異世界転移した俺の、美味しい異世界生活

yahagi

文字の大きさ
69 / 111

とろろそば屋とろろのプレオープン

しおりを挟む
 翌朝の朝食は、ベーコンエッグ、トマトサラダとクロワッサン。
 焼きたてのクロワッサンのカゴを机の中央に置き、紅茶を入れた。

「すげえいい匂いだ。頂きます……クロワッサン、うめえな。パリパリでいくらでも食える」

「いっぱい食べて。俺は木イチゴのジャムを乗っけて食べるよ。頂きます……うん、美味しい」

「ハヤトの作るもんは、どれも美味いな」

 リカルドはニッコリ笑って、次のクロワッサンに手を伸ばした。

 美味しい朝食が終わり、後片付けを済ませた後は、出勤だ。

「じゃあ、またあとでね」

「ああ。昼に食いに行くよ」

 俺達は玄関でチュッとキスをして、それぞれの場所へ歩き出した。

 俺は魔道具屋サンラクに来ていた。

「サンラクさん~、いませんか~」

「おう、ハヤト。プレオープンの招待状、ありがとうな。昼飯時になったら向かうぜ」

「お待ちしていますね。あの、今日はまた移動販売の調理車を作っていただきたくてやってきたんです」

 俺はクレープの移動販売車の構想を、なるべく細かく説明した。

「火元も必要だな。じゃあ、四日待ってくれるか。しっかり安全性のある移動車を作ってやる」

「ありがとうございます。宜しくお願い致します」

 俺はサンラクさんに頭を下げて、とろろそば屋とろろに向かった。

 ジルさんから制服を受け取り、報酬を手渡す。
 皆に休憩室で着替えて貰って、仕事を再開させた。
 カウンター担当は、掃除に精を出している。
 俺はキッチンに顔を出した。

「あっ、オーナー。仕込みは順調ですよー」

「わかった。今日はプレオープンだから、昼までヒマだと思うよ。宜しくね」

「はい、わかりました」

 やがて鐘10が鳴り、開店だ。
 暇なので、カウンター担当に好きなものをオーダーさせて、食べさせた。
 評判は上々。
 やっぱりとろろは美味しいのだ。

 さて、お昼時だ。
 初めにやってきたのは、アラブレヒトとご友人の8名だ。

「ちょっと大人数になっちゃったよ。ハヤトの新店舗は期待も大きくてね。雰囲気の良い店じゃないか。オープンおめでとう」

「ありがとう、アラブレヒト。皆さんもゆっくりしていって下さいね」

 次にやってきたのは、料理ギルドの6名だった。
 オーダーを取り終わってから、挨拶に出向く。

「ジノリンさん、皆さんも、お越しいただき、ありがとうございます。ゆっくりしていって下さいね」

「雰囲気の良い店だな、ハヤト。料理も期待しとるぞい。オープンおめでとう」

 俺はジノリンさんに頭を下げて、キッチンに戻った。
 一番オーダーが多いのは、とろろそばのようだ。
 出汁の良い香りが室内に充満する。

 あっ、リカルドと冒険者10名がやってきた。
 オーダーを取り終わってから、挨拶に出向く。

「いらっしゃい、リカルド。皆さんもどうぞごゆっくり」

「良い店だな、ハヤト。こいつらは俺の知り合いの冒険者だ。おい、ハヤトは俺の嫁だからな。ちょっかい出すんじゃねえぞ」

「へいへい。リカルドさんの奥さんに会えるなんて、嬉しいですよ」

「料理も美味そうなんで、期待してます。奥さんは料理上手だって聞いてますよ」

 俺の評判を聞いてるうちに、料理が出来上がったので、キッチンに下がった。

 次にやってきたのは、サンラクさんと、ご友人3名だ。
 オーダーを取り終わってから、サンラクさんに挨拶に出向く。

「サンラクさん、皆さん、お越しいただき、ありがとうございます」

「おお、ハヤト。とろろそばもうまそうだが、茶碗蒸しもうまそうだ! 食うのが楽しみじゃわい。店も雰囲気が良いな。がっはっはっは!」

 俺はサンラクさんに頭を下げて、キッチンに戻った。
 キッチン担当は忙しそうだ。

 最後に、冒険者ギルドのギルド長が4名でやってきた。
 その中にはあんこう鍋を教えた居酒屋の店主もいた。

「お越しいただき、ありがとうございます、ギルド長。ゆっくりしていって下さいね」

「お招き感謝する。いい店じゃないか。とろろを主体にした店なんて初めてだ」

「うちは今の所、鍋が大人気だからよぅ、感謝してるぜ、ハヤト」

「あはは。これから冬ですし、ますます鍋が美味しくなりますよ。今日はとろろを味わっていって下さい」

 俺はキッチンに引っ込んで、しばらくキッチンを眺めて過ごした。
 帰るお客様を見送って、全員が帰った後、俺達も昼食だ。

「ふわふわお好み焼きと茶碗蒸し!」

「とろろそばと、グレイトボアのステーキ」

「ふわふわお好み焼きと茶碗蒸しと、とろろご飯!」

 俺はグレイトボアのステーキと、とろろそばと、茶碗蒸しにした。

 皆で交代にお昼を食べて、清掃も終えて、今日は解散だ。

「明日から鐘10開店でオープンだ。閉店は鐘10。週休二日制で休みを入れる。店長は右端の……そう、彼に頼むので宜しく」

「はい、わかりました」

「明日も様子を見に来るよ。じゃあ、お疲れ様でした」

「お疲れ様でしたー」

 店を閉めて、チョコレート屋ピスタチオへ行く。
 店長のアレックスに話があって来たのだ。

「お疲れ様です、オーナー。マカロンはまだ出来ていません」

「うん。近日中にチョコレートを使ったおやつの屋台をやろうと思ってね。板チョコを多めに量産して欲しくて来たんだ」

「わかりました。参考までに、どんなおやつなんですか?」

「小麦粉で作った皮に、カスタードクリームとホイップクリームを塗って、チョコレートを垂らしてくるくる丸めたものだよ」

「食べてみたいです。作っていいですか?」

「いいとも。皮にも砂糖を入れて、ホイップクリームはハンドミキサーでツノが立つくらい泡立ててね」

「はい。少々お待ち下さい」

 アレックスとキッチン担当はあっと言う間に、クレープを作り上げた。

「どうぞ」

「頂きます……うん、美味い。ホイップクリームの甘さも丁度良いな」

「美味しいですね。今度まかないのおやつに作ります」

「そうしてくれ。ついでで悪いんだが、クレープ24個作ってくれないか。持ち帰りで」

「いいですよ。少々お待ち下さい」

 アレックスは手早くクレープを作ってくれた。
 俺はクレープ片手に支店に戻り、皆にクレープを配った。

「あら、美味しいわね。中のクリームとチョコがとってもマッチしてるわね」

 メリッサさんはニコニコしてクレープを食べてくれた。
 アラブレヒトは仕事中で、来客中だったので、差し入れのみ。
 
 俺は商業ギルドに向かい、到着した。
 求人窓口で俺は屋台の店主の求人を出した。
 条件は、道に詳しいこと。

 帰り道、ほっとする歌が聞こえてくる。

「いしや~きいも~。おいも~。いしや~きいも~。美味しいおいもだよ~」

「24個くれ。お疲れ様」

「オーナー、お疲れ様です。今包みますね」

 店主が芋を包んでいる間に、主婦たちが近寄ってきた。

「私は8本ちょうだい」

「私は4本ね」

「ありがとうございます」

 俺は芋を受け取ると、邪魔にならないように退散した。

 支店で再び芋を配っていた俺は、アラブレヒトに呼び出された。

「お疲れ様、アラブレヒト。石焼き芋をどうぞ」

「ありがとう。ハヤトに頼みたいのはね、キャラメルの作成なんだ。工場は今作ろうと話をしている所で、出立に間に合わない。最低100名分は欲しいんだけど、どう?」

「台所を使うから、数日休んでもいいかな。家で作ってくるよ」

「勿論良いよ。来週には出立したいと思ってるんだ。宜しく頼むね。……うん、石焼き芋、美味しいね。甘くてほくほくしているよ」

「今日は面接希望者が来るかもしれないから、支店にいるよ。明日からキャラメル量産に入るね」

 俺も石焼き芋を食べつつ、お茶を入れる。
 ゆっくりお茶を飲んだ後は、メリッサさんの手伝いをして過ごした。

「ハヤト、面接希望の女性が来ているわ」

「はい、今行きます」

 応接室に行くと、恰幅の良い女性がお茶を飲んでいた。
 俺は移動車販売になること、住宅街を中心に回って貰う事、クレープの歌を歌って貰うことなどを話した。

「体力には自信があるよ。是非やらせておくれよ。道には詳しいから任せておくれ!」

「わかりました、採用します。四日後に移動車が出来上がるので、そしたら呼びますね」

「わかりました、宜しくお願いします」

 女性は頭を下げて、出て行った。

 夕食時になり、俺はグレイトボアの炒めものを食べていた。
 ご飯をかっこみ、味噌汁をすする。
 相変わらず美味しい夕食を食べた。
 御馳走様でした。

 食後は、家に帰った。
 リカルドはもう帰ってきていた。

「リカルド、会いたかった。夕飯は食べた?」

「ああ。鳥の美味い店で食ってきた。一緒に風呂に入ろうぜ」

 リカルドと一緒にお風呂に入って、洗いっこする。
 泡を流して、湯船にゆっくり浸かった。
 お風呂上がり、ベッドルームでもつれ合う。
 舌を絡め、角度を変えて何度もキスをした。
 
 三発セックスして、心地よい疲労感に身を横たえる。
 リカルドに抱き締められ、舌を絡めてキスをした。
 リカルドの胸にすりつき、眠りにつく。
 ランプを消して、優しい闇に包まれて眠った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

2度目の異世界移転。あの時の少年がいい歳になっていて殺気立って睨んでくるんだけど。

ありま氷炎
BL
高校一年の時、道路陥没の事故に巻き込まれ、三日間記憶がない。 異世界転移した記憶はあるんだけど、夢だと思っていた。 二年後、どうやら異世界転移してしまったらしい。 しかもこれは二度目で、あれは夢ではなかったようだった。 再会した少年はすっかりいい歳になっていて、殺気立って睨んでくるんだけど。

【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件

白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。 最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。 いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした

リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。  仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!  原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!  だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。 「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」  死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?  原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に! 見どころ ・転生 ・主従  ・推しである原作悪役に溺愛される ・前世の経験と知識を活かす ・政治的な駆け引きとバトル要素(少し) ・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程) ・黒猫もふもふ 番外編では。 ・もふもふ獣人化 ・切ない裏側 ・少年時代 などなど 最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。

【完】心配性は異世界で番認定された狼獣人に甘やかされる

おはぎ
BL
起きるとそこは見覚えのない場所。死んだ瞬間を思い出して呆然としている優人に、騎士らしき人たちが声を掛けてくる。何で頭に獣耳…?とポカンとしていると、その中の狼獣人のカイラが何故か優しくて、ぴったり身体をくっつけてくる。何でそんなに気遣ってくれるの?と分からない優人は大きな身体に怯えながら何とかこの別世界で生きていこうとする話。 知らない世界に来てあれこれ考えては心配してしまう優人と、優人が可愛くて仕方ないカイラが溺愛しながら支えて甘やかしていきます。

捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~

水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。 死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!? 「こんなところで寝られるか!」 極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く! ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。 すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……? 「……貴様、私を堕落させる気か」 (※いいえ、ただ快適に寝たいだけです) 殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。 捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!

炊き出しをしていただけなのに、大公閣下に溺愛されています

ぽんちゃん
BL
 希望したのは、医療班だった。  それなのに、配属されたのはなぜか“炊事班”。  「役立たずの掃き溜め」と呼ばれるその場所で、僕は黙々と鍋をかき混ぜる。  誰にも褒められなくても、誰かが「おいしい」と笑ってくれるなら、それだけでいいと思っていた。  ……けれど、婚約者に裏切られていた。  軍から逃げ出した先で、炊き出しをすることに。  そんな僕を追いかけてきたのは、王国軍の最高司令官――  “雲の上の存在”カイゼル・ルクスフォルト大公閣下だった。 「君の料理が、兵の士気を支えていた」 「君を愛している」  まさか、ただの炊事兵だった僕に、こんな言葉を向けてくるなんて……!?  さらに、裏切ったはずの元婚約者まで現れて――!?

非力な守護騎士は幻想料理で聖獣様をお支えします

muku
BL
聖なる山に住む聖獣のもとへ守護騎士として送られた、伯爵令息イリス。 非力で成人しているのに子供にしか見えないイリスは、前世の記憶と山の幻想的な食材を使い、食事を拒む聖獣セフィドリーフに料理を作ることに。 両親に疎まれて居場所がないながらも、健気に生きるイリスにセフィドリーフは心動かされ始めていた。 そして人間嫌いのセフィドリーフには隠された過去があることに、イリスは気づいていく。 非力な青年×人間嫌いの人外の、料理と癒しの物語。 ※全年齢向け作品です。

処理中です...