海洋希望の会が経営する高校の制服を来た男子生徒。癖毛の白髪は途端に直毛へと変化する。
「僕は日本海洋希望の会の北原真夜今すぐその娘を解放するんだ!」
「どうやってここまで来たんだ?」
このアジトの奥にまで来ていると言う事は相当な戦闘力の可能性がある。もしくは高度なステルス性能。まず男はそのどちらかを確かめなければならなかった。そして、北原真夜はその後者でここまで来ていた。
「本に出てくるアルタの透明化を使ってきたんだ」
北原真夜は自信満々にそう言った。つまり戦闘をせずにここにたどり着いたという事。ならば念の為仲間を呼んで囲めば良い。男は通信機器手に取った。
「人質の所に侵入者だ!これから交戦する。一応応援をよこしてくれ」
男達は総数五人。対する北原真夜は単身で乗り込んできていた。
「さて、ステルス能力で俺達全員を倒せるのかなぁ?」
男は馬鹿にした目で北原真夜を眺める。勝ちを確信していた。
「その奢りはまさに悪役。だから僕は負けない。僕の祖父から聞いた光の戦士と戦ってみれば良いさ」
数的にも不利であるのに余裕を浮かべる北原真夜を見て、男は何かしらの策がある事に気づく。
「悪党共!直ぐに僕が成敗するッ!」
北原真夜は一度目を瞑り深く深呼吸をする。そして大きく目を見開いた。
「さぁ!ここからは英雄投影だ」
北原真夜の目は先程までの大きく優しそうだったのが、少し雰囲気が変わって表情は鋭くなる。
「なんだそれは能力か?」
男は初めに見た時とも先程までとも違う北原真夜の姿に動揺していた。だが、能力を使ってこうなっていることは予想がついていた。
「教えてやろう。僕の能力英雄投影は憧れの英雄をこの身に投影す能力さ」
北原真夜はゆっくりと男の方へ歩いていく。そしてその手に懐中電灯らしき物を出現させて握りしめる。
男のナイフによる大振りの攻撃を回転しながら避けて、その懐中電灯らしき物のスイッチを入れる。そこから出てきた光には実体があり、その見た目は半世紀前のアメリカ映画にでも出てきそうなビーム兵装の様だった。その斬撃を受けた男は壁まで吹き飛ばされる。
「人は殺したくない。だからこの懐中電灯型光剣はインパクトモードにしている。けれど、骨折は覚悟してもらおうか」
男を睨むその目は女の子を辱めた事に対する静かな怒りを乗せていた。しかしもう男はその骨折を負っており、身動きが取れなくなって終いに気を失ってしまった。そこにカタカタと部屋の外の廊下を大人数で走ってくる音が聞こえる。
「奴ら到着が結構早いな」
一度北原真夜は光剣のスイッチを切る。そのすぐ後には部屋の中に入ってきた男達に取り囲まれてもら大人しく立っている北原真夜。なぜならそんな状況でも英雄投影をして、光の戦士の面影が宿る北原真夜は涼し気な表情で対峙する余裕があった。
「さて、そこで倒れている仲間の様になりたくないなら、ここで武器を捨てて大人しくしているべきだ」
北原真夜が持つ懐中電灯型光剣に当たれば壁まで吹き飛んでしまう等は知らずに四方からナイフを持って飛びかかる男達。構えた光剣のスイッチを入れて右足を軸に一回転する。それだけで男は部屋の端まで飛ばされて行く。
「だから忠告したのに…。だが、あなた達が悪なら僕は正義としてそれを見過ごせない」
多少の哀れみを浮かべながら北原真夜は呟いく。そこで英雄投影は解除されて元の優しそうで可愛い顔に戻る。
「おい…お前その服装からし日本海洋希望の会の学校の人間だな?」
一人だけ壁にぶつかった衝撃で意識を失うことはなかった男が尋ねた。北原真夜は、もう動けない相手に対して追撃をす事はせず質問に答えることにした。
「そうだ!僕は日本海洋希望の会の北原真夜さ」
強く北原真夜を睨みながら男は言う。
「お前が所属している日本海洋希望の会は本当に正義なのか?奴らも悪だとは思はないのか?」
正直な所北原真夜には、過去に犯罪じみた事をした疑いのある日本海洋希望の会が完全に潔白だとは言いきれなかった。
「あなた達が目の前で悪事を行い、僕はそれを成敗したまでだ」
そんな答えで男は納得出来なかった。正義の名の元に行動しているのはこちらも同じ。正義の為に悪を行っている。だから男の中で、北原真夜の行いは男達の正義を砕いただけでしかなかった。
最後の一人も意識を失ったのを確認して北原真夜は本田綾乃へと歩み寄る。
「きっとこのままだと身体が冷えてしまうから、とりあえず僕の制服をかけることにしよう」
彼は本田綾乃の露わになった上半身が見えているが、それはなるべく見ないようにして制服の上着をかけてその裸を隠して、同時に身体が冷えないようにもした。
その後意識のない本田綾乃を抱えて神崎邸に連れてきたらしい。その後、本田綾乃の事は優香に任されて、北原真夜は少し間隔を開けて様子を尋ねに来るが、基本的にはずっと優香が様子を見ていた。
「失礼します優香さん、本田さんの様子はどうですか?」
ノックと共に部屋に北原真夜の声が響いた。優香はその扉を開けて既に目覚めている本田綾乃の方へ腕を向けて、北原真夜の視線を誘導した。
「あっ目覚めていたんですね。良かった」
北原真夜の顔から安堵が伺える。この北原真夜には本当に感謝をしきれないほど感謝している。
「ありがとうございます」
と言う本田綾乃の言葉を遮る様に北原真夜は大きい声を出した。
「不可抗力とは言えども、あなたの裸を見てしまいました。本当にごめんなさい」
北原真夜は正義感から謝罪をしたが、それ以前の事で精一杯だった本田綾乃にとっては北原真夜に言われるまで見られていた事など知りもしなかった。
「そんな事いちいち言わないで欲しかったです。一切そんな事を考えてもいなかったのに、言われたら意識して恥ずかしいじゃないですかっ。でももう良いので気にせずに忘れてください」
その様にして北原真夜は許されたのだった。
捨て身の脱出を試みて失敗した後、次に本田綾乃が目を覚ました時、そこに風はなくもう室内へと運ばれていた。幸か不幸か彼女が目を覚ました時男のがちょうど声を掛けている時だ。
「起きてますかぁ?今から君をめちゃくちゃにしてあげるよ」
車で言っていた発言はまだ実行に移されていなかった。今からそれを行う所。本田綾乃は思いっきり「やめて」と叫びながら足をじたばたさせて抵抗した。
「あぁ?なんだ起きてるのかよ痛いなぁ。それじゃ上手く服を脱がせられないだろう?」
男は嬉しそうにそう言って本田綾乃の着ていた服に手をかけた。必死にもがいて脱がされない様に努めたが、服のボタンは千切れて飛んで行くのが、その音と肌に直接空気が触れるのでわかった。
「おぉ、結構いい感じの体じゃん。白くて綺麗。肉付きも良くて健康的な体。この状況じゃあブラ外せないから破るか」
男は横腹を指で撫でる事に夢中で足の拘束が緩んだ。その隙に必死に動かして全力で蹴りを入れる。絶対にもうこれ以上触らせたくはない。
「もう、諦めて大人しくしてな。ほら、もう一度寝な?」
再び、意識が薄れる感覚に襲われる。そしてこれからされる事を想像してしまう。
嫌だ。
そして流した涙は目隠しをしている布に染みていく。覚えているのはそこまでだった。
「ねえ優香さん、私はどうなったのですか?」
目覚めた時に部屋にいたメイドの優香さんに尋ねる。流石に大変な目にあったから事情は聞かされているだろう。
「北原真夜さんが綾乃さんを助けて下さったみたいです」
そのまま優香は何があったかの話を続ける。
「これで大人しくなった。さぁそのまだ膨らみかけの胸を俺に見せてくれ!」
叫びながら男は本田綾乃のブラジャーの前中心を切り裂く。張りを断ち切られたブラジャーは左右に開いて本田綾乃の少し小さめな胸は露わになる。
「辞めるんだ!」
よく響く低い声。男はこんな声の仲間を知らない。つまりは敵。すかさず男は振り返った。
堂々と、こちらを指さして立っているのは、忌むべき組織日本海洋希望の会が経営する高校の制服を来た男子生徒。癖毛の白髪は途端に直毛へと変化する。
「僕は日本海洋希望の会の北原真夜今すぐその娘を解放するんだ!」
「どうやってここまで来たんだ?」
このアジトの奥にまで来ていると言う事は相当な戦闘力の可能性がある。もしくは高度なステルス性能。まず男はそのどちらかを確かめなければならなかった。そして、北原真夜はその後者でここまで来ていた。
「本に出てくるアルタの透明化を使ってきたんだ」
北原真夜は自信満々にそう言った。つまり戦闘をせずにここにたどり着いたという事。ならば念の為仲間を呼んで囲めば良い。男は通信機器手に取った。
「人質の所に侵入者だ!これから交戦する。一応応援をよこしてくれ」
男達は総数五人。対する北原真夜は単身で乗り込んできていた。
「さて、ステルス能力で俺達全員を倒せるのかなぁ?」
男は馬鹿にした目で北原真夜を眺める。勝ちを確信していた。
「その奢りはまさに悪役。だから僕は負けない。僕の祖父から聞いた光の戦士と戦ってみれば良いさ」
数的にも不利であるのに余裕を浮かべる北原真夜を見て、男は何かしらの策がある事に気づく。
「悪党共!直ぐに僕が成敗するッ!」
北原真夜は一度目を瞑り深く深呼吸をする。そして大きく目を見開いた。
「さぁ!ここからは英雄投影だ」
北原真夜の目は先程までの大きく優しそうだったのが、少し雰囲気が変わって表情は鋭くなる。
「なんだそれは能力か?」
男は初めに見た時とも先程までとも違う北原真夜の姿に動揺していた。だが、能力を使ってこうなっていることは予想がついていた。
「教えてやろう。僕の能力英雄投影は憧れの英雄をこの身に投影す能力さ」
北原真夜はゆっくりと男の方へ歩いていく。そしてその手に懐中電灯らしき物を出現させて握りしめる。
男のナイフによる大振りの攻撃を回転しながら避けて、その懐中電灯らしき物のスイッチを入れる。そこから出てきた光には実体があり、その見た目は半世紀前のアメリカ映画にでも出てきそうなビーム兵装の様だった。その斬撃を受けた男は壁まで吹き飛ばされる。
「人は殺したくない。だからこの懐中電灯型光剣はインパクトモードにしている。けれど、骨折は覚悟してもらおうか」
男を睨むその目は女の子を辱めた事に対する静かな怒りを乗せていた。しかしもう男はその骨折を負っており、身動きが取れなくなって終いに気を失ってしまった。そこにカタカタと部屋の外の廊下を大人数で走ってくる音が聞こえる。
「奴ら到着が結構早いな」
一度北原真夜は光剣のスイッチを切る。そのすぐ後には部屋の中に入ってきた男達に取り囲まれてもら大人しく立っている北原真夜。なぜならそんな状況でも英雄投影をして、光の戦士の面影が宿る北原真夜は涼し気な表情で対峙する余裕があった。
「さて、そこで倒れている仲間の様になりたくないなら、ここで武器を捨てて大人しくしているべきだ」
北原真夜が持つ懐中電灯型光剣に当たれば壁まで吹き飛んでしまう等は知らずに四方からナイフを持って飛びかかる男達。構えた光剣のスイッチを入れて右足を軸に一回転する。それだけで男は部屋の端まで飛ばされて行く。
「だから忠告したのに…。だが、あなた達が悪なら僕は正義としてそれを見過ごせない」
多少の哀れみを浮かべながら北原真夜は呟いく。そこで英雄投影は解除されて元の優しそうで可愛い顔に戻る。
「おい…お前その服装からし日本海洋希望の会の学校の人間だな?」
一人だけ壁にぶつかった衝撃で意識を失うことはなかった男が尋ねた。北原真夜は、もう動けない相手に対して追撃をす事はせず質問に答えることにした。
「そうだ!僕は日本海洋希望の会の北原真夜さ」
強く北原真夜を睨みながら男は言う。
「お前が所属している日本海洋希望の会は本当に正義なのか?奴らも悪だとは思はないのか?」
正直な所北原真夜には、過去に犯罪じみた事をした疑いのある日本海洋希望の会が完全に潔白だとは言いきれなかった。
「あなた達が目の前で悪事を行い、僕はそれを成敗したまでだ」
そんな答えで男は納得出来なかった。正義の名の元に行動しているのはこちらも同じ。正義の為に悪を行っている。だから男の中で、北原真夜の行いは男達の正義を砕いただけでしかなかった。
最後の一人も意識を失ったのを確認して北原真夜は本田綾乃へと歩み寄る。
「きっとこのままだと身体が冷えてしまうから、とりあえず僕の制服をかけることにしよう」
彼は本田綾乃の露わになった上半身が見えているが、それはなるべく見ないようにして制服の上着をかけてその裸を隠して、同時に身体が冷えないようにもした。
その後意識のない本田綾乃を抱えて神崎邸に連れてきたらしい。その後、本田綾乃の事は優香に任されて、北原真夜は少し間隔を開けて様子を尋ねに来るが、基本的にはずっと優香が様子を見ていた。
「失礼します優香さん、本田さんの様子はどうですか?」
ノックと共に部屋に北原真夜の声が響いた。優香はその扉を開けて既に目覚めている本田綾乃の方へ腕を向けて、北原真夜の視線を誘導した。
「あっ目覚めていたんですね。良かった」
北原真夜の顔から安堵が伺える。この北原真夜には本当に感謝をしきれないほど感謝している。
「ありがとうございます」
と言う本田綾乃の言葉を遮る様に北原真夜は大きい声を出した。
「不可抗力とは言えども、あなたの裸を見てしまいました。本当にごめんなさい」
北原真夜は正義感から謝罪をしたが、それ以前の事で精一杯だった本田綾乃にとっては北原真夜に言われるまで見られていた事など知りもしなかった。
「そんな事いちいち言わないで欲しかったです。一切そんな事を考えてもいなかったのに、言われたら意識して恥ずかしいじゃないですかっ。でももう良いので気にせずに忘れてください」
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