異世界転移した俺の、美味しい異世界生活

yahagi

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釣り堀で釣り体験

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 それから、3日が過ぎた。
 コーラはまだ完成していないが、店は買い、リフォームを頼んである。
 従業員も8人採用し、制服の採寸を済ませてある。
 ハンバーガー屋マリーはもうすぐ開店であるが、俺は今日お休み。
 明後日リカルドが旅立つ。
 それと、ハインケルから釣り堀のプレオープンの知らせを受け取っていた。
 リカルドは午前中、競いスケートに出ているので、俺は家でのんびりソリティアしていた。

 鐘12が鳴った頃、リカルドが家に帰って来た。

「待たせたな、行こうぜ」

「うんっ」

 俺はリカルドと手を繋いで歩いた。
 場所は荒れ地だったという、町長の私有地。
 そこは見事な釣り堀に変わっていた。

 受付で招待状を見せて、中に入る。
 係員は丁寧に説明してくれた。
 釣り竿を持って、良さげな場所に腰を下ろす。
 餌をつけて、さあ、投げるぞ!

「えいっ」

 ひゅう~、ぽちゃん。
 まずまずの場所に落ちたぞ。
 リカルドはヒュッと投げて、遠くに飛ばした。
 おっ、あっち側にアラブレヒトがいるぞ。

 ……おっと、竿が引かれてる。
 俺は魚を走らせながら引き寄せた。
 俺の横でリカルドはひょいっと釣り上げ、網を持って待ってくれてる。
 優しい、大好き。
 俺は魚を走らせて弱らせ、引き寄せた。
 すかさずリカルドが網ですくい取ってくれる。
 
「まあまあデカい魚だったな。もう一匹ずつ釣れば十分か?」

「うん、そうだね。そうしよう」

 俺とリカルドは再び釣り竿を持ち、魚を待った。
 少し待つと、竿を大きく引かれた。
 俺の横でリカルドはひょいっとデカい魚を釣り上げている。
 俺は魚を走らせて、なんとか弱らせて引き寄せた。
 リカルドが網ですくい取ってくれた。
 
「今のはデカかったな。いきの良い魚を随分放してありそうだ。釣り体験には丁度良いな」

「こんなに大きな魚が釣れて嬉しいよ」

 俺がバケツを持ち、リカルドが釣り竿を持った。
 受付に釣り竿を返し、奥の屋根のある煮炊き場所へ行く。
 そこでバケツを渡すと、あっと言う間にさばかれ、鍋に入れられた。
 野外の席に通されて、鍋が煮えるまで待つ。
 俺はお餅が具材に入っていて、ニヤリとした。
 プレゼン資料に餅の作り方も載せておいたのだ。

 やがて煮えた頃、蓋を取る。
 良い匂いだ。
 俺はリカルドの分をよそい、リカルドに渡した。

「どうぞ。お餅も入っているよ」

「頂きます。うーん、伸びるじゃねえか」

 リカルドのお餅がみょーんと伸びている。
 噛みきったリカルドは、つゆをすすりながら俺をみた。
 俺もお餅を食べる。
 みょーんと伸びたお餅を見て、リカルドが笑った。

「珍しい食いもんだな。食感がモチモチしてる。こんなに伸びるとは思わねえよ」

 リカルドはお餅を食べつつ、魚を食べた。

「うめえ。味噌が良い味出してる」

 俺も魚を食べる。
 ほくほくしていて、とても美味しい。

「身がほくほくしていて、とっても美味しいよ。野菜もこんもり入っていて豪華だ。豆腐も熱々で美味しい」

「釣り体験は、銅貨3枚、鍋が銅貨3枚。合計ひとり銅貨6枚か。特に釣りが安い。釣り竿のレンタル代と同額だ」

「そっか。でもきっとたくさんお客さんが来るよ。釣りに縁のない町人が釣りを体験出来る唯一の場所だもの」

 リカルドは頷いて、鍋をガツガツ食べた。
 俺も美味しく食べ進め、おなか一杯になってきた所で〆のうどんを入れる。
 リカルドは笑顔でうどんも食べきった。
 俺は器に半分だけよそい、〆のうどんを堪能した。

「エールとデザートは別料金か。そりゃあそうだ。ハヤトはどうする?」

「せっかくだから、エールを飲もうかな」

「じゃあ、エール2つ」

 係員がエールをドンと持ってきた。
 俺達は乾杯して、リカルドの午前中の勝利を祝った。
 リカルドは2勝1敗。
 ルナウド騎士団長はおらず、モロゾフに敗れたそうだ。

「モロゾフはやけに粘り強さがあるんだよ。なかなか突き放せねえし、隙を見せると追い抜かれる」

「モロゾフはパン屋をやりたいんだって聞いたよ。競いスケートの走者は給料が破格なんだって」

「あいつ、競いスケートは天職だと思うけどな。まあいいさ。明日は俺が勝つ!」

「頑張ってね。応援しているよ」

 エールを飲み終わって、席を立つ。
 この釣り堀は人気出るだろうなぁ。

「気に入ったなら、また来ようぜ。夏はプールになるんだろ?」

「うん! 夏は絶対来ようね。俺、水遊びしたいっ」

 リカルドは頷いて、俺と手を繋いで歩いた。
 招待客のはしゃいだ声を聞きながら、俺はゆっくり歩いたのだった。

 家に帰るにはまだ早い、ということで、やってきたのは紳士の遊び場だった。
 リカルドは早速強そうな町人に挑戦している。
 俺はちょっと下手そうな人に挑戦した。

「ああっ! ガターだっ!」

 俺はレーンから外れたボールを見送った。
 対戦している町人が投げる!
 6本残った。
 もう一度投げて、2本残る。
 俺の番が来て、俺は気合いを入れて投げた。
 4本残った。
 もう一度投げて、1本残った。

 トータルで言うと、町人の勝ち。
 ぐぬぬ、あそこでスペアが出ていれば勝てたかもしれないのにっ。
 スペアの数が町人の方が多かった。

 俺は観戦に回り、リカルドを応援した。
 リカルドはパーフェクトでゲームを終えて、良い笑顔で戻ってきた。

「パーフェクト、凄いね。次の大会にも出るの?」

「ああ、丁度帰って来ている頃だしな。打倒アラブレヒトだ。勿論油断はしねえ」

「アラブレヒトも強いもんね。応援しているよ」

 リカルドは俺と一緒にオセロ台に行って、一台借りた。
 俺と勝負するそうだ。
 俺は黒い石を選んで、まず左に置いた。

 ゲームはリカルドの勝ちだったが、楽しかった。
 俺は弱めな人を選んで、挑戦した。
 2人勝ち抜き、次で負けた。
 リカルドは4人抜き。
 5人目をみるみる追い込み、勝利した。

「ああ、楽しかった。帰ろうか、ハヤト」

「うん。今夜は外食でも良い?」

「勿論良いぞ。どこに行きたい?」

「焼き肉屋カルビ。食べ放題行きたい」

 リカルドは俺と手を繋いで歩き出した。
 外は二つの月がぽっかりと浮かんでいる。
 俺はマフラーの口元を引き上げて、吹きつける風をやり過ごした。

 焼き肉屋カルビでエールと肉5皿を頼むと、すぐにエールが届けられた。
 二人で乾杯して飲んでいると、お肉とご飯、スープも届いた。
 早速お肉を焼いていく。
 俺はタンを担当し、リカルドはカルビ担当だ。
 良さげなところでひっくり返し、火を通す。

「タン焼けたよ。レモンでどうぞ」

「カルビも良いぞ。端によけておくからな」

 俺達はどんどん肉を焼いていく。
 タンを食べると、うまみが舌に広がった。
 カルビは焼き肉のタレをつけて食べる。
 ううーん、美味しい。
 
「次ロース焼くぞ。ハヤトはレバーな」

「任せて。美味しく焼くよ」

 次、ホルモンも焼いて、食べた。
 くにゅくにゅしていて、凄く美味しい。
 リカルドはカルビ2皿とご飯のおかわりを頼んだ。
 届いたお肉を早速焼き始めるリカルド。
 俺は焼き上がったお肉を半分食べた。
 最後の一皿は、リカルドが全部食べた。

「ああ、美味かった。やっぱり肉は格別に美味いな。デザートはどうする?」

「プリン食べる」

「プリン2つと、エールおかわり」

 すぐ運ばれてきたプリンを食べて、残りのエールを飲み干す。
 リカルドの美味しそうに食べる顔を見て、頬を緩める。
 こういう時、店を作って良かったと思う。

 時間が来たので、店を出る。
 暗い夜道を、リカルドと歩く。
 手を繋いでいるので、あたたかい。
 幸せな夜は、ゆっくりと更けていった。
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