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5章(4)
「なにか物音がするようですが」
類が談話室へ入ると、男は開口一番にそう言った。手についた埃を払い、男の向かいに腰を下ろす。
「気にしないでください。鼠を飼っているだけです」
テーブルにさっと視線を走らせる。用意しておいた花茶に手をつけられた形跡はない。まだ類のことを信用していないのかもしれない。
類は談話室の中を見回すふりをして、目の前に座る男を観察した。
黄偉。三千龍団の老板だった沈の死後、新たに老板の地位に就いた男だ。年齢は正確には知らないが、三十代後半に見える。藍豪よりすこし年上くらいだろう。
黒髪をきっちりと後ろに撫でつけ、英国製のオーダーメイドスーツに身を包んでいる。一重の眠たげな瞳とは対照的にその顔は生気に満ち、組織をまとめることへの揺るぎない自信が窺えた。
「雲南まで、かなり時間がかかったでしょう」
「いえいえ。三千龍団を大きくするためなら、時間は惜しみませんよ」
上辺だけのやり取りが続く。どちらから本題を切り出すのか、無意味な腹の探り合いに類はうんざりした。
類の所属する瑞蜜会と黄が老板を務める三千龍団は、香港を代表する阿片の取引組織だ。そしてお互いに阿片売買を利益を巡って敵対している関係でもある。
本来であれば類と黄が同じ場所にいることなど、決してありえない。しかも瑞蜜会でこの密会の目的を知る者は、類だけだ。香港で落ち合えば構成員の誰かに見られるかもしれない。そう考えて、類は黄偉を雲南まで誘った。
雲南の阿片栽培地はもはや類の手中にある。王老板にもっとも近いとされる吴星宇ですら、めったなことでは足を踏み入れない。香港から距離もあり、密会には最適すぎる場所だった。
黄がなおも世辞を並べようとするのを手で制す。
「簡潔にいきましょう。条件を呑んでくれるなら、僕は瑞蜜会について知っていることをすべてお話しします。そういう話でしたよね?」
「ええ、いかにも」
「僕から提示する条件は三つです。ひとつは、ここ雲南を攻撃しないこと。他の阿片栽培地については、焼くなり占領するなり好きにしてください。二つめは、李藍豪の遺体を見つけ次第きちんと埋葬すること」
「李藍豪? あの王老板の犬ですか?」
その呼び方を肯定したくはないが、類はうなずく。
「左手の指が二本欠けているから、誰が見てもすぐにわかるでしょう。彼は、命の恩人なんです」
黄は一瞬、化け物にでも出くわしたかのように顔を引きつらせ、それから表情を消しさったがすぐに気を取り直して鷹揚にうなずいた。
花茶で喉を湿らせ、最後の条件を口にする。
「三つめは――今後一切、阿片売買から手を引いていただきたい」
花茶に手を伸ばそうとしていた黄の動きが、ぴたりと止まった。腫れぼったい目をいっぱいに開いて、類の顔を凝視する。
「話が違いませんか? 私は瑞蜜会を三千龍団に吸収し、香港での阿片取引で優位に立つためにここへ来たと思っていたのですが――」
「阿片の時代は終わりですよ」
類は黄の視線を避け、遠くを見た。じっくりと間を空けてから、もったいぶるように口を開く。
「阿片売買に対する取り締まりは、今後ますます厳しくなっていくだけでしょう。中国国内での販売ができず、輸出しか道がなくなることも考えられます」
類はなにもでたらめを言っているわけではない。直近一年で、瑞蜜会の抱える売人が四人摘発された。類は次に捕まるのは藍豪ではないかという噂を耳にしたのだ。だから類は藍豪を香港から脱出させ、はるばる雲南まで連れてきた。ここならまだ、政府の目は届いていない。藍豪にはゆくゆく説明しなければならないと思っているが、ずっとその機を逃し続けている。
黄も思うところがあったのか、短い唸りを上げたきり黙り込んでいる。
「これからは、人の時代です」
「人、ですか?」
黄の興味が確実にこちらを向いているのを感じ、類は囁くように語りかける。
「農村部ではずっと、女児余りの状態が続いています。瑞蜜会は両親から女児を買い取り、カンボジアへの人身売買ルートを開拓しました」
「そんなことをしたって……阿片より手間はかかるし、儲かりもしないでしょう」
「いいですか、黄偉さん。阿片市場は政府の取り締まりによって、これからどんどん縮小していくだけです。しかし、人身売買は違う。一人以上子の持てない中国において、働き手になれない女児は確実に余ります。そしていつの時代でも、人の需要というのは決してなくならない。特に女は、ね」
類が十二歳から娼館で見続けてきた現実だ。類の働いていた娼館では、娼婦の半数以上が農村部から出稼ぎに来ていた女だった。これからも、この現状は変わらないだろう。男の働き手が重宝される農村部において、女というのは都市部ほど価値がないとされる。
類はそこにつけ込み、阿片の販路を拡大する代わりに人身売買の手を広げることを進言した。裏社会で阿片より人身売買のほうが稼げるということが広まれば、無理して規制の厳しい阿片売買をやる人間はいなくなるだろう。この世から阿片さえなくなれば、類にとって他のことはどうでもよかった。
考え込むようにうつむいていた黄が顔を上げる。
「いいでしょう。あなたの条件を呑みます」
黄が花茶の入った陶器のカップを持ち上げ、類のカップにこつりと当てた。顔には出さないが、類はほっと胸をなで下ろす。話がまとまらなければ、次の手を考えなくていけなかった。その手間が省け、思った通りに事が進んでいることに安堵する。
瑞蜜会は今年中に、三千龍団の手によって消滅するだろう。王老板も、吴星宇も、きっと死の直前に類による裏切りだと気づくはずだ。類は条件を呑んでもらう見返りとして、三千龍団に情報を売った。三千龍団は類から与えられた情報を元に、瑞蜜会に抗争を仕掛ける。後は両者が命を削り合うのを、外から見ているだけでいい。類と藍豪には関係のないところで、すべては片づく。
黄偉を麓の車が待つ場所まで送った後、類は藍豪と顔を合わせる気になれず、彼を物置から解放しただけで一人自室にこもった。
テーブルの上には翡翠のパイプが転がっている。丸めた阿片をパイプに詰め込み、火をつける。肺いっぱいに煙を吸い込んでしばらくすると、なにもかもがどうでもよく思えてきた。
もうすこし。もうすこしで、すべてが終わる。けれど、未だに類の中に迷いがある。藍豪のことだ。彼を最期までつき合わせるのが、本当に正しいことなのか。
藍豪は瑞蜜会の指示で、類から家族も家も奪った。許せるはずはない。しかしこの命を助け、ここまで育ててくれたのも藍豪である。彼はとっくに、その罪を洗い流したのではないのか?
藍豪は自分の指を切り落としてまで、類を守ろうとしてくれた。こんな山奥に連れて来られて、無理やり躰を開かれたというのに、彼は自身のことよりも類のことを心配している。昔はあんなに大きく見えた背中が、今ではすぐそばにある。薄い布団の中でわけ合った体温を忘れたわけではない。藍豪のことを愛している。同時に、殺したいほど憎んでもいる。
憎しみと、情と、罪悪感とがぐちゃぐちゃに混ざり合い、類の脳をかき回す。足りない。阿片を大きく丸め直し、火をつける。肺を煙で満たし、類はやっと目を閉じた。
藍豪は、こんな自分を許してくれるだろうか。
類が談話室へ入ると、男は開口一番にそう言った。手についた埃を払い、男の向かいに腰を下ろす。
「気にしないでください。鼠を飼っているだけです」
テーブルにさっと視線を走らせる。用意しておいた花茶に手をつけられた形跡はない。まだ類のことを信用していないのかもしれない。
類は談話室の中を見回すふりをして、目の前に座る男を観察した。
黄偉。三千龍団の老板だった沈の死後、新たに老板の地位に就いた男だ。年齢は正確には知らないが、三十代後半に見える。藍豪よりすこし年上くらいだろう。
黒髪をきっちりと後ろに撫でつけ、英国製のオーダーメイドスーツに身を包んでいる。一重の眠たげな瞳とは対照的にその顔は生気に満ち、組織をまとめることへの揺るぎない自信が窺えた。
「雲南まで、かなり時間がかかったでしょう」
「いえいえ。三千龍団を大きくするためなら、時間は惜しみませんよ」
上辺だけのやり取りが続く。どちらから本題を切り出すのか、無意味な腹の探り合いに類はうんざりした。
類の所属する瑞蜜会と黄が老板を務める三千龍団は、香港を代表する阿片の取引組織だ。そしてお互いに阿片売買を利益を巡って敵対している関係でもある。
本来であれば類と黄が同じ場所にいることなど、決してありえない。しかも瑞蜜会でこの密会の目的を知る者は、類だけだ。香港で落ち合えば構成員の誰かに見られるかもしれない。そう考えて、類は黄偉を雲南まで誘った。
雲南の阿片栽培地はもはや類の手中にある。王老板にもっとも近いとされる吴星宇ですら、めったなことでは足を踏み入れない。香港から距離もあり、密会には最適すぎる場所だった。
黄がなおも世辞を並べようとするのを手で制す。
「簡潔にいきましょう。条件を呑んでくれるなら、僕は瑞蜜会について知っていることをすべてお話しします。そういう話でしたよね?」
「ええ、いかにも」
「僕から提示する条件は三つです。ひとつは、ここ雲南を攻撃しないこと。他の阿片栽培地については、焼くなり占領するなり好きにしてください。二つめは、李藍豪の遺体を見つけ次第きちんと埋葬すること」
「李藍豪? あの王老板の犬ですか?」
その呼び方を肯定したくはないが、類はうなずく。
「左手の指が二本欠けているから、誰が見てもすぐにわかるでしょう。彼は、命の恩人なんです」
黄は一瞬、化け物にでも出くわしたかのように顔を引きつらせ、それから表情を消しさったがすぐに気を取り直して鷹揚にうなずいた。
花茶で喉を湿らせ、最後の条件を口にする。
「三つめは――今後一切、阿片売買から手を引いていただきたい」
花茶に手を伸ばそうとしていた黄の動きが、ぴたりと止まった。腫れぼったい目をいっぱいに開いて、類の顔を凝視する。
「話が違いませんか? 私は瑞蜜会を三千龍団に吸収し、香港での阿片取引で優位に立つためにここへ来たと思っていたのですが――」
「阿片の時代は終わりですよ」
類は黄の視線を避け、遠くを見た。じっくりと間を空けてから、もったいぶるように口を開く。
「阿片売買に対する取り締まりは、今後ますます厳しくなっていくだけでしょう。中国国内での販売ができず、輸出しか道がなくなることも考えられます」
類はなにもでたらめを言っているわけではない。直近一年で、瑞蜜会の抱える売人が四人摘発された。類は次に捕まるのは藍豪ではないかという噂を耳にしたのだ。だから類は藍豪を香港から脱出させ、はるばる雲南まで連れてきた。ここならまだ、政府の目は届いていない。藍豪にはゆくゆく説明しなければならないと思っているが、ずっとその機を逃し続けている。
黄も思うところがあったのか、短い唸りを上げたきり黙り込んでいる。
「これからは、人の時代です」
「人、ですか?」
黄の興味が確実にこちらを向いているのを感じ、類は囁くように語りかける。
「農村部ではずっと、女児余りの状態が続いています。瑞蜜会は両親から女児を買い取り、カンボジアへの人身売買ルートを開拓しました」
「そんなことをしたって……阿片より手間はかかるし、儲かりもしないでしょう」
「いいですか、黄偉さん。阿片市場は政府の取り締まりによって、これからどんどん縮小していくだけです。しかし、人身売買は違う。一人以上子の持てない中国において、働き手になれない女児は確実に余ります。そしていつの時代でも、人の需要というのは決してなくならない。特に女は、ね」
類が十二歳から娼館で見続けてきた現実だ。類の働いていた娼館では、娼婦の半数以上が農村部から出稼ぎに来ていた女だった。これからも、この現状は変わらないだろう。男の働き手が重宝される農村部において、女というのは都市部ほど価値がないとされる。
類はそこにつけ込み、阿片の販路を拡大する代わりに人身売買の手を広げることを進言した。裏社会で阿片より人身売買のほうが稼げるということが広まれば、無理して規制の厳しい阿片売買をやる人間はいなくなるだろう。この世から阿片さえなくなれば、類にとって他のことはどうでもよかった。
考え込むようにうつむいていた黄が顔を上げる。
「いいでしょう。あなたの条件を呑みます」
黄が花茶の入った陶器のカップを持ち上げ、類のカップにこつりと当てた。顔には出さないが、類はほっと胸をなで下ろす。話がまとまらなければ、次の手を考えなくていけなかった。その手間が省け、思った通りに事が進んでいることに安堵する。
瑞蜜会は今年中に、三千龍団の手によって消滅するだろう。王老板も、吴星宇も、きっと死の直前に類による裏切りだと気づくはずだ。類は条件を呑んでもらう見返りとして、三千龍団に情報を売った。三千龍団は類から与えられた情報を元に、瑞蜜会に抗争を仕掛ける。後は両者が命を削り合うのを、外から見ているだけでいい。類と藍豪には関係のないところで、すべては片づく。
黄偉を麓の車が待つ場所まで送った後、類は藍豪と顔を合わせる気になれず、彼を物置から解放しただけで一人自室にこもった。
テーブルの上には翡翠のパイプが転がっている。丸めた阿片をパイプに詰め込み、火をつける。肺いっぱいに煙を吸い込んでしばらくすると、なにもかもがどうでもよく思えてきた。
もうすこし。もうすこしで、すべてが終わる。けれど、未だに類の中に迷いがある。藍豪のことだ。彼を最期までつき合わせるのが、本当に正しいことなのか。
藍豪は瑞蜜会の指示で、類から家族も家も奪った。許せるはずはない。しかしこの命を助け、ここまで育ててくれたのも藍豪である。彼はとっくに、その罪を洗い流したのではないのか?
藍豪は自分の指を切り落としてまで、類を守ろうとしてくれた。こんな山奥に連れて来られて、無理やり躰を開かれたというのに、彼は自身のことよりも類のことを心配している。昔はあんなに大きく見えた背中が、今ではすぐそばにある。薄い布団の中でわけ合った体温を忘れたわけではない。藍豪のことを愛している。同時に、殺したいほど憎んでもいる。
憎しみと、情と、罪悪感とがぐちゃぐちゃに混ざり合い、類の脳をかき回す。足りない。阿片を大きく丸め直し、火をつける。肺を煙で満たし、類はやっと目を閉じた。
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