18 / 31
町へお出かけその1
しおりを挟む
翌日の朝食後、僕はダンティスと変装をしていた。
薄い桃色のシャツに、茶色のズボン。
黄土色の帽子に、サングラス。
僕の長い髪は左右に三つ編みに編まれている。
ダンティスはやりきった感を出して、僕を鏡の前に立たせた。
「如何でしょう、シェラヘザード様。これなら町にいても馴染める事でしょう」
「うんっ、可愛いよね。帽子も被っているし、サングラスもしてる。完璧だねっ」
そこに準備を終えたザイルとハロルドが入ってきた。
ザイルは胸当てと、腕と足に防具をつけている。
剣を下げており、冒険者らしい格好だ。
「うわぁ、格好良い。流石黒狼少年、冒険者の格好が似合うね」
「シェラヘザードも可愛いぞ。三つ編み似合ってるよ」
ザイルは僕にチュッとキスをして、斜めがけの鞄を肩にかけてくれた。
「金が入ってんのか。スリに要注意だぞ。鞄を手放さないようにしてな」
「うん、わかったっ」
「ダンティスとハロルドも準備いいか?」
「はい」
「じゃあ、町に行こうか。パレードで通った大通りを歩くぞ」
僕達はザイルと一緒に歩き出した。
広い王宮の庭の真ん中を通って、町に出る。
大きな城門を抜けるとそこは、雑多な町が広がっていた。
「うわあ、町だぁ」
「はぐれないように、手を繋ぐぞ。このあたりは住宅街だ。市場があるから、もっと奥に行くぞ」
「うんっ」
僕はザイルと手を繋いで歩く。
このあたりは住宅街とのことで、結構静かだ。
そこからだんだんざわめきが広がっていく。
たどり着いた場所は市場で、とてもうるさい。
色とりどりの野菜が並べられ、行き交う人がそれを買っていく。
「うわあ、迫力が凄いね。あっちは大きなお魚をさばいているよ。あっ、横のお店で焼いてる!」
「すぐに食えるような店もある。ちょっとつまみ食いしてみるか?」
「うん、食べたいっ」
「おーい、おっちゃん、串焼き4つ」
「あいよ、銅貨8枚だよ」
「あっ、僕が払うよ。お金持ってきたんだ。銅貨はこれでしょ、はいっ、8枚ね」
「毎度ありっ」
ダンティスとハロルドにも渡して、お魚の串焼きにかぶりつく。
ちょっとお醤油が塗ってあって、とっても美味しい。
「とっても美味しいね。ご飯が欲しくなっちゃう」
「握り飯もあっちに売ってるが、そんなに食えないだろ。次はあっちの屋台を見ようぜ」
串焼きを食べ終わり、再び手を繋いで歩く。
そこには新鮮な野菜を使ったサンドイッチがずらりと並んでいた。
大きなバケットに刃を入れて、バターを塗る女性をぼーっと眺める。
たっぷりのレタスとハムとチーズが挟まれ、身体の大きな男性が買っていく。
隣の屋台では柔らかなパンに、プルドポークをたっぷり挟んだボリューミーなサンドイッチだ。
お肉が良い匂いで、近寄ってしまいそうになる。
「シェラヘザード様、あちらに小さなサンドイッチがありますよ」
「ほんとだ!」
小さなサンドイッチ屋さんでは、色んな種類が売られていた。
トマトとお肉が挟んであるもの、レタスとお魚、プルドポーク、ハムチーズ、豆料理、卵料理など多彩なラインナップ。
「俺はトマトと肉のやつ。シェラヘザードは?」
「プルドポーク! ダンティスとハロルドは?」
「俺達はハムチーズを一つとプルドポークを一つお願いします」
「毎度ありっ、銅貨12枚だよっ」
「えっと、はい、銅貨12枚!」
お金を払って、サンドイッチを受け取る。
一口サイズだけど、ボリュームたっぷりだ。
少し端に寄って、立ち食いで食べる。
「うーん、美味しいね。ソースが染みててコクがあるよ」
「一口で終わっちまうけど、つまみ食いには良いだろ。次はデザートと行こうぜ」
ザイルと手を繋いで行った先には、栗が山ほど並べられていた。
それと、柿と梨が皮を剥かれて小さく切られ、串に刺されている。
「栗は果樹園で食べれるから、柿か梨がいいな。あっちに林檎もあるぞ」
「僕は梨がいいっ」
「俺も梨がいいですね」
「俺も」
「俺もだ。じゃあおっちゃん、梨4本な!」
「あいよっ、銅貨12枚な!」
「はい、銅貨12枚!」
「毎度ありっ」
梨をかじると、シャリッとした食感で、すごく瑞々しくて甘い。
「うーん、美味しいっ、瑞々しいね」
「市場はとれたての食材が運ばれてくるんだ。あと、玩具や本、骨董品なんかも集まる。こっちだ」
そこに並んでいたのは、ちょっと奇天烈な置物と古ぼけた書物だった。
あっ、でも、あの硝子で出来た兎の置物はちょっと格好良いな。
「ん? これが欲しいか?」
ザイルが兎の置物を持ち上げる。
土台もしっかりしてるし、買っても良いかも。
「ちょっと欲しいな。値段は……金貨2枚?! ちょっと高すぎる!」
「まあ待て、シェラヘザード。ここは値切るに限るぜ」
そう言うとザイルは店主と値切り合戦を始めた。
「銅貨10枚!」
「いやいや、金貨1枚は頂きますよ。金貨1枚と銀貨5枚で如何ですか?」
「銀貨3枚だ。兎の造形が甘いし結構古い」
「くっ、銀貨8枚!」
「銀貨4枚でどうだ?」
「わかりました、銀貨5枚で手を打ちましょう」
「銀貨5枚でどうだ? シェラヘザード」
「うん、買うよっ! ありがとう、ザイル、店主さん」
僕は銀貨5枚払って、兎の置物を手に入れた。
置物はダンティスが持ってくれた。
「良いお買い物でございますね、シェラヘザード様」
「うんっ、帰ったら磨いて部屋に飾ろうねっ」
「次は大通りを歩くぞ。人が多いからはぐれないようにな」
僕はザイルの手をギュッと握って、大通りに入った。
雑多な町が広がっている。
「この店は何? 大きいね」
「ここは服飾屋だ。古着もオーダーメイドも扱ってる。あっちの、剣の看板の店は何かわかるか」
「もしかして、武器屋?」
「正解だ。ちょっと入ってみよう」
僕はドキドキしながら、武器屋に足を踏み入れた。
店内は剣や槍、斧など、武器が一杯だ。
僕が扱うなら、短剣だろうか。
ずらりと並んだ剣を前に、ドキドキが止まらない。
冒険に出るなら、長剣だろう。
無造作に樽に入れられた長剣の一本を手に取り、鞘から抜いてみる。
刃は刃こぼれ一つなく、美しい刃だった。
どちらにせよ、僕には扱えない。
刃を鞘に収めて、樽に戻した。
「ダンティス、それはなあに?」
「まきびしです。敵から逃げるときに時間稼ぎになるかと思いまして」
「いいと思うよ。直接戦うだけじゃないからね」
ハロルドも賛成のようだ。
ダンティスはまきびしをお買い上げ。
僕は冒険者気分を味わえて満足だ。
その後、防具屋に行ったのだが、ザイルが僕の身体に合う胸当てと、腕と足の防具を選び、なんと買ってしまった。
「これ、着てみたはいいけど、何に使うの?」
「もうちょい先になるが、アメジストダンジョンに行こう。主なアタッカーはダンティスとハロルドに任せて、俺達はダンジョンデートと洒落込もうぜ」
「そんなの……素敵だね。アメジストダンジョンは弱いって聞くし、良いかも」
「シェラヘザードはいつかダンジョンに行きたいって言い出すと思ってな。弁当持って、ピクニックしようぜ」
「賛成! ダンティスとハロルドも良い?」
「勿論良いですよ、シェラヘザード様。露払いは我等にお任せを」
「ダンジョンなんて久しぶりだね、ダンティス」
皆乗り気だ。
僕はどんどん夢が叶っていくのを感じていた。
この幸福さが伝わればいい。
僕はふわりと微笑んで、次の店へと進むのだった。
薄い桃色のシャツに、茶色のズボン。
黄土色の帽子に、サングラス。
僕の長い髪は左右に三つ編みに編まれている。
ダンティスはやりきった感を出して、僕を鏡の前に立たせた。
「如何でしょう、シェラヘザード様。これなら町にいても馴染める事でしょう」
「うんっ、可愛いよね。帽子も被っているし、サングラスもしてる。完璧だねっ」
そこに準備を終えたザイルとハロルドが入ってきた。
ザイルは胸当てと、腕と足に防具をつけている。
剣を下げており、冒険者らしい格好だ。
「うわぁ、格好良い。流石黒狼少年、冒険者の格好が似合うね」
「シェラヘザードも可愛いぞ。三つ編み似合ってるよ」
ザイルは僕にチュッとキスをして、斜めがけの鞄を肩にかけてくれた。
「金が入ってんのか。スリに要注意だぞ。鞄を手放さないようにしてな」
「うん、わかったっ」
「ダンティスとハロルドも準備いいか?」
「はい」
「じゃあ、町に行こうか。パレードで通った大通りを歩くぞ」
僕達はザイルと一緒に歩き出した。
広い王宮の庭の真ん中を通って、町に出る。
大きな城門を抜けるとそこは、雑多な町が広がっていた。
「うわあ、町だぁ」
「はぐれないように、手を繋ぐぞ。このあたりは住宅街だ。市場があるから、もっと奥に行くぞ」
「うんっ」
僕はザイルと手を繋いで歩く。
このあたりは住宅街とのことで、結構静かだ。
そこからだんだんざわめきが広がっていく。
たどり着いた場所は市場で、とてもうるさい。
色とりどりの野菜が並べられ、行き交う人がそれを買っていく。
「うわあ、迫力が凄いね。あっちは大きなお魚をさばいているよ。あっ、横のお店で焼いてる!」
「すぐに食えるような店もある。ちょっとつまみ食いしてみるか?」
「うん、食べたいっ」
「おーい、おっちゃん、串焼き4つ」
「あいよ、銅貨8枚だよ」
「あっ、僕が払うよ。お金持ってきたんだ。銅貨はこれでしょ、はいっ、8枚ね」
「毎度ありっ」
ダンティスとハロルドにも渡して、お魚の串焼きにかぶりつく。
ちょっとお醤油が塗ってあって、とっても美味しい。
「とっても美味しいね。ご飯が欲しくなっちゃう」
「握り飯もあっちに売ってるが、そんなに食えないだろ。次はあっちの屋台を見ようぜ」
串焼きを食べ終わり、再び手を繋いで歩く。
そこには新鮮な野菜を使ったサンドイッチがずらりと並んでいた。
大きなバケットに刃を入れて、バターを塗る女性をぼーっと眺める。
たっぷりのレタスとハムとチーズが挟まれ、身体の大きな男性が買っていく。
隣の屋台では柔らかなパンに、プルドポークをたっぷり挟んだボリューミーなサンドイッチだ。
お肉が良い匂いで、近寄ってしまいそうになる。
「シェラヘザード様、あちらに小さなサンドイッチがありますよ」
「ほんとだ!」
小さなサンドイッチ屋さんでは、色んな種類が売られていた。
トマトとお肉が挟んであるもの、レタスとお魚、プルドポーク、ハムチーズ、豆料理、卵料理など多彩なラインナップ。
「俺はトマトと肉のやつ。シェラヘザードは?」
「プルドポーク! ダンティスとハロルドは?」
「俺達はハムチーズを一つとプルドポークを一つお願いします」
「毎度ありっ、銅貨12枚だよっ」
「えっと、はい、銅貨12枚!」
お金を払って、サンドイッチを受け取る。
一口サイズだけど、ボリュームたっぷりだ。
少し端に寄って、立ち食いで食べる。
「うーん、美味しいね。ソースが染みててコクがあるよ」
「一口で終わっちまうけど、つまみ食いには良いだろ。次はデザートと行こうぜ」
ザイルと手を繋いで行った先には、栗が山ほど並べられていた。
それと、柿と梨が皮を剥かれて小さく切られ、串に刺されている。
「栗は果樹園で食べれるから、柿か梨がいいな。あっちに林檎もあるぞ」
「僕は梨がいいっ」
「俺も梨がいいですね」
「俺も」
「俺もだ。じゃあおっちゃん、梨4本な!」
「あいよっ、銅貨12枚な!」
「はい、銅貨12枚!」
「毎度ありっ」
梨をかじると、シャリッとした食感で、すごく瑞々しくて甘い。
「うーん、美味しいっ、瑞々しいね」
「市場はとれたての食材が運ばれてくるんだ。あと、玩具や本、骨董品なんかも集まる。こっちだ」
そこに並んでいたのは、ちょっと奇天烈な置物と古ぼけた書物だった。
あっ、でも、あの硝子で出来た兎の置物はちょっと格好良いな。
「ん? これが欲しいか?」
ザイルが兎の置物を持ち上げる。
土台もしっかりしてるし、買っても良いかも。
「ちょっと欲しいな。値段は……金貨2枚?! ちょっと高すぎる!」
「まあ待て、シェラヘザード。ここは値切るに限るぜ」
そう言うとザイルは店主と値切り合戦を始めた。
「銅貨10枚!」
「いやいや、金貨1枚は頂きますよ。金貨1枚と銀貨5枚で如何ですか?」
「銀貨3枚だ。兎の造形が甘いし結構古い」
「くっ、銀貨8枚!」
「銀貨4枚でどうだ?」
「わかりました、銀貨5枚で手を打ちましょう」
「銀貨5枚でどうだ? シェラヘザード」
「うん、買うよっ! ありがとう、ザイル、店主さん」
僕は銀貨5枚払って、兎の置物を手に入れた。
置物はダンティスが持ってくれた。
「良いお買い物でございますね、シェラヘザード様」
「うんっ、帰ったら磨いて部屋に飾ろうねっ」
「次は大通りを歩くぞ。人が多いからはぐれないようにな」
僕はザイルの手をギュッと握って、大通りに入った。
雑多な町が広がっている。
「この店は何? 大きいね」
「ここは服飾屋だ。古着もオーダーメイドも扱ってる。あっちの、剣の看板の店は何かわかるか」
「もしかして、武器屋?」
「正解だ。ちょっと入ってみよう」
僕はドキドキしながら、武器屋に足を踏み入れた。
店内は剣や槍、斧など、武器が一杯だ。
僕が扱うなら、短剣だろうか。
ずらりと並んだ剣を前に、ドキドキが止まらない。
冒険に出るなら、長剣だろう。
無造作に樽に入れられた長剣の一本を手に取り、鞘から抜いてみる。
刃は刃こぼれ一つなく、美しい刃だった。
どちらにせよ、僕には扱えない。
刃を鞘に収めて、樽に戻した。
「ダンティス、それはなあに?」
「まきびしです。敵から逃げるときに時間稼ぎになるかと思いまして」
「いいと思うよ。直接戦うだけじゃないからね」
ハロルドも賛成のようだ。
ダンティスはまきびしをお買い上げ。
僕は冒険者気分を味わえて満足だ。
その後、防具屋に行ったのだが、ザイルが僕の身体に合う胸当てと、腕と足の防具を選び、なんと買ってしまった。
「これ、着てみたはいいけど、何に使うの?」
「もうちょい先になるが、アメジストダンジョンに行こう。主なアタッカーはダンティスとハロルドに任せて、俺達はダンジョンデートと洒落込もうぜ」
「そんなの……素敵だね。アメジストダンジョンは弱いって聞くし、良いかも」
「シェラヘザードはいつかダンジョンに行きたいって言い出すと思ってな。弁当持って、ピクニックしようぜ」
「賛成! ダンティスとハロルドも良い?」
「勿論良いですよ、シェラヘザード様。露払いは我等にお任せを」
「ダンジョンなんて久しぶりだね、ダンティス」
皆乗り気だ。
僕はどんどん夢が叶っていくのを感じていた。
この幸福さが伝わればいい。
僕はふわりと微笑んで、次の店へと進むのだった。
33
あなたにおすすめの小説
巷で噂の国宝級イケメンの辺境伯は冷徹なので、まっっったくモテませんが、この度婚約者ができました。
明太子
BL
オーディスは国宝級イケメンであるにも関わらず、冷徹な性格のせいで婚約破棄されてばかり。
新たな婚約者を探していたところ、パーティーで給仕をしていた貧乏貴族の次男セシルと出会い、一目惚れしてしまう。
しかし、恋愛偏差値がほぼ0のオーディスのアプローチは空回りするわ、前婚約者のフランチェスカの邪魔が入るわとセシルとの距離は縮まったり遠ざかったり…?
冷徹だったはずなのに溺愛まっしぐらのオーディスと元気だけどおっちょこちょいなセシルのドタバタラブコメです。
【本編完結】最強魔導騎士は、騎士団長に頭を撫でて欲しい【番外編あり】
ゆらり
BL
帝国の侵略から国境を守る、レゲムアーク皇国第一魔導騎士団の駐屯地に派遣された、新人の魔導騎士ネウクレア。
着任当日に勃発した砲撃防衛戦で、彼は敵の砲撃部隊を単独で壊滅に追いやった。
凄まじい能力を持つ彼を部下として迎え入れた騎士団長セディウスは、研究機関育ちであるネウクレアの独特な言動に戸惑いながらも、全身鎧の下に隠された……どこか歪ではあるが、純粋無垢であどけない姿に触れたことで、彼に対して強い庇護欲を抱いてしまう。
撫でて、抱きしめて、甘やかしたい。
帝国との全面戦争が迫るなか、ネウクレアへの深い想いと、皇国の守護者たる騎士としての責務の間で、セディウスは葛藤する。
独身なのに父性強めな騎士団長×不憫な生い立ちで情緒薄めな甘えたがり魔導騎士+仲が良すぎる副官コンビ。
甘いだけじゃない、骨太文体でお送りする軍記物BL小説です。番外は日常エピソード中心。ややダーク・ファンタジー寄り。
※ぼかしなし、本当の意味で全年齢向け。
★お気に入りやいいね、エールをありがとうございます! お気に召しましたらぜひポチリとお願いします。凄く励みになります!
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
追放された味見係、【神の舌】で冷徹皇帝と聖獣の胃袋を掴んで溺愛される
水凪しおん
BL
「無能」と罵られ、故郷の王宮を追放された「味見係」のリオ。
行き場を失った彼を拾ったのは、氷のような美貌を持つ隣国の冷徹皇帝アレスだった。
「聖獣に何か食わせろ」という無理難題に対し、リオが作ったのは素朴な野菜スープ。しかしその料理には、食べた者を癒やす伝説のスキル【神の舌】の力が宿っていた!
聖獣を元気にし、皇帝の凍てついた心をも溶かしていくリオ。
「君は俺の宝だ」
冷酷だと思われていた皇帝からの、不器用で真っ直ぐな溺愛。
これは、捨てられた料理人が温かいご飯で居場所を作り、最高にハッピーになる物語。
アプリで都合のいい男になろうとした結果、彼氏がバグりました
あと
BL
「目指せ!都合のいい男!」
穏やか完璧モテ男(理性で執着を押さえつけてる)×親しみやすい人たらし可愛い系イケメン
攻めの両親からの別れろと圧力をかけられた受け。関係は秘密なので、友達に相談もできない。悩んでいる中、どうしても別れたくないため、愛人として、「都合のいい男」になることを決意。人生相談アプリを手に入れ、努力することにする。しかし、攻めに約束を破ったと言われ……?
攻め:深海霧矢
受け:清水奏
前にアンケート取ったら、すれ違い・勘違いものが1位だったのでそれ系です。
ハピエンです。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
自己判断で消しますので、悪しからず。
ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学で逃げ出して後悔したのに、大人になって再会するなんて!?
灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。
オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。
ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー
獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。
そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。
だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。
話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。
そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。
みたいな、大学篇と、その後の社会人編。
BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!!
※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました!
※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました!
旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。
キノア9g
BL
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。
気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。
木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。
色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。
ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。
捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。
彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。
少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──?
騎士×妖精
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる