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第一章
迫り来る危機
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二日後。ガーレンさんの督促当日。俺たちは早朝ーよりはもう少し早めの時間帯にギルドを訪れていた。
その理由はコユキちゃんとアグラの冒険者登録だ。この二日間、防具やら、ポーションやらの確保に動いたものの、二人の冒険者とパーティ登録を忘れていた。という訳で今朝早めに起きて、ギルドで登録を行うことにした。
「あ、ユウマ様!今日は早いですね。」
受付嬢(名前はトリスと言うらしい)が俺たちに声をかける。
「そうですね、実はこの二人のパーティ登録をしたくて。」
「ああ、なるほど。じゃあ手続きの準備しちゃいますね。」
トリスは三十秒程席を離れ、色んな書類や魔道具を抱えて戻ってきた。中々重そうで、何度かよろめきながら、席に辿り着いた。
「えっとー、まずは書類の記入をお願いします。」
コユキちゃんの分は俺が書くことにしてーアグラの分は、自分で書いてもらうか。アグラに書類を記入するように促すと「えっ、私がやるの?」と文句を垂れていたのだが、アグラはコユキちゃんと違って読み書きが出来るんだから勘弁してほしい。
俺は渡された書類をさっと記入していく。名前はコユキっと、年齢は……適当に十八歳でいっか。うーん、すっごい適当になっちゃった。
「あの、すみません!」
「はい!どうされましたか?」
「私、ステータスが分からなくて……」
アグラは困った顔でトリスさんを見つめる。そうだったな。ギルドではステータスの測定はやってないんだった。
「あー、問題ありません!なら測定しちゃいましょう!」
え?測定!?俺が初めて登録したときは出来なかったはずなのに……
「実は最近、簡易ステータス測定の魔道具を『使い道がないから』と冒険者さんから頂いて、測定を行えるようになったんですよ。」
なんと。これなら相当冒険者になる人が増えるんじゃないか?記入必須事項であるステータスが分からなくて冒険者の道を断念する輩はかなり多いからな。
「じゃあアグラの分も記入しとくから、測定してきな。コユキちゃんもな。」
コクリと頷くと、アグラはコユキちゃんを連れてトリスさんの元へと向かった。
ステータスは奇妙な石板を用いて測定されていた。ただ、様子を見ていると、その測定は俺の鑑定程正確なものではなく、結構雑だ。せいぜい開示されるのはレベルと職業位だ。ただ、携帯出来そうだし使い勝手は良さそうだな。
他のステータス測定魔道具といえば、王城の水晶だな。あれならもう少し詳細なステータスが分かるが、あれは国宝級の魔道具らしく、よっぽどの事じゃないと使用されないらしい。
「はい、測定完了しました。コユキさん、強いですねー。レベル158で職業は上位魔術師なんて、白銀冒険者でも見かけませんよ!」
「はっはー!コユキはもちろん強い!当たり前なの!」
流石お調子者。少し褒められただけでこの喜び様だ。アグラも溜息を吐いてやれやれと首を横に振っている。そんなアグラのステータスはというとー
「アグラさんもすごいですね!レベル210!そして拳闘士とは!白銀冒険者トップクラスの実力ですよ!」
それを聞いたアグラはコユキを横目に嘲笑うかのように「フッ」と鼻で笑った。アグラ、どうやらコユキの喜び様にイラついていたらしい。
そして、この煽り行為を無視できる程大人でないコユキは、「テメェぶち殺すぞ行き遅れ女!」と大声で言い放つ。
だがアグラは揺るがない。自身の勝利を確信したアグラは罵声を浴びせるコユキをただ横目で見るだけ。これが大人の余裕ってやつか……しょうもな。
俺は二人を無視して書類の記入を進める。伝えられたステータスと職業を記入してっと、完成だな。完成した書類をトリスさんに確認してもらうと、問題ないようであっさりパーティ登録と冒険者登録を済ませられた。
「じゃあ、登録費と年会費を二人分の銀貨八枚を頂きますね。」
うっ、八万円位か。すごい出費だぜ……まぁ今は金にそれほど困っていないから銀貨八枚をさっさと支払って、登録を済ませた。
さてさて、そろそろ約束の時間だな。
時計を確認した俺たちは、緊張しつつも、奥の方の会議室へと足を進めた。
ドアをノックし、部屋に入ると、ガーレンさん、バンさんの他に、見知らぬパーティーが2組いた。
「ユウマ殿、お待ちしておりましたぞ。これで全員ですな!」
おっと、どうやら俺たちが最後の1組だったらしい。みんなどんだけ早く来たんだか。荷物を置いて着席すると、ガーレンさんは一度咳払いをし、ゆっくりと口を開いた。
「さて、本題に入りましょう。つい最近、オーウェン氏が暴走、そして討伐されたことは知っていますな。」
皆さんコクリと頷く。その様子を見たガーレンさんは続けて、「なら手間が省けますな。オーウェンの暴走の原因はズバリ、魔獣もしくは魔族化するカプセルだと調査で分かりました。その形状が種に似ているため、ギルドはこれを「魔種」と命名しました。そしてこの「魔種」の大量密輸が今日行われます。」
「つまりガーレンさん、その密輸を止めればいい訳だな?」見知らぬパーティのリーダー格?っぽい男が問う。
「その通りだ。この「魔種」は魔族化による身体能力の向上と同時に凶暴性も増加させると調べがつきました。この「魔種」が大量に王国内に流れ込んだら、混乱は必至です。だからこそ、皆さんを呼んだのです。」
「話は分かったぜ、ガーレンさん。で、この子連れはなんなんだ?」
「すまんフォルフェウス。紹介するのを忘れとったぞい。こちらは勇者のユウマ殿とその後一行じゃ。」
「おい!説明が足りないぜ!この赤子はなんなんだよ!」フォルフェウスは戸惑いを隠せずにいた。そりゃそうだ。国家の一大事に一歳くらいの赤子がいるんだ、その反応は正常だろう。
「ああ、この赤子も一応勇者なのよ。」
「勇者が二人?!そんなの聞いたこともないぜ!」
「確かに前代未聞じゃが、実力は保証する。」
「ガーレンさんがそう言うなら……」
「まあまあフォルフェウス殿、話を一旦戻しましょう。ガーレンさんも困っていらっしゃるわ。」もう一組のパーティのリーダー格の女が口を開く。
「ありがとう、シル。さて、話を戻すと、「魔種」の密輸者は合計六人、全員が武装している模様だ。現在は王都近郊の森を隠密魔法で隠れながら移動している。その六人は「魔種」が入っているだろう荷台を囲うような陣形をとっていて、鑑定士によると、魔導士が二人、戦士が四人だそうだ。実力はそれほどらしいが、念のため、君たち高ランク冒険者に依頼させてもらった。」
「で、ガーレンさん、報酬は?」報酬金がよっぽど気になるのか、随分真剣な様子でフォルフェウスが聞いた。
「もちろん弾ませてもらう。金貨十五枚でどうだ?」
「安すぎる。もう少し頼むぜ?こちとらダイヤ冒険者なんですよ。忙しい中予定を空けて来てるのに、十五枚じゃあ割に合わない。」
なんだこの男、金のことになると人が変わったように真面目だ。さっきまではギャーギャーうるさいだけだったのに。
「あの、」
「えっ、ああ、はい!」突然シルさんに話しかけられて、びっくりしてしまった。
「うふふ、突然話しかけてすみません。ダイヤランクパーティ『木槌』のリーダー、シルと言います。何卒、よろしくお願いします。」シルさんがぺこりと頭を下げると、他のメンバーもそれに追従して頭を下げる。
「自分は、ユウマって言います。後ろの機嫌が悪そうなのがアグラ、隣のチャイナドレスの子がコユキ、そしてこの寝てる子は息子のれいちゃんです。」
「ユウマさんですね。よろしくお願いします。それにしてもフォルフェウスったら、金のことになると人が変わるんだから。」
「確かに……一気に雰囲気が変わりましたよね。」
「あれでも一応ダイヤ冒険者最強の男なのにね。」
「そうなんですか!?」
「ええ、魔王直属四天王のパギスを一対一で倒した男ですからね。王国の顔ですよ。ただやっぱり金癖が悪いのが勿体無いですね。」
まじか。俺から見たら落ち着いてるシルさんの方が強そうに見えるんだけどな。しかもシルさん、無茶苦茶美人だし。
「なるほど……」
「あら、どうやら話がまとまったようですね。」
ガーレンさんは疲れた様子で頭を抱え、「えー、金貨30枚を報酬金とします。」と宣言した。フォルフェウスは満足気に笑みをこぼしている。
「まぁ、ガーレンよぉ、依頼は絶対成功させるから、安心して待ってな。」
「だといいんじゃがな……」
ガーレンさん、心中察します。
「じゃあ、移動する前に一応自己紹介をしておくか。まずはバン殿からお願いしますぞ……」
「うむ。私はアストレア王国宰相のバンと申す。昔は白銀冒険者だったので、戦闘時私に気を使う必要はない。よろしく頼む。」
パチパチとまばらな拍手が巻き起こる。なんか険悪な雰囲気だな。
「じゃあ次は俺で。俺はダイヤランクパーティ『獄門』のリーダー、フォルフェウスだ。そして後ろのちっこいエルフが魔法使いのエランダ、ムキムキのおじさんが狂戦士のパルデルだ。今回はよろしく。」
「では、次は私ですね。私も同じくダイヤランクパーティ『木槌』のリーダーシルです。一応ダークエルフと人間のハーフです。後ろの双子は盗賊のキルとキラ、この金髪の人は聖騎士のローレルです。今回はよろしくお願いします。」
「じゃあ最後はユウマ殿ですな。ユウマ殿、お願いしますぞ。」
「えーっと、初めまして、ユウマと申します。このパーティのリーダーです。後ろの赤髪の人がアグラ、その隣の子がコユキ、そしてこの寝てる子が息子のれいちゃんです。よろしくお願いします!」
パチパチパチ。バンさん、シルさんはニコニコと暖かく拍手をしてくれているが、フォルフェウス一行は気味悪そうにこちらを睨みつけている。どうやら俺たちの在り方に不満があるようだ。
「さて、自己紹介も終わりましたし、早速移動しましょう。時間は有限ですから、皆さん団結して、密輸を阻止しましょう!」
団結ね。フォルフェウスさん、さっきからこちらのことを物凄い形相で睨みつけているのよね。仲良くできるか、不安だな。
その理由はコユキちゃんとアグラの冒険者登録だ。この二日間、防具やら、ポーションやらの確保に動いたものの、二人の冒険者とパーティ登録を忘れていた。という訳で今朝早めに起きて、ギルドで登録を行うことにした。
「あ、ユウマ様!今日は早いですね。」
受付嬢(名前はトリスと言うらしい)が俺たちに声をかける。
「そうですね、実はこの二人のパーティ登録をしたくて。」
「ああ、なるほど。じゃあ手続きの準備しちゃいますね。」
トリスは三十秒程席を離れ、色んな書類や魔道具を抱えて戻ってきた。中々重そうで、何度かよろめきながら、席に辿り着いた。
「えっとー、まずは書類の記入をお願いします。」
コユキちゃんの分は俺が書くことにしてーアグラの分は、自分で書いてもらうか。アグラに書類を記入するように促すと「えっ、私がやるの?」と文句を垂れていたのだが、アグラはコユキちゃんと違って読み書きが出来るんだから勘弁してほしい。
俺は渡された書類をさっと記入していく。名前はコユキっと、年齢は……適当に十八歳でいっか。うーん、すっごい適当になっちゃった。
「あの、すみません!」
「はい!どうされましたか?」
「私、ステータスが分からなくて……」
アグラは困った顔でトリスさんを見つめる。そうだったな。ギルドではステータスの測定はやってないんだった。
「あー、問題ありません!なら測定しちゃいましょう!」
え?測定!?俺が初めて登録したときは出来なかったはずなのに……
「実は最近、簡易ステータス測定の魔道具を『使い道がないから』と冒険者さんから頂いて、測定を行えるようになったんですよ。」
なんと。これなら相当冒険者になる人が増えるんじゃないか?記入必須事項であるステータスが分からなくて冒険者の道を断念する輩はかなり多いからな。
「じゃあアグラの分も記入しとくから、測定してきな。コユキちゃんもな。」
コクリと頷くと、アグラはコユキちゃんを連れてトリスさんの元へと向かった。
ステータスは奇妙な石板を用いて測定されていた。ただ、様子を見ていると、その測定は俺の鑑定程正確なものではなく、結構雑だ。せいぜい開示されるのはレベルと職業位だ。ただ、携帯出来そうだし使い勝手は良さそうだな。
他のステータス測定魔道具といえば、王城の水晶だな。あれならもう少し詳細なステータスが分かるが、あれは国宝級の魔道具らしく、よっぽどの事じゃないと使用されないらしい。
「はい、測定完了しました。コユキさん、強いですねー。レベル158で職業は上位魔術師なんて、白銀冒険者でも見かけませんよ!」
「はっはー!コユキはもちろん強い!当たり前なの!」
流石お調子者。少し褒められただけでこの喜び様だ。アグラも溜息を吐いてやれやれと首を横に振っている。そんなアグラのステータスはというとー
「アグラさんもすごいですね!レベル210!そして拳闘士とは!白銀冒険者トップクラスの実力ですよ!」
それを聞いたアグラはコユキを横目に嘲笑うかのように「フッ」と鼻で笑った。アグラ、どうやらコユキの喜び様にイラついていたらしい。
そして、この煽り行為を無視できる程大人でないコユキは、「テメェぶち殺すぞ行き遅れ女!」と大声で言い放つ。
だがアグラは揺るがない。自身の勝利を確信したアグラは罵声を浴びせるコユキをただ横目で見るだけ。これが大人の余裕ってやつか……しょうもな。
俺は二人を無視して書類の記入を進める。伝えられたステータスと職業を記入してっと、完成だな。完成した書類をトリスさんに確認してもらうと、問題ないようであっさりパーティ登録と冒険者登録を済ませられた。
「じゃあ、登録費と年会費を二人分の銀貨八枚を頂きますね。」
うっ、八万円位か。すごい出費だぜ……まぁ今は金にそれほど困っていないから銀貨八枚をさっさと支払って、登録を済ませた。
さてさて、そろそろ約束の時間だな。
時計を確認した俺たちは、緊張しつつも、奥の方の会議室へと足を進めた。
ドアをノックし、部屋に入ると、ガーレンさん、バンさんの他に、見知らぬパーティーが2組いた。
「ユウマ殿、お待ちしておりましたぞ。これで全員ですな!」
おっと、どうやら俺たちが最後の1組だったらしい。みんなどんだけ早く来たんだか。荷物を置いて着席すると、ガーレンさんは一度咳払いをし、ゆっくりと口を開いた。
「さて、本題に入りましょう。つい最近、オーウェン氏が暴走、そして討伐されたことは知っていますな。」
皆さんコクリと頷く。その様子を見たガーレンさんは続けて、「なら手間が省けますな。オーウェンの暴走の原因はズバリ、魔獣もしくは魔族化するカプセルだと調査で分かりました。その形状が種に似ているため、ギルドはこれを「魔種」と命名しました。そしてこの「魔種」の大量密輸が今日行われます。」
「つまりガーレンさん、その密輸を止めればいい訳だな?」見知らぬパーティのリーダー格?っぽい男が問う。
「その通りだ。この「魔種」は魔族化による身体能力の向上と同時に凶暴性も増加させると調べがつきました。この「魔種」が大量に王国内に流れ込んだら、混乱は必至です。だからこそ、皆さんを呼んだのです。」
「話は分かったぜ、ガーレンさん。で、この子連れはなんなんだ?」
「すまんフォルフェウス。紹介するのを忘れとったぞい。こちらは勇者のユウマ殿とその後一行じゃ。」
「おい!説明が足りないぜ!この赤子はなんなんだよ!」フォルフェウスは戸惑いを隠せずにいた。そりゃそうだ。国家の一大事に一歳くらいの赤子がいるんだ、その反応は正常だろう。
「ああ、この赤子も一応勇者なのよ。」
「勇者が二人?!そんなの聞いたこともないぜ!」
「確かに前代未聞じゃが、実力は保証する。」
「ガーレンさんがそう言うなら……」
「まあまあフォルフェウス殿、話を一旦戻しましょう。ガーレンさんも困っていらっしゃるわ。」もう一組のパーティのリーダー格の女が口を開く。
「ありがとう、シル。さて、話を戻すと、「魔種」の密輸者は合計六人、全員が武装している模様だ。現在は王都近郊の森を隠密魔法で隠れながら移動している。その六人は「魔種」が入っているだろう荷台を囲うような陣形をとっていて、鑑定士によると、魔導士が二人、戦士が四人だそうだ。実力はそれほどらしいが、念のため、君たち高ランク冒険者に依頼させてもらった。」
「で、ガーレンさん、報酬は?」報酬金がよっぽど気になるのか、随分真剣な様子でフォルフェウスが聞いた。
「もちろん弾ませてもらう。金貨十五枚でどうだ?」
「安すぎる。もう少し頼むぜ?こちとらダイヤ冒険者なんですよ。忙しい中予定を空けて来てるのに、十五枚じゃあ割に合わない。」
なんだこの男、金のことになると人が変わったように真面目だ。さっきまではギャーギャーうるさいだけだったのに。
「あの、」
「えっ、ああ、はい!」突然シルさんに話しかけられて、びっくりしてしまった。
「うふふ、突然話しかけてすみません。ダイヤランクパーティ『木槌』のリーダー、シルと言います。何卒、よろしくお願いします。」シルさんがぺこりと頭を下げると、他のメンバーもそれに追従して頭を下げる。
「自分は、ユウマって言います。後ろの機嫌が悪そうなのがアグラ、隣のチャイナドレスの子がコユキ、そしてこの寝てる子は息子のれいちゃんです。」
「ユウマさんですね。よろしくお願いします。それにしてもフォルフェウスったら、金のことになると人が変わるんだから。」
「確かに……一気に雰囲気が変わりましたよね。」
「あれでも一応ダイヤ冒険者最強の男なのにね。」
「そうなんですか!?」
「ええ、魔王直属四天王のパギスを一対一で倒した男ですからね。王国の顔ですよ。ただやっぱり金癖が悪いのが勿体無いですね。」
まじか。俺から見たら落ち着いてるシルさんの方が強そうに見えるんだけどな。しかもシルさん、無茶苦茶美人だし。
「なるほど……」
「あら、どうやら話がまとまったようですね。」
ガーレンさんは疲れた様子で頭を抱え、「えー、金貨30枚を報酬金とします。」と宣言した。フォルフェウスは満足気に笑みをこぼしている。
「まぁ、ガーレンよぉ、依頼は絶対成功させるから、安心して待ってな。」
「だといいんじゃがな……」
ガーレンさん、心中察します。
「じゃあ、移動する前に一応自己紹介をしておくか。まずはバン殿からお願いしますぞ……」
「うむ。私はアストレア王国宰相のバンと申す。昔は白銀冒険者だったので、戦闘時私に気を使う必要はない。よろしく頼む。」
パチパチとまばらな拍手が巻き起こる。なんか険悪な雰囲気だな。
「じゃあ次は俺で。俺はダイヤランクパーティ『獄門』のリーダー、フォルフェウスだ。そして後ろのちっこいエルフが魔法使いのエランダ、ムキムキのおじさんが狂戦士のパルデルだ。今回はよろしく。」
「では、次は私ですね。私も同じくダイヤランクパーティ『木槌』のリーダーシルです。一応ダークエルフと人間のハーフです。後ろの双子は盗賊のキルとキラ、この金髪の人は聖騎士のローレルです。今回はよろしくお願いします。」
「じゃあ最後はユウマ殿ですな。ユウマ殿、お願いしますぞ。」
「えーっと、初めまして、ユウマと申します。このパーティのリーダーです。後ろの赤髪の人がアグラ、その隣の子がコユキ、そしてこの寝てる子が息子のれいちゃんです。よろしくお願いします!」
パチパチパチ。バンさん、シルさんはニコニコと暖かく拍手をしてくれているが、フォルフェウス一行は気味悪そうにこちらを睨みつけている。どうやら俺たちの在り方に不満があるようだ。
「さて、自己紹介も終わりましたし、早速移動しましょう。時間は有限ですから、皆さん団結して、密輸を阻止しましょう!」
団結ね。フォルフェウスさん、さっきからこちらのことを物凄い形相で睨みつけているのよね。仲良くできるか、不安だな。
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