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8.砦の主
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夜の闇を塗り込めた、暗く、ひんやりとした声が響く。
アルマはふと顔を上げ、目を見張った。
炎のように紅く燃える瞳と、新雪のように輝く銀色の長髪。
レスターは感じの良い、穏やかな人物だったのに対し、目の前の男は、すべてを拒絶する冷めた印象を与え、氷像のような鋭い美しさを併せ持っている。
腰まで届く銀髪を揺らし、一歩また一歩と、男はアルマに近づいてくる。
アルマは自分でも訳が分からないまま、とっさに膝を折った。
神に祈りを捧げる気持ちで、男を見上げる。
もはや同じ人間だとは思えなかった。男に対し、抗いがたい力を感じている。
男が屈《かが》んだ拍子に、背中から銀髪が零れ、絹糸のようにきらめく。
紅い瞳が至近距離からアルマを射抜き、すべての動作を奪っていく。
「お前が、新しい生贄?」
男の問いに、アルマはぎこちなく頷いた。
この人になら、食べられても良い。直感で、そう思った。
それほどまでに男は人を超え、神に迫る勢いで美しく、彫刻のように生気がなかった。
「喜べ。俺はお前を喰わない。レスターに言って、家に帰してもらえ」
にっこりと笑みを形作った唇は、たいそう綺麗で、ちらりと覗いた鋭い犬歯に心臓が跳ねる。
しかし、アルマは予想外の言葉に、思考を停止させた。
話は終わったと言わんばかりに、男がアルマに背を向ける。
「あの……!」
弾かれたように立ち上がり、アルマは去っていく背中に声をかける。
「なんだ?」
男が振り返ると、黒い外套の裾が揺れた。領主の家に生まれたはずだが、レスターとは対照的に、貴族らしい煌びやかさはなく、軍人らしい無駄のない装いをしている。
「あなたが、砦の騎士ですよね……?」
「あの口も聞けないデカいだけの男が、砦の主だと思うか?」
「いえ……」
男は、さっさとアルマとの会話を終わらせたがっているようで、ほとんどアルマを見ていない。
「分かったら、さっさと帰れ。ドルシーに屋敷まで馬を出させるから」
言うが早いか、男は大声で名前を叫んだ。こちらに駆けてきたのは、先ほどの番人の男だ。とてもじゃないが、ドルシーなんて可愛い名前の持ち主だとは思えない。
小走りでやってきたドルシーに、男が指示を出す。
「この女を乗せて早馬で屋敷にいけ。明日、明るくなってから帰ってこい」
ドルシーはなんの反応も示さなかったが、男はそれを肯定と見たらしい。仕事を終えたと言わんばかりに、蔦の生い茂る館へと向かって歩き出す。
ドルシーがアルマの腕を取る直前、反射的に叫んだ。
「わたしは帰りたくありません!」
男の足が、ぴたりと止まる。
日没寸前の砦は薄暗く、振り向いた男の表情すらよく分からない。黒い外套は周囲の闇に溶け込み、装飾の施された袖の飾りボタンだけが光る。
「なんで帰りたくないんだ?」
男は感情の読めない声で、アルマに問いかける。
「わたしの帰る場所は、もうないからです。それに村に帰れば、今度こそ。わたしは……」
脳裏に焼きついた、ステラの無残な姿がフラッシュバックする。ステラを傷つけ、アルマを犬のように扱い、殺そうとした男たちの顔……。
村の人間は、アルマが生贄になることを望んでいる。若い娘を持つ親は特に、アルマが今年の生贄だと知って、安堵しただろう。自分の娘じゃなくて良かった、そう思ったはずだ。
それなのに、アルマが砦の主に追い返されて村へ帰ったら?
アルマの代わりに、新しい生贄を必要とするのかは分からないが、アルマが村で受ける仕打ちは、決まりきっている。
「わたしほど、生贄に向いている人はいません。親もいないし、目の色は気持ち悪い、異端者だ、魔女だって言われるし……」
自嘲する言葉と共に、意思とは関係なく涙があふれてくる。
こんなところで泣くつもりはなく、自分に泣くほどの感情の揺らぎがあることも、アルマは自覚していなかった。
「村へ帰るくらいなら、ここであなたに食べられて死にます」
「喰わねぇって言ってんだろ」
「じゃあ殺してください……お願いします」
アルマは自分でもなにを言っているのか、分からないまま喚く。
母親がいなくなってから、ずっと蓋をして、見ないようにしていた感情が、一気に溢れ出している。
ステラはもういない。母親も生きているのか、死んでいるのかすら分からない。一人で薄暗い墓地で、人々に虐げられながら生きていくことには耐えられない。
ましてや自分が生贄にならなかったことで、別の誰かが生贄になれば、アルマへの風当たりはもっと強くなる。村へ帰った途端、目をくり抜かれて、殺されたっておかしくはない。
食べないと言われたアルマに残された選択肢は、ここで今すぐ男に殺してもらうか、野山に入って狼の餌になるかの二択だ。
アルマに歩み寄ってきた男が、目の前に立つ。男が屈んでいたときは気づかなかったが、アルマより頭一つ分以上に背が高く、外套を着ていても体格の良さが窺える。
「ここで死ねば、お前は満足なのか?」
外套に手を突っ込んだまま、男が尋ねる。
「お前は、クソみてぇな世界から逃げるために死にたいと思ってる。違うか?」
「わたしは……」
死にたいと思うことは、逃げなのだろうか。
自分は死ぬことすら、許されないのだろうか。
「わたしは、もう、楽になりたいんです……それが逃げだと言うなら、それでも良いです。ただ、普通の人のように、生きてみたかっただけなのに」
涙がとめどなく溢れてくる。張られた頬に切り傷があるのか、涙が染みて、じくじくと痛む。
傷だらけの体を奮い立たせて、生きていく気力がない。これから降りかかる、あらゆる悪意を跳ね除ける力もない。
「普通の人間の生活とか、俺は知らねぇ」
アルマは、はっと男を見た。日がとっぷりと暮れた暗闇の中では、男の表情すら分からないが、自嘲気味に笑ったようだった。
アルマは目の色が、マーロイズ王国の人間とは違うだけで、魔女でも異端者でもない。ただの人間である。
けれど、目の前の男は――。
「俺は半分、竜だ。人間からは、あいつは竜だと言われ、竜からは、あいつは人間だからと言われる」
居場所がないんだ、と微かな呟きが聞こえた。
男の言葉が、アルマの心にじんわりと染み入ってくる。この男も、自分と同じように孤独なのだ。生贄をあてがわれ、レスターが子どものころから、閉ざされた砦に住み続けている。
なんと声をかければいいのか、アルマには分からなかった。人間とは時間の流れが違う男は、アルマ以上に、一人ですごした時間が長かったに違いない。
暗闇の中でも、男の瞳は自ら発光しているかのように、毒々しく紅い。
目が合ったような気がしたあと、男の大きな手のひらが、乱暴にアルマの髪をかき回した。ろくに洗っていない髪はもつれ、土埃と泥でひどい有様だが、男は気にしている様子もない。
アルマはしばらく、泣きながら、されるがままになっていた。
レスターの話とは、まるで食い違う。目の前の半分だけ竜の男は、アルマを食べないと言った。
嘘を吐かれているのだろうか?
油断させて、肥えたところを一呑みするつもりなのかもしれない。
それでもいい、とアルマは思った。村に戻って殺されたり、また迫害を受けるよりは、この孤独な男に食べられる方が、つらくない。
アルマは毛皮の外套を汚さないよう、気をつけながら涙をぬぐい、男を見上げた。
「わたしをここに置いてください。わたしを食べる気になるまで、わたしと一緒に、生きてください」
男の瞳が闇の中で、わずかに揺れた。
断られても、引き下がる気はない。自分が現実から逃げるために、死を選んでいるだけだと言われても、アルマの中に、砦に残る以外の選択肢は残されていなかった。
探るように伸ばされてた手が、アルマの腕を掴む。
男が突然歩き出したために、アルマは半ば引きずられるようにして男についていった。
蔦の這う館の扉が開けられ、室内の灯りが男とアルマの姿をありありと映し出す。
振り向いた男の顔は、愉快そうにゆがめられていた。
「今からお前は、死ぬまで俺のものだ」
灯りの下で見る男の瞳は炎のように紅く、狼のように鋭い光を放っていた。
アルマはふと顔を上げ、目を見張った。
炎のように紅く燃える瞳と、新雪のように輝く銀色の長髪。
レスターは感じの良い、穏やかな人物だったのに対し、目の前の男は、すべてを拒絶する冷めた印象を与え、氷像のような鋭い美しさを併せ持っている。
腰まで届く銀髪を揺らし、一歩また一歩と、男はアルマに近づいてくる。
アルマは自分でも訳が分からないまま、とっさに膝を折った。
神に祈りを捧げる気持ちで、男を見上げる。
もはや同じ人間だとは思えなかった。男に対し、抗いがたい力を感じている。
男が屈《かが》んだ拍子に、背中から銀髪が零れ、絹糸のようにきらめく。
紅い瞳が至近距離からアルマを射抜き、すべての動作を奪っていく。
「お前が、新しい生贄?」
男の問いに、アルマはぎこちなく頷いた。
この人になら、食べられても良い。直感で、そう思った。
それほどまでに男は人を超え、神に迫る勢いで美しく、彫刻のように生気がなかった。
「喜べ。俺はお前を喰わない。レスターに言って、家に帰してもらえ」
にっこりと笑みを形作った唇は、たいそう綺麗で、ちらりと覗いた鋭い犬歯に心臓が跳ねる。
しかし、アルマは予想外の言葉に、思考を停止させた。
話は終わったと言わんばかりに、男がアルマに背を向ける。
「あの……!」
弾かれたように立ち上がり、アルマは去っていく背中に声をかける。
「なんだ?」
男が振り返ると、黒い外套の裾が揺れた。領主の家に生まれたはずだが、レスターとは対照的に、貴族らしい煌びやかさはなく、軍人らしい無駄のない装いをしている。
「あなたが、砦の騎士ですよね……?」
「あの口も聞けないデカいだけの男が、砦の主だと思うか?」
「いえ……」
男は、さっさとアルマとの会話を終わらせたがっているようで、ほとんどアルマを見ていない。
「分かったら、さっさと帰れ。ドルシーに屋敷まで馬を出させるから」
言うが早いか、男は大声で名前を叫んだ。こちらに駆けてきたのは、先ほどの番人の男だ。とてもじゃないが、ドルシーなんて可愛い名前の持ち主だとは思えない。
小走りでやってきたドルシーに、男が指示を出す。
「この女を乗せて早馬で屋敷にいけ。明日、明るくなってから帰ってこい」
ドルシーはなんの反応も示さなかったが、男はそれを肯定と見たらしい。仕事を終えたと言わんばかりに、蔦の生い茂る館へと向かって歩き出す。
ドルシーがアルマの腕を取る直前、反射的に叫んだ。
「わたしは帰りたくありません!」
男の足が、ぴたりと止まる。
日没寸前の砦は薄暗く、振り向いた男の表情すらよく分からない。黒い外套は周囲の闇に溶け込み、装飾の施された袖の飾りボタンだけが光る。
「なんで帰りたくないんだ?」
男は感情の読めない声で、アルマに問いかける。
「わたしの帰る場所は、もうないからです。それに村に帰れば、今度こそ。わたしは……」
脳裏に焼きついた、ステラの無残な姿がフラッシュバックする。ステラを傷つけ、アルマを犬のように扱い、殺そうとした男たちの顔……。
村の人間は、アルマが生贄になることを望んでいる。若い娘を持つ親は特に、アルマが今年の生贄だと知って、安堵しただろう。自分の娘じゃなくて良かった、そう思ったはずだ。
それなのに、アルマが砦の主に追い返されて村へ帰ったら?
アルマの代わりに、新しい生贄を必要とするのかは分からないが、アルマが村で受ける仕打ちは、決まりきっている。
「わたしほど、生贄に向いている人はいません。親もいないし、目の色は気持ち悪い、異端者だ、魔女だって言われるし……」
自嘲する言葉と共に、意思とは関係なく涙があふれてくる。
こんなところで泣くつもりはなく、自分に泣くほどの感情の揺らぎがあることも、アルマは自覚していなかった。
「村へ帰るくらいなら、ここであなたに食べられて死にます」
「喰わねぇって言ってんだろ」
「じゃあ殺してください……お願いします」
アルマは自分でもなにを言っているのか、分からないまま喚く。
母親がいなくなってから、ずっと蓋をして、見ないようにしていた感情が、一気に溢れ出している。
ステラはもういない。母親も生きているのか、死んでいるのかすら分からない。一人で薄暗い墓地で、人々に虐げられながら生きていくことには耐えられない。
ましてや自分が生贄にならなかったことで、別の誰かが生贄になれば、アルマへの風当たりはもっと強くなる。村へ帰った途端、目をくり抜かれて、殺されたっておかしくはない。
食べないと言われたアルマに残された選択肢は、ここで今すぐ男に殺してもらうか、野山に入って狼の餌になるかの二択だ。
アルマに歩み寄ってきた男が、目の前に立つ。男が屈んでいたときは気づかなかったが、アルマより頭一つ分以上に背が高く、外套を着ていても体格の良さが窺える。
「ここで死ねば、お前は満足なのか?」
外套に手を突っ込んだまま、男が尋ねる。
「お前は、クソみてぇな世界から逃げるために死にたいと思ってる。違うか?」
「わたしは……」
死にたいと思うことは、逃げなのだろうか。
自分は死ぬことすら、許されないのだろうか。
「わたしは、もう、楽になりたいんです……それが逃げだと言うなら、それでも良いです。ただ、普通の人のように、生きてみたかっただけなのに」
涙がとめどなく溢れてくる。張られた頬に切り傷があるのか、涙が染みて、じくじくと痛む。
傷だらけの体を奮い立たせて、生きていく気力がない。これから降りかかる、あらゆる悪意を跳ね除ける力もない。
「普通の人間の生活とか、俺は知らねぇ」
アルマは、はっと男を見た。日がとっぷりと暮れた暗闇の中では、男の表情すら分からないが、自嘲気味に笑ったようだった。
アルマは目の色が、マーロイズ王国の人間とは違うだけで、魔女でも異端者でもない。ただの人間である。
けれど、目の前の男は――。
「俺は半分、竜だ。人間からは、あいつは竜だと言われ、竜からは、あいつは人間だからと言われる」
居場所がないんだ、と微かな呟きが聞こえた。
男の言葉が、アルマの心にじんわりと染み入ってくる。この男も、自分と同じように孤独なのだ。生贄をあてがわれ、レスターが子どものころから、閉ざされた砦に住み続けている。
なんと声をかければいいのか、アルマには分からなかった。人間とは時間の流れが違う男は、アルマ以上に、一人ですごした時間が長かったに違いない。
暗闇の中でも、男の瞳は自ら発光しているかのように、毒々しく紅い。
目が合ったような気がしたあと、男の大きな手のひらが、乱暴にアルマの髪をかき回した。ろくに洗っていない髪はもつれ、土埃と泥でひどい有様だが、男は気にしている様子もない。
アルマはしばらく、泣きながら、されるがままになっていた。
レスターの話とは、まるで食い違う。目の前の半分だけ竜の男は、アルマを食べないと言った。
嘘を吐かれているのだろうか?
油断させて、肥えたところを一呑みするつもりなのかもしれない。
それでもいい、とアルマは思った。村に戻って殺されたり、また迫害を受けるよりは、この孤独な男に食べられる方が、つらくない。
アルマは毛皮の外套を汚さないよう、気をつけながら涙をぬぐい、男を見上げた。
「わたしをここに置いてください。わたしを食べる気になるまで、わたしと一緒に、生きてください」
男の瞳が闇の中で、わずかに揺れた。
断られても、引き下がる気はない。自分が現実から逃げるために、死を選んでいるだけだと言われても、アルマの中に、砦に残る以外の選択肢は残されていなかった。
探るように伸ばされてた手が、アルマの腕を掴む。
男が突然歩き出したために、アルマは半ば引きずられるようにして男についていった。
蔦の這う館の扉が開けられ、室内の灯りが男とアルマの姿をありありと映し出す。
振り向いた男の顔は、愉快そうにゆがめられていた。
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