異世界転移した俺の、美味しい異世界生活

yahagi

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騎士団長は強い

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 翌日の朝食は、オムレツと豆腐サラダと、バタートースト。
 ゆっくり食べて、支店に向かった。
 
「やあ、リカルドじゃないか。いつからレースに出るんだい? ぜひ賭けたいな」

「ハヤトの連休が終わったらレースに出ようと思ってる。今日は競いハヌーンを見てくるよ」

「今の所、走者はほとんど固定だから、予想屋の予想も悪くないよ」

「そうか。まぁ、俺はルナウドに賭けるからな。他はおいおいで良いさ」

「騎士団長は強いね。ほぼ勝つんだけど、ハヌーンの休息なのか、負けるときがある。その時に誰が勝つのかが俺の狙い目だよ」

「アラブレヒトは全勝してるんだ。凄く稼いでいるんだよ」

「そりゃあすげえな。じゃあハヤト、行くか」

「うんっ」

 アラブレヒトに挨拶して、無事連休が貰えた俺は、リカルドと一緒に競いハヌーン会場へやってきた。
 朝から凄い人出である。
 リカルドと俺はポップコーンとエールを買って、VIP席へ入った。
 リカルドもハインケルの計らいでVIP対応なのである。

「このポップコーンって、独特の食感で美味いな。塩味がきいてて、後を引く美味さだ」

「美味しいよねっ。俺も大好きなんだ」

 そして、貴族の紳士が5名程やってきた。
 貴族は最前列に座り、俺達はその後ろに座る。

 やがて賭け窓口の担当者がやってきて、貴族は次々にお金を賭けた。

「俺は1番に金貨1000枚賭ける」

「ええっ! 凄い金額だね、リカルド。俺は1番に金貨50枚賭けます」

「かしこまりました」

 賭け窓口の担当者が去り、走者はハヌーンにまたがり、ずらりと並んでいる。
 高らかなラッパが吹き鳴らされ、開始の鐘が……鳴った!

 実況がマイク片手に喋り出す。

「さあ、始まりました第1レース。2番ヨーデルが前に出たぁっ! 2位5番エプリコット、3位6番ミダル!」

「さあコーナーに差し掛かりました。おおっと順位は変わらず。しかし4番ブラウンが追い上げる!」

 実況の喋りを注意深く聞いているリカルド。
 そして現状に変化が訪れた。

「4番ブラウンが3位に入った! ここで2周目に入ります! おおーっと、6番ミダルが2位に入りました! 1位は依然と2番ヨーデル!」

「物凄いスピードです! ああっ! 4番ブラウンが追い上げる! なんと二人抜き、1位に踊り出ました! 1位4番ブラウン、2位6番ミダル、3位2番ヨーデル!」

 1番ルナウド騎士団長は5位だ。
 きっとルナウド騎士団長のハヌーンは、最後に力を発揮するのだろう。
 さぁ、3周目に入ったぞ。

「3周目に入りました。そしてコーナーを曲がり、直線で追い上げるは、1番ルナウド騎士団長だーっ! 速い速い、あっという間に3位に追いついた。そして2位に入りました! 同時に4番ブラウンが加速していきます!」

「コーナーで減速、さあ小回りのきいたハヌーンさばきを見せつけたのは、4番ブラウン、次いで1番ルナウド騎士団長、3位6番ミダル!」

 最後のコーナーを曲がり、後は直線だ。
 ここで1番ルナウド騎士団長が、怒涛の追い上げを見せた。

「おおーっと、1番ルナウド騎士団長が速い! 逃げる4番ブラウン、しかし抜かれたーっ! 1位は1番ルナウド騎士団長、2位4番ブラウン、3位6番ミダルでゴォーーーール!」

「第1レースが終了致しました。さあ、第2レースに向けて休憩に入ります」

 俺はにっこりとリカルドに笑いかけた。

「やったね、リカルド」

「おう。まだまだこれからだ」

 払い戻しは3倍だ。
 リカルドは次も金貨1000枚賭けた。
 俺は金貨50枚を、1番と4番に賭けた。

 第2レースの勝者は、4番ブラウン。
 払い戻しは4倍だ。
 俺は当たって小金持ちになった。

 リカルドは第3レースも騎士団長に金貨1000枚賭けた。
 俺は金貨100枚を1番に賭けた。

 さて、結果は1番ルナウド騎士団長の勝ち。
 払い戻しは3倍である。
 リカルドは増えた金貨を見つめて、にやりと笑った。

「第4レースからは面子が変わるんだろ? ルナウドは出るみたいだけどな」

「ええとね、1番ルナウド騎士団長、2番キース、3番ウェイト、4番ブラウン、5番ガリウス、6番ミダル。俺は6番ミダルが気になってるんだ」

 俺達はホットドッグを食べながら、しばし雑談を楽しんだ。

「このホットドッグ、でかい腸詰め肉が入ってて、マスタードがぴりっときいてる。ケチャップが合っててかなり美味いな」

 リカルドは2つ目のホットドッグにかぶりつきながら、にっこり笑った。

「ルナウドに賭けてりゃあ、最終的には得をしそうだ。あとはいくら突っ込むかだな」

「いくら賭けるかもレースの醍醐味だよね。俺は1番と6番に金貨100枚ずつ賭けるよ」

「俺はルナウドに金貨3000枚賭ける。運が良けりゃあ、勝てるだろう」

 リカルドの突っ込む金額が凄まじい。
 賭け窓口の担当者は、二人がかりで運んでいた。

 貴族も1番に賭ける人が多いみたい。
 走者入場で、凄い声援が聞こえてきた。

「ルナウド騎士団長ーっ! 勝ってくれ、へそくりを賭けた!」

「キース! 応援してるぞーっ!」

「行けーっ! ミダル、頑張れーっ!」

 どうやら走者には、それぞれファンがいるようだ。
 走者は手を振ってアピールし、ハヌーンにまたがった。
 楽団のラッパが高らかに鳴り響き、開始の鐘が鳴った。

「さあ始まりました、第4レース。午前中とは顔ぶれが若干変わりました。さあ1位は3番ウェイト、2位5番ガリウス、3位2番キース!」

「後半に追い抜かれる印象が強いですが、1周目、1位は3番ウェイトです! このまま逃げきれるのか、大注目ですね」

 実況が言っていたとおり、勝負は3周目に入ってからだ。
 2周目までは捨ててもいいだろう。

「さあ2周目、順位は変わらず! しかし4番ブラウンが上がってきた! おおっと3位に4番ブラウンが食い込んだ!」

「直線コースです。おおっと最下位6番ミダル、猛烈な追い上げを見せました! そしてなんと! 1位です! 1位6番ミダル、2位3番ウェイト、3位5番ガリウス!」

 1番ルナウド騎士団長は、最下位。
 ここから巻き返せるかどうか。

「さて、3周目です。やはりというか、1番ルナウド騎士団長が追い上げてきたーっ! 速い速い! 素晴らしいコーナリングを見せつけました!」

「さあ、最後の直線です! なんと1位ルナウド騎士団長、2位6番ミダル、3位3番ウェイト! この順位のままゴォーーーール! 圧巻の強さを見せつけました、1番ルナウド騎士団長!」

 俺はリカルドに笑いかけた。

「やったね、払い戻しは3倍だって」

「金貨1万枚突っ込むのも楽しそうだが、素寒貧になる予感がするぜ。次は金貨1000枚にしておく」

「それもすごい枚数だね」

 俺は金貨100枚を1番と6番に賭けたよ。
 第5ゲームは6番ミダルの勝利。
 第6ゲームは1番ルナウド騎士団長の勝利で終わった。

 リカルドと俺は重くなった鞄を持って、VIP席を出た。
 そして走者控え室へ。
 リカルドだとわかると、ルナウド騎士団長は快く中へ入れてくれた。

「リカルド、久しぶりだな! もう雪が降るし、しばらくこの町にいるんだろう?」

「ああ。一ヶ月過ごす予定だ。三日後からレースに出てえんだが、どこで手続きすりゃあいい?」

「俺がやっておくよ。三日後から競いハヌーンに出てくれ。まだスケートはやってないのか?」

「ああ。明日見に行く」

「明日だと俺はいないぞ。今日は儲けたか?」

「バッチリだ。鞄が金貨でパンパンさ。俺もそんな走者になってやるよ」

「俺はしばらく競いハヌーンに出ることになってる。来週第三王子が公式訪問されるのは聞いたか? その時は王子の予定に合わせて競いハヌーンと、競いスケート、両方出る。お前もエントリーしておくから、いつでも出れるように練習しておけよ」

「わかった。俺もお前と戦いてえ。競いスケートの方も出たいから、宜しく頼む。練習しておくよ」

 リカルドとルナウド騎士団長は、拳をぶつけ合って笑い合った。

 外に出て、暗くなり始めた道を手を繋いで歩く。
 頬が冷たいし、吐く息も白い。
 もうすぐ雪が降るだろう。
 雪の中、公式訪問に来る王子様も大変だ。
 
 今夜はすき焼きなので、お肉とお豆腐とお野菜、新鮮な鑑定済み卵を買って帰る。
 重い金貨はリカルドが持ってくれたので、俺は肉などを持った。
 家に帰り、ご飯を炊く。
 その間に野菜を切り、豆腐を焼き、鍋に具材を入れた。
 机に卓上コンロを用意して、鍋を置く。
 溶き卵を用意して、完成だ。
 ご飯も配膳して、リカルドを呼んだ。

「おう、うまそうだな」

「すき焼きっていう料理だよ。溶き卵につけて食べてみてね」

「頂きます……へえ、溶き卵でマイルドになるんだな。肉がうめえ」

 リカルドはたっぷり肉を食べると、ご飯を食べて、野菜を食べた。

「ねぎが甘くてたまんねえな。春菊もうめえ。鍋って最高だな」

 俺はフーフーして豆腐を食べながら、追加の具材を入れた。
 三回ぐらいたっぷりお肉と野菜を追加しては食べて、鍋がすっからかんになった所で、〆のうどんを入れた。
 ぐつぐつ煮込んで、リカルドと二人で食べる。
 大満足の夕食で、リカルドも上機嫌だ。

 食後は後片付けをした後、一緒にお風呂に入った。
 洗いっこして、湯船に浸かる。
 お風呂上がりはベッドルームで、3発セックスした。
 最高に気持ち良かった。

「ハヤト……愛してるよ」

「俺も愛してる……」

 何度もキスをして、舌を絡め合う。
 リカルドの胸で、俺は今日も眠りについた。
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