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競いハヌーンは大人気?
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それから一週間が過ぎた。
餃子とロールキャベツ、鈴カステラと肉まん、あんまん、ピザまんの屋台も稼働させた。
スケート靴も出来上がった。
いつため池が凍っても大丈夫である。
競いハヌーンと競いスケートの話はトントン拍子に話が進み、騎士団と商業ギルドを巻き込んだ一大プロジェクトとなった。
建築ギルド総出で作った競いハヌーンのコースの周りには観覧席とVIP席が屋根付きでそびえ立ち、貴族の町長所有のハヌーンが競争の練習をしている。
ちなみに、ハヌーンを走らせているのは主に騎士団の面々で、これから町人も雇い入れていくのだという。
その中にはリカルドの友人の騎士団長の姿もあり、おまけにリカルドも練習に混ざっていた。
俺は発案者として召集され、その都度わかることを説明している。
ハヌーンはでっかいトカゲなので、上手く競争出来るのか不安だったが、ハヌーンにも性格があるらしく、競争に秀でたものが選び出された。
騎士団の面々も一生懸命練習している。
楕円形に作ったコースを三週走ることになっている。
このレースは雨天決行とのことで、雨の時にうまく走れるかも大事になってくる。
「やあ、ハヤト。何か気のついた事はあるかな?」
俺に話しかけてきたのは、町長の息子。
貴族なのに気さくな男だ。
「やあ、ハインケル。思ったんだけど、売店も併設する? それとも屋台を誘致する? 俺はおやつの移動屋台を呼び寄せようかと思ってるんだけど、アリかな」
「おお、大事な事だね。ここの競いハヌーン会場にしかないものをここの売店で売り、他は誘致しようと思う。ここでは何を売るべきだと思う?」
「そうだね。ホットドッグとポップコーンはどうだい? パンにソーセージを挟んでケチャップとマスタードをかけたものと、トウモロコシを加工したものさ」
「ぜひ作ろう。パンも焼く必要があるな。VIP席の近くに売店を作るよ」
「あとは、新聞ってあるの? そこに予想屋とか、競いハヌーンの記事を載っけたらいいんじゃないかと思うよ」
「新聞はあるよ。予想屋は乱立する予想なんだ。競いハヌーンのコラムを書かせる。いやあ、この町おこしは成功間違いなしだね。ほら見て、リカルドが一位だよ」
「うわあ、すごい。騎士団の面々も凄いのに、やるなあ、リカルド」
「冒険者も数名参加予定だ。来週テスト走行をして、問題なければ本運営に入る。新聞だけでなく、各ギルドに告知を出すから、人は集まるはずだ」
「それは良かった。商業ギルドはお金の分配を担ってくれるそうだね」
「ああ。数日は父が大金を賭ける。配当金も期待できるよ。ハヤトも賭けてみたらどうだい?」
「そうだね。初日はVIP席で観戦させて貰えるそうだから、いくつか賭けてみようと思っているよ」
「引っ張り回してすまないね。アラブレヒトにはよく礼をしておくよ」
ハインケルはにこりと笑い、侍従を呼んだ。
俺は侍従にホットドッグの作り方と、ポップコーンの作り方を教えた。
ポップコーンの方には魔道具が必要だ。
侍従は丁寧にメモを取り、礼をして下がった。
「あっ、ハヤト。騎士団長が勝ったよ。俺はルナウドのファンでね。彼が脚光を浴びる機会が出来て喜んでいるんだ。ルナウドは競いスケートの方にも出るよ」
「そうなんだ。激戦になりそうだね」
「なにしろため池が凍らないと練習も出来ない。ただ、靴は先に確保できるから、今のうちに大量に作っておくよ」
「俺も靴だけは作ってあるんだ。競いスケートも楽しみだね」
「競いスケートも屋台を誘致しなければね。ハヤトの屋台もこっちに出して良いからね。俺はペペロンチーノが好きなんだ」
「わかった。パスタの屋台をこっちに呼ぶよ。後はどれくらい人が集まるかによるね」
「当日を楽しみにしようじゃないか。騎士団の面々はやはり精鋭ばかりだし、期待できる。ハヤト、ケインは競いハヌーンに出ないから安心して欲しい」
「ありがとう、ハインケル」
そうしてハインケルは去っていった。
俺は爆走するリカルドを見つめて、頬を緩めた。
一日中競いハヌーンの調整に費やし、家に帰る。
リカルドはあんなに激しくハヌーンを走らせていたのに、ケロリとしている。
俺は調理しながら、上機嫌のリカルドを見やった。
「いやあ、楽しかった! ルナウドと戦えるのがまた良いな。さすがに強くて手こずっちまった。明日もハヌーンを走らせるぜ! アラブレヒトは走者をやらないんだってな」
「商会の仕事があるからね。賭ける方はやる気満々だったから、当日を楽しみにしているよ」
俺はじゃがいもを切って揚げながら、照り焼きハンバーガーを作った。
揚げたてのフライドポテトに塩をふって、完成。
「さあ、どうぞ。照り焼きハンバーガーセット。屋台を出そうかと思ってるメニューなんだ。エールもあるよ」
「ごくっごくっごくっ、ぷはーっ。この塩振った芋が美味いな。照り焼きハンバーガーも美味いぞ。あまじょっぱい味付けが絶妙だな」
俺も自分の分にかじりついた。
うーん、美味しい。
肉汁たっぷりのハンバーグが食べ応えある。
リカルドは二つ食べて、フライドポテトをかじった。
エールが美味しい。
幸せな夜は静かに更けていった。
翌日もリカルドは競いハヌーン会場だ。
俺は新しい屋台の手配で、支店に出社した。
「おはよう、ハヤト。競いハヌーンのほうは、もう良いのかい?」
「うん。あとは当日を迎えるばかりさ。俺は競いハヌーン用に屋台を出そうと思ってるんだ」
「いいね。ハインケルからも屋台の誘致を頼まれてる。半分ぐらい移動させる事になるよ」
「本当に一大プロジェクトだね。町の人のほとんどが競いハヌーンを見に行くんじゃないかな。掛け金も凄いことになりそうだ」
俺は冬の娯楽のなさをナメていたのかもしれない。
賭け事をする人間なんて、一握りだろうなんて思っていたが甘かった。
本運営開始日からは、拡声器を使った実況も用いられる。
俺が実況はあったほうが面白いと言ったのだ。
それで、なんと楽団もまるまる一個、応援に演奏をしてくれると言う。
フルオーケストラの応援を受けて走る若きスターは騎士団員の皆さんだ。
特に騎士団長は要チェック。
リカルドにも勝つ強豪選手だ。
「なんか、ため池のほうでも観覧席が作られているそうだよ。今年の冬は、雪が溶けるくらい、賭け事に熱くなるかもしれないね」
「なんか、俺が思ってたより大規模になっている気がするよ」
「ハヤト。競いハヌーンはこの町の最新コンテンツだよ。皆楽しみにしてるんだ。勿論俺も、凄く楽しみさ」
アラブレヒトはニッコリ笑った。
その後は新しい屋台の店主にレシピを伝えて、競いハヌーン当日から店を出して欲しいと頼んだ。
店主も競いハヌーンを知っていて、2、3レースは賭けるんだと話していた。
パスタの店主、ラーメンの店主、うどんの店主、焼きそばの店主、あとおやつの店主に声をかけて、競いハヌーン会場で売って貰えるように頼んだ。
皆競いハヌーンを楽しみにしているようで、休憩時間に賭けに行くんだと話していた。
昼ご飯は肉うどん。
メリッサさんの関心ももっぱら競いハヌーンである。
「ハヤト、強い人は誰?」
「リカルドと騎士団長が強かったよ。当日はリカルドいないけどね。騎士団は精鋭ばかりで、当日が楽しみな所だよ」
「ああ~。悩むわね。当日の予想屋の記事を読んでから決めようかしら。新聞ではね、今日から競いハヌーンのコラムが始まったわよ。ああ、早く見に行きたいわ!」
そんなに賭け事が特別好きではないメリッサさんがこの有様である。
支店の従業員もどこかソワソワしており、落ち着きがない。
競いハヌーンは多くの人の期待に押されて、この町一番のホットスポットと化していた。
その夜、帰宅したリカルドは、金貨の入った、ずっしりと重みのある麻袋を手渡してきた。
「ルナウドが出るレースに賭けてくれ。あいつ、初日に勝ったら結婚を許すって言われたそうで、燃えてんだ。事故にだけは気をつけろって言っといたけど、すげえ集中力だった」
「わかった、預かるね。リカルドは明日出立だもんね。俺が代わりに儲けておくよ。騎士団長はリカルドにも勝つんだもの。きっと勝ってくれるよ」
「俺も出場してえ。帰ってきてからの楽しみにするさ。その頃には競いスケートも出来てる筈だしな。二ヶ月後、俺が帰ってくるまで浮気すんなよ」
「浮気しないから安心して。リカルドも浮気は駄目だよ。先っぽも入れちゃダメ。わかった?」
「ああ、わかってる。俺はハヤトだけだよ。一緒に風呂に入ろうぜ」
「うんっ!」
俺はリカルドと一緒にお風呂に入り、湯船に浸かった。
お風呂上がりは、リカルドと三発セックスした。
最高に気持ち良かった。
翌日、リカルドはお弁当を持って出立していった。
寂しいけど、仕方ない。
俺は出社して競いハヌーンの調整に力を注いだ。
ホットドッグとポップコーンの試作が出来上がってきた。
どちらも美味しく出来ていたので、オッケーを出す。
売店ではエールなどお酒も売られる事になった。
いよいよ競いハヌーン会場は、予想屋や実況者が入り浸り、どんどん人が増えていく。
それから四日経過し、テスト走行も無事に終わった。
明日はとうとう競いハヌーン本運営開始日である。
俺は朝から競いハヌーン会場にいた。
テスト走行の今日は霧雨が降っていたが、騎士団の面々と、冒険者は難なく走りきった。
特に騎士団長は素晴らしい。
6ゲーム中、4ゲームで勝ち、その強さを見せ付けた。
鐘5つ、支店に戻ると、マカロニグラタンを用意したメリッサさんに出迎えられた。
「お疲れ様、ハヤト。今日はテスト走行だったんでしょ。どうだった?」
「騎士団長が素晴らしかったですね。6ゲーム中4ゲーム勝ちました。俺は明日、騎士団長に賭けますよ」
俺はマカロニグラタンを食べながら、今日のテスト走行を思い返した。
「ブラウンていう冒険者と、キースっていう騎士団員も勝ちました。なんていうか、細身の走者が有利かと思っていたんですよ。でも、厳ついガッチリした人が勝ってますね」
「ハヌーンは耐久力があるからね。貴族の持つハヌーンは特別速いのもいるって聞くわ。ああ、明日が待ちきれないわ!」
静かにしてるアラブレヒトを見ると、にっこり微笑まれた。
「社長は落ち着いてるように見えるけど、今日銀行からお金を引き出してたわ。わくわくしてるのが丸わかりよ。明日は従業員もお休みで、競いハヌーンを見に行くわ!」
「俺とハヤトはVIP席で観戦だね。メリッサ、皆のことを頼むよ」
「任せておいて! 社長はぜひ勝ってきて下さいね」
メリッサさんは輝く笑顔で請け負い、ドンと胸を叩いた。
俺は明日がより楽しみになってきた。
俺はマカロニグラタンを食べながら、明日の競いハヌーンに思いを馳せた。
餃子とロールキャベツ、鈴カステラと肉まん、あんまん、ピザまんの屋台も稼働させた。
スケート靴も出来上がった。
いつため池が凍っても大丈夫である。
競いハヌーンと競いスケートの話はトントン拍子に話が進み、騎士団と商業ギルドを巻き込んだ一大プロジェクトとなった。
建築ギルド総出で作った競いハヌーンのコースの周りには観覧席とVIP席が屋根付きでそびえ立ち、貴族の町長所有のハヌーンが競争の練習をしている。
ちなみに、ハヌーンを走らせているのは主に騎士団の面々で、これから町人も雇い入れていくのだという。
その中にはリカルドの友人の騎士団長の姿もあり、おまけにリカルドも練習に混ざっていた。
俺は発案者として召集され、その都度わかることを説明している。
ハヌーンはでっかいトカゲなので、上手く競争出来るのか不安だったが、ハヌーンにも性格があるらしく、競争に秀でたものが選び出された。
騎士団の面々も一生懸命練習している。
楕円形に作ったコースを三週走ることになっている。
このレースは雨天決行とのことで、雨の時にうまく走れるかも大事になってくる。
「やあ、ハヤト。何か気のついた事はあるかな?」
俺に話しかけてきたのは、町長の息子。
貴族なのに気さくな男だ。
「やあ、ハインケル。思ったんだけど、売店も併設する? それとも屋台を誘致する? 俺はおやつの移動屋台を呼び寄せようかと思ってるんだけど、アリかな」
「おお、大事な事だね。ここの競いハヌーン会場にしかないものをここの売店で売り、他は誘致しようと思う。ここでは何を売るべきだと思う?」
「そうだね。ホットドッグとポップコーンはどうだい? パンにソーセージを挟んでケチャップとマスタードをかけたものと、トウモロコシを加工したものさ」
「ぜひ作ろう。パンも焼く必要があるな。VIP席の近くに売店を作るよ」
「あとは、新聞ってあるの? そこに予想屋とか、競いハヌーンの記事を載っけたらいいんじゃないかと思うよ」
「新聞はあるよ。予想屋は乱立する予想なんだ。競いハヌーンのコラムを書かせる。いやあ、この町おこしは成功間違いなしだね。ほら見て、リカルドが一位だよ」
「うわあ、すごい。騎士団の面々も凄いのに、やるなあ、リカルド」
「冒険者も数名参加予定だ。来週テスト走行をして、問題なければ本運営に入る。新聞だけでなく、各ギルドに告知を出すから、人は集まるはずだ」
「それは良かった。商業ギルドはお金の分配を担ってくれるそうだね」
「ああ。数日は父が大金を賭ける。配当金も期待できるよ。ハヤトも賭けてみたらどうだい?」
「そうだね。初日はVIP席で観戦させて貰えるそうだから、いくつか賭けてみようと思っているよ」
「引っ張り回してすまないね。アラブレヒトにはよく礼をしておくよ」
ハインケルはにこりと笑い、侍従を呼んだ。
俺は侍従にホットドッグの作り方と、ポップコーンの作り方を教えた。
ポップコーンの方には魔道具が必要だ。
侍従は丁寧にメモを取り、礼をして下がった。
「あっ、ハヤト。騎士団長が勝ったよ。俺はルナウドのファンでね。彼が脚光を浴びる機会が出来て喜んでいるんだ。ルナウドは競いスケートの方にも出るよ」
「そうなんだ。激戦になりそうだね」
「なにしろため池が凍らないと練習も出来ない。ただ、靴は先に確保できるから、今のうちに大量に作っておくよ」
「俺も靴だけは作ってあるんだ。競いスケートも楽しみだね」
「競いスケートも屋台を誘致しなければね。ハヤトの屋台もこっちに出して良いからね。俺はペペロンチーノが好きなんだ」
「わかった。パスタの屋台をこっちに呼ぶよ。後はどれくらい人が集まるかによるね」
「当日を楽しみにしようじゃないか。騎士団の面々はやはり精鋭ばかりだし、期待できる。ハヤト、ケインは競いハヌーンに出ないから安心して欲しい」
「ありがとう、ハインケル」
そうしてハインケルは去っていった。
俺は爆走するリカルドを見つめて、頬を緩めた。
一日中競いハヌーンの調整に費やし、家に帰る。
リカルドはあんなに激しくハヌーンを走らせていたのに、ケロリとしている。
俺は調理しながら、上機嫌のリカルドを見やった。
「いやあ、楽しかった! ルナウドと戦えるのがまた良いな。さすがに強くて手こずっちまった。明日もハヌーンを走らせるぜ! アラブレヒトは走者をやらないんだってな」
「商会の仕事があるからね。賭ける方はやる気満々だったから、当日を楽しみにしているよ」
俺はじゃがいもを切って揚げながら、照り焼きハンバーガーを作った。
揚げたてのフライドポテトに塩をふって、完成。
「さあ、どうぞ。照り焼きハンバーガーセット。屋台を出そうかと思ってるメニューなんだ。エールもあるよ」
「ごくっごくっごくっ、ぷはーっ。この塩振った芋が美味いな。照り焼きハンバーガーも美味いぞ。あまじょっぱい味付けが絶妙だな」
俺も自分の分にかじりついた。
うーん、美味しい。
肉汁たっぷりのハンバーグが食べ応えある。
リカルドは二つ食べて、フライドポテトをかじった。
エールが美味しい。
幸せな夜は静かに更けていった。
翌日もリカルドは競いハヌーン会場だ。
俺は新しい屋台の手配で、支店に出社した。
「おはよう、ハヤト。競いハヌーンのほうは、もう良いのかい?」
「うん。あとは当日を迎えるばかりさ。俺は競いハヌーン用に屋台を出そうと思ってるんだ」
「いいね。ハインケルからも屋台の誘致を頼まれてる。半分ぐらい移動させる事になるよ」
「本当に一大プロジェクトだね。町の人のほとんどが競いハヌーンを見に行くんじゃないかな。掛け金も凄いことになりそうだ」
俺は冬の娯楽のなさをナメていたのかもしれない。
賭け事をする人間なんて、一握りだろうなんて思っていたが甘かった。
本運営開始日からは、拡声器を使った実況も用いられる。
俺が実況はあったほうが面白いと言ったのだ。
それで、なんと楽団もまるまる一個、応援に演奏をしてくれると言う。
フルオーケストラの応援を受けて走る若きスターは騎士団員の皆さんだ。
特に騎士団長は要チェック。
リカルドにも勝つ強豪選手だ。
「なんか、ため池のほうでも観覧席が作られているそうだよ。今年の冬は、雪が溶けるくらい、賭け事に熱くなるかもしれないね」
「なんか、俺が思ってたより大規模になっている気がするよ」
「ハヤト。競いハヌーンはこの町の最新コンテンツだよ。皆楽しみにしてるんだ。勿論俺も、凄く楽しみさ」
アラブレヒトはニッコリ笑った。
その後は新しい屋台の店主にレシピを伝えて、競いハヌーン当日から店を出して欲しいと頼んだ。
店主も競いハヌーンを知っていて、2、3レースは賭けるんだと話していた。
パスタの店主、ラーメンの店主、うどんの店主、焼きそばの店主、あとおやつの店主に声をかけて、競いハヌーン会場で売って貰えるように頼んだ。
皆競いハヌーンを楽しみにしているようで、休憩時間に賭けに行くんだと話していた。
昼ご飯は肉うどん。
メリッサさんの関心ももっぱら競いハヌーンである。
「ハヤト、強い人は誰?」
「リカルドと騎士団長が強かったよ。当日はリカルドいないけどね。騎士団は精鋭ばかりで、当日が楽しみな所だよ」
「ああ~。悩むわね。当日の予想屋の記事を読んでから決めようかしら。新聞ではね、今日から競いハヌーンのコラムが始まったわよ。ああ、早く見に行きたいわ!」
そんなに賭け事が特別好きではないメリッサさんがこの有様である。
支店の従業員もどこかソワソワしており、落ち着きがない。
競いハヌーンは多くの人の期待に押されて、この町一番のホットスポットと化していた。
その夜、帰宅したリカルドは、金貨の入った、ずっしりと重みのある麻袋を手渡してきた。
「ルナウドが出るレースに賭けてくれ。あいつ、初日に勝ったら結婚を許すって言われたそうで、燃えてんだ。事故にだけは気をつけろって言っといたけど、すげえ集中力だった」
「わかった、預かるね。リカルドは明日出立だもんね。俺が代わりに儲けておくよ。騎士団長はリカルドにも勝つんだもの。きっと勝ってくれるよ」
「俺も出場してえ。帰ってきてからの楽しみにするさ。その頃には競いスケートも出来てる筈だしな。二ヶ月後、俺が帰ってくるまで浮気すんなよ」
「浮気しないから安心して。リカルドも浮気は駄目だよ。先っぽも入れちゃダメ。わかった?」
「ああ、わかってる。俺はハヤトだけだよ。一緒に風呂に入ろうぜ」
「うんっ!」
俺はリカルドと一緒にお風呂に入り、湯船に浸かった。
お風呂上がりは、リカルドと三発セックスした。
最高に気持ち良かった。
翌日、リカルドはお弁当を持って出立していった。
寂しいけど、仕方ない。
俺は出社して競いハヌーンの調整に力を注いだ。
ホットドッグとポップコーンの試作が出来上がってきた。
どちらも美味しく出来ていたので、オッケーを出す。
売店ではエールなどお酒も売られる事になった。
いよいよ競いハヌーン会場は、予想屋や実況者が入り浸り、どんどん人が増えていく。
それから四日経過し、テスト走行も無事に終わった。
明日はとうとう競いハヌーン本運営開始日である。
俺は朝から競いハヌーン会場にいた。
テスト走行の今日は霧雨が降っていたが、騎士団の面々と、冒険者は難なく走りきった。
特に騎士団長は素晴らしい。
6ゲーム中、4ゲームで勝ち、その強さを見せ付けた。
鐘5つ、支店に戻ると、マカロニグラタンを用意したメリッサさんに出迎えられた。
「お疲れ様、ハヤト。今日はテスト走行だったんでしょ。どうだった?」
「騎士団長が素晴らしかったですね。6ゲーム中4ゲーム勝ちました。俺は明日、騎士団長に賭けますよ」
俺はマカロニグラタンを食べながら、今日のテスト走行を思い返した。
「ブラウンていう冒険者と、キースっていう騎士団員も勝ちました。なんていうか、細身の走者が有利かと思っていたんですよ。でも、厳ついガッチリした人が勝ってますね」
「ハヌーンは耐久力があるからね。貴族の持つハヌーンは特別速いのもいるって聞くわ。ああ、明日が待ちきれないわ!」
静かにしてるアラブレヒトを見ると、にっこり微笑まれた。
「社長は落ち着いてるように見えるけど、今日銀行からお金を引き出してたわ。わくわくしてるのが丸わかりよ。明日は従業員もお休みで、競いハヌーンを見に行くわ!」
「俺とハヤトはVIP席で観戦だね。メリッサ、皆のことを頼むよ」
「任せておいて! 社長はぜひ勝ってきて下さいね」
メリッサさんは輝く笑顔で請け負い、ドンと胸を叩いた。
俺は明日がより楽しみになってきた。
俺はマカロニグラタンを食べながら、明日の競いハヌーンに思いを馳せた。
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