あなたが捨てた花冠と后の愛

小鳥遊 れいら

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レオ様と腹を割って話してから自分の思い込みで悩み、思い詰めていた事が分かってからもっと話せばよかった。もっと話していればこんなことにはならなかったかもしれないと後悔していた。

レオ様はずっと変わっていなかった。
あの時のままだった。

子どもたちはしっかりと向き合ってくれていたことが嬉しかった。こんな感情をなくした母を見捨てないでくれて嬉しかった。感謝しかなかった。レオ様がこの子たちを育ててくれたんだと思い、今度こそは母として、しっかりやっていこうと決意した。

15年以上の溝を埋めるのは並大抵の努力ではないことは分かっているけれどわたくしたち家族ならきっと大丈夫だと思えた。

数日がたち、お父様とお母様、太上皇帝と皇太后がお見舞いに来てくださり、お母様と皇太后は泣いていらしてお父様と太上皇帝は安心したような顔をしていた。

「お父様、お母様、太上皇帝、皇太后、ご心配おかけいたしました。申し訳ございません。」

「リリィ、もう大丈夫なのか」

「リリィ、本当によかった。あなたに何かあったらどうしようかと。もう一人で抱え込まないで。お願いだから無理だけはしないでちょうだい。」

お父様とお母様が抱きしめながら言ってくださった。

「リリエンヌ、愚息が本当に申し訳ない。」

「リリィちゃん、レオが本当にごめんなさい。もう大丈夫なの。無理はしないでね。」

太上皇帝と皇太后は失意の念にかられた顔をしていた。

「もう大丈夫です。レオ様ともしっかり話しました。子どもたちはこの2年間毎日わたくしのところに来ていろいろな話をしてくれました。今はとっても幸せです。」

5人で涙ながらに話していると勢いよくドアが開き、そこには泣き腫らした兄、ウィリアムの姿があった。

「リリィ!あぁ、リリィ。顔をよく見せてくれ。守ってやれなくて本当にすまない。不甲斐ない兄ですまない。頼むからもう一人で抱え込まないでくれ。無理だけはしないでほしい。」

ウィリアムお兄様が泣いている。わたくしは本当に周りが見えていなかったんだ。1人で必死になって空回りしていたんだ。

「お兄様。もう大丈夫ですよ。レオ様と子どもたちがいます。」

お兄様は泣きながら、いや笑顔を見せてくれた。
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