異世界転移した俺の、美味しい異世界生活

yahagi

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ハンバーガー屋マリー

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 翌日、天気は晴れていた。
 リカルドは競いスケート最終日。
 気合い十分に出かけていった。
 俺は支店に出社し、コーラの試作にいそしんだ。
 レモンソーダとサイダーは出来上がった。
 コーラも後一息だ。
 俺はコーラの調合を頑張った。

 昼ご飯は、甘辛い鳥肉とピーマンの炒め物。
 とても美味しく、ご飯をおかわりした。
 やる気十分の俺に、アラブレヒトが声をかける。

「午前中、ハインケルと会ってきたよ。第三王子殿下からのお礼状を見せてくれた。わたあめは高値で売っているけれど、行列が毎日出来る程の人気だそうだ。王都といえばわたあめ、と言われる位に、雲を食べる体験は好評だよ」

「それは良かった。逆に安値のお好み焼きはどうだい?」

「立ち食い出来るのが良いみたいでね。濃いソースの味が労働者にウケて、こちらも飛ぶように売れているそうだよ。麺文化を広げる試みも王子殿下自らパスタの店を経営して、市民に周知しようとなさっているようだ」

「そうか。リカルドもこれからは、王都で麺を食べられるようになるんだね。それは嬉しいな」

「それとね。食べ放題の店が王都でも話題に上がったそうでね。王子殿下は部下に食べ放題の店を作るように命じたそうだよ。どんなお店が出来るのか楽しみだね」

「それは楽しみだね。貴族がどんな食べ放題の店を作るのか、興味があるよ」

 俺達は笑いあい、仕事に戻った。
 俺は鐘3つ、ガトーショコラとサイダーを出した。

「このサイダー、シュワシュワしてて、甘くてとっても美味しいよ」

「ガトーショコラもサイダーも美味しいわ」

「サイダーおかわりっ! こりゃあ新しい飲み物だな」

 サイダーの反応は良かった。
 でも俺は出来るだけコーラの再現をしたかった。
 繰り返し調合し、飲んでいく。
 ようやく出来上がったのは、夜だった。

「やった……コーラが出来上がったぞ!」

 厳密な味は比べようがないが、俺にとってはコーラである。
 苦労した分、美味しいと感じる。

 夜ご飯は、お好み焼きとコーラ。
 アラブレヒトは一口飲んで、にっこり笑った。

「とても美味しいよ。炭酸が爽やかで、サイダーとも違った甘さの飲み物だね」

「甘いのにくどくなくて、炭酸の爽やかさが残るわね。子供が好きそうよ」

「酒で割って飲んでもうまそうだ。冷蔵室に作っておいてくれよ」

 皆の評判も良く、俺はほっとした。
 食後は、家に帰る。
 明かりのついた家に帰るのは今日が最後か。
 俺は笑顔でリカルドの待つ家に帰った。





 翌日は、リカルド出立の朝である。
 朝食は、チーズバーガーと照り焼きバーガーと、ポテトとコーラ。
 いち早くハンバーガー屋マリーを体験して貰おうというわけである。

「ハンバーガーは両方美味い。ポテトも塩がきいてて美味いし、コーラも美味い。夢のようなセットだな」

「リカルドの口に合って良かった。ハンバーガー屋マリーのマリーは、リカルドのハヌーンのマリーから取ったんだ。きっと人気店になるよ」

 リカルドはくしゃりと笑って、俺に口づけた。

「弁当も作って貰って悪いな。昼はこれが楽しみなんだ。チョコレートもキャラメルも、大量にありがとうな」

 俺はリカルドに抱きつくと、チュッとキスをした。

「行ってらっしゃい。気を付けてね」

 リカルドは手を振って出立していった。
 俺は出来上がったハンバーガー屋マリーに足を運んだ。
 うん、よく出来てる。
 俺は建築士に報酬を支払い、エルランドさんと、ヘンリエッタを呼んだ。





 この日は絵師とメニュー屋に一品ずつハンバーガーを出して、絵を描いて貰った。
 メニューもセットの書き方に気を使った。

 デザートは四角く揚げた、アップルパイ、カスタードパイ、チョコレートパイの3種類。
 飲み物は、紅茶、緑茶、コーラ、サイダー、レモンソーダ、エールから選べる。
 チキンナゲットは別料金。
 ハンバーガーとポテトとドリンクで5銅貨だ。
 ハンバーガーは、ハンバーガー、チーズバーガー、照り焼きバーガー、フィッシュバーガー、ベーコンレタスバーガー、ダブルバーガー、えびカツバーガー、チキンカツバーガー、コロッケバーガーの9種類から選べる。

 俺、リカルドとハンバーガー屋マリーでまったりしたいなあ。
 こういうお店、好きなんだ。
 絵師とメニュー屋が仕事を終えて、帰って行く。
 俺は支店に帰り着いて、夕食のカレーライスを食べた。
 食後は、ひとりの家に帰る。
 次にリカルドが帰ってくるのは春だ。
 きっと、氷も溶けている事だろう。





 翌日はハンバーガー屋マリーのプレオープンだ。
 俺は服飾ギルドのジルさんから制服を受け取り、報酬を支払った。
 集合した従業員に制服を配り、レシピを伝授していく。
 ハンバーガー屋マリーの説明をして、コーラをおすすめするようにマニュアルを組んだ。

 朝のうちにセットのご案内などの練習をして、カウンター担当も気合いを入れていく。
 鐘10、開店の時間だ。
 今日はプレオープンなので、すぐに客は来ない。
 店内の掃除をして、お客さんを待つ。

 鐘12が鳴り、孤児院の子供8名とシスターがやってきた。
 カウンターでメニューを選ぶ子ども達。

「あたし、チーズバーガー!」

「俺はベーコンレタスバーガーがいい!」

「あたし……照り焼きバーガー」

「かしこまりました。お飲み物はいかがなさいますか? コーラがオススメとなっております」

「じゃあ、みんなコーラでお願いします」

「サイドメニューのチキンナゲットや、デザートにアツアツのパイは如何でしょうか?」

「じゃあ、チキンナゲットを5つと、アップルパイとカスタードパイ、チョコレートパイを2つずつで」

「かしこまりました。お席までお持ちしますので、お座りになってお待ちください」

 席に着いたシスターが、俺を見て頭を下げた。

「いつもお世話になっております。先日は焼き肉屋カルビにも行かせて頂きました。子供たちも大喜びで……本当にありがとうございます」

「いえいえ、俺に出来ることをしたまでです。これ、食べ放題各種のお店の無料チケットです。ぜひ行ってみて下さいね」

「こんなにいっぱい……。本当にありがとうございます」

 俺は頭を下げるシスターと別れて、入ってきたアラブレヒトとご友人8名に笑顔を向けた。

「やあハヤト。自分でカウンターに行って注文するんだろ? さっそくやってみるよ」

 合計9名なので、なかなか混雑している。
 そこにサンラクさんとご友人4名がやってきた。

「よう、ハヤト。自動ドアは元気に動いとるようだな。注文はカウンターでするんじゃな、行ってくる」

 注文をさばいていく、カウンター担当が頼もしい。

「お次の方、どうぞ!」

「儂はこのセットで。チキンナゲットと、アップルパイも頼むぞ」

「お飲み物はオススメのコーラで宜しいでしょうか?」

「良いぞ」

「かしこまりました。7銅貨になります」

「オーダー、照り焼きバーガーセット、チキンナゲットと、アップルパイ!」

「お席までお持ちいたしますので、こちらの札をお持ちになってお待ちください」

 冒険者ギルドのギルド長とご友人4名と、メリッサさんとご友人4名がやってきた。

「ハヤト、ここはどういう店だ?」

「はい。カウンターでまず、ご注文をしていただきます。それで出来上がるまでお席でお待ちいただきます」

「わかった。カウンターに行けば良いのだな」

「いらっしゃいませ、ハンバーガー屋マリーへようこそ。ハンバーガーとポテトとドリンクで銅貨5枚です。サイドメニューにチキンナゲットと、あまーいパイもございます」

「じゃあ、ダブルバーガーのセットで。飲み物はエール。チキンナゲットと、パイは3種類一個ずつくれ」

「かしこまりました。9銅貨になります」

「お席までお持ちいたしますので、こちらの札を持ってお待ちください」

 店内が賑やかになってきた。
 そこに料理ギルドの6名がやってきた。

「ハヤト。カウンターで注文をするんじゃろう? 行ってくるぞい」

「ハンバーガー屋マリーへようこそ!」

 カウンター担当は大丈夫そうだ。
 おっと、町長一家がやってきた。
 ハインケルが気さくに微笑む。

「やあ、ハヤト。客がカウンターへ行って注文する店なんて初めてさ。これで店が回るなら、色んな店に使えそうだよね」

「そうだね。この店は持ち帰りにも対応しているから、この形式のほうがやりやすいんだ」

 町長一家もカウンターへ立った。

「いらっしゃいませ、ハンバーガー屋マリーへようこそ! ハンバーガーは9種類から選べます。飲み物はコーラがオススメです。サイドメニューもぜひどうぞ」

「じゃあ、照り焼きバーガーセット、コーラで。それとチキンナゲットとチョコレートパイ」

「私はダブルバーガーセット、紅茶で。チキンナゲットとカスタードパイ」

「わたくしは、チーズバーガーセット、コーラで。チキンナゲットとアップルパイ」

「かしこまりました。お席までお持ちいたしますので、こちらの札をお持ちになって、お席でお待ちください」

 町長一家も着席した。
 キッチンを見に行くと、ものすごくいっぱいポテトが揚がっていた。
 塩が振られて、紙の袋に入れられ、ハンバーガーと一緒に運ばれていく。
 
 しばらく経って、全員分の注文が出来上がった。
 孤児院の子供たちは帰る時間だ。
 年長の男の子が俺を見て笑った。

「兄ちゃん、美味しかったよ。いつもありがとう」

「良いんだよ。お腹いっぱいになったかい?」

「うんっ」

 孤児院の子供たちは元気そうに帰って行った。
 ちゃんとゴミを捨ててくれた子供たち。
 俺は席を立ったアラブレヒトに声をかけられた。

「安価な紙で包んで、客に後片付けをさせるのか。画期的な店だね」

「トレイに全部乗せているから、机も汚れにくいしね。どうだった?」

「美味しかったよ。セットで5銅貨だけど、ついついサイドメニューも頼んじゃうね。意外と儲かるかもしれないよ」

「儲かるといいな。夢は大きく、王都進出さ!」

 俺達は笑いあい、俺はアラブレヒトとご友人を見送った。
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